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林野庁

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第1部 第4章 第2節 木材産業の動向(8)


(8)CLT等新たな製品・技術の開発・普及

従来余り木材が使われてこなかった分野における木材需要を創出する、新たな製品・技術の開発・普及が進んでいる(*136)。


(*136)林野庁が策定している「森林・林業・木材産業分野の研究・技術開発戦略」について詳しくは、第2章(67-68ページ)を参照。



(ア)建築分野における取組

(CLTの利用と普及に向けた動き)

一定の寸法に加工されたひき板(ラミナ)を繊維方向が直交するように積層接着したCLT(*137)(直交集成板)が、近年、新たな木材製品として注目されている。欧米を中心に、CLTを壁や床、階段等に活用した中高層を含む木造建築物が建てられており(資料4-34)、我が国においても共同住宅、ホテル、オフィスビル、校舎等がCLTを用いて建築されている(事例4-5)。

資料4-34 CLTを使用した高層建築物の例(カナダ)

事例4-5 CLT、木質耐火部材を使用した都市部における中高層建築物の建設

平成31(2019)年2月、宮城県仙台市に木造と鉄骨造を組み合わせた10階建ての集合住宅が竣工した。同施設では、平成29(2017)年に耐火構造(2時間)の国土交通大臣認定を取得した木質耐火部材を柱の一部に利用しており、一部の居室では木造柱の木部が現しとなっている。さらに、CLTを4~10階の床版及び1~5階の耐震壁として利用している。CLTの原料には国産のスギを、木質耐火部材の原料には国産のスギ及びカラマツをそれぞれ使用している。木質耐火部材やCLTといった木質材料を構造材として本格的に利用した建築物としては国内で最高層であり、高層建築物における木材利用の先進事例として、今後の普及に資することが期待される。

また、兵庫県神戸市においても、5階建ての木質部材と鉄骨の混構造による建築物が平成31(2019)年2月に供用を開始した。1階が鉄筋コンクリート造、2~5階がCLTと鉄骨ハイブリッド構造となっている。CLT耐震壁を現しで利用しながら建物全体の耐火性能を確保しており、都市部防火地域の優良な建築事例として、今後における都市部の木造化・内装木質化の普及につながることが期待される。

CLTを使用する利点は、コンクリート造などと比べてコンクリートの養生期間が不要であるため、工期の短縮が期待できることや、建物の重量が軽くなり、基礎工事の簡素化が図れることが挙げられる。また、CLTはコンクリートに比べて断熱性が高く、床や壁にパネルとして使用すれば、高い断熱性能を確保することができる。

CLTの普及に当たっては、平成26(2014)年11月に、「CLTの普及に向けたロードマップ(*138)」が林野庁と国土交通省の共同で作成され、基準強度や一般的な設計法の告示の整備や、実証的建築による施工ノウハウの蓄積、令和6(2024)年度までの年間50万m3程度の生産体制構築などが、目指すべき成果として掲げられた。

平成28(2016)年6月には、「CLT活用促進に関する関係省庁連絡会議」を設置し、政府を挙げてCLTの普及に取り組んでいる。同年9月には内閣官房に、事業者や地方公共団体からのCLTの活用に関する問合せに対応する政府の「一元窓口(*139)」を設けている。また、平成29(2017)年1月には、新たに「CLTの普及に向けた新たなロードマップ~需要の一層の拡大を目指して~」(以下「新たなロードマップ」という。)が作成され、建築意欲の向上、設計・施工者の増加、技術開発の推進、コストの縮減等を連携・協力して一層進めていくこととされた(資料4-35)。

