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九州森林管理局

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    お知らせ(令和4年度)


    西表森林生態系保全センター

    日付

    令和5年3月29日

    タイトル

    竹富町の自然環境保護に向けて議論
    ~令和4年度第1回竹富町自然環境保護審議会に出席~

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    3月29日(水曜日)、「令和4年度第1回竹富町自然環境保護審議会」が竹富町役場大会議室を主会場にオンラインも併用し開催され、当センター職員1名が出席しました。

    今回は【条例指定種の現状と他法令との関係】、【保護区指定への指摘】の2点について事務局から報告が行われた後、【条例運用上の課題と次年度以降のスケジュール】の議題について議論が行われました。

    【条例運用上の課題と次年度以降のスケジュール】では、事務局から提案があった課題以外に議論すべき課題や優先して取組む課題の洗い出しなどが行われました。

    今後、各委員から出された意見を踏まえ、竹富町自然環境保護条例等の見直しに向け、審議会において議論することとなります。

     


    竹富町の自然環境保護に向けて議論が行われた審議会


    日付

    令和5年3月27日

    タイトル

    今年も西表島における自然環境教育について活発な意見交換
    ~令和4年度自然環境教育推進のための連絡会議を開催~

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    3月27日(月曜日)、西表島の船浦地域活性化施設(ときめきホール)において、「令和4年度自然環境教育推進のための連絡会議」を、関係行政機関、各種団体等及び西表島内の各小中学校の先生方の出席のもと開催しました。

    今回の会議も昨年度と同様、西表島島内の小中学校が実施した今年度の自然環境教育の活動、各行政機関・各団体等が実施した支援内容の報告のあと意見交換を実施しました。

    意見交換では、当連絡会で作成された“西表島での自然環境教育カリキュラム”について「毎年、挨拶回りの際に自然環境教育担当(海洋教育担当)教職員への当該カリキュラムの説明を実施してみてはどうか?」「当連絡会議の開催時期は、こういった会議やカリキュラムがあることを知る上で4月~6月開催希望、若しくは次年度に向けた取り組みの観点からは10月~12月上旬の開催を希望する」などの昨年度に引き続きカリキュムの周知方法、カリキュラムが活用される仕組み作り、相談窓口やカリキュラム自体の改訂にかかる記載内容の是非など出席者から様々な意見・要望が出される活発な意見交換の場となりました。

    今年度は、昨年度のように事務局である当センターで西表島島内の各小中学校に出向きカリキュラムの説明会を実施しませんでしたが、毎年、赴任した新任教職員を対象としたカリキュラム説明会の実施や教育機関側にカリキュラムが継続して認知されるための周知方法の工夫などが必要であることを改めて痛感しました。

    今回の連絡会議で出た意見・要望等を踏まえ、支援機関等と調整を図りながら、「自然環境教育カリキュラム」の改訂を含む今後のカリキュラムのあり方等の検討を進めるとともに、西表島における自然環境教育の一層の推進に取り組んでいきたいと思います。

     


    今回も活発な意見交換が行われた自然環境教育推進連絡会議


    日付

    令和5年3月22日

    タイトル

    「令和4年度第2回イリオモテヤマネコ交通事故防止対策検討委員会」に出席

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    1月12日のトピックスでもお伝えしましたが、沖縄県が平成27年度から取り組んでいるイリオモテヤマネコの交通事故防止対策に対し、技術的、学術的見地から助言を行うことを目的として、3月22日(水曜日)に「令和4年度第2回イリオモテヤマネコ交通事故防止対策検討委員会」が那覇市の沖縄県市町村自治会館を主会場にオンラインも併用し開催され、有識者、各行政機関からなる検討委員等が出席し、当センター職員1名がオブザーバーとしてオンラインで出席しました。

    当日の会議では、【ヤマネコの路上侵入抑制対策の体制構築】、【普及啓発】、【ヤマネコの交通事故問題及び対策に係る意識等調査】、【車両走行速度に関するモニタリング】、【西表島西部地区における新たなヤマネコの交通事故防止対策の検討】、【次年度事業計画案】の6議題について、事務局から議題毎に提案説明がなされ、委員による討議が行われました。

    各委員から、ヤマネコの路上侵入抑制対策の体制構築についてでは、『2月に行われたヤマネコ路上侵入抑制柵の効果に関する説明会等のイベントを今後も続けてほしい』、『イベントを行う際に、島外からの参加者について船舶代等を無料にしたら参加者が増えるのでは』という要望や意見が出され、車両走行速度に関するモニタリングについてでは、『イリオモテヤマネコ等の動物に対してドライバーが道路上のどこを見て運転しているのか、ドライバー目線の調査もやるべき』等の意見が出されました。

    また、令和5年度の事業計画では、「ヤマネコの交通事故防止対策の基本方針」の新しい計画への取組(案)が提案され承認されました。

    最後に事務局から『令和4年度に実施した各種データの分析を行い、イリオモテヤマネコの交通事故の減少に向けて、令和5年度以降は更によりよい対策を進めていきたいと考えているので、引き続き各委員のご協力をお願いする』との挨拶があり、本検討委員会を終了しました。

    当センターとしても、イリオモテヤマネコの交通事故が減少するために、ネコボックス、県道等の環境整備(草刈り)に積極的に協力していくこととしています。


    沢山の活発な意見が出された会場


    web参加で議論に聞き入る職員


    日付

    令和5年3月16日

    タイトル

    各機関の対策が着々と進行中
    ~令和4年度西表島におけるノヤギ対策連絡会議に出席~

    コメント

    3月16日(木曜日)に「令和4年度西表島におけるノヤギ対策連絡会議」が石垣市の国際サンゴ礁研究・モニタリングセンターを主会場にオンラインも併用し開催され、当センター職員1名が出席しました。

    今回の会議では、【令和4年度活動報告と令和5年度方針について】【対策方針の現状と今後の連絡会議について】が主な議題でしたが、林野庁は林野巡視による目撃・被害情報の把握(巡視記録、各種調査データ集約・環境省との連携)で協力していくことになっているため、地元中学校の行事(古見岳登山、テドウ山登山)を利用したその周辺の林野巡視等を実施したことを報告しました。

    環境省西表自然保護官事務所からの報告では、新しい地点での目撃情報が入ってきていることや大原集落で放し飼いのヤギの情報提供があったことが報告され、捕獲についても環境省の事業とは別に、狩猟期間中(令和4年11月15日~令和5年2月15日)に地元猟友会でくくり罠を用いノヤギ31頭の捕獲実績があったとのことでした。
    沖縄県と竹富町からの報告では、共同で適正飼養の普及啓発活動を実施したことや、沖縄県が来年度からノヤギを対策種から重点対策種に引き上げることを予定しているとの報告がありました。

    捕獲と適正飼養の両輪の対策について、各機関で着々とその取組が進行しています。
    世界自然遺産価値の担保である西表島の希少な植生や森林生態系の崩壊を招くことないように次年度以降も各機関が足並みを揃え、連携し早め早めの対応を取っていくことを全体で確認し今年度の連絡会議を終了しました。

    昨年度も申しましたが、ノヤギ化した原因は、私達人間の行動の結果であって、決してノヤギに非はありません。

     


    今後も捕獲と適正飼養の両輪の取組継続を確認


    日付

    令和5年3月14日~16日

    タイトル

    業務の始め方、繋げ方、終わり方
    ~山根計画保全部長と今後の当センター業務方針についてディスカッション~

    コメント

    314日(火曜日)から16日(木曜日)にかけて九州森林管理局の山根計画保全部長及び局職員2名が来所し、当センターで実施している現場業務等を現地確認し、今後の当センターにおける業務活動方針等についてディスカッションしました。

    令和41129日のトピックスで少し触れましたが、我々は2~3年で異動します。当然、前任者から引き継いだ業務については、当たり前のように“やらなければならないこと”と認識し、業務の遂行にあたります。

    昨年11月の山根計画保全部長が来所された際に確認の意味も込めて「この業務の発端、目的や目標は?いつもまで実施するの?成果は何にどう繋げていくの?」という部長からの問いかけに大枠では西表島森林生態系保護地域の保全管理という目標がありますが、業務一つ一つの目的や目標、その期限、成果の活用方法を聞かれた際に明確に答えられず、見落としていたことに気付かされ、ハッとさせられました。

    山根計画保全部長からの問いかけを受け、当センターで実施中の各種業務を整理する中で、外部にだすべき調査報告書が殆どセンター内部の調査報告書になっていたことや、各種業務の到達点(目標値)はいったい何なのか、なぜその業務が必要なのか、そもそもの業務の発端は何だったのか、地元のニーズに合っているのか、研究者等の外部有識者から助言等を十分に頂いているのか、その都度、業務を精査し、軌道修正・改善しているか等、様々なことを考えさせられました(当たり前のことかもしれませんが、この当たり前のことが意外と出来ていなかったことに気づかされました)。

    今後は、世界自然遺産になったことを改めて意識し、研究者等の外部の有識者とのコミュニケーションや業務のスクラップアンドビルド(調査結果の整理・十分な考察の時間の確保)が重要であるとの認識が示され、センター職員だけではなく上局の関係各課も交えて相談も積極的に実施するようにとのアドバイスも頂きました。

    上局の関係各課とのなお一層の積極的な相談等や、研究者等の外部有識者との関係性の構築をはじめ業務の始め方、繋げ方、終わり方を意識し、単年ではない長期目線にたったPDCAサイクルを常に考えることを全体で確認しディスカッションを終了しました。

     

    外来種対策駆除試験地にて現地確認中の山根計画保全部長(左端)

    今後のセンター業務の方向性等についてディスカッション


    日付

    令和5年3月12日

    タイトル

    この川と この海と この空を 守りたい
    ~南風見田海岸ビーチクリーンアップ活動に参加~

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    312日(日曜日)、14時から八重山地区の海洋環境保全推進活動を行う団体「八重山環境ネットワーク西表エコプロジェクト」の主催で南風見田海岸のビーチクリーン活動が開催され、当センター職員3名が参加しました。

    南風見田海岸は西表島東部に位置し、近隣にキャンプ場などもあることから、観光客をはじめ地元の方も利用する、訪れる人が多い海岸で(活動中にも観光客や地元の方が数名訪れていました)、一帯は南風見国有林172林班となっており、当センターの漂流・漂着ゴミの定点観測地点でもあります。

    昨年の3月13日も同じ場所にてビーチクリーン活動を実施しておりますが、今回も地元スポーツ少年団の子ども達とその保護者等やスポーツ少年団OBの中学生、高校生も含め70名以上の参加者でビーチクリーン活動を実施。当地は、一見すると漂着ゴミ等があまりないように見えますが、約2時間のクリーン活動で沢山の漂着ゴミを回収しました(ペットボトル588本、プラスチック製品ゴミがゴミ袋(45㍑)21袋等、プラスチック製品ゴミの中にはマイクロプラスチック一歩前のゴミも多くありました)。

    帰り際、大原港の売店にて、地元の竹富町立大原中学校の生徒が作成した大原中学校における海洋漂着ゴミへの取組活動のパンフレットを偶然手にとりました。

    そのパンフレットには魚を解剖して胃の内容物を調査したり、西表島の海底から採取した砂を調査したことなどが記載されており、魚の胃からもマイクロプラスチックのような物が見つかったり、海底の砂からもマイクロプラスチックが見つかったりと海洋漂着ゴミ問題は改めて全人類の一人一人が自覚しなければならない直面するおおきな問題なのだと実感しました。

    そのパンフレットに4コマ漫画シートも挟んでありましたが、「あなたの“今の行動”が未来を変える」という最後の言葉に心打たれました(このトピックスのタイトルは、パンフレットに書かれていた言葉を引用したものです)。

    大きなことをする必要は一切ないと思います。ゴミをゴミ箱に捨てたり、きちんと分別したり、食べ物を粗末にしないことだったり、目についたゴミを拾ったり、日常の小さな心がけ(今の行動)が未来を変えることに繋がると思います。

     


    活動前、漂着ゴミは一見見当たらないが


    やっぱり大物があった



    終わってみればやっぱり沢山の漂着ゴミ


    暑い中、今回もみんな一生懸命頑張りました。


    竹富町立大原中学校の海洋漂着ゴミへの取組活動紹介パンフレット


    この川と この海と この空を 守りたい


    パンフレットに挟んであった考えさせられる4コマ漫画


    日付

    令和5年3月7日

    タイトル

    イリオモテヤマネコの保護増殖に向けて議論
    ~令和4年度イリオモテヤマネコ保護増殖事業検討会に出席~

    コメント

    3月7日(火曜日)、「令和4年度イリオモテヤマネコワーキンググループ会合」に引き続き13時00分から、「令和4年度イリオモテヤマネコ保護増殖事業検討会」が石垣市の国際サンゴ礁研究・モニタリングセンターを主会場にオンラインも併用し開催され、当センター職員1名が出席しました。

    今回は【令和4年度イリオモテヤマネコ保護増殖事業の実施状況】、【関係機関の取組について(情報共有)】、【令和5年度の交通事故対策・普及啓発について】、【イリオモテヤマネコ10ヶ年保全計画連絡会議からの報告】の4点の議題について議論が行われました。

    【令和4年度イリオモテヤマネコ保護増殖事業の実施状況】では、沖縄県が実施しているイリオモテヤマネコの目撃情報の収集について、「関係者が目撃システムを見れるようにしてもらいたい」という意見を受け、関係者も目撃システムが見れるように調整したいという回答がありました。

    【関係機関の取組について(情報共有)】では、沖縄県、竹富町からの報告後、JTEF西表島支部やまねこパトロールの高山事務局長から平均交通量の年度比較、通行車両の速度データ並びに2022年度活動の成果と課題が報告されました。

    【令和5年度の交通事故対策・普及啓発について】では、「観光客が増加することにより目撃情報や交通事故の傾向が変わる可能性があるため、最新のデータをもって交通事故防止強化区間等を見直すことが大事だ」という意見がだされました。

    最後に、検討委員から、「次回は西表島において開催してもらいたい」との意見があり本検討会を終了しました。

     


    イリオモテヤマネコの保護増殖に向けて議論が行われた検討会


    日付

    令和5年3月7日

    タイトル

    数カ所の山腹小崩壊を確認
    ~海から傭船による西表島一周巡視調査を実施~

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    37日(火曜日)、沖縄森林管理署と合同で令和4年度の傭船による(仲御願島を含む)西表島の一周巡視調査を実施しました。

    西表島の面積の約85%が私達、林野庁が管理する国有林となっており、その国有林の大部分は西表島森林生態系保護地域に指定されています。

    当センターでは、平成26年度から毎年、傭船による西表島の一周巡視調査を実施しており、普段は局所的な確認等は実施しておりますが、この傭船による一周巡視調査では西表島の国有林の全体的な状況把握や植生の変遷等の確認を目的の一つとしております。

    さて、調査日当日の天候は、晴れ。
    風は若干強かったものの、波はさほど高くなく、海の状態も良好でした(実は、昨年の5月からこの一周巡視調査を計画しておりましたが、天候や海況にことごとく恵まれず本日に至り、何度目の正直で調査が出来たことに、胸をなで下ろしました)。

    調査結果については、国有林、民有地問わず海岸線にて漂着ゴミを数カ所で確認、また、西表島南側の国有林(鹿川湾から南風見田海岸)において、昨年の台風襲来や大雨等が原因と思われる急傾斜地の山腹の小崩壊を数カ所確認しました(この小崩壊については、現時点では崩壊部の下方に人家や耕作地等がない場所であることから復旧は自然の推移に委ねることとしています)。

    前述したように普段から主要な調査と並行し、局所的な国有林の状態確認等は実施しておりますが、年1回の海からの状況確認は、局所的な確認と違い、全体視することで新たな発見や気づきがあります。


    網取湾から西表国有林163林班を望む


    多くの漂着ゴミを確認
    (崎山湾に接する民有地箇所)


    鹿川湾から西表国有林169林班を望む


    西表島南側(南風見国有林)の急傾斜地にて山腹小崩壊を確認


    南風見国有林(南風見田海岸)


    日付

    令和5年3月6日

    タイトル

    令和4年度ヒナイ川の利用状況調査(令和5年3月分)報告

    コメント

    3月6日(月曜日)、ヒナイ川の利用状況調査を実施しました。

    調査日当日の天候は、晴れ。
    気温は、車の外気温表示では午前10時時点で21℃と、2月の調査時よりも気温は低く、日射しは強かったものの風もひんやりとして、カヤック係留地での聞き取り調査は少し肌寒かったです。

    さて、調査の結果は、カヌーツアー20組の91名(ガイド含む)で、殆どが県外からの観光客でした。
    コース別では、ピナイサーラの滝壺コースが12組、ピナイサーラの滝上・滝壺コースが7組、その他コース(カヤック係留地点付近のサキシマスオウノキ見学)が1組でした。

    なお、3月期の利用者数は、令和3年度の同月と比較してツアー数は若干減少し、利用者数は大幅に減少する結果となりました(ツアー数、利用者数ともに減少しておりますが、3月上旬の調査としては、多かったように感じます。また、昨年度は3月下旬に調査を実施しており、3月については、上旬と下旬で利用者数等に大幅な差が生じる傾向にあるようです)。

    今年度は新型コロナウイルス感染症にかかる全国的な規制等がなく、西田川の利用状況調査と同様に筆者が担当になって初めて年間を通して利用状況調査を実施することが出来ました。
    いつまでも人と自然が共生し、このヒナイ川エリアのすばらしい自然が後世に引き継がれるように願うとともにその一端を担えるように来年度以降もこの利用状況調査を継続して実施する予定です。

    今年度の利用状況調査は、西田川を含め今回で終了となりますが、ツアー中にもかかわらず、毎回快く聞き取り調査に応じてくれるネイチャーガイドさん達に感謝を申し上げ、令和4年度における最後のヒナイ川利用状況調査報告とします。

     


    係留中のカヤック(下流の係留地点)


    係留中のカヤック(上流の係留地点)


    帰りの途につく観光客とガイド


    陽光に照らされ青々と旺盛に育つ



    係留地上空
    (今年度も調査にご協力いただきありがとうございました)


    日付

    令和5年3月6日

    タイトル

    漂流・漂着ゴミの状況調査を実施(3月期)

    コメント

    3月6日(月曜日)、西表島の南風(はえ)見田(みた)・野原・ユチン・船浦湾内・船浦湾外・美田(みた)()の6調査地点において定点観測による今年度最後の漂流・漂着ゴミの状況調査を行いました。

    当日は天候に恵まれ、調査地を移動する車の窓から入ってくる涼しい風を肌で感じながら、少しずつ春が近づいていることを実感しました。

    今回の調査結果は、ユチンと船浦湾外の調査地点でペットボトルなどのプラスチック製品が多く観測されましたが、美田良の調査地点では1つの漂着ゴミも確認されませんでした。

    今年度は、昨年度以上の漂着ゴミを確認しましたが、調査の度に何とかならないだろうかと思ったのは私だけではありません。

     


    海岸線の漂着ゴミ(ユチン地点)


    ペットボトルなどの漂着ゴミの多さに驚愕
    (船浦湾外地点)

    日付

    令和5年2月20日

    タイトル

    野生植物分布状況調査を実施(第4回)

    コメント

    2月20日(月曜日)に第4回目の野生植物分布状況調査を実施しました。

    今回も国有林職員OBの加島幹男氏に協力いただき、植物の特徴、花の咲く時期等の丁寧な説明を受けながら15種の植物を調査することが出来ました。

    その中で、今回はハマジンチョウを簡単に紹介します。ハマジンチョウは海岸付近に生息し、淡紫色の花が咲きとてもきれいです。環境省レッドリスト、沖縄県レッドデータブックで、ともに絶滅危惧B.類(VU)に指定されています。

    今年度の調査は今回までで木本類を中心に74種の調査を終え、予定していた調査範囲の目標を達成することが出来ました。

    今年度実施した4回の調査を終えて、改めて西表島には希少な植物が数多くあることに驚かされました。調査中に詳しく説明いただいた加島氏に感謝するとともに、説明されたことを調査データに丁寧かつ詳細に記録していきます。

    次年度以降もこの野生植物分布状況調査を予定していますが、写真の撮り方等、今年度以上の成果が出せるようにし、また、花や実の写真が撮れていないものは追加調査も予定しています。

    ※調査データの中には稀少種も含まれており、「場所を教えてください」などの質問等については受け付けておりませんので、ご了承願います。

     


    ハマジンチョウ(淡紫色が美しい)

    日付

    令和5年2月15日

    タイトル

    特定自然観光資源の立入承認制度の運用に向けて議論
    ~令和4年度第2回竹富町西表島エコツーリズム推進協議会に出席~

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    2月15日(水曜日)に世界自然遺産地域連絡会議令和4年度第2回西表島部会終了後、18時から「令和4年度第2回竹富町西表島エコツーリズム推進協議会」が竹富町離島振興総合センターを主会場にオンラインも併用し開催され、当センター、沖縄森林管理署、環境省、沖縄県、竹富町などの行政機関、地元住民代表、エコツーリズムや観光関係団体、琉球大学等の有識者・専門家ら47名、傍聴者1名が参加しました。

    当日の会議では、【全体構想の認定と推進協議会ウェブサイトの公開について】報告が行われた後、【特定自然観光資源の立入承認について】【モニタリング評価の枠組みについて】【サステナブル事業の進捗状況と今後の進め方について】などの各議事について、事務局から説明があり議論が行われました。

    特に特定自然観光資源の立入承認について、「特定自然観光資源のエリア内(ヒナイ川、西田川、古見岳、浦内川源流域、テドウ山)に立ち入る場合、登録引率者の同行が必要となるが、それぞれのエリア毎に登録をすることになるのか」、「特定自然観光資源の立入承認に関する条例が施行されるまでは、自由に入れるのか」、「引率ガイドの更新基準の見直し」など多くの質問・意見等が出されました。

    また、モニタリング評価の枠組みについて、「西表島モニタリング評価委員会(仮称)を西表島部会と竹富町西表島エコツーリズム推進協議会の両方の組織において共同で設置することとなっているが事務局はどの機関が担うのか」との質問が出されました。

    今後は、特定自然観光資源の立入承認制度の運用に向け取組んでいくことになります。


    特定自然観光資源の立入承認に向けて議論が行われた
    西表島エコツーリズム推進協議会

    日付

    令和5年2月15日

    タイトル

    西表島観光管理計画策定に向け議論
    ~奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島世界自然遺産地域連絡会議令和4年度第2回西表島部会に出席~

    コメント

    2月15日(水曜日)に、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島世界自然遺産地域連絡会議 令和4年度第2回西表島部会」が竹富町離島振興総合センターを主会場にオンラインも併用し開催され、当センター、沖縄森林管理署、環境省、沖縄県、竹富町などの行政機関、地元住民代表、西表島エコツーリズム協会や観光関係団体ら44名、傍聴者4名が参加しました。

