知床らうす発!グリーン・サポート・スタッフBLOG

2011年7月
2011年7月30日土曜日
相泊巡視
使わなくなった漁船にイケマのツルが上手に乗っかっていました。
満開まであとまもなくでしょう。
相泊の巡視の前半は昆布番屋の前を横切らせてもらいながら歩いていきます。
途中、番屋での情報交換(主に熊情報と今年の昆布状況)に花が咲きます。
犬を飼っている番屋も多いので、いろいろなワンちゃんに癒され(励まされ?)ながら進みます。
潮が引いていたので磯だまりを覗いてみると
綺麗なヒトデと卵のようなオレンジ色の物体が海草にくっついています。
GSS大野が『タニシの卵っぽい』との事なので、おそらく貝の卵塊かと思われますが、謎の物体でした。この物体に関しての情報をお待ちしています。
2011年7月29日金曜日
相泊の巡視と羅臼湖巡視
夏休みが始まり本州ナンバーのレンタカーも増え道道知床公園羅臼線でエゾシカを見かけて止まっている車を良く目にするようになりました。この道路は道幅が狭く曲がりくねっているので走行する際には注意しましょう。
また、羅臼湖へ入林される方も増えてきましたが、歩行の際には足元に十分注意してください。
羅臼の町に戻る途中、かわいいバンビがいました。
エゾシカは本来、夜行性ですが羅臼では昼間でも、町中でも普通に鹿がいますので交通事故に気をつけながらの運転です。
なお、GSS小林は道路に飛び出した鹿と接触したことがあります
幸い、鹿も運転者も無事でありましたがマイカーは今でもべっこりとへこんだままです。
本格的な夏を前にワタスゲが綺麗でした。
2011年7月23日(土曜日)
羅臼湖の巡視
注目されることあまりないでしょうが、高山に生える松、ハイマツのお花です。
地味ですが、この控えめさが結構すきです。
イチヤクソウの花が開花しました。
この花は羅臼湖登山道沿いではあまり見かけませんので、開花に立ち会えてラッキーです。
三の沼のヒルムシロの葉っぱの上ではルリイロイトトンボが交尾していました。
がんばれ~
こんな登山道すれすれの所にチングルマが咲いています!!
植物は生える所を選べません。
登山道を歩く際は真ん中を歩くようにし、植生の保護に気を遣っていただけるとGSSもうれしいです
本日の羅臼湖です。
私たちが来たとたんにガスってしまいました。
対岸も知西別岳もみえません・・・
まぁ、雨が降らないだけマシです。
木道脇にあるまもなく開花のタチギボウシです。
写真をよく見ると葉っぱだけ半分ありません。これはエゾシカが木道の間に頭をつっこみ食べてしまったのです。
その後、茎は何とか伸び続け、開花が待ち遠しいのですが、それまでに鹿に見つからないことを祈るばかりです。
毎年、無事に花を咲かせる株はわずか数株です。
さぁ、今年はどうでしょうか?頑張れ!タチギボウシ!!
2011年7月22日(金曜日)
知床岬先端部の巡視
今日は管理局と管理署の皆さんと知床半島先端部の国有林を目指し、船に乗り込み出発です。
大勢での巡視はめったにないので、知床半島先端部のような人がほとんどいないような所での巡視は心強いです。
写真は岬先端部に向かう途中の羅臼側の海岸線で、女滝と右に念仏岩が見えます。
森を目指し歩いていると・・・
なんと!山の上に変わった形の虹が姿をあらわしました。
ここでの林内の林床はミミコウモリが優勢でした。
場所によっては、シダ類が多いところもありました。
ホウノキの実がきれいでした。
高台にある灯台からの眺めです。
灯台の岩場からはホソバノキリンソウの黄色が青空によく映えていました。
灯台からは船着き場を目指し、海岸線を歩きます。
チシマセンブリ
エゾヒメネギ
シコタンハコベ
日がよく当たる海岸線は花盛りですが、ここはエゾシカ被害が多い場所でもあるので鹿が食べないお花をみることができました。
また、岩場や急斜面など鹿が行きにくいところだと植物たちは無事に花を咲かすことができます。
チシマコハマギク?
