大矢取(おおやどり)クスノキ等遺伝資源希少個体群保護林
1.概要
当保護林は、串間市の国道220号線から分岐して都城市へ至る県道沿いで、大矢取川にも接した位置にある。また、近くには赤池渓谷があり、渓谷は大小無数の凹穴群と山間から噴出する流水が自然美を成している。保護林は、江戸時代に蓬野(ふつがの)氏が植樹したと伝えられており、クスノキの大木がまとまり群生しているのは貴重である。一見、クスノキの純林に見えるが、イチイガシ、タブノキ、シイ類等も混入し、多様な植生を有している。クスノキの林齢は約350年生以上と考えられている。
大矢取クスノキ等遺伝資源希少個体群保護林 全景
クスノキの巨木
遠景
2.目的
クスノキ老齢林、イチイガシの個体群の持続性を向上させることを目的とし、併せて森林施業、管理技術の発展、学術研究等に資する。
3.所在地
宮崎県 串間市
4.設定年月日
平成元年3月31日
平成30年4月1日再編
5.面積
5.26 ha
6.関係森林管理署等
宮崎南部森林管理署
7.現況
標高:100m
傾斜:緩
地質:古第三紀頁岩
土壌:BD
林齢:175年生以上
8.法指定
保安林(水源涵養)
9.保護・管理及び利用に関する事項
保護・管理及び利用に関する基本的な事項については、保護林管理設定要領(PDF : 328KB)(平成27年9月28日付け27林国経第49号)に定められた希少個体群保護林の取扱い方針に従う。
これに加え、本保護林については、これまでの保護林モニタリング調査結果を踏まえて取り扱うこととする。
平成20、24、29年度の調査によれば、毎木調査の確認本数等に変化はなく、現状維持されており、保護林要件を満たしている。当保護林にシカの生息はないとされ、シカの痕跡や被害木は確認されておらず、シカの嗜好植物も優占し、林床植生は豊かに繁茂しており、シカ被害レベルは0であった(平成29年度調査時点)。今後、自然の推移を見守る方針とするが、周辺のシカ個体群動向を把握し、被害の未然防止に努める。
モニタリング調査実施期間は、10年。
10.保護林設定の経緯
旧名称「大矢取学参」 面積 5.26ha 設定 大正4年3月31日
旧大矢取林木遺伝資源保存林 平成元年3月31日設定
平成30年4月1日再編
11.保護林位置図
大矢取クスノキ等遺伝資源希少個体群保護林位置図
お問合せ先
計画保全部計画課
担当者:生態系保全係
ダイヤルイン:096-328-3612