    当日の会議では、【西表島観光管理計画(案)について】、【モニタリング評価の枠組みについて】、【行動計画の管理成果に係る評価について】などの議題について、事務局から説明が行われた後、議論が行われました。

    西表島観光管理計画(案)では、「1日当たりの入域観光客数を1,200人とした場合、最大で年間43万人を超えてしまうのではないか」「年間入域観光客数の変動量を前年度比で1割以上とした場合、観光客数が増えて行く一方ではないか」「具体的な年間入域観光客数の上限を示すべきではないか」などの様々な意見・要望が出されました。

    今後は、参加者からの意見・要望を踏まえ計画(案)の修正を行い、今年度中の策定に向け作業が行われることとなります。また、策定後は沖縄県のホームページをはじめ、環境省等の関係機関のホームページにも掲載され、広く公表されます。


    西表島観光管理計画策定に向け熱い議論が行われた西表島部会



    日付

    令和5年2月15日

    タイトル

    イリオモテヤマネコをロードキルから守る
    ~県道沿いの草刈りに参加~

    コメント

    12月20日のトピックスでもお伝えしましたイリオモテヤマネコ交通事故防止に関する連絡会議で要望があった県道沿いの草払いについて、2月15日(水曜日)に環境省西表自然保護官事務所主催で、トラ・ゾウ保護基金西表島支部やまねこパトロール、国立公園パークボランティア、沖縄森林管理署及び当センターの10名で、午前10時から西表島のクーラ橋周辺の県道の草刈りを実施しました。

    当日は、強風が吹く寒い中、沖縄森林管理署と当センターは切った草を集積し捨てる作業を担当。時間が経つにつれ作業も順調に進んで終わる頃には汗が滲み出るほどでした。

    草刈り作業が終了した歩道は視界がはっきりし、ドライバーは夜間でもイリオモテヤマネコに限らず、道路を横切る小動物等に早く気づくことが出来ます。

    昨年はイリオモテヤマネコの交通事故が4件発生しましたが、この草刈りでロードキルが少しでも減少することを願っています。


    作業前の打合せ


    作業に精を出す参加者


    日付

    令和5年2月7日

    タイトル

    令和4年度西田川の利用状況調査(令和5年2月分)報告

    コメント

    2月7日(火曜日)、今年度6回目の西田川の利用状況調査を実施しました。

    調査日当日の天候は、雲が多かったものの概ね晴れ、車の外気温表示は午前9時30分時点で21℃でした。昨日同時刻の外気温表示より2℃低かったものの、昨日よりも暖かく感じました。

    さて、調査の結果は、カヌーツアー2組の13名(ガイド含む)で県外からの観光客でした。

    なお、2月期の利用者数は、令和3年度の同月と比較してツアー数は若干増え、利用者数は大幅に増える結果となりました。

    西田川の利用状況調査については、令和4年4月13日のトピックスでもお伝えしておりますが、2ヶ月に1回の間隔(偶数月)でサンガラの滝において、利用するガイド等への聞き取り調査を行っております。
    今年度の西田川の利用状況調査は今回で終了となりますが、当方が担当になって初めて年間を通して利用状況調査が出来ました(令和2年度、令和3年度ともに新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から調査自体を自粛した期間があったため)。

    年間を通して調査を実施すると、西表島の森は紅葉しませんが、漂ってくる香り、咲く花々、鳥のさえずりなどが季節によって全く違い、改めて季節の変化に富んでいることを感じさせられました。

    サンガラの滝は、ピナイサーラの滝ほどの迫力はありませんが、静けさの中のその佇まいや別のツアー客と重複しない独り占め感など、ピナイサーラの滝にはない魅力が沢山あるといつも感じています。

     

     

    サンガラの滝(魚眼レンズで撮影)

    サンガラの滝を包む青々とした森
    (魚眼レンズで撮影)


    日付

    令和5年2月6日

    タイトル

    令和4年度ヒナイ川の利用状況調査(令和5年2月分)報告

    コメント

    2月6日(月曜日)、ヒナイ川の利用状況調査を実施しました。

    調査日当日の天候は、天気予報では雨でしたが、調査地点到着時は曇り、このまま天候がもつかと思えば、11時30分頃から1時間ほどの豪雨、そこから晴れ。天気予報が本当に当たらない西表島特有の天候でした。
    気温は、車の外気温表示は午前9時30分時点で23℃でした。
    風もさほど吹かず、2月上旬というのに西表島には春がそこまできているのでしょうか。

    さて、調査の結果は、カヌーツアー12組の43名(ガイド含む)で、殆どが県外からの観光客でした。
    コース別では、ピナイサーラの滝壺コースが7組、ピナイサーラの滝上・滝壺コースが4組、その他コース(カヤック係留地点付近のサキシマスオウノキ見学)が1組でした。

    なお、2月期の利用者数は、令和3年度の同月と比較してツアー数、利用者数ともに大幅に増加する結果となりました。

    さらに帰所後、利用者数等を集計したところ、平成17年度の調査開始以来、ツアー数、利用者数ともに同月の最高値を更新する結果となりました(一昨年の世界自然遺産登録や新型コロナウイルス感染症関連の規制がない点など様々な要因が、この利用者数の増加に繋がっているものと思われます)。

     

     


    係留中のカヤック(下流の係留地点)


    係留中のカヤック(上流の係留地点)


    帰りの途につく観光客とガイド
    (下流の係留地点)


    帰りの途につく観光客とガイド
    (上流の係留地点)


    激しい降雨


    激しい降雨後、すぐに晴れ


    日付

    令和5年2月3日

    タイトル

    仲間川マングローブ林台風被害地モニタリング調査(空撮)を実施

    コメント

    令和4年12月14日のトピックスでお伝えした仲間川マングローブ林台風被害地モニタリング調査は、調査日当日が雨だったため地上からの定点撮影のみ実施しています。

    前回の調査で、定点撮影地点9箇所のうち3箇所の地点標示(ペットボトルを再利用し、地点番号を貼り付け、蛍光塗料を塗ったもの)がなくなっていたため、今回(2月3日(金曜日))、その標示取り付け及びドローンによる空撮を実施しました。

    前回は、雨だったため台風被害地に下りる歩道がとても滑りましたが、今回は滑ることもなく被害地に到着し、なくなっていた各地点の標示が強風でも外れないように地点杭にしっかりと取り付けました。

    ドローンによる空撮では、地点位置の確認(モニター越しの視認)が予想以上に難しく、前年度の空撮資料を1箇所毎に確認しながらの撮影と飛行高度の確認等に時間がかかり撮影の難しさをしみじみ感じました。

    空撮の結果は、被害地中央部の水流がはっきり確認されるなどの情報が得られました。


    標示が外れないようにしっかり結びつける


    被害地中央部に水流を確認


    日付

    令和5年1月30日

    タイトル

    一人、一人が行動し皆で「守る」体制をつくるには
    ~令和4年度石西礁湖自然再生協議会第6回海域・陸域対策部会に出席~

    コメント

    1月30日(月曜日)、「令和4年度石西礁湖自然再生協議会第6回海域・陸域対策部会」が石垣市の国際サンゴ礁研究・モニタリングセンターを主会場にオンラインも併用し開催され、当センター職員1名が出席しました。

    12月9日のトピックスでお伝えしておりますが、石垣島と西表島の間に広がる日本最大と言われるサンゴ礁海域は、石垣島の「石」と西表島の「西」の文字をとって石西礁湖(せきせいしょうこ)と呼ばれています(出典:石西礁湖ポータルウェブサイト)。

    当センターは、この石西礁湖自然再生協議会の海域・陸域対策部会に属しており、この部会は豊かなサンゴ礁の姿を取り戻す“守る”をテーマとしています(他に学術調査部会は“知る”、普及啓発・適正利用部会は“伝える”がテーマ)。

    海域・陸域対策部会の今回の主な議題は、【一人、一人が行動し皆で守る体制をつくるには?】で、具体的に行いたい“守る”ための対策についてデスカッション形式で話し合い、「まず“石西礁湖”という名前を買ってもらい活動資金を確保する」「確保した資金の使途」「いろんなアイディアを集めて試す」「事務局機能の強化」「YouTubeやInstagramなどのSNSの活用、インフルエンサーと繋がり広く(広域)、深く(ピンポイント)どちらも呼びかけてもらう」など様々な意見やアイディアがでました。

    上記の沢山の意見やアイディアが出る中で、当センターの事業は直接的に石西礁湖の保全活動を目的としておりませんが、海と山は繋がっていることは皆、当たり前のように認識しています。
    西表島の森林生態系から石西礁湖を守るための対策を考えるなど、自分達の日頃の森林生態系保全活動業務を多面的に考えることも、この地域のこととして重要であることを感じました。

    本日の部会で出た様々な“守る”ことに対する意見やアイディアをはじめ、他の部会等の取り組みを全体で共有し、石西礁湖の自然再生への持続的活動がさらに発展することを微力ながら応援しています。

     


    「守る」ための対策について様々なアイデアが出た


    日付

    令和5年1月26日

    タイトル

    八重山地域の生態系を守るために
    ~令和4年度第2回八重山地域における外来カエル類防除対策会議に出席~

    コメント

    1月26日(木曜日)、「令和4年度第2回八重山地域における外来カエル類防除対策会議」が国際サンゴ礁研究・モニタリングセンターを主会場にオンラインも併用し開催され、検討委員の有識者及び当センター、沖縄森林管理署、環境省、沖縄県、石垣市、竹富町などの行政機関が出席しました。

    当日の会議では、事務局から令和4年度事業である石垣島や西表島などにおける外来カエル類のモニタリング等調査の経過報告や次年度計画の説明がありました。

    石垣港付近のモニタリング調査や外来カエル類捕獲のためのトラップでは特定外来生物であるオオヒキガエルやシロアゴガエルが捕獲されていることや、昨年5月に船浦地区で同地区で2年ぶりにオオヒキガエルが発見・捕獲されたことが報告されました。次年度計画では今後も石垣島や西表島でのモニタリング調査や外来カエル類を捕獲するためのトラップを設置することなどが説明されました。

    各委員からは「モニタリング調査の頻度は適正なのか」、「外来カエル類のモニタリング調査や捕獲だけでなく、地域住民に外来種を防除することの重要性を普及啓発することも重要ではないか」、「現在実施されている工事などについて、外来のカエル類が資材に紛れ込んでいないかを注視してほしい」など質問や意見が出されました。

    最後に次年度以降に向けて、各行政機関などが連携していくことを全体で確認し会議を終了しました。

     


    オンラインも活用して活発な議論

    日付

    令和5年1月23日、24日

    タイトル

    両センターの取り組みのさらなる充実と発展に向けて
    ~屋久島森林生態系保全センター職員が来島、両センターの取り組み等について意見交換~

    コメント

    1月23日(月曜日)から1月24日(火曜日)にかけて、屋久島森林生態系保全センターの宮本生態系管理指導官、森主事、川畑技官の3名が来島し、西表島森林生態系保護地域の現地調査及び意見交換を実施しました。

    23日の現地調査では仲間川にて、国内最大級のマングローブ林や森の巨人たち百選に選出されている仲間川サキシマスオウノキの見物を観光の目的として、多くの観光客が訪れる現状などを説明(説明中も閑散期にもかかわらず、沢山の観光客を乗せたマングローブ遊覧船の往来やカヤックツアーを楽しむ観光客がいました)。
    午後からは、ピナイサーラの滝へ向かいつつ、西表島エコツーリズム推進全体構想に基づき特定自然観光資源に指定されたヒナイ川エリアにおける当センターの入り込み調査や、特定自然観光資源に指定された背景などを含めその環境保全の実態等を説明しました。

    翌24日は、全国で「10年に1度の寒さ」と言われるこの冬一番の強い寒気の影響がここ八重山地方にも波及し、早朝から台風並みの強風が吹き荒れる荒天となったため、行程を一部変更し、石垣島に早めに帰島し、意見交換会を実施。

    意見交換会は、こちらから幅広く質問する形式となり、オンラインの意見交換では得られない、現地調査を踏まえた肌感覚の数多くの貴重な意見が聞け、予定した時間を超す充実した意見交換会となりました。

    森林環境教育については、屋久島森林生態系保全センター主催で教職員向けの「屋久島森の塾」が定期的かつ継続的に開催されており、「屋久島森の塾」を起因として、苗木の植え付け体験等の新たな森林教室の展開など、森林環境教育が広がりを見せているとのことで、教育委員会等の関係機関との関係性が十分に構築されており、国有林をPRする、地域に根ざした国有林になるべく主催事業がある点で、当センターの環境教育よりもとても進んでいると感じたと同時にすぐにでも参考にしなければと思いました。

    また屋久島は今年(令和5年)で世界自然遺産登録30周年となり、その節目にあわせて屋久島森林生態系保全センターで、最新鋭の機器等を用いた著名木の再調査を実施中とのことでした。

    最後に両センターの取り組みを共有し、参考に出来る部分は、すぐにでも活用し実践することや今後も両センター間の意見交換等を積極的に行い、両センターの取り組みのさらなる充実と発展させることを全員で確認し意見交換会を終了しました。

     

    いざ、ピナイサーラの滝へ

    当センターの取り組みを説明し、意見交換

    日付

    令和5年1月20日

    タイトル

    漂流・漂着ゴミの状況調査を実施(1月期)

    コメント

    1月20日(金曜日)、西表島の南風(はえ)見田(みた)・野原・ユチン・船浦湾内・船浦湾外・美田(みた)()の6調査地点において定点観測による今年度5回目の漂流・漂着ゴミの状況調査を行いました。

    当日は寒さと強風に加え小雨模様の天気で、終日、雨合羽を着用しての調査になるかと思いましたが、車で移動する間には雨も上がり、防寒用として合羽(上衣のみ)を着用しました。

    今回の調査結果ですが、船浦湾外とユチンの調査地点でペットボトルや発泡スチロールなどのプラスチック製品が多く観測されました。

    また、野原地点の調査プロットを設定するための測量の基準となる杭(基準杭)が折損していたため、新しく基準杭を設置し調査を実施しました。


    漂着ゴミ(船浦湾外地点)


    新しく設置した基準杭(野原地点)

    日付

    令和5年1月16日、17日

    タイトル

    5年後の調査に向けて
    ~仲間川サキシマスオウノキ構成樹種の再調査を実施~

    コメント

    「森の巨人たち百選」に選定されている仲間川サキシマスオウノキのモニタリング調査項目の構成樹種調査については、サキシマスオウノキのコドラート区域内に生育している樹木の種類、樹高、胸高直径の測定を5年に1回実施しています。

    6月20日のトピックスでお伝えしたとおりモニタリング調査自体は終えていますが、この構成樹種調査の樹種判別がとても難しく(葉の形等が類似してくるとその植物の名前に自信がもてなくなるため)、次回の調査に向けて樹種、調査木の位置等を正確にし、調査が確実に実施出来るよう2日間かけて再調査を実施しました。

    1月16日(月曜日)は、調査対象木の位置測定、仮タグ付け、胸高直径の測定を実施しました。

    翌、17日(火曜日)は、植物に詳しい国有林職員OBの加島氏の力を借りて、調査木の樹種判別、樹高測定を実施しました。樹種判別を行っていると私たちでは到底わからない聞き慣れない樹種が出て「流石、加島さん」と驚きました。

    西表島は内地では見られない固有な植物が多く、植物の名前を覚えることは容易ではありません。私たち職員も2~3年で異動しますので、令和9年度の調査時には現在いる職員は誰もいない可能性が高いです。しかし、5年後の構成樹種調査に向けて、その時の職員に樹種等が正確にわかるような資料を残していこうと考えています。

     


    調査対象木の位置測定中


    加島氏(中央)の力を借りて樹種判別

    日付

    令和5年1月14日

    タイトル

    「尖閣諸島開拓の日」記念式典に出席

    コメント

    1月14日(土曜日)、石垣市の市民会館中ホールにおいて、「尖閣諸島開拓の日」記念式典及び講演会が開催され、当センターからは下田所長が出席しました。

    式典は今回で13回目。新型コロナウイルス感染症の影響で令和3年から規模を縮小して行われてきましたが、3年ぶりの通常開催となり県内外から約100人が参加しました。

    式典は、中山石垣市長の式辞に続き沖縄県知事、石垣市議会議長、八重山市町会副会長がそれぞれ祝辞を述べた後、各政党等の出席者からのあいさつ、尖閣諸島の歴史や自然環境などをまとめたビデオ上映並びに拓殖大学の下條正男名誉教授による「尖閣諸島が中国領でない理由」と題した講演会が行われ式典開催を祝いました。

    石垣市では平成22年12月に「尖閣諸島開拓の日を定める条例」が制定され、市の行政区域である尖閣諸島が国際法上のみならず歴史的にも日本固有の領土である旨を発信しました。




    式辞を述べる中山石垣市長


    下條正男拓殖大学名誉教授による講演

    日付

    令和5年1月12日

    タイトル

    「令和4年度イリオモテヤマネコ交通事故防止対策事業検討委員会」に出席

    コメント

    1月12日(木曜日)、沖縄県が平成27年度から取り組んでいるイリオモテヤマネコの交通事故防止対策に対し、技術的、学術的見地から助言を行うことを目的とする「令和4年度イリオモテヤマネコ交通事故防止対策事業検討委員会」が那覇市ホテルサンパレス球陽館で開催され、有識者、各行政機関からなる検討委員等が出席し、当センター、沖縄森林管理署はオブザーバーとして出席しました。

    当日の会議では、○ヤマネコの路上侵入抑制対策の体制構築、○普及啓発、○ヤマネコの交通事故問題及び対策に係る意識等調査、○西部地区における新たなヤマネコの交通事故防止対策の検討に向けて等6議題について、事務局のより議題毎に提案説明が行われた後、委員による議論が行われました。

    各委員からは「台風被害による路上侵入抑制柵の補修、県道の草刈り等を実施するうえで、西表島島内の人手不足による事業への影響」、「ヤマネコ目撃状況の公開の検討」、「交通事故及び対策に係る地域住民、観光客へアンケート調査の実施」「西部地区のハード対策の今後の見通し」等の様々な意見が出されました。

    最後に事務局から「委員の皆様から出された貴重な意見を基に、ハード対策等の計画的な事業の執行に向けて行きたい」と総括があり、本会議を終了しました。

     


    沢山の活発な意見が出された会場

    日付

    令和5年1月12日

    タイトル

    令和4年度ヒナイ川の利用状況調査(令和5年1月分)報告

    コメント

    1月12日(木曜日)ヒナイ川の利用状況調査を実施しました(帰所後、気づきましたが昨年も1月12日に調査を実施していました)。

    調査日当日の天候は、晴れ。車の外気温表示は午前9時30分時点で24℃、風もさほど吹かず、昨年とは大違いでとても暖かかったです(昨年は、同時刻で16℃でした)。
    昨年のトピックスでも述べましたが、この時期は、沖縄地方の方言でムーチービーサー(鬼餅寒)の季節と言われ、昔から沖縄地方にも厳しい寒さが到来する季節なのですが、八重山地方は、最近暖かい日が続いております。

    さて、調査の結果は、カヌーツアー3組の14名(ガイド含む)で、1名のみ八重山郡在住の方で、その他は全て県外からの観光客でした。
    また、トレッキングでの入林が2組の3名(ガイドなし)でした。

    なお、1月期の利用者数は、令和3年度の同月(同日)と比較してツアー数、利用者数ともに減少する結果となりました。

    先月と同様に今回も利用者が少なかったこともあり、ピナイサーラの滝上まで林野巡視を実施しました。

    ピナイサーラの滝は、滝上は眺望が素晴らしく、滝下(滝壺)は滝の迫力を間近で感じることが出来ます。同じ滝でも上と下で違った感覚が1日で味わえます。

     


    係留中のカヤック(上流の係留地点)


    オヒルギの種子


    ピナイサーラの滝上からの眺望


    海中道路と船浦湾マングローブ林

    日付

    令和4年12月22日

    タイトル

    西表島部会での「西表島観光管理計画」策定に向けて
    ~第4回西表島作業部会に出席~

    コメント

    12月22日(木曜日)に、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島世界自然遺産 第4回 西表島の観光管理計画改定のための作業部会」が竹富町離島振興総合センターを主会場にオンラインで開催され、当センター、沖縄森林管理署、環境省、沖縄県、竹富町などの行政機関、地元関係団体・事業者、琉球大学等の専門家ら34名が出席しました。

    当日の会議では、「西表島観光管理計画(案)」のこれまでの意見と西表島部会提示資料への反映状況及び今後の検討課題について、事務局より説明が行われた後、議論が行われました。

    会議の中では、年間入域観光客数の変動量を前年度比で1割以上増加させないことに対する前年度の考え方の確認や観光管理状況のモニタリングをしっかり行い、環境に変化があった場合にはルールを見直すことが大切であること、エシカル(※)観光カレンダーは、周遊型観光、自然体験型観光と分かれているが人によっては受け取り方が違うため表現を工夫することなど多数の意見が出されました。

    その後、「今後のスケジュールについて」議論が行われ、世界自然遺産地域内外の主な取組に対する条例は、どこが作成するのかと言う意見があり、竹富町で作成する旨の回答がありました。

    この「西表島観光管理計画(案)」は、2020年1月に西表島部会が策定した「持続可能な西表島のための来訪者管理基本計画」を改定するもので、これまで作業部会で検討された意見を踏まえ、令和5年2月に行われる第2回西表島部会での承認を得て「西表島観光管理計画」を策定することになります。

         ※エシカルとは、「人や地球環境、社会、地域に配慮した考え方や行動」のこと

     


    多くの意見が出された西表島作業部会

    日付

    令和4年12月20~22日

    タイトル

    世界自然遺産の先進地、屋久島森林生態系保護地域を現地調査
    ~外来種対策などについて現地調査~

    コメント

    九州森林管理局には当センターと屋久島森林生態系保全センターの2つの保全センターがあります。この2つのセンターの各取り組み等を共有し、それぞれのフィールドでその経験を活かすため、12月20日(火曜日)から12月22日(木曜日)に当センター職員2名が屋久島森林生態系保全センターを訪問し、現地調査などを行いました。

    現地調査では外来種であるアブラギリの駆除試験地、登山道の整備状況やその特色の一つである国割岳の垂直分布(※1)などを屋久島森林生態系保全センター職員から説明を受けながら調査しました。

    また、安房貯木場の土埋木(※2)を見学したときは、屋久島には林業が息づいていると感じたと同時に、林業が消えてしまった島である西表島でどのように地域に根ざした国有林となるか考える機会となりました。

    屋久島は『日本の固有植物であるスギのすぐれた生育地であること』や『東アジアの南から北の植物へと垂直分布として変化する植生がみられること』等が評価され世界自然遺産に平成5(1993)年に登録され、今年(2023(令和5))年で30年となります。一方で、西表島は生物多様性が高く評価され、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」として令和3(2021)年7月に世界自然遺産に登録されました。それぞれの地域で評価された項目が違うため、保全する対象も異なりますが、屋久島森林生態系保全センターが培ったノウハウを用いて、外来種対策などの共通している課題にセンター間で互いに協力していきたいと考えています。

