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九州森林管理局

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     重永(しげなが)カヤ等遺伝資源希少個体群保護林

    1.概要

       本保護林は、国道265号線から分岐し多良木町へ至る県道沿いで、須木村からは北東方向、標高700mの位置にある。
       林相は、 カヤ、ケヤキ、ミズメ、ウラジロガシ等の常緑広葉樹と落葉広葉樹が混交する天然林である。付近には、樹齢620年、樹高35m、胸高直径2.07mの巨木(八人塚一本杉)がある。平成23年度調査時の高木層構成種は、ウラジロガシ、ヤブツバキ、ヤブニッケイが多く確認された。また、場所によっては、保存対象種のカヤ、ケヤキ、ミズメ、ウラジロガシ、イロハカエデの生育が確認された。低木層は、サカキ、ハイノキ、草本層にキジョラン、マツカゼソウ、シキミ、ユズリハ、オオバノハチジョウシダ等が見られた。

    重永林木遺伝資源保存林_全景

    重永カヤ等遺伝資源希少個体群保護林  全景

    重永林木遺伝資源保存林_カヤの巨木   重永林木遺伝資源保存林_近景
    カヤの巨木   近景

     

    2.目的

       本保護林はアカガシ、ウラジロガシ、その他広葉樹の天然林の中に大陸系の植物や固有種が生育しており、これら植生の保護を図るとともに、森林施業・管理技術の発展、学術研究等に資することを目的とする。カヤ、ケヤキ、ミズメ、ウラジロガシの保存

    3.所在地

    宮崎県 小林市 須木
    重永国有林   2082  た  林小班

     ※須木村・・・平成18年3月20日以降は小林市須木

    4.設定年月日

    平成2年3月31日、旧名称「重永林木遺伝資源保存林」設定
    平成30年4月1日、新保護林制度により、再編

    5.面積

    7.38 ha

    6.関係森林管理署等

    宮崎森林管理署

    7.現況

    標高:700m

    傾斜:急

    地質:中頁岩

    土壌:BD

    林齢:150年生(令和元年度)

    8.取り扱い方針

       保護・管理及び利用に関する基本的な事項については、保護林設定管理要領(PDF : 328KB)(平成27年9月28日付け 27林国経第49号)に定められた希少個体群保護林の取扱い方針に従う。また、平成23、30年度の保護林モニタリング調査結果を踏まえて取り扱うこととする。
       調査プロットは3プロットあり、ウラジロガシの後継個体が、1プロットで確認された。シカ被害は、平成23年度調査時に全プロットレベル3であったものが、1プロットはレベル3のままであったが、2プロットではレベル4になり、全体として被害が進行している。2プロットでは表土流亡が発生しており、忌避植物が増加など下層植生の衰退、生物多様性の低下が顕著であり、森林が破壊された段階に近く、森林更新への影響も懸念される。さらに、平成23年度にニホンカモシカの糞が確認されたが、平成30年度には、確認されていない。
       今後は、下層植生回復のため、シカの頭数管理と植生保護柵の設置・拡充、後継樹育成のための天然更新の促進を図るほか、谷部における表土流亡が確認される場合にはその対策など必要な対策を講じていくこととする。

    9.保護林の位置図

       重永カヤ等遺伝資源希少個体群保護林

     

    お問合せ先

    計画保全部計画課
    担当者:生態系保全係
    ダイヤルイン:096-328-3612