そんな人の手も届かない高い岩場でチシマコハマギクと思われる種を見つけました。
この植物は日本国内でも根室半島と知床半島にしか植生しないと言われる貴重な物なのですが、とにかく3メートル上程の頭上に生えていたので、画像は思いっきりズームして撮影しました。
帰りの船は波が高くてお尻が痛かったですが、そんな船に必死にしがみつきながら撮った、知床岬です。
今回の巡視では異常な所もなく無事に終了しました。
2011年7月18日(月曜日)
羅臼岳の巡視
本日の羅臼岳です。
晴れて気温の高い日が続いたので、雪渓がどんどん小さくなっていきます。
登山道沿いのキノコに動物と思われる歯形が!!
サイズからして、ネズミクラスの小動物が味見したものと思われます。
あまり、おいしくないのかちょこっとだけ囓られています。
この日の巡視は天気がよすぎて大変でした。
登山道では雲一つ無い炎天下でしたが、町の中や標高の低いところは雲の中で涼しげです。
イチゴがとてもおいしそう!
一足早く咲いたお花は実りの季節をむかえています。
泊場辺りでは、岩場で生息するお花が満開でした。
イワブクロ
マルバシモツケ
イワギキョウ
帰り道に蛍光緑?の派手な毛虫が登山道を横断中でした。
ヒメヤママユというガの幼虫だそうです。
実はこの日の巡視中、日光浴をしていたヘビを2回も踏んでしまいました。
ここまで派手で主張がある個体ですと歩いていても気がついて何よりです。
2011年7月16日(土曜日)
羅臼湖の巡視
登山道の真ん中にオトシブミのゆりかごが落ちていました。
このままでは踏まれてしまうかもしれませんので、藪の中に戻しておきました。
この揺りかごと呼ばれている物の中にはオトシブミという虫が葉っぱを折り紙の様に器用に折っていく途中、中に卵を産んでこのゆりかごの中で卵が育つそうです。
とても虫が作ったと思えない位の造形美です。
ちょっとだけ、この上手に折られたゆりかごを開いてみたい衝動にかられましたが、ぐっと我慢です。
この時期は行く度に新しいお花が開花しています。
ツマトリソウ
枯れ沢の雪渓ですが、曇りの天気でも勢いよくとけていっています。
登山道も全て露出していますので、枯れ沢の雪渓はもう眺めるだけです。
本日の羅臼湖です。
雲が出たり切れたりして、対岸にある知西別岳の全貌がなかなかお目見えしてくれませんでした。
羅臼湖展望台に向かう木道の陰ではエゾシカに食べられないでひっそりと生きるタチギボウシが毎年頑張っています。(既に鹿の頭の入る所の葉っぱは食べられています…)
現在は展葉中でありますが、そんなタチギボウシの葉っぱの中からホソバノキソチドチが開花していました。
帰り道はガスガスでした。
なんか、おばけでも出そうな雰囲気です。
山の天気は変わりやすいので、夏でも一枚羽織る物を持ってでかけるのがよいでしょう。
あ、羅臼湖へ行かれる際は軍手が大活躍ですよ!