    今回は意見交換会ができませんでしたが、来年1月には屋久島森林生態系保全センター職員が当センターへ来所し、現地調査や意見交換会などを実施する予定です。


    1 垂直分布とは高度や水深に伴う生物の分布のこと

    2 土埋木とは江戸時代に伐採された屋久杉が搬出されずに残った切り株などのこと

     


    外来種アブラギリ


    太鼓岩から小杉谷を望む


    安房森林軌道


    安房貯木場の屋久杉土埋木


    植生の垂直分布について説明を
    受ける当センター職員(右)


    国割岳の植生の垂直分布

    日付

    令和4年12月20日

    タイトル

    イリオモテヤマネコのロードキル対策について議論
    ~令和4年度 イリオモテヤマネコの交通事故発生防止に関する連絡会議に出席~

    コメント

    12月20日(火曜日)に、「令和4年度イリオモテヤマネコの交通事故発生防止に関する連絡会議」が国際サンゴ礁研究・モニタリングセンター及び西表野生生物保護センターの2会場を主会場にオンラインも併用し開催され、当センター、沖縄森林管理署、環境省、沖縄県、竹富町などの行政機関、関係団体ら41名が出席しました。

    会議は、「イリオモテヤマネコ交通事故防止対策の取組について」環境省、竹富町、沖縄県、NPO法人トラ・ゾウ保護基金西表支部、西表島交通からの報告のあと、「イリオモテヤマネコ目撃多発区間・活動強化月間について」「今後の会議運営について」の各議事について、事務局より説明が行われました。

    環境省からは、「イリオモテヤマネコ目撃情報の収集」について、目撃件数、目撃地点ともに山中での報告件数が増えていることに対し、ガイドからだけではなく観光客からの情報が多くなったこと、令和4年7月1日からリニューアルオープンした西表野生生物保護センターの来場者数が12月1日時点で1万人を超えている(交通事故対策の一環として、ヤマネコの急な飛び出しを疑似体験できるドライブシュミレーションを導入した)ことなどが報告され、JTEF西表島支部やまねこパトロールからの活動報告では、夜間パトロールによる車両台数、月別の交通量比較、車両の速度などについて報告が行われました。出席者からは、県道沿いの草の刈払いについて、回数を増やしてもらいたい、地元住民に参加の呼びかけを行ってほしいなどの要望が寄せられました。

    事務局説明の「イリオモテヤマネコ目撃多発区間・活動強化月間について」では、目撃多発区間の表現は堅い印象を受けるので、やわらかいネーミング(エコロード、ネコロード)の方が良いのではないかなどの意見があり、引き続き検討することとなりました。

    また、「今後の会議運営について」では、地元住民が危機感や問題意識をもっているのかが心配だと言った意見や会議の内容をすべての人にオープンにしたほうが良いのではと言った意見が出され、次回の本会議に向けて検討していくことになりました。


    多くの意見が出されたイリオモテヤマネコの
    交通事故発生防止に関する連絡会議


    2会場とオンラインを結んで熱心な議論

    日付

    令和4年12月15日

    タイトル

    令和4年度ヒナイ川の利用状況調査(令和412月分)報告

    コメント

    1215日(木曜日)ヒナイ川の利用状況調査を実施しました。

    このヒナイ川の利用状況調査は、月に1回の頻度でヒナイ川のカヤック係留地にて実施していますが、調査日については決めておらず、その月ごとにバラバラです。そのため調査日が昨年度と同日になることは滅多にないと思っていましたが、なんと!!昨年も1215日に調査しており、昨年は晴れていてともて暖かかったとトピックスに書いておりましたが、今回は終始、雨が降っており、車の外気温表示も午前10時時点で18℃と西表島にしてはとても寒かったです(本州や九州地方からすれば、この時期の18℃はまだまだ暖かい方だと思われますが、八重山諸島の気候に慣れてしまえば18℃でもとても寒く感じます)。
    西表島にも冬が到来しているようです。

    前置きが長くなりましたが、今回の調査結果は、カヌーツアー3組の21名(ガイド含む)で殆どが県外からの観光客でした(ツアーコースは、3組ともピナイサーラの滝壺コースでした)。

    このところ西表島では降雨が続いており、水量が増し、いつもより迫力数倍増しのピナイサーラの滝を間近で見た観光客からは、「滝の水量がものすごかった」等の声があがっていました。

    なお、12月期の利用者数は、令和3年度の同月(同日)と比較してツアー数、利用者数とも減少する結果となりました。

    今回は、利用者が少なかったこともあり、私達もピナイサーラの滝壺まで林野巡視を実施しましたが、観光客の言うように滝の水量がものすごかったです。

    ピナイサーラとはこちらの方言で、「ピナイ」は髭(ひげ)、「サーラ」は垂れ下がったものという意味があり、この滝の姿がお爺さんの白い髭のように見えるのでこの名前がつけられたようです(諸説あり)が、今回の滝は、“剛毛”の白い髭でした。

     

     


    係留中のカヤック(下流の係留地点)


    係留中のカヤック(上流の係留地点)


    帰りの途につく観光客とガイド


    13時前には、利用者のいなくなった
    カヤック係留地



    迫力数倍増しのピナイサーラの滝

    日付

    令和4年12月14日

    タイトル

    仲間川マングローブ林台風被害地モニタリング調査を実施

    コメント

    仲間川のマングローブ林台風被害地調査箇所(南風見国有林173い林小班)は、平成18(2006)年の台風13号及び平成19(2007)年の台風12号よる猛烈な強風により、マングローブ林内のオヒルギ等の風倒木が大量に発生する被害(面積1.85ha)を及ぼし、十数年が経過しています。当センターでは、毎年定期的に被害地のマングローブ林の再生、周囲の状況の経過観察を実施しています。

    今年度も12月14日(水曜日)に被害地の調査を実施しました。当日は時より雨に見舞われ、調査地へ下る歩道が雨により滑るので、安全を確保しながら調査地へ向かいました。

    調査地の状況は、今年9月に台風11・12号が襲来したものの、立ち枯れ木が数本倒伏しただけで大きな被害は確認されませんでした。

    また、中央部分の水流箇所では土泥化が進み、前年度と同様にオヒルギ等の稚樹は確認されなかったものの、被害地林縁部の数箇所で稚樹が確認されました。

    調査が終了し、来た道を帰るのですが、今度は上がるのに足下が滑って一苦労。ようやく登り切りましたが雨は止まず、ドローンによる空中撮影は後日に延期としました。


    中央水流部では稚樹の確認が出来ず


    数箇所の林縁部で稚樹を確認

    日付

    令和4年12月13日

    タイトル

    在来種の海岸林を目指して
    ~海岸林自然再生試験モニタリング調査を実施~

    コメント

    当センターでは平成20年度に外来種であるギンネムが侵入した南風見田海岸沿いの国有林にて、防風・防潮の持続的な機能が発揮できる海岸林の再生を目的として4つの試験地を設定し、ギンネムを伐採したうえで、テリハボクやフクギなどの在来樹種を植栽し、植栽木の生長量などを調査しています。

    今年度は12月13日(火曜日)に調査を実施しました。当日は曇り空で時折雨もぱらつく天気でした。最近降り続いた雨のせいか、一部の試験地は冠水していました。

    あいにくの天気でしたが、調査木の樹高や胸高直径を測定し、定点撮影を実施して調査は無事に完了。

    順調に生長している試験木がある一方で、今年度襲来した台風の影響か、先端部分の枝が折れている試験木もありました。

     


    一部冠水した試験地


    樹高を測定中

    日付

    令和4年12月12日

    タイトル

    秋季密猟・盗掘普及啓発活動の総括
    ~西表島における希少野生動植物の密猟・盗掘等を防止するための秋季普及啓発活動総括会議に出席~

    コメント

    12月12日(月曜日)、15時から環境省西表自然保護官事務所を主会場にwebも併用し、西表島における希少野生動植物の密猟・盗掘等を防止するための秋季普及啓発活動の総括会議が開催され、当センター職員1名が出席しました。

    以前のトピックスでお伝えしておりますが、今年度から巡回パトロールは西表財団が担っており、その巡回パトロールは、地元のネイチャーガイドさん達が実施しています。実施した感想などは事前に環境省西表自然保護官事務所で聞き取りしており、巡回パトロールに従事したネイチャーガイドさん達の意見の共有もありました。

    今回の総括会議では、「巡回パトロールを西表財団に担っていただいたおかげで行政機関サイドの負担軽減になった」、「地元のネイチャーガイドさん達に関わってもらい、行政機関だけでなく地元の人が参加したことが大きかった、効果があった」、「大雨でも入林する人がいて危険、自己責任とは言えど、何かしらの対応が必要では?」、「手順を踏んでいるからといって何匹でも採集していいというわけではないのでは?」、「密猟・盗掘等の防止を呼びかけるこちら側の呼びかけ方も人によって違うので、ある一定の決め事や事前にいくつか聞き取る内容等の整理と共有が必要では?」等、様々な感想や意見がでました。

    当センターからは、採集者の常識やモラル等(「濡れたのでタオルや傘を貸してほしい」、「登山道の入り口を教えてほしい」、「まだ20匹“しか”採集していない」等の発言)について発言しました。

    最後に、今後も密猟・盗掘の防止と普及啓発のために定期的に関係機関合同のパトロール等を実施することや、放置トラップなどの情報を含め、相互間の情報共有の強化等を全体で確認し総括会議を終了しました。

    “とる”のは写真だけ
    西表島からつれていかないで、希少な動植物

    なお、国有林に入林する際は、事前に入林届等が必要となります。
    国有林への入林について、詳しくは、以下のURLを参考にして下さい。

    https://www.rinya.maff.go.jp/kyusyu/okinawa/yousiki.html

    当然のことながら届出や許可証があるからといって何をやってもいいということにはなりませんのでご注意願います。
    また、夜間の入林は、ヘッドライト等があったとしても昼間と比較して危険度が増すのは当然のことで、悪天候時などは、西表島特有の気候もあり小川であっても急な増水が考えられるため、入林を控えるようにお願いします。


    密猟・盗掘等の防止にかかる行政機関相互の体制強化を確認

    日付

    令和4年12月12日

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    よりよい協力関係を構築するために その2
    ~日本製紙株式会社職員が当センターへ来所、協定更新に向けた対面方式での意見交換会を実施~

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    12月12日(月曜日)、沖縄森林管理署と日本製紙株式会社が締結している「多様な活動の森における森林づくり活動に関する協定」の更新に向け、日本製紙株式会社の職員(グループ会社含む)が西表島の現地調査前に当センターに来所し、今後の活動内容等にかかる意見交換を伊藤沖縄森林管理署長同席のもと、当センター職員全員が参加し実施しました。

    前回の意見交換会は、9月26日にオンラインにより実施されましたが、この協定は、沖縄森林管理署と日本製紙株式会社が西表島の国有林において、両者の連携及び協力により、本協定に基づく多様な活動の森における森林づくり活動が円滑に実施されることを目的としています。

    今回の意見交換会は、前回の意見交換会で出された意見等を基に、これまでの活動実績、協定更新後の活動(案)について日本製紙側から説明があり、当センターからは西表島の現状等を改めて幅広く伝えました。

    これまでの活動実績の説明では、平成29(2017)年から白浜歩道沿いのアメリカハマグルマの抜き取り作業を西表島エコツーリズム協会及び地元住民の協力の下、継続的に実施した結果、白浜歩道沿いのアメリカハマグルマは殆どみられなくなったとの報告があり、地道な活動の重要性を改めて痛感させられました。
    また、協定締結以前から西表島において実施していた森林経営を含む様々な活動(歴史)等の話もありとても興味深いものでした。

    協定更新後の活動内容については、外来種対策活動の継続、新たな普及啓発活動、地域の団体等と連携した保全活動などの意見が出され、オンラインとはまた違った対面ならではの活発な意見交換の場となりました。

    今後の協定における活動がさらによりよい協力関係の下に、充実した活動になることを願っています。

     

    オンラインとはまた違った対面ならではの活発な意見交換

    日付

    令和4年12月9日

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    石西礁湖のサンゴを守るために
    ~第30回石西礁湖自然再生協議会に出席~

    コメント

    12月9日(金曜日)、第30回石西礁湖自然再生協議会が沖縄県八重山合同庁舎でwebも併用して開催され、行政機関やNPO法人など多くの関係者が出席し、当センターからも職員1名が出席しました。

    当センターは直接的に石西礁湖の保全活動を行っているわけではありませんが、マングローブ林のモニタリング調査や漂流・漂着ゴミの調査を通して間接的に石西礁湖に関わっているため協議会の会員になっています。

    会議では環境省石垣自然保護官事務所から、今年の夏に石西礁湖で発生したサンゴの大規模白化について、9月に実施した調査でサンゴの死亡率は全体で17.7%、白化率も92.8%と2016年の大規模白化に迫る状況であることが説明されました。サンゴ群集修復事業の経過報告では、昨年度から実施している幼生供給拠点の整備や遮光ネットを用いた白化現象の緩和試験について報告されました。

    意見交換会では複数のグループに分かれて、「いま、石西礁湖で気になっていること」をテーマに「知る」「守る」「伝える」の3つの項目について話し合い、話し合いの結果をそれぞれのグループの代表者が発表し、「石西礁湖の全国的な知名度はどれくらいあるのか」や「行政の取組について」、「取組を知っていて、参加してこともあるが、その後石西礁湖がどうなったのかが分からない」などの忌憚ない意見が出され、活発な議論が行われました。

    なお、第31回石西礁湖自然再生協議会は来年2月に開催予定で、各部会、ワーキンググループからの報告や協議会員の取組の共有、自然再生事業の進捗報告などがある予定です。

    石西礁湖:石垣島と西表島の間に広がる日本最大と言われるサンゴ礁海域で、石垣島の「石」と西表島の「西」の文字をとって石西礁湖(せきせいしょうこ)と呼ばれています(出典:石西礁湖ポータルウエブサイト)

     


    Webも併用して対面形式で開催


    意見交換会で出た意見を代表者が
    発表して全体で共有

    日付

    令和4年12月9日

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    矢野九州森林管理局長が当センターを巡閲
    ~仕事は前向きに主体的に、気持ち良く~

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    12月6日(火曜日)から9日(金曜日)にかけて矢野九州森林管理局長及び局職員2名が沖縄森林管理署管内の現地調査及び当センター巡閲のため与那国島、西表島を訪れられました。

    12月6日は与那国島の不要存置林野等の現地調査を実施。翌7日は前泊竹富町長を表敬訪問され西表島へ移動し、(国研)西表熱帯林育種技術園及び環境省西表野生生物保護センターを視察され、技術園の千吉良園長から当園の業務内容の説明を受け、環境省職員からイリオモテヤマネコの生態などについて説明を受けられました。

    12月8日は森の巨人たち百選に選定されている仲間川のサキシマスオウノキを確認され、大富遊歩道沿いに設定してある外来種対策(ギンネム)試験地及び9月に襲来した台風12号で崩壊した災害箇所を確認されました。

    その後、特定観光資源に指定されたヒナイ川エリアに位置するピナイサーラの滝へ時折雨足が強くなる中、約1時間かけて滝壺に到着。

    ピナイサーラの滝は連日の雨で増水し、普段とはまた違った圧倒されるほどの迫力がありました。

    現地調査は、天候に恵まれませんでしたが、世界自然遺産の貴重な自然に触れていただけたのではないかと思います。

    12月9日は矢野局長から当センターの職員に対し「仕事は前向きに主体的に、そして気持ち良く、そのためには健康と安全に十分留意しもらいたい」という訓示をいただきました。

    センター職員一同、矢野局長の言葉を胸に業務に励みます。

     


    西表熱帯林育種技術園において千吉良園長の
    説明を聞く矢野局長(中央)


    西表野生生物保護センターにおいて環境省職員の説明を聞く矢野局長(左から2人目)


    伊藤沖縄森林管理署長から台風12号災害箇所
    の説明を受ける矢野局長(右奥)及び局職員


    時折、強くなる雨足の中、ピナイサーラの滝へ


    増水したピナイサーラの滝壺


    矢野局長の訓示を受けるセンター職員一同

    日付

    令和4年12月7日

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    令和4年度西田川の利用状況調査(令和412月分)報告

    コメント

    127日(水曜日)、今年度5回目の西田川の利用状況調査を実施しました。

    本日は、二十四節気のひとつ「大雪」です。暦の上ではこの日から本格的な冬が到来するとされており、雪は降りませんが、昨日は八重山地方の各地で今季最低気温を記録したと今朝の地元紙の記事で読みました。

    調査日当日の天候は、曇りのち雨。「大雪」ではありましたが、風は強かったものの昨日のような寒さはあまり感じませんでした。

    さて、調査の結果は、カヌーツアー1組の9名(ガイド含む)で県外からの観光客でした。
    ツアーに参加した観光客は、連日の雨で増水したサンガラの滝を満喫しているようでした。

    調査開始時点では雨は降っていなかったものの、12時過ぎ頃からだんだんと雨が強くなり、連日の降雨もあいまって13時頃には歩道にも雨が溜まり川のようになっていました。
    西表島全体が激しい降雨かと思えば、別の場所ではそこまで雨が降っていなかったりと、その局所的な雨の降り方にはいつも驚かされます。

    なお、12月期の利用者数は、令和3年度の同月と比較してツアー数は同数、利用者数は減少する結果となりました。

     


    サンガラの滝(8月)


    サンガラの滝(今回:激しい降雨前)


    増水した滝壺を歩くガイドと観光客


    サンガラの滝(今回:激しい降雨中)

    連日の雨と12時過ぎから降り出した激しい雨で歩道も川のように


    日付

    令和4年11月30日

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    地域の輪で守る
    ~八重山地域における希少な野生動植物の密猟・密輸対策連絡会議に出席~

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    11月30日(水曜日)、「八重山地域における希少な野生動植物の密猟・密輸対策連絡会議」が石垣市の国際サンゴ礁研究・モニタリングセンターを主会場にオンラインも併用し開催されました。

    主な議題については、【八重山地域における環境省の取り組みについて】【関係機関における今年度の取組状況と次年度の取組予定等について】【希少動植物の密猟・密輸事件の発生状況について】等でした。

    当センターは、昨年度と同様に環境省西表自然保護官事務所が主催する西表島における希少野生動植物の密猟・盗掘等を防止するための普及啓発活動に積極的に参加したことや、その活動自体を当センターのホームページで情報発信していることを報告しました。

    各機関からの報告では、「希少種等の勉強会を実施してパトロールを実施した」や「郵便局から希少種指定外の生きものが持ち出されているが大丈夫なのかといった問い合わせがあった」等の報告がありました。

    また、昨年度と同様に海域でもサンゴの密漁などが発生しているとのことです。

    最後に、次年度以降も関係機関がさらに協力、連携することを目的として、事務局から当連絡会議としての合同パトロールの試みの提案がありました。

    会議冒頭で環境省石垣自然保護官事務所の山本以智人上席自然保護官が「この会議は、地域の様々な業種26団体に参加してもらっている、この参加している団体全体で、地域ぐるみで、地域の輪で八重山の自然を守ることが重要」との挨拶がありましたが、【地域ぐるみ、地域の輪で守る】という言葉とても印象的でした。

    ホントに“とる”のは写真だけ
    八重山からつれていかないで、希少な動植物


    さらなる協力と連携を確認


    日付

    令和4年11月29日

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    山根計画保全部長が古見岳周辺を現地調査

    コメント

    1128日(月曜日)から30日(水曜日)にかけて九州森林管理局の山根計画保全部長及び局職員3名が西表島(古見岳)を現地調査されました。

    1128日は、当センター事務所にて局職員も交え当センターの今後の業務方針等を協議しました。
    普段、センター内で業務の実施時期や進捗管理等は当たり前のように共有するものの、その業務個々の必要性や到達点、今後のあり方等を計画保全部長や局職員も交え話し合うことは滅多になく、とても貴重な時間かつ、各職員の担当業務への様々な意識付けが重要であると感じました。

    1129日は、早朝から特定観光資源の指定を控える古見岳周辺の現地調査を実施、希少な動植物等(タイワンエビネ、サキシマカナヘビ、イリオモテヤマネコの痕跡等)を観察しながら、当地の観光利用の実態やノヤギの被害などを含め、古見岳周辺における西表島森林生態系保護地域の現状と保全利用等について把握されました。

    この時期西表島は、天気が悪い日が多いのですが、この日は古見岳山頂では風が若干強かったもののすこぶる快晴で、絶好の現地調査日和となりました(ちなみに翌30日は、ものすごい荒天でした)。

     

     

    古見岳山頂にて、センター職員の説明を聞く山根計画保全部長(左)

    古見岳山頂から古見集落方面の眺望


    日付

    令和4年11月25日

    タイトル

    「西表島エコツーリズム推進協議会・野営に係る事前行政機関会議」に出席

    コメント

    「西表島エコツーリズム推進全体構想」では、西表島の世界自然遺産地域を含む利用フィールドについて利用ルールを定めています。その中で、9月7日のトピックスでお伝えしました「令和4年度第1回竹富町西表島エコツーリズム推進協議会」で提案された「サステナブルな観光コンテンツ強化モデル事業」に掲載されている野営のルール等を検討する野営ワーキンググループが開催されることになっています。

    その野営ワーキンググループの開催に向けて、海岸管理者である八重山土木事務所も加わり、各行政機関等による事前会議が11月25日(金曜日)にオンラインで開催され、当センター職員1名が出席しました。

    会議では、事務局である竹富町自然観光課から西表島島内19箇所の野営候補地の選定及び対応方針に係る考え方(ガイドラインの検討等)に関する「検討の背景と目的」、「野営地選定の手順と考え方」、「法令・土地所有・海岸管理者との関係における対応方針(案)」の説明がありました。

    各説明後の質疑応答では、「野営スペースで公共海岸との土地境界線がわからないときはどうするのか」「テントを張る場所から海岸林までの間に5m以上の隔離距離の確保とあるが根拠は何か」等の活発な質問、意見等が出されました。

    野営候補地19箇所の内、11箇所の公共海岸が国有林と接しており、そのうち6箇所が西表島生態系保護地域(保全利用地区)に指定されています。国有林としても沖縄森林管理署を中心にガイドライン作成時にたき火による火災や海岸林の損傷等を出さないためのルール作りを検討して行くことが今後の課題として考えられます。

    今後、この会議を踏まえて「第1回野営ワーキンググループ」でガイドラインの検討等の審議が予定されています。

     


    説明に聞き入るセンター職員

    日付

    令和4年11月25日

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    会いに行ける巨樹
    ~仲間川サキシマスオウノキが巨樹巡礼の最後を飾る~

