吉無田(よしむた)スギ希少個体群保護林
1.概要
本保護林は、二つ山(標高690m)の南方で八勢川の上流に位置し、阿蘇山南斜面の高原地帯で帯状になっている。林相は、スギ、ヒノキ、サワラの人工林で、江戸時代、肥後藩の領地で水源造成のため、1815年~1832年までの約52年間に340万本の植林した記録が残されている。現在も旧藩木として歴史を刻んでいる。同周辺では、熊本市の水源地造成のため植栽が行われている。
近景
林内
2.目的
旧藩時代植栽のスギ老齢林の植物群落として、歴史的、学術的価値のある個体群の持続性向上、併せて学術研究等に資することを目的とする。
3.所在地
熊本県 上益城郡 御船町
4.設定年月日
平成5年3月31日
平成30年4月1日再編
5.面積
11.62 ha
6.関係森林管理署等
熊本森林管理署
7.現況
標高:500~800m
傾斜:緩~中
地質:火山灰、 安山岩
土壌型:BD
林齢:95~165年生以上
樹種:スギ、ヒノキ、サワラ等
8.法指定等
保安林(水源かん養)
9.取り扱い方針
保護・管理及び利用に関する事項
保護・管理及び利用に関する基本的な事項については、保護林設定管理要領(PDF : 328KB)(平成27年9月28日付け27林国経第49号)に定められた希少個体群保護林の取扱い方針に従う。
これに加え、本保護林については、これまでの保護林モニタリング調査結果を踏まえて取り扱うこととする。
平成19、24、29年度の調査によれば、毎木調査では直近5年間に確認本数、材積に変化は見られず現状維持であり、保護林要件を満たしているが、一部シカの食害による下層植生への影響が生じ始めている(平成29年度調査時点)。スギの大径木に対する剥皮被害は確認されていないが、保護対象木本種の実生保護、林床の乾燥化防止、下層植生の回復のため、植生保護柵の設置等シカ被害対策に努めることとする。
また、他の人工林由来スギ老齢林保護林(小石原スギ遺伝資源希少個体群保護林等)と同様、老齢スギ林の群落として貴重であり、成長量把握等により保護管理対策を検討する。
モニタリング調査実施間隔 5年
10.過去の統合等の履歴
旧吉無田学術参考保護林(133る) 3.40ha 昭和32年3月31日設定
旧吉無田風致探勝林 (137ち、139へ、140ほ) 9.39ha 昭和39年3月31日設定
旧吉無田植物群落保護林として設定(平成5年3月31日)、当初設定面積は、上記の合計12.79haであったが、平成6年~平成8年に町道路敷きとして1.17ha売払いのため減。
上記経過を経て、保護林制度の改正に伴い、平成30年4月1日再編
11.保護林位置図
吉無田スギ希少個体群保護林位置図
お問合せ先
計画保全部計画課
担当者:生態系保全係
ダイヤルイン:096-328-3612