フクレギシダ希少個体群保護林
1.概要
当保護林は天草市に位置して、林相はイチイガシ、シラカシ、ハナガガシ等の常緑広葉樹林を主体とし、林内には熊本県と鹿児島県の一部のみで確認されているフクレギシダが生育している。古くは、江戸幕府「御林」として管理されてきていたが、その貴重性から学術参考保護林の指定(大正11年)を経て、この度の保護林再編により(平成30年4月1日)フクレギシダ希少個体群保護林として設定することとした。
なお、当地域に生息するハナガガシは、江戸時代に槍の柄木や歌舞伎の拍子木として賞賛されていたが、ブナ科樹木である本種は四国及び九州の一部にのみに産する稀産種であり、熊本では絶滅したとも言われている。
また、天草には「五木の子守唄」の元歌となった「福連木の子守唄」があり、フクレギシダの名前の由来でもある福連木地区において「福連木子守唄&童謡祭り」が開催されている。さらに、この付近から湧出する「福連木官山の水」は熊本名水百選に選ばれている。
遠景
林内
2.目的
暖帯下位植生(フクレギシダ)を保護し、併せて森林施業・管理技術の発展・学術研究に資する。
3.所在地
熊本県 天草市
4.設定年月日
平成5年3月31日
5.面積
7.02ha
6.関係森林管理署等
熊本森林管理署
7.現況
標高:200m
傾斜:急
地質:古頁岩
土壌型:BD
林齢:70年生以上
8.法指定等
鳥獣保護区(普)
9.取り扱い方針
禁伐
極盛相にあるものは原則として自然の推移にゆだね、遷移の途中にあるものは現状の維持に必要な森林施業を行い、モニタリング、学術研究その他公益上必要な行為、非常災害のため応急措置として行う行為、軽微な施設の設置、その他法令等の規定に基づき行うこととしている。
10.備考
旧福連木学参 大正11年3月31日
お問合せ先
計画保全部計画課
担当者:生態系保全係
ダイヤルイン:096-328-3612