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九州森林管理局

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    船浦(ふなうら)ニッパヤシ希少個体群保護林

    1.概要

    当保護林は、西表島船浦部落の南東にある西表島国有林208林班は林小班で、マングローブ林の発達したヤシミナト川の河口から約600m程上流の左岸林縁に、約300m2にわたって生育している。周辺は満潮時に海水が浸る泥湿地帯で、樹高が約5mのオヒルギを優占種とし、ヤエヤマヒルギ、シマシラキの混生したマングローブ林が発達している。
    ニッパヤシ植物群落周辺の植生は、ニッパヤシ、オウバヒルギ、メヒルギ、ヒルギモドキ、ヒルギダマシ、ミズガンピ、イボタクサギ、アダン、ハテルマギル、テリハボク、クサトベラ等が群生している。

     

    ニッパヤシ写真

    船浦ニッパヤシ希少個体群保護林
     

    2.目的

    ニッパヤシ(Nypa fruticans wurmb.)は、ヤシ科に属す1属1種で灌木状の雌雄同株のヤシで、フィリピン、インド、マレーシア、ミクロネシアなどの熱帯に分布域を持つ種で台湾には分布せず台湾を飛び越えた沖縄県の西表島の船浦と内離島が我が国唯一の自生地であるばかりでなく、本種の分布の自生地北限として植物地理学上重要である。
    船浦のニッパヤシ植物群落の周囲には、特にオヒルギが優勢するほかヤエヤマヒルギやシマシラキなどが発達し、群落のほとんどを遮光していることから、生育状況は全体的に悪化しており、種子の結実も確認されているが実生による個体は確認されていないなど、西表島船浦における群落の消滅が危惧されていることから、保全・保護を図ることとして設定した。

    3.所在地

    沖縄県 八重山郡 竹富町

    4.設定年月日

    平成15年3月25日

    5.面積

    4.38 ha

    6.関係森林管理署等

    沖縄森林管理署

     7.現況

    標高:0m

    傾斜:平

    地質:沖積層

    土壌型:グライ

    林齢:30年生以上

    8.法指定等

    天然記念物(船浦ニッパヤシ群落:1972.5.15)、絶滅危惧2類(VU)

    9.取り扱い方針

    船浦ニッパヤシ群落は、天然記念物に指定されているものの種の特性から遷移の途中相の環境において生育する種であることから、群落内で繁殖生育する動植物にも留意しながら、ニッパヤシの生育環境の改善に必要な森林施業等の保護及び管理を行うこととする。
    なお、船浦ニッパヤシ植物群落は、国指定の天然記念物及び絶滅危惧2類(VU)であることから、関係法令の規定に基づく行為は実施できるものとする。

    お問合せ先

    計画保全部計画課
    担当者:生態系保全係
    ダイヤルイン:096-328-3612