崩川内(くずこうち)モミ等希少個体群保護林
1.概要
当保護林は、熊本県球磨郡水上村北部に位置し、水上村、八代市泉町、五木村の三方界で、高塚山(1,508m)の北部に位置し、銚子笹(1,489m)、山犬切(1,562m)等が連なる九州中央山地国定公園を含む一角にある。地形は殆どが急傾斜地である。
中腹から上部にかけて、モミ、ツガ、カシ、ブナ等の針広混交の天然林となっている。中腹から下流域にあるスギ、ヒノキの人工林とともに、球磨川の源流域ともなっている。標高は1,000m~1,400mに位置する。
林内
2.目的
モミ、ツガ、その他老齢の針広混交林の植物群落を保存し、併せて森林施業・管理技術の発展・学術研究に資する。
3.所在地
熊本県 球磨郡 水上村
崩川内国有林 2035い、ろ 林小班
4.設定年月日
平成5年3月31日 旧「崩川内植物群落保護林」設定
平成30年4月1日 新保護林制度により、再編
5.面積
135.90ha
6.関係森林管理署等
熊本南部森林管理署
7.現況
標高:1,000m
傾斜:急
地質:頁岩
土壌型:BC、BD(d)
林齢:160年生以上
8.法指定等
保安林(水源かん養)、鳥獣保護区(普通)、九州中央山地国定公園(3特)
9.取り扱い方針
保護・管理及び利用に関する基本的な事項については、保護林設定管理要領(PDF : 328KB)(平成27年9月28日付け27林国経第49号)に定められた希少個体群保護林の取扱い方針に従う。また、平成22、27、30年度の保護林モニタリング調査を踏まえて、取り扱うこととする。
本保護林の過年度モニタリング調査結果から、全4プロットにおいてシカ被害は、平成22年度はレベル2だったものから平成30年度にはレベル4となり植生被害が徐々に進行し、森林が破壊された段階にまで達していることが分かった。
また、平成22年度時点では、後継個体は比較的多く確認され、平成30年度にはヒメシャラ、アオダモ、ミズメなどの記載があった。一方、下層植生は減少傾向にあり、イワヒメワラビやバイケイソウなど忌避植物への構成種の偏りが確認された。
以上から、今後、モニタリング調査を継続し、シカ捕獲による個体数管理、植生保護柵の設置・拡充などの対策を早急に行い、シカ被害の抑制と下層植生の回復、高木層の天然更新の促進等を図るなど、対策実施後の保護林回復の状況について検証を行いながら、必要な対策を講じていくこととする。
モニタリング調査実施間隔 5年
10.保護林位置図
お問合せ先
計画保全部計画課
担当者:生態系保全係
ダイヤルイン:096-328-3612