    コメント

    以前にもお伝えしておりますが、当センターでは西表島巨樹・巨木保全協議会から依頼を受け、毎年、仲間川サキシマスオウノキのモニタリング調査を実施しています。

    9月上旬に1本の電話が当センターに入りました、電話の主は共同通信社の記者でした。
    「当社の15回連載企画で、巨樹・巨木写真家 高橋弘による全国の会いにいける巨樹を紹介する“巨樹巡礼”の企画を実施しており、仲間川のサキシマスオウノキについていろいろ幅広く教えてほしい。また、仲間川サキシマスオウノキが連載の最後を飾る予定」という内容だった。

    当センターが毎年、調査している仲間川サキシマスオウノキが巨樹巡礼企画の最後を飾ることだけでも感慨深かったし、調査データがこんなところで役立つとは驚きとともに継続したモニタリング調査の重要性を改めて感じました。

    ちなみに九州・沖縄で紹介されたのは、熊本県高森町の「高森殿のスギ」、沖縄県那覇市の「首里金城の大アカギ」と西表島(沖縄県竹富町)の仲間川サキシマスオウノキだけです。

    会いに行けるアイドルならぬ“会いに行ける巨樹”という表現もとても気に入りました。



    【47news 高橋弘の巨樹巡礼#15完】〈西表島サキシマスオウノキ 波打つように広がる板根〉https://www.47news.jp/culture/8346781.html



    【沖縄森林管理署 巨樹・巨木百選】
    https://www.rinya.maff.go.jp/kyusyu/okinawa/morideasobou/kyoju.html

     


    会いに行ける巨樹「仲間川のサキシマスオウノキ」

    日付

    令和4年11月21日、22日

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    船浦ニッパヤシ希少個体群保護林のモニタリング調査を実施

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    船浦ニッパヤシ希少個体群保護林(上原国有林208は林小班)はニッパヤシの自生地の北限として植物地理学上重要なものであり、国指定天然記念物になっています。当センターでは毎年2回(6月期と11月期)周辺環境の変化等の定期的な調査を実施しています。

    6月期の調査ではニッパヤシの周辺に生育しているオヒルギが生長し、ニッパヤシを被圧している実態が確認されました(6月期の調査については令和4年6月24日のトピックスをご覧下さい)。

    11月期の調査は11月21日(月曜日)及び11月22日(火曜日)に実施しました。6月期の調査と比べると暑さは大分落ち着きましたが、胴長を着ての調査は服に汗がじっとりとしみこみます。

    11月21日(月曜日)はニッパヤシ周辺に生育し、ニッパヤシを被圧していると思われるオヒルギ等にタグ付けを実施し、11月22日(火曜日)にニッパヤシの葉の状態や光環境(開空度調査)、定点撮影等の周辺環境の調査を実施しました。その後、ニッパヤシ周辺のタグ付けしたオヒルギの胸高直径と樹高を測定しました。

    今回の調査では、オヒルギ等の枝がニッパヤシの葉に接触している状況が多数確認されました。


    船浦ニッパヤシ希少個体群保護林(空撮)


    葉の状態を確認中

    日付

    令和4年11月21日

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    漂流・漂着ゴミの状況調査を実施(11月期)

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    11月21日(月曜日)、西表島の南風(はえ)見田(みた)・野原・ユチン・船浦湾内・船浦湾外・美田(みた)()の6調査地点において定点観測による今年度4回目の漂流・漂着ゴミの状況調査を行いました。

    前回より暑さはやや落ち着いたものの蝉の鳴き声は依然として響き渡り、まだまだ秋の気配が見えません(トピックスは、職員それぞれが作成していますので、気候の感じ方はそれぞれで異なっています)。

    今回の調査結果ですが、10月19日(水曜日)に西表エコプロジェクトと西表島カヌー組合合同で船浦湾ビーチクリーンアップが実施(当センター職員4名も全員参加)されたこともあり、船浦湾内の漂着ゴミは全体的には減少しているように感じましたが、当センターの船浦湾内の調査地点では前回の調査時より若干増加している結果となりました。また、9月の台風の影響と思われますが、美田良地点の調査プロットを設定するための測量の基準となる杭(基準杭)が消失しており、台風の影響を受けない林内へ基準杭を改めて設置し調査を実施しました。

    なお、漂着ゴミについては、特にユチンと船浦湾外の調査地点でペットボトルや発泡スチロールなどのプラスチック製品が多く観測されました。


    漂着ゴミ(ユチン地点) 


    再設定した基準杭(美田良地点) 

    日付

    令和4年11月17日

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    令和4年度ヒナイ川の利用状況調査(令和4年11月分)報告

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    11月17日(木曜日)ヒナイ川の利用状況調査を実施しました。

    11月中旬ですが、西表島の木々は青々とした葉をつけ元気です。
    調査日当日の天気は概ね晴れでしたが、「バリバリバリバリ」と葉を叩くものすごい音がし、南国特有のスコールかと思えば、風が吹いて葉っぱに着いた雨の滴が落下する際に葉っぱに当たる音でした。この当たり前と思える自然の織りなす“音“で直前まで雨が降っていたことに気づきました。

    紅葉しない西表島の森ですが、日本最大級のオキナワウラジロガシのドングリの実が林内のあちこちに落ちていること、センリョウの実が色づいていること、サキシマフヨウの花が満開になっていることで西表島の秋は着実に晩秋に向かっています(西表島では、サキシマフヨウの花が満開になるころがイノシシ猟の始まる時期と地元の猟師が教えてくれました)。

    さて、調査の結果は、カヌーツアー13組の47名(ガイド含む)、トレッキング1名(ガイドなし)で全て県外からの観光客でした。

    年間をとおしてピナイサーラの滝壺のみへのツアーが最も多いのですが、今回も前回の調査時と同様にカヌーツアー13組中、約半分の6組がピナイサーラの滝上及び滝壺ツアーでした。

    ピナイサーラの滝を間近で見て、そのすごさを感じた観光客からは、「とても素晴らしかった」「気持ち良かった」等の声が多く聞かれました。

    なお、11月期の利用者数は、令和3年度の同月と比較してツアー数、利用者数ともに大幅に増える結果となりました(ガイドさん曰く昨日(11月16日)は修学旅行などの団体客がとても多く時間帯によってはこの時期ではめずらしく100人以上はいたとのことでした)。

    地元のガイドさんとほんの少しの何気ない会話ですが、話す機会があるのもこの調査のいい点だと感じています。

     


    係留中のカヤック(下流の係留地点)


    係留中のカヤック(上流の係留地点)


    太陽の光で葉っぱの緑もそれぞれ


    色づいたセンリョウの実

    日付

    令和4年11月15日

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    世界に向けて西表島のマングローブ林について発信
    ~昨年に続き独立行政法人国際協力機構(JICA)沖縄センターの講義をオンラインで実施~

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    当センターは、独立行政法人国際協力機構(JICA)沖縄センターが行う研修の中の、「保護地域協働管理を通じた脆弱な沿岸・海洋生態系保全」コースの講義を受け持っています。

    今年度も新型コロナウイルス感染症の影響で、オンラインによる遠隔研修となり昨年度撮影された当センターの講義ビデオを事前に研修員が受講し、本日(11月15日(火曜日))、講師と研修員との間でディスカッションを行う形式となったとともに、研修参加国間で時差が大きいこともあり、朝(8時00分~9時00分(メキシコ、パラオ))と夕方(17時00分~18時00分(コートジボワール、フィリピン、モーリシャス))の2回に分けての実施となりました。

    研修には、上記の5カ国から8名(男性5名、女性3名)の研修員が参加しました。

    また、今回は講師である担当職員の他にOJTの一環として若手職員がオブザーバーとして参加しました。

    ディスカッションでは、「マングローブ林の被害・損害のコストはどれくらいかかるのか」や「海洋漂着ゴミ問題」などの質問があり、着眼点の違いから回答に戸惑いましたが、漂着ゴミ問題については、当センターにおいて定期的に調査していることなどを説明しました。

    また、フィリピンやモーリシャスでは、マングローブが国全体で保全されている状況について報告があり、マングローブ保全への取組方もそれぞれの国で違うことを感じました。

    今回もオンラインであったものの、公用語以外の言語で会話をする研修員や朝夕と通いなれた職場に飛び交う英語で通いなれた職場が、その時だけ異世界のようでした。

    来年度こそは世界自然遺産になった西表島で研修が行われることを期待します。


    研修員と通訳の会話についていけず


    質問内容が読み解けない 

    日付

    令和4年11月14日

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    野生植物分布状況調査を実施(第3回)

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    11月14日(月曜日)に第3回目の野生植物分布状況調査を実施しました。調査中は依然として汗をかくものの8月に実施した初回の調査時と比べるとかなり涼しくなり、調査を実施する者としていい気候になったと感じます。

    今回も国有林職員OBの加島幹男氏に協力いただき、植物の特徴、花の咲く時期等の丁寧な説明を受けながら21種の植物を調査することが出来ました。

    その中で、今回はワニグチモダマを簡単に紹介します。ワニグチモダマは別名ミドリモダマとも言われ、西表島でも個体数が少なく、環境省レッドリスト、沖縄県レッドデータブックで、ともに準絶滅危惧(NT)に指定されています。その特長は、花は多く咲きますが実をつけるものが少なく、モダマの中では実付きが悪いと言われているそうです。

    初回の調査から今回まで木本類を中心に59種の調査を終えています。今年度予定していた調査範囲は今年度中に調査が出来そうです。この貴重なデータを丁寧に記録を残し、後に引き継いでいかなければと考えています。

    ※調査データの中には稀少種も含まれており、「場所を教えてください」などの質問等については受け付けておりませんので、ご了承願います。


    ワニグチモダマ


    ワニグチモダマのつぼみ

    日付

    令和4年11月6日

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    国有林を積極的にPR
    ~第9回西表島人(しまぴとぅ)文化祭に出展~

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    11月5日(土曜日)から11月6日(日曜日)にかけて、西表島の中野わいわいホールにて特定非営利活動法人 西表島エコツーリズム協会主催の第9回西表島人(しまぴとぅ)文化祭が開催されました。

    11月5日(土曜日)は舞台の部が開催され、私達は、11月6日(日曜日)の展示の部に国有林、西表森林生態系保全センターをPRする良い機会と捉えブース出展しました。

    ここ数年コロナ禍ということもあり、西表島の中では久しぶりの沢山の人が集う結構大きなイベントで、西表島の面積の約85%を占める国有林にとって、PRするにはまたとないチャンス。

    この文化祭は、3年に1回の間隔で開催されており、今回で9回目、一貫したテーマは「伝統・継承・創造」です。また今回のサブテーマは「ヤマナ・カーラ・スナ・ピトゥ(山・川・海・人)」で、島の人たちが当時から変わらずに抱いている西表島の豊かな大自然とそれを根源として育まれてきた島人の文化とのつながりを守り継いでいきたいという想いがこのサブテーマには込められているとのことです。

    テーマの「伝統・継承・創造」はどの組織にもなくてはならない大切なものですし、サブテーマの「ヤマナ・カーラ・スナ・ピトゥ(山・川・海・人)」を私達に当てはめれば私達は「ヤマナ(山)」に関連する仕事をしており、その全てが繋がって一体となって西表島を形成しているのだなと改めて感じました。

    会場には、様々な団体が出展しており、ステージでは「西表で『衣』を着る~伝統から現在~」と題し、西表島にルーツを持つ前泊竹富町長も飛び入り参加したファッションショーなども行われ、1日という短い時間ではありましたが、西表島の歴史や文化に触れることができました。

    筆者自身が個人的にうれしかったことは「先日、中学校の三大行事に参加された方ですよね?大声で最後まで盛り上げていただきありがとうございました」と名前も知らない中学生の保護者から声をかけていただいたことと、展示の一角に設けられたエコツーリズム協会会員インタビューリレーで、「西表島の自然や文化の魅力」の問いに、「山、川、海が繋がっていること、山が元気だから海も元気でいられることを毎日海に潜っていて肌で感じています」と海で働く方が、山(森林)のことを気にかけていることでした(正直、感動して少し泣きそうになりました)。

    私達の出展内容は、各種実施している業務を写真で紹介し、国有林関連のパンフレット及び当センターで作成したクリアファイル、西表植物かるた(プロトタイプ)等の配布でしたが、終了時刻が迫る頃には、用意したパンフレット等は殆どなくなっており、大いに国有林をPRできたのではないかと思います。

    余談にはなりますが、この文化祭が3年に1回の開催ということもあり、前回の文化祭を経験した職員はだれもいません。ここで記録を残すことの大切さを改めて痛感しました。昨年度まで在籍していた永山前生態系管理指導官が写真で記録を残していたので、前回がどういった内容の出展をしたかがすぐにわかり本当に助かりました。写真で記録を残し後に伝えることもこの文化祭のテーマにある「継承」の一部だと感じました。

    今回、この文化祭に出展し、地域の沢山の方とふれあうことができ、この島のことを肌で感じることができたことで、この地域で仕事をやらせていただいているありがたさを改めて感じることができました。


    第9回 西表島人(しまぴとぅ)文化祭


    会場入り口


    当センターの展示ブース


    当センターの紹介プレート


    ロケットラワン(種飛ばしキット)は、こうやって作るんだよ~


    老若男女、大盛況の会場

    日付

    令和4年11月2日

    タイトル

    深く考えさせられた今年度の密猟・盗掘等防止合同パトロール
    ~希少野生動植物の密猟・盗掘等を防止するための秋季行政機関合同パトロール(4回目)に参加~

    コメント

    11月2日(水曜日)、大原中学校での古見岳登山事前講話終了後、午後6時から今季4回目(最後)の西表島における希少野生動植物の密猟・盗掘等防止普及啓発活動(行政機関合同パトロール)にセンター職員2名で参加しました(今回は、環境省職員2名と合同パトロールを実施しました)。

    パトロール当日の天候は、雨(西表島は、ここ数日、雨が断続的に降り続いています)。
    昆虫採集シーズンの終盤にさしかかり、連日の天候も相まって、担当した地点での昆虫採集者はとても少なかったです。

    そんな中、1人の昆虫採集者が「私達のグループは、適正に採集してるし、私自身もマルバネクワガタを沢山発見しているが、小さい個体は採集せず、大型の個体を中心にまだ20匹しか採集していない」との発言があり驚きました。

    20匹“しか”と採集した数が少ないという表現をする感覚と何を基準に適正な採集と言っているのか?自分達のグループではない採集者はもっと沢山のマルバネクワガタを採集しているのか?他の採集者よりも採集数が少ないから適正なのか?
    ここには記載しませんが、その他にも驚くような要望等の発言がありました。

    今年度は、担当した地点では、昆虫採集者の常識やモラル等(「濡れたのでタオルや傘を貸してほしい」、「登山道の入り口を教えてほしい」、「まだ20匹“しか”採集していない」等の発言)を深く考えさせられることが多々ありました。

    昆虫採集者の中には、本当に極僅かな採集量で、研究が主目的の方も沢山いることは重々承知しております。
    しかしながら、昆虫採集者の殆どが、自分の採集量は少ないと自己判断していれば、近い将来マルバネクワガタは絶滅危惧種に指定されたり、厳しい規制がかかることになるではと感じました。

    最後に、環境省職員と次回の活動、対応方針等を確認し、今年度の秋季行政機関合同夜間パトロールを終了しました。

     “とる”のは写真だけ
    西表島からつれていかないで、希少な動植物

    なお、国有林に入林する際は、事前に入林届等が必要となります。
    国有林への入林について、詳しくは、以下のURLを参考にして下さい。 

    https://www.rinya.maff.go.jp/kyusyu/okinawa/yousiki.html

    当然のことながら届出や許可証があるからといって何をやってもいいということにはなりませんのでご注意願います。
    また、夜間の入林は、ヘッドライト等があったとしても昼間と比較して危険度が増すのは当然のことで、悪天候時などは、西表島特有の気候もあり小川であっても急な増水が考えられるため、入林を控えるようにお願いします。

     


    合同パトロール最終日、今後の活動等を確認し、
    締めのあいさつをする環境省職員

    日付

    令和4年10月28日

    タイトル

    入林する前に、しっかりとした事前確認を!!
    ~希少野生動植物の密猟・盗掘等を防止するための秋季行政機関合同パトロール(3回目)に参加~

    コメント

    10月28日(金曜日)、午後6時から今季3回目の西表島における希少野生動植物の密猟・盗掘等防止普及啓発活動(行政機関合同パトロール)にセンター職員3名で参加しました(今回は、環境省職員1名、竹富町職員1名、八重山警察署上原駐在1名と合同パトロールを実施しました)。

    パトロール当日は、昆虫採集シーズンの中盤から終盤ということもあり、採集者の入林が多いことが予想されましたが、担当した地点での昆虫採集者はとても少なかったです。

    しかしながら、前回と同様にある昆虫採集者が私達に「この地点に登山道はありますか?登山道入り口がわからないので教えて下さい」との発言がありました。
    私達パトロールする側としては、出来れば夜間の入林は控えてほしいものであり、入林するのでれば、昼間の明るいうちに登山道の有無や登山道入り口等は、最低限自分たち自身で確認して下さい。
    聞くと他の地点で一定期間昆虫採集をやっていたが、西表島での滞在期限が明日に迫ったので、次回採集時の下見も兼ねて自分達が入林していなかった地点に来たとのことでしたが、理由を聞いてなおのこと明るいうちに入林する箇所の事前確認を徹底してほしいと感じました。

    なお、国有林に入林する際は、事前に入林届等が必要となります。
    国有林への入林について、詳しくは、以下のURLを参考にして下さい。

    https://www.rinya.maff.go.jp/kyusyu/okinawa/yousiki.html

    当然のことながら届出や許可証があるからといって何をやってもいいということにはなりませんのでご注意願います。
    また、夜間の入林は、ヘッドライト等があったとしても昼間と比較して危険度が増すのは当然のことで、悪天候時などは、西表島特有の気候もあり小川であっても急な増水が考えられるため、入林を控えるようにお願いします。

    だんだんと薄暗くなり昆虫採集者の活動時間が迫る


    効果絶大の赤色灯
    (車両は全てパトロール実施者の車両)


    パトロール隊、待機中

    日付

    令和4年10月27日

    タイトル

    仲良川マングローブ林台風被害地モニタリング調査を実施

    コメント

    仲良川のマングローブ林台風被害地調査箇所(西表国有林154い林小班)は、平成18(2006)年の台風13号及び平成19(2007)年の台風12号よる猛烈な強風により、マングローブ林内のオヒルギ等の風倒木が大量に発生する被害(面積0.70ha)を及ぼし、十数年が経過しています。当センターでは、毎年定期的に被害地のマングローブ林の再生、周囲の状況の経過観察を実施しています。

    今年度も10月27日(木曜日)に仲良川のマングローブ林立ち枯れ被害箇所の調査後、定点撮影やドローンによる空撮等を実施しました。

    今年9月に台風11・12号が襲来したものの、林縁木等の被害は確認されませんでした。

    調査箇所の状況は、中央部分の水流箇所では前年度と同様にオヒルギ等の稚樹は確認されませんでしたが、台風被害地林縁部の一部でオヒルギ等の稚樹が多数確認されました。

    また、ドローンによる空撮では被害地内の水流(川)がより鮮明になり、水流を中心に土泥化が進行していることが確認されました。


    仲良川マングローブ林台風被害箇所
    (中央水流部)


    林縁には多数の稚樹を確認


    仲良川マングローブ林台風被害箇所(空撮)


    水流を中心に土泥化(空撮)

    日付

    令和4年10月27

    タイトル

    仲良川マングローブ林立ち枯れ箇所調査を実施

    コメント

    平成21(2009)年に仲良川でマングローブ林の立ち枯れ(西表国有林146い林小班内)が確認され、当センターが原因究明のため平成22(2010)年度から平成25(2013)年度まで調査を実施し、土砂の流入が原因とする一定の見解を示し、平成26(2014)年度に最終取りまとめと地元説明会を実施した経過があります。それ以降は立ち枯れ箇所の再生、周囲の状況の経過観察を毎年行っています。

    今年度も10月27日(木曜日)に調査を実施しました。立ち枯れ調査箇所の立ち枯れ木は、今年9月に台風11・12号が襲来したものの前年度とあまり変化はありませんでした。

    調査箇所の周囲の状況は、仲良川側ではオヒルギの稚樹が確認されたものの、調査区域の山側ではオキナワアナジャコのシャコ塚も確認され、アダン等が侵入し陸地化が進んでいることが確認されました。


    立ち枯れ箇所


    調査区域山側のオキナワアナジャコのシャコ塚(赤丸部分)

    日付

    令和4年10月21日

    タイトル

    しっかりとした入林計画と準備を!!
    ~希少野生動植物の密猟・盗掘等を防止するための秋季行政機関合同パトロール(2回目)に参加~

    コメント

    10月21日(金曜日)、10月期の西田川の利用状況調査終了後、午後6時から今季2回目の西表島における希少野生動植物の密猟・盗掘等防止普及啓発活動(行政機関合同パトロール)にセンター職員2名で参加しました。

    当日の天候は、西田川の利用状況調査報告で述べましたが断続的な雨、夕方から夜になるにつれ雨足も断続的に強くなり、こんな天候で昆虫採集者は入林するのだろうかとマーレ駐車場で環境省職員と待っていましたが、採集者自体の数(車両)は少なかったものの、既に入林している採集者の車両や雨でも入林する採集者がいました。

    しかし、やはり川が増水し安全を考慮し引き返してくる採集者や早めに下山してくる採集者もおり、賢明な判断だと思いました。
    その中で、引き返してきた若い1人の昆虫採集者が私達に「濡れたのでタオルを貸してもらえませんか」、「傘を貸してもらえませんか」、「車で宿泊先まで送ってもらえませんか」等の発言がありました。
    聞くと体調が悪いわけではなく、近くの宿泊先から雨も降っていなかったので歩いてきたとのこと(その後、知り合いらしき別の昆虫採集者の車両に同乗し宿泊先に帰っていきました)。

    少し厳しいことを言いますが、若気の至りでそんな発言をしたのかもしれませんが、自分の身の回りのことが自分自身で出来ないのであれば、昆虫採集以前に入林すること自体お控え下さい。怪我や体調不良など緊急を要す事態であれば別ですが、私達は、貸すタオルも傘も持っていませんし、車で宿泊所まで送迎しません。

    なお、国有林に入林する際は、事前に入林届等が必要となります。
    国有林への入林について、詳しくは、以下のURLを参考にして下さい。

    https://www.rinya.maff.go.jp/kyusyu/okinawa/yousiki.html

    当然のことながら届出や許可証があるからといって何をやってもいいということにはなりませんのでご注意願います。
    また、夜間の入林は、ヘッドライト等があったとしても昼間と比較して危険度が増すのは当然のことで、今回のような悪天候時などは、西表島特有の気候もあり小川であっても急な増水が考えられるため、入林を控えるようにお願いします。

     


