知床らうす発!グリーン・サポート・スタッフBLOG

2011年8月
2011年8月29日(月曜日)羅臼湖巡視
お盆が過ぎたというのに蒸し暑い日々が続いています。
三の沼では一瞬だけ無風状態になり、見事な逆さ羅臼岳を見ることが出来ました。
あちこちで小さいアマガエルを見かけます。
歩行中の踏みつぶしにご注意ください。
本日の羅臼湖です。
入林者は9組20名。暑いところ、おつかれさまでした。
本日の毛虫
知床横断道路で発見した子です。
さんざん調べたのですが、何の幼虫かは不明でした…
2011年8月28日(日曜日)観音岩への巡視
観音岩を目指し、昆布番屋の前を歩いていると・・・
前方より昆布の香ばしい匂いが漂ってきました。
昆布漁も終わりに近づいた8月下旬は昆布の干される姿も商品らしくなってきました。
羅臼昆布は干す作業を何度も繰り返す上、機械で巻いてはまた干して、昆布の端の部分を切ってはまた干して…と製品になるまでにたくさんの行程があるなかで、今日の昆布達は袋に入れた状態で干されていました。
後ろの方には国後島が見えています。
羅臼の観音岩には誰が設置したのか、小さな観音様がたくさん岩の上にいらっしゃいます。
まるで、羅臼の漁師達を見守っているかのようです。
そんな観音岩はカモメやウミウのコロニー(巣)になっています。
観音岩の上には他での海岸線では見られない植物があったりします。
この時期はダイモンジソウとキンミズヒキが開花していました。
ここは人間が登るのも難しい岩場ですので鹿が入ってくるのが困難なのか、植生が保たれています。
2011年8月27日(土曜日)羅臼湖の巡視
巡視早々、素敵な芋虫がいました。
おそらく、オオクワゴモドキという蛾の幼虫です。
楓の葉を好んで食べるみたいで、ミネカエデの木にいらっしゃいました。
こちらの存在に気がつくと…
体をのけぞって、楓の葉っぱになったつもりなのか動くことはありませんでした。
もしかして、疑体?
しばらく天気が悪い日があったので沼も潤ってるかな~と期待していましたが、
大して水位は上がっていませんでした…
本日は快晴!紫外線が気になるところですが。
三の沼からの羅臼岳、今日はばっちりです。
リュックでトンボが休憩中。
エゾリンドウ開花。一番上のお花をよく見ると、穴が開いています。
虫による盗蜜の跡と思われます。
羅臼湖手前にある木道脇のタチギボウシのお花は鹿に食べられたのか一本も残っていませんでした…
茎だけがひょろっとしていました。
本日の羅臼湖です。
入林の方は5組11名。お天気の中お疲れ様でした。
2011年8月26日(金曜日)羅臼岳登山道整備
今日は環境省と合同で登山道の整備です。とりあえず、現場までの道のりが長い…
本日の整備箇所のお花畑~羅臼平のロープ張りです。
お花畑の中に新たな道が出来ないよう、古いロープを撤去し、しっかりとロープを打ち込みました。
ここは遅い時期まで雪渓が残り、お盆を過ぎた今でもわずかに雪が残っていました。
雪が早くとけた場所ではチングルマの綿毛がきれいでした。
雪が遅くとけた場所ではミネズオウがたくさん咲いていました。
屏風岩上部の雪渓写真ですが、登山道から撮ったもので歩くところに雪はありません。
白くてひょろひょろしている植物はタカネトウチソウです。
ムーミンに出てくるニョロニョロみたいです。
また、お花畑上部の雪渓は残50メートル程ですがアイゼンは必要有りません。
足元に注意し、ゆっくり歩きましょう。
本日の羅臼岳です。整備をしていたお花畑の雪渓が見えています。
作業時は晴れていましたが、午後にどんどん曇ってきて雨がふったりしました。
帰りは雨で体が冷えましたが、なかなかいい仕事ができたかなと思います。
2011年8月20日(土曜日)林道の巡視
林道脇の枯れ木にオジロワシの親子が留まっていました。
向かって左が子ども、右の頭が白い方が親かと思われます。
