内大臣(ないだいじん)モミ等希少個体群保護林
1.概要
本保護林は、九州中央山地国定公園内の天主山(標高1,494m)西方にあり、標高600m~800mに位置し、西面の緩斜地である。林相は上部はモミ、ツガが多く、下部はモミ、ツガ、ケヤキ、アカガシ、ウラジロガシ、クリ、ミズメ、カエデ等(160年生以上)の優良な針、広混交天然林で、また中央にはアカマツと、挿し穂によるスギ(胸高径1m以上)が数本存在する。
林内には、小松内大臣重盛の霊をまつれる小松神社がある。小松神社御神木が平成12年4月(森林の巨人たち百選)に選ばれている。
内大臣モミ等希少個体群保護林を内大臣林道から望む
遠景
側面
林内の林相 1
林内の林相 2
2.目的
暖帯上位植生の個体群の持続性の向上と歴史的価値の保全、小松神社の風致を図り、併せて学術研究等に資することを目的とする。
3.所在地
熊本県 上益城郡 山都町
4.設定年月日
平成5年3月31日
平成30年4月1日再編
5.面積
34.56 ha
6.関係森林管理署等
熊本森林管理署
7.現況
標高:600~800m
傾斜:緩
地質:粘板岩
土壌型:BE・BD(d)
林齢:80~170年生以上
8.法指定等
保安林(水源涵養)、矢部周辺県立自然公園(3特)、九州中央山地国定公園(3特)、鳥獣保護区(普通)
9.取り扱い方針
保護・管理及び利用に関する基本的な事項については、保護林設定管理要領(PDF : 328KB)(平成27年9月28日付け27林国経第49号)に定められた希少個体群保護林の取扱い方針に従う。
これに加え、本保護林については、これまでの保護林モニタリング調査結果を踏まえて取り扱うこととする。
平成19、24、29年度の調査によれば、毎木調査の結果、現状維持と判断され、保護林の要件は満たすが、直近5年間でシカ食害による忌避植物の増加や草本層の種数および植被率の減少等下層植生の劣化が進行し、森林の内部構造に大きな影響が生じるなど2プロットともにシカ被害レベルが3となった。このため、下層植生の回復、土壌の乾燥化防止、保護対象種の天然更新促進のため、シカの個体数管理とともに植生保護柵設置等シカ被害対策を検討する。
モニタリング調査実施間隔 5年
10.過去の再編等の履歴
旧内大臣学術参考保護林 大正12年3月31日
旧内大臣植物群落保護林 平成5年3月31日
保護林制度の改正に伴い、平成30年4月1日再編
11.保護林位置図
内大臣モミ等希少個体群保護林位置図
お問合せ先
計画保全部計画課
担当者:生態系保全係
ダイヤルイン:096-328-3612