2014年9月
2014年9月27日(土曜日)
「樹木医と歩く知床の悠久の森」イベント
今日は樹木医の鈴木順策先生と森を歩き、知床の森林の物質循環のメカニズムを学び、知床エゾシカファーム見学という「樹木医と歩く知床の悠久の森(参加者41名)」のイベントのお手伝いです。
今回の催しはオホーツクみどりネットワーク、知床森林生態系保全センターの合同開催です。
 はじめに開会式を行いました。 知床森林生態系保全センターの荻原所長(奥右手)と樹木医の鈴木先生(奥真ん中)の挨拶です。
 スクリーンにて「オホーツクの森林の特徴と生態系における物質循環」の約30分のレクチャータイムです。
 レクチャーを受けた後にオシンコシンの滝上流周辺の原生林へ向かいます。 平成22年に斜里町道オシンコシン道路にて土砂災害が発生したため、町道は通行止めとなっています。 町道は徒歩にて進みます。
 今日は天候も良く、オシンコシン高台付近からの景色はオホーツク海と知床連山を一望できました。
 針葉樹のイチイの木について説明する鈴木先生。 このイチイにはエゾシカによる樹木の食害を防ぐためのネットが巻かれています。
 カツラの巨木
 ねじれながら成長を続けるイタヤカエデ
 2時間程度の遊歩道散策を終え、オシンコシン高台付近に昼食をとります。
 昼食後はエゾシカファーム見学です。 知床エゾシカファーム代表取締役 富田社長に、捕獲から食肉加工するまでの説明やシカを 資源利用する必要性について等のお話をしていただきました。
2014年9月25日(木曜日)
岩尾別・イタシュベツ地区のどんぐり回収
今日はシードトラップを設置して三回目のどんぐり回収作業です。
 調査地の森(岩尾別地区)の様子です。
 二回目のどんぐり回収の時より実が大きくなっていたため、「ぼうし」「はかま」などと呼ばれる 殻斗(かくと)が自然と取れているどんぐりが多く見られました。
 計測作業がはかどりやすいように、回収する段階で取れやすい殻斗は外しながら回収しました。
 トラップの周りにも沢山のどんぐりが落ちていました。
今日の森の様子です。
 柄が可愛らしいセンボンクズタケ。 広葉樹の腐った木の上に束生~群生します。
 エゾユズリハの実
 イタヤカエデの若い稚樹
 イタヤカエデの稚樹
 計測中にどんぐりに穴を開けて中から出てくる幼虫がいます。 頭部が茶色く、胴体が白い「ゾウムシ」の幼虫です。
 計測中にどんぐりに幼虫が開けた穴からニョキニョキと出てきた瞬間です!
2014年9月21日(日曜日)、22日(土曜日)
羅臼湖線歩道のぬかるみ対応
2014年9月20日(土曜日)
相泊巡視
 今日の羅臼は風が強く、海も荒れ模様です。
 カモイウンベ川の流されてしまった橋は解体されて川の脇に置いてありました。 現在、川を渡るには長靴が必要です。
 今のところ知床の河川では目立ったサケ・マスの遡上は見られませんが、川の中にカメラを突っ込んで撮影してみると…少ないながらも、遡上するサケの様子を確認することができました!