    待機中のセンター職員


    密猟・盗掘監視強化中


    だんだんと天候が悪化


    ダッシュボードに掲示された入林届等

    日付

    令和4年10月21日

    タイトル

    令和4年度西田川の利用状況調査(令和4年10月分)報告

    コメント

    10月21日(金曜日)、今年度4回目の西田川の利用状況調査を実施しました。

    天候は、雨が断続的に降る状況。
    調査記録用紙は耐水紙を使用していますが、それでも雨に濡れるとインクがつきづらくなるので、雨の日の記録用紙への記入は、記録用紙と手を透明の袋等に入れて記入するなどの工夫が必要です。

    さて、調査の結果は、カヌーツアー2組の13名(ガイド含む)で県外からの観光客でした。

    断続的に雨が降る中、ツアーに参加した観光客は、思い思いに皆、サンガラの滝を満喫しているように見えました。

    亜熱帯性気候の多雨林に降る雨は、“ジャングル感”をより一層引き立ててくれるので、快晴の時とはまた違った見応えがあるように感じます。

    余談になりますが、ズボンの裾を靴下に入れ、長靴を履き、雨合羽を着用していたのに、下山後、入浴中に左太ももに出血を確認。犯人はヒルです(血を思う存分吸って、丸々と太ったヒルを確認)。どこから入り込んだのかとゾッとしました。
    ヒルの吸血は痛みもなく、吸血されたこと自体になかなか気づきません。さらにほんの僅かな咬傷部でも出血が止まりにくいので、その咬傷部の小ささに対しての出血量にいつもビックリします。そのうえ、咬傷部の痒みが長いこと続きます。

    なお、10月期の利用者数は、令和3年度の同月と比較してツアー数は微増、利用者数は大幅に増える結果となりました。

     


    サンガラの滝(降雨前)


    サンガラの滝(降雨中)


    雨の中でも思い思いサンガラの滝を
    満喫するツアー観光客


    キノボリトカゲ、元気に活動中

    日付

    令和4年10月19日

    タイトル

    減っている気がしない
    ~船浦湾のビーチクリーンアップ活動に参加~

    コメント

    10月19日(水曜日)、14時から西表島カヌー組合の主催で船浦湾ビーチクリーン活動が開催され、当センター職員全員で参加しました。

    船浦湾は、西表島西部に位置し、湾に流れ込むヒナイ川にピナイサーラの滝があり、西田川にサンガラの滝などの観光の名所があります(ピナイサーラの滝は、船浦湾に架かる海中道路から眺めることができます)。また、船浦湾のマングローブ林内には、ニッパヤシ群落もあります。
    船浦湾のマングローブ林は、上原国有林204~208林班となっており、当センターの漂流・漂着ゴミの定点観測地点でもあります。

    ビーチクリーン活動当日は、強風が吹きさらす中でしたが西表島カヌー組合、八重山環境ネットワーク西表エコプロジェクトを中心に、ネイチャーガイド業の職場体験中だった船浦中学校の1年生も含め、総勢50名でビーチクリーン活動を実施。

    湾内のマングローブ林に入り込んだ沢山の漂着ゴミは、カヌー組合の猛者達が、カヤックに乗って回収します(行きはカヤックに乗り漂着ゴミの回収地点まで向かい、回収後は漂着ゴミを座席にも乗せるためカヤックを引っ張り集積地点まで運びます)。
    当センター職員は、海中道路に接する国有林内(海中道路の外側)で漂着ゴミの回収を実施しました。

    参加者は約2時間、精一杯清掃活動を実施し、ゴミ袋(45㍑)150袋以上の漂着ゴミを回収しました。ペットボトルに至っては、1,000本以上回収し、その他の漂着ゴミは、発泡スチロール、ブイ、漁具類が多かったように感じました。
    ペットボトルは、西表島の地理的位置から海外(アジア圏)からのものが殆どでしたが、日本製のものもありました。

    毎年、定期的に西表島カヌー組合が清掃活動を実施していますが、組合員の「毎年、清掃活動を実施しているが、減っている気がしない」という何気ない一言が、とても印象に残り、いろいろなことを考えさせられる一言でした。
    今回は、前述したとおり船浦中学校の生徒も参加しており、身近な環境問題を考えるいい機会になったのではと感じたと同時に、この生徒達が大人になったときに、「毎年、カヌー組合の人達が清掃活動をやっているおかげで、船浦湾の漂着ゴミは減ってきている」と言えるように私達、大人達が清掃活動はもとより普及啓発も含め頑張らなければならないと感じました。

     


    流れ着いたガスボンベ


    林内に入り込んだ漂着ゴミ
    (こうなると回収も一苦労)


    大量の漂着ゴミをカヤックに乗せ回収


    大人に混ざり一生懸命頑張る中学生


    回収されたブイ


    集めたゴミを前に記念撮影

    日付

    令和4年10月17日

    タイトル

    野生植物分布状況調査を実施(第2回)

    コメント

    10月17日(月曜日)第2回目の野生植物分布状況調査を実施しました。第1回目の調査時とは違い、まだ気温は高いものの、大分涼しさを感じるようになりました。

    前回に引き続き、島内の植物に詳しい国有林職員OBの加島幹男氏に協力いただき、植物の特徴、花の咲く時期等の丁寧な説明を受け、19種の植物を調査することが出来ました。

    その中で、今回はムクイヌビワを簡単に紹介します。ムクイヌビワは西表島でも個体数が少なく沖縄県絶滅危惧種ランク「準絶滅危惧種(NT)」に指定されています。特長としては、葉っぱの裏がザラザラしており、昔はサンドペーパーの代わりとして使用されていたそうです。写真にあるムクイヌビワの実は食べられます。

    まだ2回目の調査ですが、西表島の野生植物は稀少なものも含めてかなりの数があると改めて感じます。現在まで38種の調査を終えていますが、開花時期等の追跡調査が必要な種もあり、時期を見計らって調査を行い、結果の取りまとめをしっかり行っていかなければならないと考えています。

    次回の調査は11月を予定しています。

       ※調査データの中には稀少種も含まれており、「場所を教えてください」などの質問等については受け付けておりませんので、ご了承願います。

     


    ムクイヌビワの実

    日付

    令和4年10月15日

    タイトル

    撮っても、採らないで西表島の希少な動植物
    ~希少野生動植物の密猟・盗掘等を防止するための秋季行政機関合同パトロール(1回目)に参加~

    コメント

    10月15日(土曜日)、船浦中学校三大行事「テドウ山登山」の事前踏査終了後、そのままマーレ駐車場で、今季第1回目の西表島における希少野生動植物の密猟・盗掘等防止普及啓発活動(行政機関合同パトロール)にセンター職員2名で参加しました(事前踏査に参加した租納森林官及び環境省職員2名と実施)。

    この合同パトロールは、環境省、竹富町、沖縄森林管理署、当センター職員等が、西表島の主要な入林地点の駐車場などで、普及啓発活動を実施するものです。
    104日のトピックスで記載しましたが、昨年度まで上記機関が輪番制で実施していた巡回パトロールは、今年度から西表財団が実施します。

    さて、今回のパトロール当日の天候は、断続的な小雨。昆虫採集シーズンの序盤であるため、マーレ駐車場には、採集者の車両は殆どなく、午後8時のパトロール終了までに駐車場に来る採集者の車両も1台程度でした。

    実は、テドウ山登山の事前踏査で当方達が下山中に登山道で2人組と1人の入林者とすれ違ったため、入林目的等を聞き取り確認したところ、2人組は昆虫採集が目的。1人の方は、両生爬虫類の写真撮影及び鳴き声等を聞くのが主目的とのことでしたので、環境省職員と普及啓発を実施しました(すれ違った地点が、テドウ山中腹だったため、まだ明るい時間帯から入林し、夜を待ち、日暮れ頃から昆虫採集等を開始するのだなと思いました)。

    昆虫採集シーズンの序盤ということもあり、今回、テドウ山登山道及びマーレ駐車場では昆虫採集者数名への普及啓発活動になりましたが、今年も沢山の昆虫採集者の夜間入林が予想されます。

    なお、国有林に入林する際は、事前に入林届等が必要となります。
    国有林への入林について、詳しくは、以下のURLを参考にして下さい。

    https://www.rinya.maff.go.jp/kyusyu/okinawa/yousiki.html

    当然のことながら届出や許可証があるからといって何をやってもいいということにはなりませんのでご注意願います。
    また、夜間の入林は、ヘッドライト等があったとしても昼間と比較して危険度が増すのは当然のことで、悪天候時などは、西表島特有の気候もあり小川であっても急な増水が考えられるため、入林を控えるようにお願いします。

     


    昆虫採集者の活動時間が迫る


    とらないで西表島の希少な動植物


    入林者に対し普及啓発する環境省職員



    日付

    令和4年10月15日

    タイトル

    地域の協力、大人達の熱意にやっぱり感動
    ~船浦中学校恒例の三大行事「テドウ山登山」の事前踏査に参加~

    コメント

    竹富町立船浦中学校には、竹富町立大原中学校と同様に、【西表島横断】、【テドウ山登山】、【浦内川筏下り】という3年間の年中行事の中でも一大イベント中の一大イベント(通称「三大行事」)があり、今年は【テドウ山登山】の年です。

    10月15日(土曜日)に、テドウ山登山本番が安全に実施できるように大人達(教職員、PTA、地元有志、関係機関)による事前踏査(登山道整備)が行われ当センターから2名が参加しました(当初、この事前踏査は、10月8日に実施される予定でしたが荒天だったため、10月15日に延期になったものです)。

    事前踏査当日の天候は、今にも雨が降りそうな曇天模様で、直前まで雨が降っていたこもとあり、湿気ムンムンの相当体力が削られることが容易に想像できる天候でした(今年は、ここ数年と比べて10月から天候が悪い日が多いように感じます)。

    こちらも大原中学校の古見岳登山事前踏査と同様に、教職員、PTAの他に生業のガイド業を休んでもショップのガイドスタッフ全員で参加している方達がいたり、西表島西部の中学校行事にもかかわらず西表島東部から参加のネイチャーガイドさんもいたり、学校行事における西表島の地域全体で支え、継続し、盛り上げていこうという姿勢にやっぱり感動しました。

    今回も、天気があまりよくなく山頂付近での絶景は拝めませんでしたが、10月29日の本番当日は、山山頂付近での絶景を拝めることを願って無事、事前踏査を終了しました(テドウ山は、山頂よりもほんの少し下ったところの方が絶景が拝めます)。

    湿気が凄いかなと思いきや、汗はかきましたが、終わって見れば、ところどころで風が適度に吹き抜け、快晴にならなかったこともあり、気温もそこまで上がらず、意外と登山日和(事前踏査日和)になった?と感じた今回の事前踏査でした(筆者自身は、今回もほぼ最後尾で、声だけは最後まで大声で元気よくを貫きました)。


    出発地点(左奥)に厚い雲


    頭上に注意をひくようにテープ付け


    吹き抜ける風を感じ、適度に休憩


    ひっそりと佇んでいたカゴメラン


    ヤマンギもいた!!


     滑って登りにくい地点にロープを設置


    山頂で楽しい、昼食タイム


    441.2mテドウ山山頂


    いつもはビュースポットも真っ白


    だいぶ下って眼下に船浦湾と海中道路


    森林生態系保護地域の看板の確認も忘れずに


    事前踏査、お疲れ様でした!!



    日付

    令和4年10月14日

    タイトル

    浦内川のマングローブ林立ち枯れ箇所のモニタリング調査を実施

    コメント

    平成20(2008)年に浦内川でマングローブ林の立ち枯れが確認され、当センターが原因究明のため、平成22(2010)年度から平成25(2013)年度まで調査を実施し、土砂の流入が原因とする一定の見解を示し、平成26(2014)年度に最終取りまとめと地元説明会を実施した経過があります。平成26年度以降は立ち枯れ箇所の再生、周囲の状況の経過観察を毎年行っています。

    今年度も10月14日(金曜日)に浦内川河口部の調査箇所(立ち枯れ箇所)の経過観察を実施しました。各調査箇所で定点撮影や画像データ収集及び周囲の状況等の確認を行いましたが、当日は満潮後で潮が高く、膝の上まで浸かりながらの調査となりました。

    調査結果としては、9月に襲来した台風12号によると思われる強風により、一部の立ち枯れ箇所の枯れ木が流失していたものの立ち枯れ範囲の拡大は確認されず、周辺ではオヒルギの稚樹が多数確認されました。しかし、別の立ち枯れ箇所の周辺では、台風の影響と思われる豪雨により、河川の土砂が堆積しているのが確認されました。

    気象及び河川の変化等、原因は確定できないものの、今後も河川上流部からの土砂の流入による河口部への堆積等が考えられることから経過観察を継続することとしています。

     


    立ち枯れ箇所



    定点撮影


    膝上までズブぬれ


    来年の観察に向けて定点撮影箇所の
    目印テープ再設置


    日付

    令和4年10月12日

    タイトル

    四つの要請事項に対する検討結果を含む進捗状況を報告
    ~令和4年度第2回「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島世界自然遺産地域連絡会議」開催~

    コメント

    10月12日(水曜日)、「令和4年度第2回奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島世界自然遺産地域連絡会議」がオンラインにより開催され、沖縄、鹿児島両県、関係12市町村長、環境省、林野庁等関係行政機関が出席し、当センターからも職員2名が出席しました。

    10月5日のトピックスでもお伝えしましたが、「令和4年度第1回奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島世界自然遺産地域科学委員会」で審議された四つの要請事項(観光管理、ロードキル対策、河川再生、森林管理)について、科学委員会委員からの助言等を踏また検討結果を含む進捗状況について各機関の担当者から報告があり、保全状況報告に関して異議のないことを確認し内容について合意しました。

    また、令和元(2019)年に策定された「世界自然遺産推薦地モニタリング計画」に基づく令和3年度のモニタリング評価結果等についても事務局から説明があり、最後に、世界自然遺産地域科学委員会の土屋委員長から「要請事項全体としては、改良の余地があるが、丁寧な議論が行われており良い対応になっているという評価を受け、今後も議論を継続していただきたい」旨の発言があり、全体で取り組むことを確認し会議を終了しました。

     


    全12関係市町村首長が出席(Web)


    日付

    令和4年10月10日

    タイトル

    地域の協力がすごい!!大人達の熱意がすごい!!
    ~大原中学校恒例の三大行事「古見岳登山」の事前踏査に参加~

    コメント

    竹富町立大原中学校には、【西表島横断】、【古見岳登山】、【仲間川筏下り】という3年間の年中行事の中でも一大イベント中の一大イベントで、通称“三大行事”があり、今年は【古見岳登山】の年です。

    10月10日(祝・月曜日)に、古見岳登山本番が安全に実施できるように大人達(教職員、PTA、地元有志、関係機関)による事前踏査(登山道整備)が行われ当センターから2名が参加しました。

    事前踏査当日の天候は雨が降りそうな曇天模様、「どうかこのまま天気よもってくれ」と思いつつ登山開始。

    環境省から参加していた女性職員の「中学生の男子でも1年生は、私と同じくらいの身長、目線だったりするから私の目線の枝とかも注意が必要ですよね」という言葉になるほどと思わされた(自分にはなかった視点と感性)。

    登山開始前の打合せでの(斜め切りすると滑って手を着いた際に手や目に刺さる可能性が大きくなることから)“雑灌木を切る際もできるだけ水平に切る”等の生徒達の安全最優先を忘れないきめ細かい指示と共通認識化が素敵。

    子どもが中学生じゃなくても、生業のガイド業を休んでも、いつも使用しているフィールド・地域への還元、地元の行事を守り続けたいという気持ちで参加している筆者と同年代のネイチャーガイドさんや地域の方々が沢山おり、そんな心持ちにただただ感服と尊敬するばかり。

    今回は、天気があまりよくなく山頂での絶景は拝めませんでしたが、11月3日の本番当日は、古見岳山頂での絶景を拝めることを願って無事、事前踏査を終了しました。

    「地域の協力がすごい、大人達の熱意がすごい」と改めて感じた今回の事前踏査。
    竹富町には高校がなく、15歳で親元を離れ、島を旅立つ(通称:島立ち)子ども達のために大人が頑張る姿に今回も感動しました(筆者自身は、最後尾でも最後まで声だけは大声で元気よくを心がけただけです)。

     

    出発早々に川を渡る


    この看板が見えたら急登が始まる


    曇天模様、遠くに小浜島を望む


    ヒカゲヘゴ群が見えたら頂上まであと少し


    しっかり目印テープを付ける


    参加した猛者?たち(山頂にて)


    古見岳山頂のヤマネコの石像


    山頂が強風のため、少し下って昼食


    ユツンの三段滝(滝上)からの眺望


    新たにロープも設置


    無事に全員ゴール


    事前踏査、お疲れ様でした!!

    日付

    令和4年10月6日、7日

    タイトル

    「大丈夫だろう」ではなく安全への意識を常日頃から高く持つ!!!
    ~九州森林管理局 大道森林整備部長及び長渕企画官による安全指導~

    コメント

    10月5日のコンプライアンス指導に引き続き、10月6日(木曜日)から7日(金曜日)にかけて九州森林管理局の大道森林整備部長及び同局保全課の長渕企画官による公務災害にかかる安全指導が行われました。

    森林・林業産業は、その仕事の形態等から全産業の中でも災害発生率が非常に高いことから、林野庁では安全に対しての意識は入庁時から厳しく指導されます。

    本来であれば、マングローブ林の調査などの現場作業中の確認をしていただくことが、より実態に即した指導になると思われましたが、今回は10月期のヒナイ川入り込み調査等に同行頂きました。

    入り込み調査は、聞き取り調査のため絶対に安全であるように思われがちですが、調査地点に行くまでに車両運転があり、現地に行くまでに「歩行」が伴います。当たり前のことですが、車両運転及びこの林内を「歩行」することにおいて必ずしも事故や怪我をしないということはなく、過去の災害事例からも車両事故や歩行中に滑った、カヅラ等に足を取られつまずいたこと等を原因とする災害が度々起こっています。また、歩行する程度で手袋など必要ないと思われがちですが、滑って咄嗟に手を着いた時に、手を怪我すれば“保護具の未着用”という災害原因が加わり、安全においては「このくらい」や「大丈夫だろう」と思わないことが重要となります。

    7日は、事務所での長渕企画官による過去の公務災害発生状況資料を基にした安全指導があり、年度別、月別、曜日別、時間別等の様々な視点から数値を示しての分析結果は説得力がありました(人事異動等での環境の変化があるため、年度初めは基本動作の徹底を!!!、週の前半に災害が多発するかつ、週の中日(火、水曜日)は要注意!!!、災害発生時間は午前10時と午後2時前後が要注意!!!等々)。

    今回の安全指導を受けて、過去に筆者自身が入庁間もない頃に現場の職員から、キャハン(すね当て)の留め具を一つ留めていなかっただけでこっぴどく叱られたことや、運転免許を取得した際に自動車学校の校長が訓示で言った言葉などを思い出し、安全作業に対する振り返りや気づきのいい機会となりました。

     

    林内歩行中も気を抜かず

    過去の公務災害事例等を分析した説得力のある安全指導

    日付

    令和4年10月6日

    タイトル

    令和4年度ヒナイ川の利用状況調査(令和4年10月分)報告

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    10月6日(木曜日)ヒナイ川の利用状況調査を実施しました。

    調査地点に行く途中に、10月だというのに季節外れのサガリバナが林内に落ちていました。ガイドさん達のSNSを見ても西表島のあちらこちらで咲いていたようです(「秋咲き」と表現するガイドさんもいるようで、季節外れに咲くことは今年に限ったことではなく毎年ほんの僅かですが、「秋咲き」するようです)。
    サガリバナは、6月から8月が開花時期とされる一夜花(夜に開花し、朝に散る一夜限りの花)で、落ちてしぼんでいない花は夜に咲いたばかりということになります。

    さて、調査の結果は、カヌーツアー14組の89名、トレッキングツアー1組2名(ガイド含む)、ガイドなしのトレッキング1名で殆どが県外からの観光客でした。

    年間をとおしてピナイサーラの滝壺のみへのツアーが最も多いのですが、今回はカヌーツアー14組中、半分の7組がピナイサーラの滝上及び滝壺ツアーでした。

    なお、10月期の利用者数は、令和3年度の同月と比較して(カヌーツアー、トレッキングツアーあわせて)ツアー数は同数となりましたが、利用者数は微増の結果となりました。

     

    【注意喚起】

    上記のガイドなしのトレッキング1名とは別に今回、単独でヒナイ川を泳いで、泳げないところは沢登りをして遡上する入林者を発見し注意しました。当然、ガイドはなし。帰りは登山道を帰るように促しましたが、川を泳いで遡上したり、沢登りをする行為はとても危険ですのでお止め下さい。

    もし事故が発生すれば出動するのは、地元の消防団やカヌー組合の組合員などがボランティアで自分の仕事を放りだし救助に駆けつけることになります。体力に自信があって、他地域で経験があっても、自分の行為が危険な行為か否か今一度お考え下さい(その行為で事故が起これば沢山の方に迷惑をかけることになります)。

    また、8月のトピックスでもお伝えしましたが、名所までは少なくともそれなりに歩きますし、高温多湿の亜熱帯性の気候ため水分等の十分な装備も必要です。滑りやすい箇所も沢山あります。ハブもいます。西表島の自然は、決してビーチサンダル等の軽装で気軽にいける場所ではありません。

    西表島の森林に入る時は、目印があっても迷いやすい箇所があったり、西表島特有の気候もあり小川であっても突然の降雨により急な増水が考えられるため、ガイドなどの経験者の同行をお勧めします。
    また、国有林に入林する際は、事前に入林届等が必要となりますのでご注意願います。
    国有林への入林について、詳しくは、以下のURLを参考にして下さい。
    https://www.rinya.maff.go.jp/kyusyu/okinawa/yousiki.html

     


    係留中のカヤック(下流の係留地点)


    係留中のカヤック(上流の係留地点)


    季節外れのサガリバナ


    いざ、滝壺へ

    沖縄森林管理署が設置している注意標識(看板):マーレ駐車場

    日付

    令和4年10月5日

    タイトル

    不意に意図せず不正行為に手を染めない!!!
    ~九州森林管理局 大道森林整備部長によるコンプラアンスキャラバン~

    コメント

    10月5日(水曜日)九州森林管理局の大道森林整備部長、同局保全課の長渕企画官が来所され、発注事務に係る不正行為の防止について、コンプラアンス(法令遵守)指導が行われました。

    このコンプラアンスキャラバンについては、九州森林管理局の幹部自らが毎年各署等を巡回し指導が実施されております。

    指導(説明)は、過去の事例を踏まえながら行われ、「過去の上司部下の関係を利用したもの」、「日常の繁忙さからくる事務処理の都合のよい簡略化(怠惰)」「災害復旧の結果を出すことに関心が集まり、手続きの適正・公正さを軽んずる姿勢」等の様々な原因からコンプライアンス違反があるとのことでした。