オジロワシは本来、渡り鳥として11月くらいからシベリアより越冬をしに北海道へやってくるのですが、春になってもシベリアにもどらず道民として?留まり、繁殖する個体が羅臼町内でも生息しています。
数は多くありませんが町の上を飛んでいる姿や太めの枯れ木に留まって海を見つめているオジロワシをよく見かけます。
もしかしたら、留鳥として見かけるオジロワシは渡りもしたことのないバリバリの道産子だったりするかもしれませんね。
それにしても、きいろい足がキレイなこと!さすが、猛禽類!がっちりと木を掴んでいます。
そんなオジロワシの目線は林道沿いを流れる河川に注がれていましたが、やっとカラフトマスの遡上が確認されはじめました。
河川でカラフトマスを採取することは法律違反です。
2011年8月19日(金曜日)相泊巡視
小雨のちらつくなかの巡視でした。
天気が多少悪くともお花は綺麗に咲いていました。
ヨツバヒヨドリ
ムラサキベンケイソウ
アメリカオニアザミのお花畑にたたずむ知床の問題児です。
増えすぎたエゾシカが食べるものをえり好みするので、トゲトゲのアメリカオニアザミの植生が優勢となってしまい、この始末です。
2011年8月18日(木曜日)熊越の滝の巡視
今年のお盆は天気も良く(今年は良すぎた!?羅臼も暑かった~)、地元の釧路ナンバーよりもはるばるフェリーに乗ってやって来られた本州ナンバーの自家用車(今年はキャンピングカーも多かった~)やレンタカーで大賑わいでした。
お盆が終わると空気も一変。ひんやりとしてきます。
そんな天気がいまいちな今日の熊越の滝巡視はマイナスイオンであふれています。
コウライテンナンショウのお花が終わり、緑色の実になりました。これから赤く熟していきます。
羅臼町内在住の凛々しいオジロワシとかわいいエゾシカ親子です。
2011年8月14日(日曜日)羅臼湖の巡視
相変わらず雨が降らないので二の沼は涸れたままです。
三の沼から奥の沼はどこからか水が湧いている箇所があるので涸れることはありません。
条件がよければ三の沼では水鏡となって羅臼岳が水面に映り込みます。
羅臼湖へ向かう途中にアヤメが原という湿原を通過します。
今年、ここの湿原帯にある小さな規模の三日月湖?も水位が下がり一部は干上がっているところもありました。
春のお花が実りの季節となり、真夏のお花が元気よく開花中です。
ヒメタケシマラン実
ハイオトギリ
本日の芋虫
キアゲハの幼虫です。一生懸命、木道を横断中でした。
今年は芋虫・毛虫との遭遇が多いです。
2011年8月12日(金曜日)羅臼岳巡視
今日も朝から快晴ですが、風が強めです。
知床半島は強い風が吹く事で有名です、登山等の際は無理をしないことが大事です
今日の巡視で遇った子たちです。
エゾリス
イワツツジの実
シマヘビ
トラガ
羅臼岳は終日雲の中でした
2011年8月11日(木曜日)羅臼湖巡視
今日は朝から快晴です、羅臼岳もくっきり
ここ暫くまとまった雨が降っておりません、一の沼、二の沼は水源が無く年によっては、涸れてしまうこともあります。
涸れそうな一の沼
涸れた二の沼
羅臼湖の木道は老朽化が進み、あちこち痛んでますので足元にご注意を。
羅臼湖展望台付近のギボウシは無事に開花となりました!
とりあえずは鹿に食べられずに頑張ってます。
このまんま鹿に見つかりませんように・・・
今日の羅臼湖は、快晴ですが、やや風が有り空気が澄んでました。
2011年8月8日(月曜日)相泊巡視
今年は下(岬方面)に昆布が少なく、相泊の番屋の昆布干し風景は少し寂しい感じ。
今日の巡視で見たお花たち
イブキトラノオ
エゾオグルマ
キリンソウ
クサフジ
トウゲブキ咲き乱れ
ホソバノカワラマツバ
2011年8月7日(日曜日)羅臼湖巡視
羅臼湖周辺には駐車スペースが無いため、GSSの巡視も知床峠の頂上の駐車場に車をとめて、 峠から歩いて羅臼湖に向かいます。
シマアオジ
エゾサンショウウオ
クルマユリ
峠の途中でも色んな物に出会います。
暫く雨が降ってなかったので二の沼が涸れそうに!