 頭のない、「ほっちゃれ」が打ち上がっていました。 動物たちにとっては貴重な食料です。
「ほっちゃれ」とは、北海道の方言で産卵を目指し川に登り体は傷つき、脂身も無くなりヨレヨレに なった鮭のこと(同義語:ブナ )。
  そして、毎度おなじみのアメリカオニアザミが開花していました。 綿毛になっている株もあり、丁寧に刈りとり駆除してきました。
topへ戻る
2014年9月19日(金曜日)
ポンホロ沼巡視
「斜里高校自然体験学習」が10月の始めに予定されており、散策予定地であるポンホロ沼(知床自然観察教育林)の事前チェックに行きました。
秋の訪れを感じさせるポンホロ沼周辺は、初夏のエゾアカガエルの合唱があったことが嘘のように静まりかえり、わずかに沼水が残った水たまりには細長い動くものが目を引きました。
 雪解け水の供給がなくなったポンホロ沼は20m2程度の水たまりが残されているばかりでした。
 水面を見るとハリガネムシ(白い糸状の物体)が奇妙な動きを見せていました。
 ルイヨウショウマは、初夏に小さな白い花を多数つけ、果実は黒く球形に近いものとなります。
 毒性があるものとしてよく知られているエゾトリカブトです。
 シロツチガキでしょうか。 不思議なキノコが森を彩ります。
2014年9月18日(木曜日)
岩尾別・イタシュベツ地区のどんぐり回収
今日はシードトラップを設置して二回目のどんぐり回収作業です。
 調査地の森(岩尾別地区)の様子です。 木漏れ日がやさしく降りそそぎます。
  手分けして回収します。
 ヒグマの糞が落ちていました。 糞の上には、落下したどんぐりが埋もれていました。
 秋晴れの知床連山
 回収したどんぐりです。 先週よりも多い収穫数となりました。
 どんぐりの計測前に『殻斗(かくと)』という、どんぐりの帽子の部分を取っていきます。 殻斗は回収時にはほとんど外れているのですが、固く外れない物もあるので道具を使って外していきます。
 調査木ごとに分けられた計測待ちのどんぐり達です。
 夕方、ざっと雨が降った後に綺麗な虹がかかりました。 ここ最近の知床は毎日のように夕立が発生しています。 秋は天気の急変にお気をつけください。
2014年9月13日(土曜日)
巡視
今日は2班に分かれての巡視です。 一つはお盆の時期とこのシルバーウィーク時期に実施されるカムイワッカへのシャトルバス運行と 利用者状況巡視です。
カムイワッカの利用者は、天候などの影響もあり利用者はそれ程多くはなく、近くで雄鹿が悠然とエサを 食む姿が見られるなど静かな秋気配が感じられました。
また、本日9月13日から11月19日までの期間で実施されることとなった岩尾別の温泉道路入り口から約1キロメートルの区間において駐車禁止措置をとることとなった現場状況の巡視です。 岩尾別川関連では野生動物の撮影が可能となる指定場所のロープ張りなどが進んでいました。
 カムイワッカから自然センターへ戻るシャトルバスの乗降客はそれ程多くはない状況でした。
 カムイワッカの近くで見かけた雄ジカ。
   撮影することの出来る指定場所とお願いの看板。
 秋のたたずまいを見せる木下小屋です。
 曇り空に浮かぶツリバナの赤い実
もう一つの班は、相泊へ巡視に行ってきました。
 以前から行っていた外来種のアメリカオニアザミ駆除で見過ごしていた株が開花していたので 駆除しながらの巡視となりました。
 アメリカオニアザミは生命力が強く、根が残っているとまた横枝を伸ばし、花を咲かせていました。
 藪の中に生えているアメリカオニアザミを駆除すると、オオルリソウの種がびっしりとくっついていました。
2014年9月12日(金曜日)
第一回どんぐり回収作業
今日はどんぐり調査のトラップを仕掛けて1週間が経ったので 第一回目のどんぐり回収作業へ行きました。
 どんぐりの縦横サイズを計測していきます。
 どんぐりの重量を計測していきます。
調査木1本につき、シードトラップを3つ設置し、総数を出していきます。
 イダシュベツ地区(10本)と岩尾別地区(15本)の2箇所で回収できたどんぐりの中で 一番多くて211個、少ないところで16個でした。
この調査は9月から10月のどんぐり落下時期に毎週回収します。 来週はどのくらい回収できるか楽しみです。
北海道森林管理局のホームページにて 「知床どんぐり調査(ミズナラ堅果結実調査)」(知床森林生態系保全センター)を見ることができます。
平成23年度24年度は極端な「凶作」で森の動物達にとって厳しい秋になったようです。
topへ戻る
2014年9月8日(月曜日)
春苅・男の涙巡視
今日は春苅古丹林道・男の涙巡視です。
春苅古丹林道の魚道にはカラフトマスは確認できませんでした。
 春苅古丹林道の魚道にはカラフトマスは確認できませんでした。 今年は昨年に比べて遡上時期が遅れています。水温が少し高いのも影響しているのでしょうか?
