釈迦院(しゃかいん)スギ希少個体群保護林
1.概要
当保護林は美里町、泉町、町界の白山(標高1,073m)西方で、大行寺山(957m)周辺に位置し、近くの釈迦岳の頂上には金海山大恩教寺釈迦院があり九州唯一の霊山と言われている。釈迦院の表参道には、全国各地の名石と世界各国の御影石を使用し3,333段の日本一の石段があり、観光とレクリェーション等で多くの来訪者がある。
林相はスギ林で、しかも長大径材林分で白山に連なる尾根付近(標高約800m)に位置する。
遠景
林相
2.目的
釈迦院スギを保存し、学術研究等に資する。
3.所在地
熊本県 八代市 泉町
釈迦院国有林 1001に、ほ、へ、へ1、と、1002ろ、に、ほ、ち、り 林小班
4.設定年月日
平成5年3月31日「旧釈迦院植物群落保護林」設定
平成30年4月1日 新保護林制度により、再編
5.面積
8.61ha
6.関係森林管理署等
熊本南部森林管理署
7.現況
標高:800m
傾斜:中~急
地質:古硬砂岩
土壌型:BD(d)
林齢:105~140年生以上
8.法指定等
保安林(水源かん養)、五木五家荘県立自然公園(特3)
9.取り扱い方針
保護・管理及び利用に関する基本的な事項については、保護林設定管理要領(PDF : 328KB)(平成27年9月28日付け27林国経第49号)に定められた希少個体群保護林の取扱い方針に従う。また、平成22、30年度の保護林モニタリング調査を踏まえて、取り扱うこととする。
設定プロットは2プロットで、平成22年度調査時点では、ハチク(平成21年度基礎調査、平成22年度調査時のいずれもハチクと記載あるが、平成30年度調査では(マダケ)開花枯死の記載あり)の侵入による下層の低木、草本への影響を指摘し、植物群落の質が低下したと評価している。
平成30年度調査では、シカ被害について平成22年度に被害の記録がなかったものが、被害レベル3までに上昇し2プロットともに森林の内部構造が破壊され危機的状況にあるとしている。現状は、下層植生が、貧弱であること、下層植生の種構成や植被率の大きな変化が生じていることなどから、被害レベルを下げつつ、植生回復を図る必要があるとしている。また、下層植生出現種数は、低下または貧弱な状況であり、低木層の植被率の減少は、以前にタケが開花枯死した影響があるとしているが、そのギャップへの草本層の生育に、シカ食害の影響が懸念されるところ。
以上から、下層植生の回復、高木層の枯損を防ぐなど、シカ被害抑制を目的にシカの個体数管理、植生保護柵の設置が必要である。今後、モニタリング調査を継続しつつ、本保護林の状況を把握し、必要な対策を講じていくこととする。
モニタリング調査実施間隔 5年
10.備考
旧名称「釈迦院風致保護林」大正7年3月31日設定
旧名称「釈迦院植物群落保護林」平成5年3月31日再編
新保護林制度により、平成30年4月1日再編
11.保護林位置図
お問合せ先
計画保全部計画課
担当者:生態系保全係
ダイヤルイン:096-328-3612