    また、つい見落としがちですが、「金額以外でも数字に関係すること(いつ(時期)、どのくらい)も絶対に言わないこと」当然、「「まぁそのようなものではないか」などのヒントと取れる発言も絶対に言わないこと」との指導もありました。

    今回のコンプライアンスキャラバンを受けて、上記の原因は誰にでも起こり得ることで、もし自分の身に起こったら・・・・・?と考えると“好意にしていた元上司等との関係性を損ねても” “忙しくても”法令を遵守し適正な方法等に基づき業務を遂行し、当たり前のことを当たり前に考え、自分自身をどこまで厳しく律することができるかがとても重要だと感じました。

     


    考えさせられた今回のコンプライアンスキャラバン

    日付

    令和4年10月5日

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    ユネスコ世界遺産委員会へのレポート提出に向けて
    ~令和4年度第1回「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島世界自然遺産地域科学委員会」開催~

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    10月5日(水曜日)、「令和4年度第1回奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島世界自然遺産地域科学委員会」が沖縄県青年会館大ホールを主会場にオンラインを併用し開催され、科学委員会委員、環境省、林野庁、沖縄、鹿児島両県、関係10市町村の行政機関が出席しました。

    今回の科学委員会では、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会へ、本年12月1日までレポート提出をするために、四つのタスクフォース(観光管理、ロードキル対策、河川再生、森林管理)の検討結果を取りまとめた保全状況報告書(案)について、各担当機関から説明があり、委員からその記述内容等に対する科学的助言や要望等が多数出されました。

    また、令和元(2019)年に策定された「世界自然遺産推薦地モニタリング計画」に基づく各モニタリング結果等について、事務局から令和3(2021)年度調査の評価結果(案)の説明があり、モニタリング結果から把握された課題について得られた科学的助言は、後日開催予定の地域連絡会へ報告することとなりました。

    最後に、科学委員会の事務局長である環境省沖縄奄美自然環境事務所の宇賀神所長から今後の科学委員会の体制について、「平成25年に科学委員会を立ち上げて以降、委員の皆さまのご協力を賜り、今年の12月1日に提出する要請事項の回答内容が概ねまとまった。今後の科学委員会の役割として、“推薦状への作成への助言”から“モニタリングと評価に基づく管理への助言”へ新たなステージに入ると認識している。来年度の科学委員会の体制検討に向けて、ご助言をいただく機会を設け、事務局から提案する体制案について、年度末までの間に委員の皆様に科学的視点から有益なご助言を頂きたい。そのご助言を踏まえて、新年度から新しい体制を構築したい」との要望、提案があり会議を終了しました。

    当センターとしても、今後予定されている各種会議に参加して行く考えです。

     


    メモをとり説明に聞き入るセンター職員


    事務局からの説明(Web)

    日付

    令和4年10月4日

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    西表島からつれていかないで!
    ~西表島における希少野生動植物の密猟・盗掘等を防止するための普及啓発活動事前会議に参加~

    コメント

    昨年7月に世界自然遺産に登録された西表島には沢山の希少野生生物が生息しています。特に希少な生物は法律や条令で保護されており、許可なく採取することはできません。しかし、売買目的や一部の者による違法採取が確認されているほか、良識外の過剰な採取、昆虫をはじめとする希少な植物、甲殻類や両生爬虫類などの島外への持ち出しや過去には昆虫を採集するために洞を刃物で無残に広げられたスダジイなども発見されています。←ここまでは、前回(6月30日)のトピックスでも書きました。

    今年も特定の昆虫が発生する時期となり、西表島に沢山の昆虫採集者が集まる時期となりました。
    この時期も関係行政機関が連携、協力し希少野生動植物の密猟・盗掘等を防止するための普及啓発活動を毎年実施しています。

    今回も10月4日(火曜日)環境省西表自然保護官事務所にてwebも併用し、希少野生動植物の密猟・盗掘等防止普及啓発活動にかかる事前会議が開催され、当センター職員1名がオンラインで参加しました。

    会議では、夏季の普及啓発活動の反省等を行い、昨年度同時期の活動結果を踏まえた時期毎の啓発活動の実施内容、場所、その対象、SNS上での普及啓発等の提案や確認など、関係行政機関から様々な意見が出されました。

    少し前の地元紙で地区公民館からの竹富町長への要請で“昆虫採集抑制への協力”と公民館からの要請ではこれまで目にされなかったことが要請事項に入っており、地元住民が昆虫採集者とトラブルになり、口汚く罵倒されたことがあったとのことで、その記事を見た時にとても悲しい気持ちになりました。密猟・盗掘だけではなくこういったことも防止出来るように今回の活動で普及啓発できればと考えています。

    また、今回から西表財団にも参加いただき、集中的に巡回パトロールを実施してもらうことになりました。

    今後は、今回の会議結果に基づき、今年度も希少な動植物を密猟等から守るために主要地点での夜間合同パトロールを強化し実施していくこととしています。

    “とる”のは写真だけ
    西表島からつれていかないで、希少な野生動植物

     


    今回も普及啓発活動にかかる活発な意見がだされた

    日付

    令和4年10月4日

    タイトル

    外来種駆除試験地の経過観察を実施
    ~アメリカハマグルマその12・ギンネム新規駆除試験(第1回)~

    コメント

    10月4日(火曜日)にアメリカハマグルマ及びギンネムの駆除試験地の経過観察等を実施しました。

    10月に入り、九州などでは木々の葉が赤や黄色に色づく季節となってきましたが、西表島の山々は緑色のままで、まだ夏真っ盛りのような感覚がしています。

    再刈り払いから約3ヶ月が経過したアメリカハマグルマの駆除試験地の経過観察結果は、重曹散布区及び食酢散布区ともに、アメリカハマグルマが少し生えているものの、伸びている個体はほとんどなく、アメリカハマグルマの発生は抑制されています。

    9月21日、22日のトピックスでお伝えしていますが、ギンネムは前回の試験から穴の数を倍の12カ所に増やした新規駆除試験を実施しています。新規駆除試験開始から初めてとなった今回の経過観察結果は、蜜のようなものを出している試験木が前回の試験よりも多く観察されました。ギンネムに何かしらの影響があると考えていますが、前回の試験ではその後枯死まで至らなかったため、今後も枯死するかどうか経過観察を続けます。また、食酢を注入した試験木の内1本で上部の落葉がわずかながら確認できました。

     


    9月15日重曹散布区



    10月4日の重曹散布区
    アメリカハマグルマの繁茂は
    みられず発生が抑制されている


    9月15日の食酢散布区



    10月4日の食酢散布区
    アメリカハマグルマの繁茂は
    みられず発生が抑制されている


    蜜のようなものが幹から漏れ出る
    試験木(赤丸部分)


    わずかながらに変化が見られた
    食酢注入試験木(赤丸部分)

     

    日付

    令和4年9月28日

    タイトル

    「竹富町観光案内人エコツーリズム推進全体構想講習会」に参加

    コメント

    9月7日のトピックスでお伝えした「西表島エコツーリズム推進全体構想」が認定される見込みとなり、竹富町自然観光課及び竹富町西表島エコツーリズム推進協議会の主催により、竹富町観光案内人条例で受講が義務つけられている講習、研修会に該当する「竹富町観光案内人エコツーリズム推進全体構想講習会」が9月27日(火曜日)から10月5日(水曜日)にかけて、西表島島内5箇所でオンラインを併用し開催されることになり、9月28日(水曜日)に上原デンサー会館で開催された講習会にオブザーバーとして当センター職員2名がオンラインで参加しました。

    18:00から開催された講習会Aでは、西表島における全てのガイドを対象とした「エコツーリズム推進全体構想に関する講習」が行われ、竹富町役場自然観光課から西表島のエリア、自然観光資源毎に設定した各ゾーニングに応じたルールの考え方等の説明がありました。

    引き続き、20:00からは講習会Bが開催され、特定自然観光資源に指定される予定の「ヒナイ川・西田川」、「古見岳」、「浦内川源流域」、「テドウ山」の利用者を対象とした「特定自然観光資源に関する講習」が行われ、立入承認の運用方針等の説明がありました。

    各説明後の質疑応答では、利用ルールの適用時期、立入制限の上限、引率ガイドの研修試験などについて、活発な質問、意見等が出され、設定時間を30分超過し22:00に閉会しました。

    今後、特定自然観光資源の立入承認に関する町長告示が行われるなど、2023年(令和5年)10月に予定されている特定自然観光資源の立入承認に関する告示・条例施行へ向けて作業が行われることとなっています。

     


    説明に聞き入るセンター職員


    沢山の活発な意見等が出された講習会場

    日付

    令和4年9月27日、28日

    タイトル

    林業の普及に向けて九州各県が一堂に会す
    ~令和4年度林業普及指導員九州ブロックシンポジウムに参加~

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    9月27日(火曜日)から28日(水曜日)にかけて、沖縄県教職員共済会館【八汐荘】1階屋良ホールを主会場にwebも併用し、令和4年度林業普及指導員九州ブロックシンポジウムが開催され、当センター職員1名が参加しました。

    このシンポジウムは、林業普及指導員同士がお互いに研鑽し、全国各地における林業等の現状や課題を共有し、今後の林業普及指導活動に繋げることを目的として、林野庁が主催となり、開催運営は各ブロックの各県の持ち回りで毎年実施されており、九州ブロックでは3年ぶりの対面方式開催となりました。

    ブロックシンポジウムは、全国6ブロック(北海道・東北、関東・山梨、中部・北陸、近畿、中国・四国、九州)で開催され、林業普及指導員が都道府県別にその取り組み成果を発表します。全国シンポジウムでは、各ブロックの優秀発表者がブロックの代表として、取り組みの発表をすることとなります。

    当センターの業務との直接的な関係はあまりありませんが、今回は沖縄県での開催、今後、転勤し業務として携わる機会も増えてくる可能性や普段の業務にない視点の醸成や九州各県の林業情勢の把握等から、上局技術普及課から直接、参加の声かけがあったものです。

    九州各県の林業指導員の発表は、各地域の林業の実態や多岐にわたる課題に対する指導員の草の根的普及活動など、どれも素晴らしい参考にすべき取り組みの発表で、最優秀賞は長崎県の「自治体間連携による森林整備への取組~森林経営管理制度の運用に際して~」となりました。
    また、九州森林管理局の取り組みとして、令和3年度の森林・林業の技術交流発表大会の森林保全部門で最優秀賞を受賞した大分西部森林管理署から「民国連携に向けたシカ捕獲圧の強化について」の発表もあわせて行われました。

    翌28日は、同会場の4階中会議室での意見交換会ということで、九州各県の森林・林業の実態等の情報を交換する場が設けられ、林野庁から【林業普及事業をめぐる情勢】、九州森林管理局から【九州森林管理局における民国連携について】の情報提供が行われました。各県からの意見交換では、少人数での林政業務の実施や人材の確保、掘り起こし、使用目的・用途に応じた予算の執行に大変苦慮している実情などがあげられました。

    今回のシンポジウムに参加し、久しぶりの対面方式開催ということでwebではなかなか伝わりきれない“熱量感”などが伝わってき、久しぶりに九州の林業の実態等に触れることができ、とても刺激になった2日間でした。


    久しぶりの対面方式開催、九州各県の林業普及指導員等が一堂に会す


    最優秀賞を受賞した長崎県の取り組み


    緊張しながらも発表する大分西部森林管理署職員


    活発な意見、要望が出された意見交換会

    九州森林管理局の民国連携にかかる情報を提供する奥村技術普及課長

    日付

    令和4年9月26日

    タイトル

    よりよい協力関係を構築するために
    ~沖縄森林管理署と日本製紙株式会社の協定更新に向けた意見交換会に参加~

    コメント

    9月26日(月曜日)13時30分から沖縄森林管理署と日本製紙株式会社が締結している「多様な活動の森における森林づくり活動に関する協定」の更新に向け今後の活動内容等にかかる意見交換会がwebで開催され、当センター職員3名も参加しました。

    この協定は、沖縄森林管理署と日本製紙株式会社が西表島の国有林において、両者の連携及び協力により、本協定に基づく多様な活動の森における森林づくり活動が円滑に実施されることを目的としています。

    今回の意見交換会については、当センターが西表島の国有林(西表島森林生態系保護地域)をフィールドとしていることから、「協定の更新時期が令和4年度末であり、更新後の活動を含めた今後の活動において沖縄森林管理署と日本製紙株式会社の2者間の意見だけではなく、貴センターの業務の視点から観た幅広な意見だしをお願いしたい」との沖縄森林管理署長の声かけで参加となりました。

    意見交換会では、はじめに日本製紙株式会社から今日までの西表島での協定における活動の取り組み等の説明があり、ここ数年コロナ禍ということもあり、日本製紙の職員自らが西表島に行き活動することがなかなか困難であったことや、以前活動に参加した職員の交代もあり、現在の担当者等が土地勘や現場感覚が持ちづらいなどの心情が吐露されました。

    今後の活動内容については、外来種対策活動の継続、新たな普及啓発活動、地域の団体と連携した保全活動などの意見が出され、活発な意見交換の場となりました。

    今回出された意見等については、日本製紙株式会社で精査し改めて意見交換の場を持つことを全体で確認し意見交換会を終了しました。

    今後の協定における活動がさらによりよい協力関係の下に、充実した活動になることを願っています。

     


    意見交換会参加者の面々


    沢山の意見・提案をしたセンター職員

    日付

    令和4年9月21日、22日

    タイトル

    アメリカハマグルマ駆除試験区の畦板の再設置及びギンネムの新規駆除試験を実施

    コメント

    9月15日のトピックスでもお伝えしていますが、西表島では2週連続で台風が通過し、各所にその影響がありました。アメリカハマグルマの駆除試験では、仕切りとして使用していた畦板が一部飛ばされたため、9月21日(水曜日)に飛ばされた畦板の再設置を実施しました。

    当日の天気は曇り。台風の通過後、西表島も朝夕は少しずつ涼しくなり始めましたが、日中はまだ暑く、セミの鳴き声も元気に響いています。

    アメリカハマグルマの畦板の再設置では、心配していたアメリカハマグルマの試験区内への侵入は確認されませんでした。根切(ねきり)(じょ)やスコップを使って、畦板がなくなった場所に溝を作り、畦板を再設置しました。

    ギンネムはこれまでのトピックスでお伝えしているように、ドリルで幹に穴を6カ所開け、食酢及び高濃度食塩水を注入して枯死の有無を調査しています。試験開始から5ヶ月か経過しましたが、ほとんどの試験木が枯死していないため、9月21日(水曜日)及び9月22日(木曜日)に新規の駆除試験を実施しました。

    今回の試験はドリルで穴を開ける数を前回の2倍の12カ所に増やして実施しました。注入する溶液は前回と同じく食酢と高濃度食塩水を使用しています。

    生命力が強く、なかなか枯死する兆候をみせないギンネムですが、今回の試験でギンネムが枯死して環境にやさしい駆除方法への光明が見えることを期待しています。

     


    9月15日の重曹散布区
    台風の影響で仕切りとして使った
    畦板が飛ばされた(赤丸部分)


    9月21日の重曹散布区畦板を再設置(赤丸部分)



    根切鋤を使って溝掘り


    無事再設置できました


    今度こそ枯死することを願って穴開け


    食酢及び高濃度食塩水を注入

    日付

    令和4年9月15日、16日

    タイトル

    台風12号が西表島に襲来~台風12号通過後のドローンによるマングローブ林の状況調査を実施~

    コメント

    9月9日のトピックスで台風12号の影響を考慮し、インターンシップの受け入れを中止したとお伝えしておりましたが、先週末から今週はじめにかけて、台風12号が八重山地方に襲来、9月11日(日曜日)の夕方頃から風がだんだんと強くなり、そこから2日~3日間ほどほぼ停滞し、長時間、風と雨が激しく叩きつけ、12日(月曜日)から13日(火曜日)の午前まで出勤も困難な程でした(当センターが入居している石垣地方合同庁舎近くの天川御嶽の大木も根っこから倒れていました)。

    石垣島から西表島への定期船も10日~14日まで欠航(一部欠航含む)し、石垣島、西表島で時間の違いはあるものの、広い地域で長時間の停電も発生していたようです。

    久々の八重山諸島への直撃と言っていい大型の台風でしたので、9月15日(木曜日)、16日(金曜日)に通常の業務と並行し、ドローンによるマングローブ林の状況調査を実施しました。

    西表島に到着し、沖縄森林管理署大原森林事務所のモモタマナの木の枝が折れており、台風の被害が甚大ではないか、既存のマングローブ林台風被害地の範囲が拡大しているのではないかと心配しましたが、空撮目視での大きな被害は確認されませんでした(西表島森林生態系保全地域の全てのマングローブ林を確認したわけではありませんので、油断は出来ません)。

    当センターでは、毎年、仲間川マングローブ林及び仲良川マングローブ林台風被害地のモニタリング調査を実施しており、今年度も実施予定です。詳細な状況等については、またトピックスでお伝えします。

    昨年度の両マングローブ林台風被害地の状況については、以下のURLを参照下さい。
    https://www.rinya.maff.go.jp/kyusyu/iriomote_fc/R03topic.html#R040117
    https://www.rinya.maff.go.jp/kyusyu/iriomote_fc/R03topic.html#R031101
    https://www.rinya.maff.go.jp/kyusyu/iriomote_fc/R03topic.html#R031013

    台風シーズンですので、皆様も万全の準備や対策を。


    大原森林事務所前の大きな枝がおれたモモタマナの木


    令和3年7月8日撮影:浦内川マングローブ林


    令和4年9月15日撮影:浦内川マングローブ林


    令和3年11月1日撮影:仲間川マングローブ林台風被害地


    令和4年9月16日撮影:仲間川マングローブ林台風被害地

    日付

    令和4年9月16日

    タイトル

    令和4年度ヒナイ川の利用状況調査(令和4年9月分)報告

    コメント

    9月16日(金曜日)ヒナイ川の利用状況調査を実施しました。

    今回の利用状況調査は、台風12号通過後の調査だったため、調査地点に行くまでに、林内には倒木等も沢山あり、川も増水しており、西表島の森も台風の凄さを物語っているよう感じました(沢山の落枝、落葉で、林内に太陽の光が差し込み、いつもより林内が明るかったです)。

    調査日当日の天候は、晴れ時々くもり、まだまだ暑い西表島ですが、台風通過後ということもあり、吹き抜ける風が“秋の風”といった感じで、いつもより少しひんやりとしており、風が吹けば涼しさを感じました。西表島も少しずつ秋に向かっているようです。

    さて、台風通過後のシルバーウィーク前の金曜日の調査結果は、カヌーツアー22組の120名(ガイド含む)で殆どが県外からの観光客でした(観光客の皆さんも15日、16日に来島されたようです)。

    台風通過後数日が経ち、増水もほどよく落ち着いたピナイサーラの滝を間近で感じた観光客からは、「滝が凄かった」「滝壺が気持ち良かった」「楽しかった」等の声が聞かれました。

    なお、9月期の利用者数は、(昨年度は、6月から9月まで新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から調査を実施しておりませんので)令和2年度の同月と比較してツアー数、利用者数ともに大幅に増える結果となりました。

     


    係留中のカヤック(下流の係留地点)


    係留中のカヤック(上流の係留地点)

    係留中のカヤックの間を通り、帰りの途つく観光客とガイド
    (左:下流の係留地、右:上流の係留地)

    台風で枝、葉とともに落ちた日本一大きいドングリ(オキナワウラジロガシ)の実


    爆音と辺り一面に水しぶきが飛び散るピナイサーラの滝

    日付

    令和4年9月15日

    タイトル

    外来種駆除試験地の経過観察を実施
    ~アメリカハマグルマその11・ギンネム(第8回)~

    コメント

    9月15日(木曜日)にアメリカハマグルマ及びギンネムの駆除試験地の経過観察等を実施しました。

    台風11号と12号が2週連続で襲来した西表島は、倒れた木や落ちた葉が散見され、台風の爪痕を各地で確認しました(台風11号は雨風ともに強くなく被害はあまりありませんでしたが、台風12号は雨風ともに強く、西表島では倒木によって一時県道が通行できなくなるなどの被害が出ました)。県道沿いにも多く生えている外来種のギンネムは、台風による塩害の影響で葉が落ちて茶色の豆果のみが残されている木があちこちにあります。

    再刈り払いから約2ヶ月半が経過したアメリカハマグルマの駆除試験地でも台風の影響をうけ、仕切りとして使用した畦板が一部飛ばされていました。経過観察結果では、重曹散布区及び食酢散布区ともにアメリカハマグルマの繁茂はみられませんでした。しかし、重曹散布区では畦板がなくなった下の方からアメリカハマグルマの侵入が考えられるため、再び仕切りを設置します。

    ギンネムの駆除試験地の経過観察結果は、食酢及び高濃度食塩水の再注入から約1ヶ月半が経過しました。台風の影響で折れている試験木が1本ありましたが、ほとんどの試験木が枯れる兆候を見せていません。遊歩道沿いのギンネムは、青々とした葉をつけたまま依然として変化がないため、9月21日から22日にかけて穴の数を倍(12孔)に増やした新たな試験木を設定し経過を観察する予定です。

     


    9月15日の重曹散布区



    9月15日の重曹散布区
    台風の影響で仕切りとして使った畦板が
    飛ばされた(赤丸部分)


    8月31日の食酢散布区

     


    9月15日の食酢散布区
    重曹散布区よりも台風の影響は少ないが、
    上側が緩み隙間ができている


    県道沿いのギンネム(赤丸部分)
    台風の影響で葉が落ちている


    台風の影響をうけながらもすでに
    芽を出しているギンネム


    台風の影響で幹から折れた試験木


    台風の影響を受けてもなお
    青々とした葉をつけている試験木

    日付

    令和4年9月9日

    タイトル

    自然の摂理には勝てない
    ~台風12号の影響を考慮、令和4年度農林水産省就業体験実習(インターンシップ)の受け入れを中止~

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    8月24日のトピックスでお伝えしておりますが、当センターでは、森林管理局・署等での就業体験実習を通じ、大学等の学生の職業意識を醸成するとともに、国有林野事業に対する理解を深めてもらうことを目的として、9月12日(月曜日)から9月16日(金曜日)まで、令和4年度農林水産省就業体験実習(インターンシップ)で鹿児島大学の学生1名を受け入れ予定の“はずでした”。

    なお、当センターでのインターンシップの受け入れは今回が初となる“はずでした”(募集自体は、今までも実施しておりましたが、条件面の不一致、新型コロナウイルス感染症対策等で受け入れに至らず)。

    本当は、関係団体とのwebでの打ち合わせ、マングローブ林モニタリング調査、外来種対策業務など、現場での業務やそのデータのとりまとめ等など体験業務が目白押しとなっており、内容の濃い日程となる“はずでした”。

    最終日には、今年度の当センターの重点目標の一つである【情報の発信】の一環として、このインターンシップで感じたことなどをホームページのトピックスとして実習生自ら作成してもらう“はずでした”。

