ヒノタニシダ希少個体群保護林
1.概要
本保護林は出水市とさつま町界の石堂山(600m)の北西約3kmに位置し、林相はスギ、シイ・カシ類の混交林である。地被植物はシダ類が主で種類も多く、特に「ヒノタニシダ」は林内に点々と存在が確認されている。ヒノタニシダは、環境省RDBの絶滅危惧1B類※に分類されており、都道府県別分布では主に鹿児島で数百個体が確認され、希少種となっている。(※正確には、ローマ数字を使用するが便宜上1Bとした。)
林内下層
2.目的
ヒノタニシダの個体群の持続性を向上させることを目的とし、学術研究等に資する。
3.所在地
鹿児島県 出水市
4.設定年月日
平成3年3月31日
平成30年4月1日再編
5.面積
3.27 ha
6.関係森林管理署等
北薩森林管理署
7.現況
標高:400m
傾斜:中
中生層硬地質:砂岩
土壌型:BD
林齢:90年生以上
8.法指定等
保安林(水源涵養)
9.取り扱い方針
保護・管理及び利用に関する基本的な事項については、保護林設定管理要領(PDF : 328KB)(平成27年9月28日付け27林国経第49号)に定められた希少個体群保護林の取扱い方針に従う。
これに加え、本保護林については、これまでの保護林モニタリング調査結果を踏まえて取り扱うこととする。
平成19、24、29年度のモニタリング調査結果から、保護対象種であるヒノタニシダの生育は現在も確認されるが、小さい個体が多いことや個体数が少ないもの等の保全対策が必要である。平成19年にはなかったシカ被害が平成24年度のモニタリング調査から確認され(被害レベル2)、平成29年度にはシカ被害レベルは3に達し被害が拡大傾向となった。しかし、現状は新たなシカ被害が見られず、痕跡も確認されないため、被害は収束しつつあるとの見方もあるが、下層植生は、シカの忌避植物で構成され、種構成に偏りがあり、林床の光環境悪化や林内の乾燥化等の林内環境の劣化がある。このため、生物多様性の回復、希少種であるヒノタニシダをはじめとする地域固有種個体群の持続性向上のために、巡視、シカの個体数管理、植生保護柵の設置等を検討する。
モニタリング調査実施間隔 5年
10.備考
旧樋ノ谷学術参考保護林:昭和51年3月31日設定
平成3年3月31日:(旧樋之谷植物群落保護林)
保護林制度の改正に伴い、平成30年4月1日再編
11.保護林位置図
ヒノタニシダ希少個体群保護林位置図
お問合せ先
計画保全部計画課
担当者:生態系保全係
ダイヤルイン:096-328-3612