資料4-35 CLTの普及に向けた新たなロードマップ~需要の一層の拡大を目指して~

これまでの普及に向けた取組のうち、告示の整備については、平成28(2016)年3月及び4月に、それまでの林野庁及び国土交通省の事業による実験等を通じてCLTの構造や防火に関する技術的知見が得られたことから、CLTを用いた建築物の一般的な設計法等に関する告示(*140)が公布・施行された(*141)。これにより、告示に基づく構造計算を行うことで、国土交通大臣の認定を個別に受けることなく、CLTを用いた建築が可能となった。また、この告示に基づく仕様とすることによって、「準耐火建築物(*142)」として建設することが可能な建築物については、燃えしろ設計(*143)により防火被覆を施すことなくCLTを用いることが可能となった。平成29(2017)年9月には、枠組壁工法(*144)に係る改正告示(*145)が公布・施行され、告示に基づく構造計算を行うことで同工法の床版及び屋根版にCLTを用いることが可能となった。平成31(2019)年3月には、構造計算に用いる基準強度に係る改正告示(*146)が公布・施行され、従来のスギより強度のあるヒノキ、カラマツ等の基準強度が位置付けられ、樹種の強度に応じた設計が可能となった。

林野庁が支援したCLTを用いた建築物については、平成27(2015)年度に9棟、平成28(2016)年度に22棟、平成29(2017)年度に24棟、平成30(2018)年度に46棟が竣(しゅん)工した。

また、生産体制については、平成30(2018)年度期首には、北海道、宮城県、石川県、鳥取県、岡山県、愛媛県、宮崎県及び鹿児島県において、JAS認証を取得したCLT工場が稼働しており、年間8万m3の生産体制となっている。

「新たなロードマップ」においては、需要の一層の拡大が大きな目標となっており、まとまった需要を確保してコストを縮減し、広く民間建築物におけるCLTの更なる需要を創出することが重要である。

このため、平成29(2017)年6月に変更された「公共建築物における木材の利用の促進に関する基本方針」においては国や地方公共団体がCLT等の新たな木質部材の積極的な活用に取り組む旨が規定された(*147)ほか、CLT建築物の企画段階からの設計支援を行う専門家の派遣、CLTを用いた先駆的な建築にかかる費用への支援、施工マニュアル等の整備や実務設計者向けの講習会の実施、CLTの汎用性拡大に向けた強度データ等の収集等を行って、需要の拡大を促進している。

このような中、住宅メーカーにおいても、CLT建築の設計ツールの開発等により、普及拡大を図る取組も開始されている(事例4-6)。

事例4-6 CLT建築の普及を目指し、新たな構法、設計ツールを開発

岡山県の住宅メーカーであるライフデザイン・カバヤ株式会社(岡山県岡山市)は、欧米で建築資材への活用が進んでいるCLTの可能性に着目し、CLTを活用した非住宅分野への展開を目指している。

同社は、CLT建築の普及を進めるため、平成28(2016)年から大学教育機関及び民間企業数社と共同でCLT建築の新たな構法の研究を行い、「LC-core構法」を開発した。

同構法では、CLTの高耐力を活かした効率的なパネル配置とし、独自に開発した専用金物で柱・梁とCLTパネルを接合することで、耐震性能を確保しながら、経済的かつ間取りの自由度にも配慮した建築を可能としている。平成29(2017)年9月には、岡山県内で同構法を初めて用いたCLT建築物件を着工した。

さらに、同社は、CLTに特化した構造計算ソフトを開発し、平成30(2018)年10月に運用を開始した。これまで、時間やコスト、経験等の点から難しいとされてきたCLTの構造計算を、より短期間に行え、CLT建築物の設計実績のない設計者でも計算を容易に行えるとしている。

これらを活用し、これまで非住宅分野やCLT建築に馴染みのなかった建築事業者にもCLT建築への参入を促し、その裾野を広げることを目指している。


資料:ライフデザイン・カバヤ株式会社プレスリリース「CLTに特化した構造計算ソフトを開発」平成30(2018)年10月25日付け、日刊木材新聞平成30(2018)年10月13日付け1面


CLT設計ツール

(*137)「Cross Laminated Timber」の略。

(*138)農林水産省プレスリリース「CLTの普及に向けたロードマップについて」(平成26(2014)年11月11日付け)

(*139)内閣官房ホームページ(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/cltmadoguchi/)

(*140)平成28年国土交通省告示第561号、平成28年国土交通省告示第562号、平成28年国土交通省告示第563号、平成28年国土交通省告示第564号及び平成28年国土交通省告示第611号

(*141)国土交通省プレスリリース「CLTを用いた建築物の一般的な設計方法等の策定について」(平成28(2016)年3月31日付け)