 サラシナショウマが咲いていました。 奥にはヨツバヒヨドリが終わりをむかえていました。
  林道内には大きなヒグマの足跡を確認しました。
  ヒグマの糞も確認しました。 大きい糞でハイマツの実や草類などを食べているようです。
午後からは男の涙へ巡視に行きました。
 風もなく穏やかでした。 ハンゴンソウと奥には外来種のアメリカオニアザミもみられます。
  森の中でみられたキノコ達です。
 オホーツク海と知床連山を望む。
2014年9月7日(日曜日)
フレペの滝巡視
今日はフレペの滝の巡視を行いました。
 草花は少しずつ色づき始め秋模様です。 フレペの滝から望む知床連山は稜線付近だけ雲がかかっていました。
 気温も暖かく観光日和です。
 今日は知床五湖に熊が出没したようで、五湖を巡る周遊ルートが立ち入り禁止となり、 20名程なる3組のガイドツアーのお客様でフレペの滝遊歩道はいつも以上に賑わっていました。
 カシワの木には沢山のどんぐりが実っていました。
 ヤマブドウも豊作のようです! 山の実りが不作だと熊の食料が底を尽き人里に来てしまいそうなところですが、 今年は熊達の食料も豊作であると願いたいものです!
2014年9月6日(土曜日)
相泊・羅臼湖巡視
今日は相泊班と羅臼湖班に分かれました。
 相泊に咲くエゾオグルマです。
 8月中旬の大雨の被害で相泊から番屋へ行く途中、この木製の橋が流されたようです。 番屋の方々が修復作業されて渡れるようになっていました。 ( 以下3枚8月24日相泊巡視の写真)
 こちらは、赤い鉄製の橋が流されていました。
 鉄製の橋が7メートルほど流されていました。 橋を渡るのは困難でした。
9月6日に巡視で橋の様子を見に行くと橋は以前の位置と変わりませんが、水量が減り長靴で 渡れるようになっていました。
 番屋の方達でしょうか?橋は石を敷き詰めて渡れるようになっていました。
一方、青空に恵まれた羅臼湖チームです。
 晴天の三の沼。 羅臼岳は山頂部分に帽子を被ったような雲がかかっていました。
 羅臼湖では珍しいアマガエル
 秋晴れの羅臼湖
 羅臼湖の歩道は足下が悪いので長靴をお忘れなく
2014年9月1日(月曜日)
どんぐり調査巡視
知床森林生態系保全センターでは、平成元年よりミズナラの堅果(どんぐり)の結実調査をおこなっております。 昨年よりGSSも調査に関わっています。
 調査地は、知床世界遺産地域内のイダシュベツ地区(10本)と岩尾別地区(15本)の2箇所です。 背負子にシードトラップを背負って設置場所に向かいます。 どんぐりは知床を代表するミズナラの木にはヒグマなどの野生動物の重要な食料源となっています。
 調査対象のミズナラの木の周りに三カ所のシードトラップを仕掛けます。
  鉄ピンに設置していきます。
 落下時期に当たる9月から10月にかけて落ちてくるどんぐりを毎週回収し、個数とサイズ、 重量を計測していきます。
 ミズナラの木の足下にはいくつもの若いどんぐりも落ちていました。
今日見られたお花です。
 ミヤマウズラ
 オオヤマサギソウ
 エゾトリカブト
 トドマツの幹にはヒグマの古い爪痕がしっかりと残っていました。 ここにもどんぐりを探しに来たのでしょうか?
|