2011年7月9日(土曜日)
羅臼湖巡視
天気のよい日が続いたので高山植物も続々と開花中です。
ヒメシャクナゲ
6月に開花したチングルマは花びらが散り綿毛となってチングルマの語源となった『稚児車』状態でひっそりと湿原の中でたたずんでいます。
(稚児車とは子どものかざぐるまに見えることから転じて名付けられたそうです)
登山道沿いで一番遅く開花するミネザクラがいつの間にか開花していました。。。
前回きたときはまだまだつぼみだったのに、今年は満開の姿を見ることができませんでした。
おそらく、7月6~8日頃が見頃だったのでしょう。
最後の2輪をぎりぎり見ることが出来ました。
三の沼を過ぎての涸れ沢の雪渓では登山道が全て露出しました。
雪渓部分は薄くなっている所もあり大変危険です。
登山道を外れることなく歩いてください。
羅臼湖展望台は雲の中でしたが、とても幻想的でした。
湿原の中で揺れるたくさんのワタスゲが見事です。
2011年7月8日(金曜日)
相泊巡視
今年は海岸線での熊の目撃が多いので出会わないよう、熊スプレー、ホイッスル、双眼鏡などをフル装備し、毎回気を引き締めて出発です。
知床は熊の生息密度が高い場所です。
知床においでの際は事前にルサフィールドハウスや羅臼ビジターセンターなどでの情報収集をおすすめします。
また、本格的に岬を目指す方や知床連山縦走等される方向けに、熊スプレー、フードコンテナの貸し出しなども上記の施設で行っております。
夏のお花が続々開花していました。
キクバクワガタ
トウゲブキ
2011年7月7日(木曜日)
羅臼岳の登山道整備
今日は管理署からの応援3名と二組に分かれての作業です。
ハイマツ原の歩道にかぶった枝切り作業です。
ハイマツ原と里見台の間の枯れ木の除去も行いました。
里見台の枯損木を除去しました。このアオダモの枯れ木はクサレがひどいのでワイヤーで引っ張りました。
看板を壊さないように向きを変えながらの作業でしたが、従事した署の職員は倒すよりも機材を運ぶことがつらかったとのことです。
作業中に登山道沿いで見つけたお花です。
ゴゼンタチバナ
イワツツジ
アカミノイヌツゲ
ジンヨウイチヤクソウ
キノコ
きれいなキノコもありましたが、食用ではなさそうです。
トドマツ球果
トドマツの葉っぱの上で真っ直ぐに立つ松ぼっくりは『球果』と言い、タネの素になります。
全ての木にはつかないので見つけたらラッキーです。
知床では自然環境が厳しいのか、あまり見かけません。
2011年7月3日(日曜日)
羅臼岳の巡視
朝6時、羅臼町、湯ノ沢にある羅臼岳登山道入口で羅臼岳登山安全祈願祭がとりおこなわれました。
関係者各位、登山者の皆さんと山の神に祈りをささげていざ出発!
こんな爽やかな木漏れ日をみてしまうと、眠気もふっとびます。
朝早い巡視もたまにはいいですね!
第一の壁から第二の壁までの間の日当たりの良いところではエゾスカシユリが咲いていました。
雪解け水が勢いよく流れてくる登山川です。
登山道と川が合流するとしばらく川沿いに登り、途中川も一度横断します。
巡視中、いつか一度はすべって川の中にドボンするんじゃないかしらと、恐る恐るの川わたりです。
硫黄成分を含んだ水がわき出しているためか登山川に流れ込む沢は黄色く眩しい限りです!
この日、町の中は雲海の中で曇り空のようでしたが羅臼岳登山道では第二の壁辺りから雲が切れて見事な羅臼岳が姿を見せてくれました。
暑くもなく寒くもない、快適な条件の中登ることができました。
本日折り返し部分の屏風岩です。
ここから先、山頂方面の登山道は雪の中ですので雪渓の上を登っていきます。
かなりの斜度ですので雪解けまではアイゼン、ピッケルが必要です。
2011年7月2日(土曜日)
羅臼湖の巡視
羅臼湖へ向かう道は夏道がほとんど露出し、天気もよい日が続いたのでお花が次々と咲いています。
クロウスゴ
コケモモ
三の沼ではヒメシャクナゲとイソツツジが見頃です。
ヒメシャクナゲ
イソツツジ
三の沼を過ぎてアヤメが原へ向かう枯れ沢沿いの登山道はまだ半分くらいは雪の中です。
また、雪渓部分はもろくなっている所もあるので雪渓の踏み抜きにご注意ください。
折り返し地点の羅臼湖展望台ではワタスゲの綿毛が風に揺れていました。