    しつこいくらいの“はずでした”という表現。そうです台風12号の影響を考慮し、やむなくインターンシップの受け入れを本日、中止としました。

    最新の天気予報では、週末から来週はじめにかけて八重山諸島を直撃する恐れが非常に高く、台風の進路次第で実習生が石垣島に来れたとしても、台風の影響で波が高く西表島に行けない可能性と宿泊施設に缶詰状態になる可能性が高い、そもそも私達自身が出勤できるか危うい可能性も出てきました。

    台風は自然のものです。自然にとっては、とっても重要なもの、都合が悪いのは人間だけで、人間が自然の摂理に適わないのは当然のことです。

    所長が実習生に中止の連絡をした際に、かなり残念がっていたそうで、受け入れは断念しましたが、何か出来ることはないか所長と協議し、国有林紹介、センター紹介の各種資料や所長がスライドで説明予定であった資料を送付することにしました。

    当センターの業務は、森林管理署などの一般的な森林の管理経営業務、治山業務等とは全く違い、国有林野事業の中でも数少ない特殊な業務かもしれませんが、送付した資料で国有林野事業(森林生態系の保全業務)に対する理解が少しでも深まることを願っています。


    説明予定であった所長渾身のスライド

    日付

    令和4年9月8日

    タイトル

    漂流・漂着ゴミの状況調査を実施(9月期)

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    9月8日(木曜日)、西表島の南風(はえ)見田(みた)・野原・ユチン・船浦湾内・船浦湾外・美田(みた)()の6調査地点において定点観測による今年度3回目の漂流・漂着ゴミの状況調査を行いました。

    前回は、まさに猛暑の中での調査だったということもあり、今回、熱中症対策のため1.5Lの水分を準備しましたが、暑さ対策よりもバックの重さが身にしみる調査となりました。

    今回の調査結果ですが、台風11号の影響で漂着ゴミの量も多いだろうと思っていましたが、思いとは逆の結果で、これまで各地点で多く観測されてきたペットボトルが6調査地点合計で4本と少なかったことをはじめ、漂着ゴミが観測されなかった地点が2箇所あるなど非常に驚かされました。台風の波によって他のところへ漂流したのか、林内まで入り込んだのかは定かでありませんが、複雑な気持ちで一杯です。

    なお、漂着ゴミについては、プラスチック製品や割れたガラス製品などを確認し、南風見田の観測地点で最も多く観測されました。

     


    漂着ゴミ(南風見田地点)


    漂着ゴミは観測されなかった(美田良地点)

    日付

    令和4年9月7日

    タイトル

    西表島エコツーリズム推進全体構想承認申請に向けて議論
    ~令和4年度 第1回 竹富町西表島エコツーリズム推進協議会開催~

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    9月7日(水曜日)に、「令和4年度 第1回 竹富町西表島エコツーリズム推進協議会」が竹富町離島振興総合センターを主会場にオンラインで開催され、当センター、沖縄森林管理署、環境省、沖縄県、竹富町などの行政機関、地元住民代表、エコツーリズムや観光関係団体、琉球大学等の有識者・専門家ら44名、傍聴者1名が参加しました。

    当日の会議では、「西表島エコツーリズム推進全体構想の承認手続きと今後の進め方について」「サステナブルな観光コンテンツ強化モデル事業について」「規約の改定について」の各議事について、事務局より説明が行われた後、議論が行われました。

    特に「西表島エコツーリズム推進全体構想の承認手続きと今後の進め方について」では、「特定観光資源への立入人数の制限について、日帰り客だけではなく島内の宿泊客も立入人数に入れることはできないか」、「立入承認機関が交付する承認証は紙ベースで行うのか」、「利用者からの立入申請の受付は24時間対応するのか」、「西田川歩道については、一般の人も利用可能なのか」など多くの意見があがりました。

    今後は、西表島エコツーリズム推進全体構想承認申請を行い、2023年(令和5年)10月の特定観光資源の立入承認制度の運用に向けスケジュール感を持って進めていくことになります。


    多くの意見が出された西表島エコツーリズム推進協議会

    日付

    令和4年9月6日

    タイトル

    着生した絞め殺しの木「アコウ」の除去に向けて
    ~竹富町の関係者と仲間川サキシマスオウノキを合同で確認~

    コメント

    西表島にある国の天然記念物に指定されている仲間川サキシマスオウノキについては、西表島巨樹・巨木保全協議会(以下、協議会)から依頼を受け、当センターが毎年モニタリング調査を実施し、その結果を協議会に報告しています(今年度の調査の内容については、6月20日トピックスをご覧下さい)。

    そのモニタリング調査報告において、以前から指摘しているサキシマスオウノキに着生しているアコウの除去について、現在、竹富町長から文化庁へアコウの除去にかかる協議が行われているところです。

    着生しているアコウの位置、気根等の状況を把握するため、9月6日(火曜日)に協議会事務局の竹富町役場農林水産課職員1名、サキシマスオウノキが天然記念物であるため同町教育委員会社会文化課職員2名、当センター職員2名で現地確認を実施ました(先週末から沖縄地方を襲った台風11号の影響で、現地確認ができるか危ぶまれましたが、無事に実施)。

    現地確認の際に、サキシマスオウノキにはアコウの他にもヤエヤマオオタニワタリが着生しており、そのヤエヤマオオタニワタリにアコウの気根が絡まっていることが確認され、アコウの除去作業時に支障になる恐れがあることや、現在の文化庁への協議内容の変更についても意見が出されました。

     現在、仲間川サキシマスオウノキへのアコウの影響は甚大ではないと思われますが、アコウは、気根によって巻き付いた木を絞め殺すように見えることから「絞め殺しの木」といわれ、実際に巻き付かれた木は枯れることもあり、アコウの除去を早期に実現することで、仲間川サキシマスオウノキが少しでも元気になることを願っています。
     


    ヤエヤマオオタニワタリの

    下からアコウの根が!
    (写真:竹富町役場三好氏提供)


    ビンビンに張ったアコウの気根



    アコウの気根を確認中


    付近にはセマルハコガメの姿も

    日付

    令和4年8月31日

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    外来種駆除試験地の経過観察を実施
    ~アメリカハマグルマその10・ギンネム(第7回)~

    コメント

    8月31日(水曜日)にアメリカハマグルマ及びギンネムの駆除試験地の経過観察等を実施しました。

    台風11号接近中の西表島は晴れたり曇ったりの天気。台風の影響でいつもよりも風が強く吹いていて、空を流れる雲もせわしなく動いていました。

    再刈り払いから約2ヶ月が経過したアメリカハマグルマの駆除試験地の経過観察結果は、重曹散布区及び食酢散布区ともに、区域の四隅と中心にアメリカハマグルマが見られるものの、伸びている個体はほとんどありませんでした。

    ギンネムの駆除試験地の経過観察結果は、食酢及び高濃度食塩水の再注入から約1ヶ月が経過し、ドリルで穴を開けた箇所が縦にヒビ割れている試験木は多くありましたが、依然として葉をつけていて、枯れる兆候はありません。そのため、今後は穴の数を倍(12孔)に増やした試験木を新たに設定する予定です。

     


    8月17日の重曹散布区




    8月31日の重曹散布区
    再度刈払いから2ヶ月が経過し、四隅や中央に
    小さなアメリカハマグルマはあるものの、
    大きく伸びた個体はほとんどない


    8月17日の食酢散布区

     


    8月31日の食酢散布区
    再度刈払いから2ヶ月が経過し、重曹散布区と
    同じく大きく伸びた個体はほとんどない。


    穴を開けた箇所が縦にヒビ割れた
    試験木(赤丸部分)


    枯れる兆候が表れない
    (写真は食酢を注入した試験木)

    日付

    令和4年8月29日

    タイトル

    令和4年度ヒナイ川の利用状況調査(令和4年8月分)報告

    コメント

    8月29日(月曜日)ヒナイ川の利用状況調査を実施しました。

    調査日当日の天気は概ね晴れ時々くもりでしたが、湿度が高かったように感じました。

    さて、調査の結果は、カヌーツアー23組の134名(ガイド含む)で殆どが県外からの観光客でした(ガイドさん曰く、8月下旬のため夏休みも終わり、利用者のピークは過ぎたとのことでした)。

    なお、8月期の利用者数は、(昨年度は、6月から9月まで新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から調査を実施しておりませんので)令和2年度の同月と比較してツアー数、利用者数ともに大幅に増える結果となりました。

    【注意喚起】
    最近、ゲータの滝(民有地)での滑落事故や、ここピナイサーラの滝周辺での遭難が立て続けに発生しております。どちらもガイド同伴ではなかったとのこと。

    「昨今のYouTubeやInstagram等の影響なのか、気軽に手軽に簡単に西表島のジャングル探検ができると勘違いしている装備も心構えも不十分なまま気楽に山に入る人が増えている気がする」と、あるガイドさんがおっしゃっていましたが、筆者自身もYouTube等で半袖短パンにビーチサンダルで西表島の山の中を歩く動画を見ると「おい!おい!軽装であぶないぞ!」と感じることがあります。名所までは少なくともそれなりに歩きますし、高温多湿の亜熱帯性の気候ため水分等の十分な装備も必要です。滑りやすい箇所も沢山あります。ハブもいます。西表島の自然は、決してビーチサンダルで気軽にいける場所ではありません。

    西表島の森林に入る時は、目印があっても迷いやすい箇所があったり、西表島特有の気候もあり小川であっても突然の降雨により急な増水が考えられるため、ガイドなどの経験者の同行をお勧めします。
    また、国有林に入林する際は、事前に入林届等が必要となりますのでご注意願います。
    国有林への入林について、詳しくは、以下のURLを参考にして下さい。
    https://www.rinya.maff.go.jp/kyusyu/okinawa/yousiki.html

     


    係留中のカヤック(下流の係留地点)


    係留中のカヤック(上流の係留地点)


    沖縄森林管理署が設置している注意標識(看板):マーレ駐車場

    日付

    令和4年8月24日

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    就業体験実習(インターンシップ)の事前調査を実施

    コメント

    当センターでは、9月12日(月曜日)から9月16日(金曜日)まで5日間、令和4年度農林水産省就業体験実習(インターンシップ)の実習生を受け入れる予定です。

    インターンシップの受け入れにあたり、実習計画で予定している「マングローブ林モニタリング調査」にかかる事前調査を8月24日(水曜日)に実施しました。

    当日実施する与那田川マングローブ林調査予定箇所の調査プロット等を確認し、県道脇の草払いなどを実施、実習生に現地で実際のマングローブ林を見てもらうために、与那田川、後良川、仲間川の順に、マングローブ林の主要な構成種7種(オヒルギ、ニッパヤシ、ヒルギダマシ、ヒルギモドキ、マヤプシキ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギ)がどれくらいあるか調査しました。

    調査の結果、マングローブ林を直接見られること、構成種の数、時間等を勘案し、ヒルギモドキは確認されなかったものの、5種の構成種が確認された仲間川で実習を行うことに決定しました(ニッパヤシは、船浦のニッパヤシ群落に行く予定としています)。

    当センターでは、「マングローブ林モニタリング調査」以外にも外来種対策等のセンター業務全般の実習を計画しており、実習生に当センターの業務を体験し理解してもらい、今回のインターンシップが少しでも就職する際の参考になれば幸いです。

     


    調査予定箇所の確認



    仲間川のヒルギダマシ(赤色丸部分)

    とマヤプシキ(黄色丸部分)

    日付

    令和4年8月23日

    タイトル

    より深く西表島の植物分布を理解するために
    ~野生植物分布状況調査を実施~

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    当センターでは、令和4年度から西表島島内の木本類を主に野生植物の分布状況を図面上で把握し、植生の推移等を、今後の森林生態系の保全・保護に向けた基礎データとして活用することを目的として、野生植物調査を実施することとしています。

    第1回目の調査を8月23日(火曜日)に実施しました。

    当日の気温は34℃と大変暑い中、島内の植物に詳しい国有林職員OBの加島幹男氏に協力いただき、西表島東部の南風見田方面から調査を開始。

    調査は南風見田キャンプ場周辺からスタートし、最初は元気があったものの、この暑さの中、調査地点の数が増えるにつれてだんだんと体力を消耗していきました。そのような中で、加島氏から沖縄県内全般にある植物、また、西表島にしかない植物等の丁寧な説明を受け、18種の植物を調査することが出来ました。

    今後、3年間で西表島島内全域を調査する予定ですが、島全体の調査となるとかなりの野生植物の数になると思われます。長い道のりとなりますが、これからの調査も気合いを入れて邁進していこうと考えています。

    ※調査データの中には稀少種も含まれており、「場所を教えてください」、「どんな稀少植物があったのか?」など、質問等については受け付けておりませんので、ご了承願います。

     


    加島氏から説明を受けるセンター職員


    念入りに記録を撮る

    日付

    令和4年8月17日

    タイトル

    外来種駆除試験地の経過観察を実施
    ~アメリカハマグルマその9・ギンネム(第6回)~

    コメント

    8月17日(水曜日)にアメリカハマグルマ及びギンネムの駆除試験地の経過観察等を実施しました。暦の上では立秋を過ぎ、本州などでは秋の気配を感じはじめるころですが、西表島では日中の気温が30度を下回らない夏が続いています。

    再刈り払いから約1カ月半が経過したアメリカハマグルマの駆除試験地の経過観察結果は、前回の調査と同様に上部がアメリカハマグルマ以外の草で覆われている状態でした。アメリカハマグルマは少し広がりを見せていますが、大きく生長した個体はない状態です。また、食酢散布区では食酢の散布後、アメリカハマグルマの葉のしおれが確認できました。

    アメリカハマグルマの駆除試験地の経過観察後に、ギンネムの駆除試験地へ移動し経過観察を実施しました。食酢及び高濃度食塩水の再注入から約2週間が経過した今回の経過観察結果は、試験木から蜜のようなものが出ている木や蟻道が作られている木はあるものの、枯れる兆しはありませんでした。また、いくつかの試験木でコルク栓を覆うようにギンネムが生長していました。

     


    8月4日の重曹散布区



    8月17日の重曹散布区
    再度刈払いから1ヶ月半が経過し、アメリカ
    ハマグルマ以外の植物が上部を覆う


    8月4日の食酢散布区

     


    8月17日の食酢散布区
    再度刈払いから1ヶ月半が経過し、重曹
    散布区と同じくアメリカハマグルマ
    以外の植物が上部を覆う


    試験地全体


    食酢散布区のアメリカハマグルマ
    葉が茶色くなりしおれている(赤丸部分)


    蜜のようなものがでている試験木
    (赤丸部分)


    幹が膨らみコルク栓を巻き込んで
    生長している(赤丸部分)

    日付

    令和4年8月15日

    タイトル

    700回~“活動の歴史”トピックスでの活動紹介が700回を達成~

    コメント

    平成16年4月に西表森林環境保全ふれあいセンターが設置され、平成18年度からホームページでトピックスとして活動紹介等を行ってきておりますが、当記事で700回目となりました。

    昨年度途中から【情報発信】に力を入れている中で、平成18年度から令和3年度までにどのくらいトピックス記事があったのか調べたところ、655件のトピックス数でした。

    “700”という数については、個々の判断基準があり、多い少ないは一概に言えませんが、年平均、月平均にすると活動等の紹介を発信した回数としては筆者個人としては、少ないと思っています。
    しかし、この“700”という数は、当センターの活動の歴史であるとともに、それを情報発信した蓄積の結晶でもあります。

    歴代の職員からつむがれてきた情報発信の結果ですが、年度単位でその数にばらつきがあるのも事実です。人事異動などで、人が替わっても個人の得手不得手に限らず、如何に平均して沢山の発信を継続することができるかが今後の課題です。そのためには“後に繋ぐ”ことが重要になってきます。

    “後に繋ぐ”ことに関して、昨年度のイリオモテヤマネコ関連の会議にて、ある先生から「行政は、ことの経緯等を後任にきちんと引き継いでほしい」との発言がありましたが、ヤマネコに限ったことではなく業務全てにおいて言えることだとこの記事を作成するなかで改めて思いました。

    昨年度途中に職員の一人が「当センターの活動がなかなか認識してもらえていない、中には勘違いされていることも沢山ある、センターの業務の性質上からもホームページで参加した行事、出席した多数の会議、1月でも熱中症の危険性がある高温多湿の環境下での調査等を職場内・外に向けてもっと発信しなければいけないのではないか」との発言があり、大切な“気づき”を与えてくれました。

    トピックス一つ一つの内容は、小さなこと、些細なことかも知れませんが、この小さなこと、些細なことの発信を積み重ねることで大きなものになることを信じて、今後、800回、900回、1000回に向けて今在籍している職員は“発信すること”の重要性を後任に伝え繋げなければならないと感じています。


    小さなことの積み重ね、西表島の国有林からさらなる情報発信

    日付

    令和4年8月11日

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    西表島からつれていかないで!
    ~2回目の夏季の希少野生動植物の密猟・盗掘等防止普及啓発活動を実施~

    コメント

    7月16日のトピックスでお伝えしておりましたが、環境省、竹富町、沖縄森林管理署、当センターで、8月11日(木曜日・祝)に石垣港離島ターミナルにて2回目の夏季の希少野生動植物の密猟・盗掘等防止普及啓発活動を実施しました。

    8月11日は、山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝することを趣旨として制定された国民の祝日“山の日”です(平成28年から施行)。イリオモテヤマネコをはじめとする西表島の多くの希少な動植物は、西表島の山々を生息・生育地としています。

    今回も前回の活動と同様に石垣港を西表島に向けて午前中に出発する安栄観光及び八重山観光フェリーの定期船等の乗船客を対象に、希少種の持ち出し注意のチラシや、先日、イリオモテヤマネコの交通事故死が連続で発生したことからイリオモテヤマネコの交通事故防止にかかる注意喚起のチラシもあわせて配布しました(西表島は、シロハラクイナやセマルハコガメなどの沢山の動物が頻繁に道路を横断します。また、轢かれたカニなどを捕食する動物も集まってきますので、運転する際は十分ご注意願います)。

    夏休み、旧盆の中日ということもあり、離島ターミナルは多くの人でごった返しており、今回も効果的な普及啓発活動ができたのではないかと思います。

    これで予定していた合同での夏の活動は終了ですが、最後に秋の活動に向けた各行政機関の連携を確認し解散しました。

    配布したチラシ:西表島へ訪れたみなさんにお願い!

    チラシを入れたクリアーホルダー:島からつれていかないで!

    配布したチラシ:イリオモテヤマネコの交通事故防止のお願い 1

    配布したチラシ:イリオモテヤマネコの交通事故防止のお願い 2

    配布したチラシ:イリオモテヤマネコの交通事故防止のお願い 3

    日付

    令和4年8月4日

    タイトル

    令和4年度西田川の利用状況調査(令和4年8月分)報告

    コメント

    8月4日(木曜日)、アメリカハマグルマ駆除試験地での定期散布及び経過観察後、今年度3回目の西田川の利用状況調査を実施しました。

    午前8時点で車の外気温表示が27℃、9時点で30℃、午後2時台で33℃と暑い日が続いている西表島です(こちらに赴任して数年経ちますが、午前8時から1時間で気温が3℃も上昇することに正直、驚きました)。

    調査日当日の天候は、概ね晴れでしたが、数回スコールがありました。沖縄地方は天気予報があてにならないこともしばしばです。

    さて、調査の結果は、カヌーツアー3組の22名(ガイド含む)で県外からの観光客でした。
    夏休みということもあり、子ども連れの観光客が多かったです。

    ツアーに参加した観光客からは、「一生の思い出になった」や「東京よりこっちの方が涼しく感じる」といった声が聞かれました(森林の中かつ、川沿いということもあったと思いますが、この時期、最高気温に関しては西表島より本州の方が高いこともあるので、西表島の方が涼しく感じることも納得です)。

    なお、8月期の利用者数は、(昨年度は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から調査を実施しておりませんので)令和2年度の同月と比較してツアー数は若干増え、利用者数は大幅に増える結果となりました。

     


    サンガラの滝


    サンガラの滝(対岸から)


    コロナ禍を物語る

    (マスクも思い出と共に持ち帰りましょう)


    ツルラン


    日付

    令和4年8月3日、4日

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    外来種駆除試験地の経過観察を実施
    ~アメリカハマグルマその8・ギンネム(第5回)~

    コメント

    8月3日(水曜日)にギンネムの駆除試験地の経過観察、8月4日(木曜日)にアメリカハマグルマの駆除試験地の経過観察等を実施しました。

    前回の経過観察ではからっと晴れていた西表島ですが、今回は昼頃ににわか雨が降る雲が多めの天気でした。7月22日のトピックスでお伝えしましたが、8月3日のギンネムの駆除試験地の経過観察では、食酢と高濃度食塩水を試験木に再注入しました。

    5月24日、26日にドリルで開けた穴は、試験木の再生でコルクが浮き上がっていたり、コルク栓を巻き込んで再生し穴が塞がっていたりと、ギンネムの再生力の高さに驚くばかりです。

    再注入はコルク栓を外した後、同じ箇所にドリルで再び穴を開け、食酢と高濃度食塩水の注入し、新しいコルク栓に取り替えました。なかなか枯れる兆しを見せてくれないギンネムですが、今回の再注入で枯れてくれるように期待しています。

    翌8月4日は前日とは打って変わって晴れわたった日差しの中で、アメリカハマグルマの駆除試験地の経過観察及び定期散布を行いました。再刈り払いから約1カ月が経過した今回の経過観察結果では、両処理区ともアメリカハマグルマ以外の草が上部を覆っていました。アメリカハマグルマは芽が出ているものの地際に広がっている様子はありません。

    食酢及び重曹の溶液を散布しているプロット内のアメリカハマグルマはあまり生長していませんが、試験区周囲のアメリカハマグルマは大きく生長しています。

     


    幹が再生してドリルで
    開けた穴が塞がっている(赤丸部分)


    ドリルで試験木に2度目の穴開け


    7月22日の重曹散布区

     


    8月4日の重曹散布区
    前回よりもアメリカハマグルマ以外の草が
    大きく生長している


    7月22日の食酢散布区



    8月4日の食酢散布区
    重曹散布区と同様にアメリカハマグルマ
    以外の草が大きく生長している

    日付

    令和4年8月1日

    タイトル

    カンムリワシの保全に向けて
    ~石垣島及び西表島におけるカンムリワシ保全方針(案)事前説明に出席~

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    8月1日(月曜日)15時から環境省西表自然保護官事務所においてwebも併用し、沖縄森林管理署(租納、大原森林事務所含む)及び当センターに向けて石垣島及び西表島におけるカンムリワシ保全方針(案)の事前説明があり、当センターから1名が出席しました。

    カンムリワシは、八重山諸島の固有亜種であり、繁殖個体群は石垣島及び西表島に限られており、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(種の保存法)」に基づく国内希少野生動植物及び「文化財保護法」に基づく特別天然記念物に指定されています。
    また、八重山地域では八重山民謡「鷲ぬ鳥節」でも歌われているように、昔から密接に人の暮らしと関わっています。