この時期、三の沼ではルリイトトンボがいっぱいです。
サワギキョウ
アヤメヶ原後半のハイマツ帯でシマリス発見。
いつもは鹿に食べられてしまうギボウシも、咲き始めました。
食べられちゃったギボウシも・・・
今日の羅臼湖の天気は、ぱっとしないけど、暑すぎず過ごしやすい気温でした。
2011年8月3日水曜日
知床連山巡視
今日は知床連山を日帰りで巡視するという、羅臼のGSS史上では最高にハードな巡視を署長と三名で行います。
朝もやの中でウトロ側の登山道入口からのスタートです。
ここでは環境省の設置した携帯トイレ用のブースが用意されていました。
羅臼岳登山道にはトイレはありませんので、携帯トイレをお忘れ無く!使い心地はよさそうです。
羅臼平より雲の中の巡視です。
雨は降っていないけれど、雨合羽を上下しっかり着用し進みます。視界も悪いです。
三峰のテント場のフードロッカーです。知床連山の縦走路には4箇所のキャンプ指定地(羅臼大良、三ッ峰、二ッ池、第一火口)には、フードロッカーが設置されています。
これは熊を寄せ付けないための対策です。キャンプをして行かれる方はテントの中には食料は持ち込まずに、このフードロッカーに入れましょう。使用時は食料を密閉容器などに入れ、他の方も入れられるよう小さくまとめて入れましょう。また、立ち去るときは、ゴミなどを放置しないでください。
登山道沿いではものすごい花盛りでした。寝ころびたい位のお花の絨毯状態でテンションが上がります!他にもたくさんの種類の花が咲いていましたが、とても全ては載せることはむずかしいので悪天候の中でなんとか撮れたお花たちです。この様なお天気では展望は絶望的で、冷たいガスの中、でも目の届く近くのお花達は冷たいガスの中で露に濡れてキラキラしてました。
ジムカデ
アオノツガザクラ
コエゾノツガザクラ
コエゾノツガザクラ群落
チングルマ
エゾツツジ
ハクサンチドリ
サシルイの下りでは雪渓が残っていました。
アイゼンなどは必要ない歩きやすい雪渓でしたが、小林GSSはすっころんでました。
藪漕ぎではありません。このハイマツの中にしっかりと登山道があるんです。
露に濡れたハイマツ漕ぎですので全身びっちょりです。
二つ池に到着です。ここもキャンプ指定地ですが、テントを張っている人はいませんでした。
二つ池は天の池と地の池とで二つ池となっていますが、こちらは地の池。エゾカンゾウが多いところでした。
たくさんのチングルマです。
こちらはもう一つの方の天の池。涸れていました。
奥の山は東岳。手前に登山道がくっきり見えているところは知円別平です。
いつの間にか晴れてテンションもあがったところでこの光景です!ここは日本なのか!?
知円別分岐まできました。ここから硫黄山方面を目指します。反対の方角には東岳が見えています。
この知円別分岐では白いコマクサが咲いていました。
知床のお花ときたら『シレトコスミレ』が有名ですが、花期は6月上旬~7月上旬なので、見かけるのはハートの形をしたスミレの葉っぱばかりです。
コマクサ
シレトコスミレの葉
知円別分岐から『中の廊下』と言われる細い稜線を風に吹き飛ばされないよう慎重に進みます。
また、ラッキーなことに今日はここから知床五湖が見え、天気の良い日は五湖からもこの中の廊下が見えるのです。
五湖から見える中の廊下は緑の中にぽつんと白一色の部分だけが目立ち、一見雪のように見えますが、実際は硫黄の噴気に漂白された砂礫地なのです。
絶景に大喜びの小林GSSですが、こうして山の中に立ってみると人間ってちっぽけな生き物ですねぇ。
せめて心だけはオホーツク海のように広く、根室海峡のように深くありたいです。
GSS二人の後ろの岩はコケシ岩がみえ、登り下りを繰り返していくと・・・
縦走路の終点、硫黄山分岐第三火口まで来ましたが、本日時間が足りなくなってきたので硫黄山の山頂アタックはなしでここから登山口へむかいます。
そして、なんと!!この第三火口まで来たときに花を付けているシレトコスミレをやっと見つけることができました。意外と小さな花で見落とすところでした。踏まないよう、注意して歩きました。
なお、シレトコスミレは知床山系の固有種ではないかと思われていましたが近年、択捉島でも自生いることが確認されたそうです。
こちらは花が終わり実となったシレトコスミレです。縦走路は登り下りの繰り返しでしたが、第三火口から硫黄山登山口まで長い下りのはじまりです。
見晴らしの良いところから道道知床公園線・カムイワッカ林道が見えました。
海には観光船おーろら号とクルーザーが見えます。人の気配と文明を感じます。 下界までもう一息!
植生がハイマツから普通の樹林帯に変わってきました。
ここまで来たら、登山口まであと少し。帰りのシャトルバスに乗り遅れないように急げ急げ!
ちなみに乗り遅れると、林道(11キロ)を歩く事になりますと同行した署長がさらりとおっしゃっていました・・・
硫黄山登山口に無事到着!
はぁ~、下界は暑い。縦走路の中ではカッパ上下を着込み寒さに耐えながら休憩した事が嘘のようです。
ちなみに縦走路での休憩は寒すぎて10分もじっとしていられませんでした。
しかし、ここで終わりではないのです。
バス停のあるカムイワッカ湯の滝のバス停まで500メートルを歩きます。
この後、無事にシャトルバスにも乗れ、無事に家まで帰ることが出来ました。
この日の入林者は3組7名でした。
2011年8月1日月曜日
羅臼岳巡視
チシマワレモコウが開花しはじめました。
ワレモコウは本来、紅い色のお花だそうですがこのあたりのワレモコウは白いのばかりです。
ミヤマラッキョウの花に虫が2匹とまっていました。
本日の羅臼岳です。
山頂部分は雲に隠れて見えていません。
帰り道は毛虫や芋虫に遭遇することが多いのですが、この日はかわいい芋虫でした。
将来はチョウチョになるのでしょうか?