(*142)火災による延焼を抑制するために主要構造部を準耐火構造とするなどの措置を施した建築物(「建築基準法」第2条第7号の2及び第9号の3)

(*143)木材は表面に着火して燃焼しても、その部分が炭化して断熱層を形成し、内部まで燃焼が及びにくくなる性質があるが、その性質を利用して、部材の断面を設計する手法。

(*144)木造住宅の工法について詳しくは、197-198ページを参照。

(*145)平成29年国土交通省告示第867号

(*146)平成30年国土交通省告示第1324号

(*147)詳しくは、201ページを参照。



(木質耐火部材の開発)

建築基準法(*148)に基づき所要の性能を満たす木質耐火部材を用いれば、木造でも大規模な建築物を建設することが可能である。木質耐火部材には、木材を石膏ボードで被覆したものや、モルタル等の燃え止まり層を備えたもの、鉄骨を木材で被覆したものなどがある(資料4-36)。

資料4-36 木質耐火構造の方式

耐火部材に求められる耐火性能は、同法において、建物の最上階から数えた階数に応じて定められている。こうした中、木造の1時間耐火構造の例示仕様が告示へ追加されたほか、2時間耐火構造の開発が進んでいる。平成29(2017)年12月には規定上最も長い3時間の耐火性能を有する木質耐火部材の大臣認定が取得されるなど、これまでの木質耐火部材の開発の成果が出てきている。

木質耐火部材を使用した建築物も各地で建設されている(*149)(事例4-5)。1階を2時間耐火構造とする必要がある5階建て木造建築物についても、2時間耐火構造の大臣認定を取得した木質耐火部材を用いて実現しており(*150)、今後も更なる普及が期待される。


(*148)「建築基準法」第2条

(*149)木質耐火部材を使用した建築物の事例については、「平成25年度森林及び林業の動向」の176ページ、「平成27年度森林及び林業の動向」の147、157ページ、「平成28年度森林及び林業の動向」の207ページも参照。

(*150)例えば、平成29(2017)年に新潟県新潟市に完全木造5階建ての集合住宅が建設されたほか、山口県長門市では木造・鉄筋コンクリート造の混構造5階建ての新市庁舎が建設中(平成31(2019)年2月時点)。



(建築資材等として国産材を利用するための技術)

低層住宅建築のうち木造軸組構法(*151)では、構造用合板や柱材と比較して、梁(はり)や桁等の横架材において、一部の工務店を除き、国産材の使用割合は低位にとどまっている。横架材には高いヤング率(*152)や多様な寸法への対応が求められるため、米(べい)マツ製材やレッドウッド(ヨーロッパアカマツ)集成材等の輸入材が高い競争力を持つ状況となっている。この分野での国産材利用を促進する観点から、各地で、乾燥技術の開発や心去(しんさ)り(*153)等による品質向上や、柱角等の一般流通材を用いた重ね梁(はり)の開発等が進められている。

また、一般流通材を用いたトラス梁(はり)(*154)や縦ログ工法(*155)、国産材を使用したフロア台板用合板(*156)や木製サッシ部材等の開発・普及も進められ、非住宅分野や中高層分野の木造化・木質化にも貢献することが期待されている。

建築や土木工事に使用されるコンクリート型枠(かたわく)用合板については、より高い強度性能や耐水性能が求められることから、現在も南洋材合板がその大半を占めているが、単板の構成を工夫するなど、国産材を使用した型枠(かたわく)用合板の性能を向上させる技術の導入が進んでいる。表面塗装を施した国産材を使用した型枠(かたわく)用合板については、南洋材型枠(かたわく)用合板と比較しても遜色のない性能を有していることが実証されている(*157)。


