令和7年7月29日 東京大学北海道演習林教職員との樹群択伐天然更新施業現地検討会(空知森林管理署)
計画課
1、はじめに
北海道森林管理局では、公益的機能が劣化した天然林において、これを回復させることを目的に、成長の衰退した樹木の伐採と更新補助作業を行う「樹群択伐天然更新施業」(※1)を試行的に実施していくこととしています。
令和7年度の同施業試行箇所の一つである空知森林管理署24林班ぬ小班において、令和7年7月に施業を実施しました。
上記林班において、東京大学北海道演習林教職員との樹群択伐天然更新施業実施個所の現地検討会を行いました。(※2)
※1樹群択伐天然更新施業とは、樹群という0.04ha程度(およそ20m×20mの四角形)の樹木のまとまりをひとつの単位として伐採し、伐採箇所の地表面にあるササなどを除去するかき起こし及び伐根をひっくり返す「根返し」を行う施業方法。北海道の天然林の多くにおいて、台風による風倒等により開けて明るく地面がむき出しになった箇所に種子が定着することで、次代の森林に更新(ギャップ更新)されてきたことを模した方法。
※2ここ数年、東京大学北海道演習林と北海道森林管理局は、天然林の施業や資源把握を主なテーマとして、職員相互の交流を通じた協力に取り組んでいます。
2、現地検討会概要
開 催 日:令和7年7月29日(金曜日)
開催場所:空知森林管理署24林班ぬ小班(岩見沢市万字国有林)
参 加 者:東京大学北海道演習林教職員、北海道森林管理局計画課・企画課、空知森林管理署(計27名)
現地検討会の様子
現地(24林班ぬ小班)について
林地面積15.06haの育成天然林で、過去に複数回の択伐を実施しています。このうち5.09haにはトドマツの植込みを行っています。
10°程度と緩傾斜となっていて、令和6年度から実施個所や施業方法を検討し、令和7年度隣接する人工林にて伐採が行われるのに合わせて、樹群択伐天然更新施業を実施しました。
現地図面
初回伐採区(上図の赤四角枠)選定理由については、こちら

「かき起こし」と「根返し」実施個所(ブロック(エ)伐採区画15:令和7年7月3日撮影)
現地検討会にて
現地検討会では、伐採・更新補助作業を実施した初回伐採区画見学、初回伐採区画選定の意図を森林管理局から説明した上で今回伐採しなかった他の伐採区画と比較しながらの意見交換等を行いました。東大演習林からは、演習林で実施している「樹冠下地がき施業」の経験も踏まえ、「200年スパンで考え20年刻みに事業を繋ぐ仕組み、事業規模で劣化した天然林をササの繁茂やシカ食害から多様な樹種から構成される森林への誘導を可能とする仕組みづくりを一緒に考えていきたい。」といった意見が出され、今後の樹群択伐天然更新施業の実施に資する情報交換の場となりました。
お問合せ先
計画保全部 計画課
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