(*151)木造住宅の工法について詳しくは、197-198ページを参照。

(*152)材料に作用する応力とその方向に生じるひずみとの比。このうち、曲げヤング率は、曲げ応力に対する木材の変形(たわみ)しにくさを表す指標。

(*153)丸太の中心部である心材を外して木取りをする技術。乾燥しても割れが生じにくい長所がある。

(*154)三角形状の部材を組み合わせて、外力に対する抵抗を強化した骨組み構造の梁。

(*155)製材を縦に並べることによって壁を構成する工法。

(*156)フロア台板用合板に係る取扱事例については、「平成29年度森林及び林業の動向」151ページ(事例4-4)を参照。

(*157)地域材を原料とする型枠用合板の強度の実証について、詳しくは「平成28年度森林及び林業の動向」の27ページを参照。



(イ)木質バイオマスの利用に向けた取組

木質バイオマスは、従来から、製紙、パーティクルボード等(*158)の木質系材料やエネルギー用として利用されてきた。平成28(2016)年9月に閣議決定された「バイオマス活用推進基本計画」においては、木質系を含む各種のバイオマスについて利用率の目標が設定される(*159)とともに、技術開発についても、効率的なエネルギー変換・利用やマテリアル(素材)利用に向けた開発等を推進するとされている。


(*158)パーティクルボード等については、180ページを参照。

(*159)木質系では、製材工場等残材及び建設発生木材(廃棄物系)並びに林地残材(未利用系)について、目標が設定されている。木質バイオマスのエネルギー利用について詳しくは、206-210ページを参照。



(効率的なエネルギー変換・利用に向けた取組)

木質バイオマスの効率的なエネルギー変換・利用に向けては、木質バイオマスのエネルギー利用量が増加する中、ガス化炉による小規模で高効率な発電システム、竹の燃料としての利用、熱効率の高い固形燃料の製造や利用等に関する技術開発が行われている(*160)。


(*160)一般社団法人日本木質バイオマスエネルギー協会ホームページ



(マテリアル利用に向けた取組)

木質バイオマスのマテリアル利用に向けては、化石資源由来の既存製品等からバイオマス由来の製品等への代替を進めるため、バイオマスから新素材等を製造する技術やこれらの物質を原料とした具体的な製品の開発が進められている。マテリアル利用が促進されれば、未利用木材等の高付加価値化につながることが期待される。平成30(2018)年6月に閣議決定された「未来投資戦略2018」においても、セルロースナノファイバー(CNF(*161))やリグニン等について、国際標準化や製品化等に向けた研究開発を進めることが掲げられた。

CNFは、木材の主要成分の一つであるセルロースの繊維をナノ(10億分の1m)レベルまでほぐしたもので、軽量ながら高強度、膨張・収縮しにくい、ガスバリア性が高いなどの特性を持つ素材である。プラスチックの補強材料、電子基板、食品包装用フィルム等への利用が期待されており、一部で実用化も進んでいる(*162)(資料4-37)。林野庁では、スギを原料とし、中山間地域に適応した小規模・低環境負荷な製法でパルプ化からナノ化までを行い木材チップからCNFを一貫製造する技術開発や、この製法で生産されたCNFの用途開発を支援している。農林水産省においても、CNF等の農林水産・食品産業の現場での活用に向けた研究開発を推進している。CNFの実用化・利用拡大に向け、関係する農林水産省、経済産業省、環境省、文部科学省が連携しつつ、施策を進めている(*163)。

資料4-37 セルロースナノファイバーの実用化

リグニンは、木材の主要成分の一つであり、高強度、耐熱性、耐薬品性等の特性を有する高付加価値材料への展開が期待される樹脂素材である。これまでも木材パルプを製造する際に抽出されていたものの、その化学構造が余りにも多様であることが工業材料としての利用を阻んできた。国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所等を代表とする研究コンソーシアム「SIPリグニン」(*164)では、化学構造が比較的均質なスギリグニンを原料に、安全性の高い薬剤を使用するなど地域への導入を見据えた改質リグニンの製造システムの開発に成功した。平成30(2018)年10月には、企業と連携し、改質リグニンを用いた内外装部品を自動車に取り付け、実用化に向け車内環境や部品の経時変化等を評価する実車搭載試験を開始することを発表した(*165)(事例4-7)。そのほか、電子基板やタッチセンサーへの展開が可能なハイブリッド膜、防水性能が高い排水管用シーリング材など改質リグニンの実用化に向けた製品開発が進んでいる(*166)。

事例4-7 「改質リグニン」の活用により日本の森林資源が高付加価値に生まれ変わる!?

平成30(2018)年10月、スギから抽出した新素材「改質リグニン」を樹脂成分として用いた繊維強化プラスチック製の内外装部品を搭載した試作車が、国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所(以下「森林総研」という。)を始めとした4機関(注1)により公表された。

リグニンは、木材の主要成分の一つで、2~3割を占め、強度や耐熱性を必要とする工業製品の原料として優れた性質を持っている。一方で、構造が複雑で樹木の種類や個体によっても性質のばらつきが大きく、工業製品化のためには、均一な性質を持つリグニンを安定的に取り出すことが課題になっていた。

この課題の解決に向けた研究に取り組んできた森林総研は、日本固有の樹種であるスギに着目したところ、スギからは、ばらつきの少ないリグニンを安定的に取り出せることが分かり、物理特性を改質したリグニン(改質リグニン)の製造技術の確立に成功した。

スギ木材をポリエチレングリコール(注2)の中で分解することで取り出される改質リグニンは、おが粉や鋸屑のような端材からも製造可能であり、製造過程で圧力容器や危険性のある有機溶剤を使用せず、熱源は木質ボイラーからの蒸気のみで賄えるため、製材工場や森林に近い中山間地域でも製造できる可能性がある。

改質リグニンの製品化の研究に取り組んできた研究コンソーシアム「SIPリグニン」では、改質リグニンの特性を活かした高付加価値製品への利用を検討し、改質リグニンを素材とした電子基板やフィルム、自動車用部材等の様々な高付加価値製品の開発を行ってきた。

今後、このような製品が実用化されることにより、スギの新たな需要が創出され国内の森林資源の付加価値が高まるとともに、改質リグニン製造という新産業が創出されることで、中山間地域の振興につながることが期待される。


注1:森林総研、国立研究開発法人産業技術総合研究所、株式会社宮城化成、株式会社光岡自動車

2:親水性の高い高分子化合物。人体に無害であるため化粧品等に多用されている。

資料:SIPリグニン事務局「SIPリグニン2018公開シンポジウム 森と土のマテリアルイノベーション 希望の新素材「改質リグニン」のビジネス戦略 講演要旨集」


(*161)「Cellulose Nano Fiber」の略称。以下、CNFと表記する。

(*162)数百トンの生産能力を持つ量産施設を含むCNF製造設備が各地で稼動しているほか、紙おむつ、筆記用インク、運動靴、化粧品、食品等一部で社会実装されてきている。

(*163)CNFに関する研究開発について詳しくは、「平成27年度森林及び林業の動向」の148ページも参照。

(*164)SIPリグニンとは、総合科学技術・イノベーション会議のSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)「次世代農林水産業創造技術」の「地域のリグニン資源が先導するバイオマス利用システムの技術革新」の課題を担当する産学官連携による研究コンソーシアム(研究実施期間は平成26(2014)~平成30(2018)年度)。平成31(2019)年4月からSIPリグニンの活動を引き継ぐ新たなコンソーシアム「リグニンネットワーク」が開始された。

(*165)国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所プレスリリース「木材の成分を用いた自動車内外装部品の実車搭載試験を開始 -改質リグニンを利用した材料の実用化へ-」(平成30(2018)年10月23日付け)

(*166)改質リグニンの開発に当たっては、スギのリグニンが、地域や部位による性質のばらつきが少なく、工業材料として適していることが明らかになっている。リグニンに関する研究開発について、詳しくは「平成28年度森林及び林業の動向」の28-29ページを参照。



(木質バイオマス利用技術の見通し)

バイオマス利用技術の開発の進展等を受け、平成29(2017)年4月には、バイオマス活用推進専門家会議において「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」が改訂された(*167)。関係省庁・研究機関・企業による横断的な評価に基づき、バイオマス利用技術の到達レベル、技術的な課題及び実用化の見通しについて整理されている。


(*167)バイオマス利用技術の現状とロードマップについて詳しくは、「平成29年森林及び林業の動向」の163ページを参照。


お問合せ先

林政部企画課

担当者:年次報告班
代表:03-3502-8111(内線6061)
ダイヤルイン:03-6744-2219

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