    これまで各機関等でカンムリワシの保全等にかかる様々な取り組みがなされてはいるものの、イリオモテヤマネコのような全体的かつ統一的な保全方針等がなかったため、今回、環境省が今後、関係機関が連携し、石垣島及び西表島におけるカンムリワシの保護を推進する際に活用することを想定し、カンムリワシの生態や生息状況、保護上の課題、今後必要な対策等についてとりまとめ、その保全方針(案)を作成したものです。

    カンムリワシについても、イリオモテヤマネコ同様にロードキル等による生息環境の悪化が問題になっています(特に近年、石垣島ではロードキルが頻繁に発生し問題となっています)。

    今後は、今回事前説明があったカンムリワシ保全方針(案)を各関係行政機関で精査することとしています。

     


    説明中の環境省職員


    web参加の沖縄森林管理署職員
    (森林事務所含む)

    日付

    令和4年7月28日

    タイトル

    漂流・漂着ゴミの状況調査を実施(7月期)

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    7月28日(木曜日)、西表島の南風(はえ)見田(みた)・野原・ユチン・船浦湾内・船浦湾外・美田(みた)()の6調査地点において定点観測による今年度2回目の漂流・漂着ゴミの状況調査を行いました。

    前回の調査では、雨に降られ野帳記入もままなりませんでしたが、今回はまさに猛暑の中での調査となりました。車の外気温表示は32℃でしたが、もっと高温ではと感じました。

    今回の調査結果ですが、多く観測されたものはペットボトル、発泡スチロールなどとなっています。ペットボトルについては、海外から流れ着いたものが多数ありました。漂着ゴミの量については、ユチン、南風見田の観測地点が多くなっています。

    なお、調査区域内の漂着ゴミが少ない地点でも調査区域外には、今なお多くの漂着ゴミが打ち寄せられています。

     


    おびただしい数の漂着ゴミ(ユチン地点)


    船浦湾外地点の漂着ゴミ(調査区域外)


    船浦湾内地点の漂着ゴミ(調査区域外)


    美田良地点の漂着ゴミ(調査区域外)

    日付

    令和4年7月27日

    タイトル

    奇跡の島のマングローブ
    ~かごしま森のようちえんへマングローブ林クイズを中心とした森林教室を実施~

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    令和3年7月26日に西表島の世界自然遺産登録が決定し、早1年が過ぎた7月27日(水曜日)西表島ゲストハウス島時間において、NPO法人かごしま子どもと自然研究所 かごしま森のようちえんの子ども達にマングローブ林のクイズを中心とした森林教室を実施しました。

    かごしま森のようちえんでは、“すべての子どもたちにセンス・オブ・ワンダーを!”を合い言葉に自然や生きものとのふれあいを通して「感じる心」と「生きる力」を育んでおり、以前から夏休みに西表島での自然体験学習活動を実施しています。

    昨年度、西表島が世界自然遺産に登録されたことから、マングローブ林についてもっと詳しく知りたいとの要望があり、子供達の宿泊先である西表島ゲストハウス島時間のオーナーから「夏休みに鹿児島のキッズ達が体験学習にくるからマングローブ林の先生になってみない?」とお声がけいただいたことがきっかけで今回の森林教室の実施となりました。

    森林教室では、林野庁で作成した紙芝居「森林(やま)からのおくりもの」の読みきかせを行い、“奇跡の島のマングローブ”と題したスライドでマングローブ等の説明をクイズ形式で出題、「マングローブという名前の木はある??」「鹿児島市にマングローブの木はある??」などの比較的簡単なクイズから「何が評価されて世界自然遺産に登録された??」など子ども達にとっては少し難しいクイズまで出題しましたが、沢山の感性ある回答が飛び出し、驚くとともに子ども達の感性や発想力って本当にすごくてすばらしいと感じました。

    また、クイズ終了後の質問コーナーでは、「西表島にはどのくらいの数の絶滅危惧種がいますか??」「先生にとってのマングローブとは何ですか??」という子ども達からの鋭い質問にこちらがタジタジ。

    子ども達は、森林教室終了後、リニューアルオープンした西表野生生物保護センターの展示を見学に行き、午後からは海にシュノーケルに出かけて行きました。森林と海、マングローブとサンゴ礁を一度に体験できるのも西表島ならではと感じました。

    子どもの「今」は、大人の今と違い「じゃ来年に延期」とは簡単にならないし、本当に今しかありません。そんな子ども達の貴重な「今」をいただいて森林教室ができたことに感謝の念に堪えません。

     


    マングローブの特徴等をクイズ形式で出題


    「ない」という回答が多数


    難しいかなと思いきや、すぐに回答する児童も


    マングローブ林は「生命のゆりかご」

    日付

    令和4年7月25日

    タイトル

    令和4年度の主な取組について沖縄県と情報を共有
    ~沖縄県と九州森林管理局及び沖縄森林管理署意見交換会に出席~

    コメント

    7月25日(月曜日)、「令和4年度沖縄県と九州森林管理局及び沖縄森林管理署意見交換会」がオンラインで開催され、当センターもオブザーバーとして出席しました。

    この意見交換会は毎年実施されておりましたが、沖縄県との貴重な情報交換の場ということから沖縄森林管理署だけではなく、西表島をフィールドにしている当センターも今回参加することになりました。

    意見交換会では、「沖縄県森林管理課の取組等について」、「沖縄森林管理署並びに九州森林管理局の令和4年度重点取組事項」等の情報提供後、当センターからも職員体制、業務内容及びホームページのトピックスによる情報発信について説明をしました。その後、質疑応答がおこなわれ、九州森林管理局からこれまで未発生であった久米島町において確認された松くい虫の侵入状況や沖縄県から九州森林管理局が取り組んでいる中苗植栽について、「どれ位コストが掛かり増しになるのか」などの意見等が出されました。

    また、沖縄県から森林計画にかかる国有林データの共有について要望があり、九州森林管理局から具体的に申請手続きを行えば共有(提供)可能との返答がなされました。

    なお、来年度はオブザーバーという形ではなく、正式な出席者としての立場で出席できるようになることを期待します。

     


    オンラインによる意見交換


    当センターの業務内容説明

    日付

    令和4年7月22日

    タイトル

    外来種駆除試験地の経過観察を実施
    ~アメリカハマグルマその7・ギンネム(第4回)~

    コメント

    7月22日(金曜日)にアメリカハマグルマ及びギンネムの駆除試験地経過観察を実施しました。この日は一日中晴れが続き、雲一つない快晴でした。青い空と青い海、マングローブ林の緑が西表島の夏を彩っています。

    7月6日のトピックスでお伝えしましたが、アメリカハマグルマの駆除試験地は処理区内を再度刈り払い、食酢と重曹の溶液の散布頻度を2週間に1度に戻して、その抑制効果を調査しています。

    刈り払いから約2週間が経過した今回の経過観察結果は、両処理区ともアメリカハマグルマによる地面の被覆は見られませんでした。しかし、本格的に夏が到来し、植物の生長も盛んになるため、食酢及び重曹の溶液散布がどのくらいアメリカハマグルマの生長を抑制してくれるのかが重要となります。

    アメリカハマグルマ駆除試験地の経過観察後にギンネムの駆除試験地に移動し、経過観察を実施しました。試験開始から約2ヶ月が経過した今回の経過観察結果は、食酢及び高濃度食塩水を注入したどちらの試験木でも枯死及び枯れる兆候を確認できませんでした。葉は青く、枯れそうな気配をなかなか見せてくれません。次回の経過観察では食酢と高濃度食塩水を試験木に再度注入し、駆除経過を観察する予定です。

    ギンネム駆除試験地の経過観察中にサキシマカナヘビに出会いました。サキシマカナヘビは八重山諸島にのみ生息していて、絶滅危惧II類に指定されています。西表島には様々な固有の生物が生息しています。しかし、外来種が定着することで環境が変化し、その固有な生物が生息できなくなることがあります。今回出会ったサキシマカナヘビはギンネムの上を歩いていましたが、次会うときは西表島在来の植物を歩いている姿を見たいです。

     


    7月6日の重曹散布区(刈り払い後)



    7月22日の重曹散布区
    刈り払いから約2週間が経過した現在は地際が
    見えていて、アメリカハマグルマの繁茂はない


    7月6日の食酢散布区(刈り払い後)

     


    7月22日の食酢散布区
    刈り払いから約2週間が経過した現在は重曹
    散布区同様にアメリカハマグルマの繁茂はない


    調査中に出会ったサキシマカナヘビ



    葉が青く、枯れる気配をなかなか
    見せないギンネムの試験木(赤丸部分)

    日付

    令和4年7月20日

    タイトル

    令和4年度ヒナイ川の利用状況調査(令和4年7月分)報告

    コメント

    7月20日(水曜日)ヒナイ川の利用状況調査を実施しました。

    6月20日に沖縄地方が梅雨明けし1ヶ月となった調査日当日の天気は晴れ、車の外気温表示は午前9時30分時点で32℃、午後3時30分時点で33℃と日が昇れば沈むまで、ほぼほぼ一日中うだるような暑さと日射しが照りつける夏真っ只中の西表島です。

    さて、調査の結果は、カヌーツアー16組の95名(ガイド含む)で殆どが県外からの観光客でした(ガイドさん曰く、先週は、滝上だけで100人ぐらいいた時間帯があったそうです)。

    年間をとおしてピナイサーラの滝壺へのツアーが最も多いのですが、今回は16組中、約半分の7組がピナイサーラの滝上及び滝壺ツアーでした。

    調査地点に行くまでに、受粉を終えた沢山のサガリバナが林内に落ちており、サガリバナの香りがあちこちで漂っていましたが、ガイドさんの話では今年はサガリバナの開花が例年に比べて遅いとのことです。それを表すかのように開花前のサガリバナのつぼみが沢山見られました(サガリバナは、一夜花(夜に開花し、朝に散る一夜限りの花)で、花言葉は「幸運が訪れる」です)。

    なお、7月期の利用者数は、(昨年度は、6月から9月まで新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から調査を実施しておりませんので)令和2年度の同月と比較してツアー数は若干増え、利用者数は大幅に増える結果となりました。

    これから夏休みに入り、沢山の観光客がヒナイ川を利用することが予想されますが、ガイドさんの「本気の夏が始まりますね」の言葉に妙に共感を覚えた今回の調査でした。

     


    係留中のカヤック(下流の係留地点)


    係留中のカヤック(上流の係留地点)


    帰り支度中の観光客とガイド


    帰りの途つく観光客とガイド


    沢山のつぼみを付けたサガリバナの木


    静かに開花の時を待つ

    日付

    令和4年7月19日

    タイトル

    西表島全体を対象とした観光管理計画策定に向け議論
    ~奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島世界自然遺産地域連絡会議 令和4年度 第1回西表島部会開催~

    コメント

    7月19日(火曜日)に、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島世界自然遺産地域連絡会議 令和4年度 第1回西表島部会」が竹富町離島振興総合センターを主会場にオンラインを併用し開催され、当センター、沖縄森林管理署、環境省、沖縄県、竹富町などの行政機関、地元住民代表、西表島エコツーリズム協会や観光関係団体ら49名、傍聴者2名が参加しました。

    当日の会議では、「西表島部会の設置要綱の改定について」、「観光管理計画(案)について」、「世界遺産委員会決議(1.観光管理、2.ロードキル対策、3.河川再生、4.森林管理)への対応状況について」、「行動計画の進捗状況について」などの議題について、事務局から提案説明が行われた後、各課題毎に議論が行われました。

    特に西表島観光管理計画(案)では、年間入域観光客数を前年度比で1割以上増加させないことについて、「毎年、入域観光客数を見直すのはいかがなものか」「基準値を動かすのは良くない」また、自然環境への影響について、「影響が出た場合には、すぐ対応ができる状況をつくるべき」などの様々な意見・要望が出されました。

    今後は、12月1日の世界遺産委員会へのレポート提出、第2回西表島部会での西表島観光管理計画(案)の承認へ向け取り組むこととなります。


    様々な意見が出された

    日付

    令和4年7月16日

    タイトル

    西表島からつれていかないで!
    ~夏季の希少野生動植物の密猟・盗掘等防止普及啓発活動を実施~

    コメント

    6月30日のトピックスでお伝えしておりましたが、環境省、竹富町、沖縄森林管理署、当センターで、7月16日(土曜日)に石垣港離島ターミナルにて夏季の希少野生動植物の密猟・盗掘等防止普及啓発活動を実施しました。

    昨年度同時期の活動では、西表島の主要な入林者駐車地点にのぼり旗を設置し、大富遊歩道などの巡回点検を実施しましたが、入林者や駐車車両が殆どいなかったことから、今年度はより効果的な普及活動を実施するべく西表島を訪れる観光客を対象に希少種の持ち出し注意のチラシ等を配布しました。

    石垣港を西表島に向けて出発する安栄観光及び八重山観光フェリーの定期船計8便(8時30発、11時30発、西表島(大原港・上原港)行き)の乗船客を対象に普及啓発活動を実施しましたが、用意したチラシはすぐになくなり、効果的な普及啓発活動ができたのではないかと思います(殆どの乗船客の皆さんが、快くチラシを受け取って下さいました)。

    なお、7月11日に環境省西表自然保護官事務所で、西表島の主要な入林者駐車地点に昨年度と同様に【とらないで西表島の希少な動植物】【密猟・盗掘監視強化中】と記載されたのぼり旗を設置しています。

    また、8月11日に石垣港離島ターミナルで、今回と同様の普及啓発活動を実施する予定としています。


    配布したチラシ:西表島へ訪れたみなさんにお願い!


    迅速に準備中


    乗船客を待ち構える環境省職員


    密猟・盗掘の防止にご協力下さい


    船が見えなくなるまでアピール

    日付

    令和4年7月6日

    タイトル

    ギンネム駆除試験の経過観察(第3回)

    コメント

    7月6日(水曜日)に第3回目のギンネム駆除試験の経過観察を実施しました。

    車で試験地に向かう途中は雨がぱらついたものの調査開始時には天候が回復し晴れ。調査を始めると林内とはいえ暑さを感じましたが、遊歩道を吹き抜ける風は一時の涼しさを与えてくれました。

    さて、試験開始から約1ヶ月半が経過した今回の経過観察結果については、ドリルで穴を開けた箇所から水のようなものが漏れ出している試験木の数が増加しています。また、蓋として使っていたコルク栓が浮き上がっている試験木があり、コルク栓を再び穴へ打ち込みました。

    前回落葉を確認した試験木が再び葉をつけており、ギンネムの再生力に驚くとともに駆除の難しさを実感しました。

     


    穴を開けた箇所に水のようなものがたまり幹が湿っている(赤丸部分)


    コルク栓が浮き上がっている(赤丸部分)

    日付

    令和4年7月6日

    タイトル

    アメリカハマグルマ駆除試験地の経過観察を実施 その6
    ~駆除試験地の再刈り払い等を実施~

    コメント

    7月6日(水曜日)にアメリカハマグルマ駆除試験地の経過観察を実施しました。

    4月27日のトピックスにて、今後の方針について検討することとしていましたが、5月と6月は方針を変更せずに試験地の経過観察及び溶液散布を続けました。しかし、抑制効果があまり見られなかったため、食酢散布区と重曹散布区の両処理区で再度刈り払いを実施し、容液を散布しました(重曹については今回からより高濃度にしています)。

    今後は散布頻度を1ヶ月に1度から試験開始当初の2週間に1回に戻して今後の抑制効果を調査します。

     


    重曹散布区(刈り払い前)


    重曹散布区(刈り払い後)


    食酢散布区(刈り払い前)


    食酢散布区(刈り払い後)


    地際が見えるように鎌で刈り払い


    両処理区合わせて70Lのポリ袋3つ分の
    アメリカハマグルマ等を刈り払った

    日付

    令和4年7月1日

    タイトル

    当センターの外来種対策の取り組みについても紹介されています
    ~環境省西表野生生物保護センターリニューアルオープン~

    コメント

    7月1日(金曜日)に環境省西表野生生物保護センターがリニューアルオープンしました。
    西表野生生物保護センター(環境省西表自然保護官事務所)とは、これまでツルヒヨドリ等の外来種の駆除、希少野生動植物の密猟・盗掘パトロール、地元中学校三大行事支援等で連携・協力してきています。

    今回のリニューアルオープンにあたり、当センターの外来種対策(アメリカハマグルマ、ギンネム、モクマオウ)の取り組みについても、西表島全体の外来種対策の取り組みとして紹介したいということで、タッチパネルで閲覧することができます。

    7月1日のリニューアルオープンに先立ち、西表島島民限定のプレオープンを業務の関係で拝見することが出来ました。以前の展示を知っている方からするともう全然違います!!展示室は全面改装され、壁面には西表島の多様な環境とそこに息づく生き物たちがところ狭しと描かれています。

    レクチャー室等も以前より少し大きくなり「学びの場」としての機能も拡充され、さらにくつろげるスペースも出来ており「ゆんたく(おしゃべり)・休憩の場」としても利用できるようです。
    いろんなものがバージョンアップしています。

    みて・きいて・かいで・さわって世界に誇れる西表島の多様性を体感しよう

     

    リニューアルオープン


    何度でも行きたくなる展示


    ヤマネコの生態も以前より詳しく


    実際の映像も合わせて立体的に紹介


    タッチパネル(外来種対策の取り組み紹介)

    当センターの外来種対策の取り組み

    日付

    令和4年6月30日

    タイトル

    西表島からつれていかないで!
    ~西表島における希少野生動植物の密猟・盗掘等を防止するための普及啓発活動事前会議に参加~

    コメント

    昨年7月に世界自然遺産に登録された西表島には沢山の希少野生生物が生息しています。特に希少な生物は法律や条令で保護されており、許可なく採取することはできません。しかし、売買目的や一部の者による違法採取が確認されているほか、良識外の過剰な採取、昆虫をはじめとする希少な植物、甲殻類や両生爬虫類などの島外への持ち出しや過去には昆虫を採集するために洞を刃物で無残に広げられたスダジイなども発見されています。

    このようなことから、関係行政機関が連携、協力し希少野生動植物の密猟・盗掘等を防止するための普及啓発活動を毎年実施しています。今年度も6月30日(木曜日)環境省西表自然保護官事務所にてwebも併用し、希少野生動植物の密猟・盗掘等防止普及啓発活動にかかる事前会議が開催され、当センター職員1名が参加しました。

    会議では、昨年度の活動結果を踏まえた、時期毎の啓発活動の実施内容、場所、その対象、SNS上での普及啓発等の提案や確認など、関係行政機関から様々な意見が出されました。

    今後は、今回の会議結果に基づき、今年度も希少な動植物を密猟等から守るために港での啓発活動や主要地点での合同巡回パトロールを強化し実施していくこととしています。

    “とる”のは写真だけ
    西表島からつれていかないで、希少な野生動植物


    普及啓発活動にかかる様々な提案等がなされた

    日付

    令和4年6月28日

    タイトル

    驚くほど成長~育ってましたクソニンジン~

    コメント

    6月28日(火曜日)に西表小中学校の校庭に樹名板設置のため伺ったところ、育ってましたクソニンジン。 

    このクソニンジンの苗は、3月5日に竹富町役場仮庁舎ホールで開催された総合地球環境学研究所LINKAGEプロジェクト主催による「日本の薬用植物勉強会」の一環で、マラリアの脅威等を語り継ぐために3月7日に西表小中学校に贈られたものです(詳しくは、3月5日、7日のトピックスをご覧下さい)。

    約4ヶ月で、とても生長しており、児童、生徒が授業や部活動の傍らで、気にかけてきちんと栽培しているのだなと感じました。

    クソニンジン:キク科、一年草、別名・ホソバニンジン、バカニンジン、独特の悪臭あり、用途・発熱,日射病,熱射病,寝汗やマラリアなどの清熱薬。特に含有成分のアルテミシニンはマラリアに効果を発揮し,2015年のノーベル生理学・医学賞につながった(出典:熊本大学薬学部薬草データベースより)。

     



    クソニンジンの苗(3月7日)



    大きく生長(6月28日)

    日付

    令和4年6月28日

    タイトル

    学び舎に植えてある樹木の名前は??
    ~西表小中学校の校庭に樹名板を設置~

    コメント

    西表小中学校の校庭には、学校のシンボル的存在のセンダンの巨木がありますが、その他の樹木等も沢山植えてあります。

    昨年度、沖縄森林管理署租納森林事務所に学校側から樹名板が数本の樹木にしかないため校庭の樹木等の名前をもっと知りたいとの連絡があり、国有林職員OBの加島幹男氏に協力いただき、当センター職員も樹木の調査に参加しました。

    昨年度は樹名の仮タグを設置し、本年6月13日(月曜日)及び6月28日(火曜日)に租納森林事務所森林官と共同で樹名板を設置しました。

    6月13日の設置では、意外と固い校庭に樹名板支柱をさすのに悪戦苦闘していた当方達を見て、遊んでいた児童が「こうやって、こうして、こうすればいいよ!!」と微笑ましいアドバイスをくれました。

    6月28日は、樹名板贈呈式が設けられ、樹名板設置にあたり仲地校長先生及び生徒代表から多大なる感謝の言葉を頂きました。

    樹名板の裏側には、学校側、森林管理署側の職員が異動しても少しでも繋がりが持てるように、設置年度と設置機関名を貼っています。

    沖縄地方の樹木は本州の樹木と違い、独特なものが多くこの樹名調査、樹名板設置に参加し、私自身もとても勉強になりました。このような機会を与えて頂いた西表小中学校にこちらが感謝したいほどです。

    児童・生徒が少しでも自分達が生活している西表島の樹木等について興味が持てるように、また、樹木の名前が校庭を見ればいつでもわかる、思い出せるといいなと感じています。

     



    支柱の打ち込みに悪戦苦闘



    樹名板贈呈式




    樹名板を設置しただけでも雰囲気が変わる



    職員が異動しても“繋がり”が持てるように

    日付

    令和4年6月25日

    タイトル

    持続可能な社会の実現に向けた森林環境教育を次世代を担う子供達に
    ~近畿中国森林管理局主催:「森林環境教育手引書」活用フォーラムに参加~

    コメント

    6月25日(土曜日)近畿中国森林管理局4階大会議室を主会場にwebも併用し、近畿中国森林管理局箕面森林ふれあい推進センターが本年3月に作成した「森林環境教育手引書」の活用フォーラムが開催され、当センター職員もwebで参加しました。Webも併用されていることもあり、北は北海道から、南は沖縄までの参加者との主催者から話しがありましたが、沖縄の参加者はおそらく当センターだと思います。

    この手引書作成には、各局の森林生態系保全センター等も写真提供などで協力しており、当センターも西表島の国有林の風景や特徴ある樹木の写真を提供するなど、微力ではありましたが協力させていただきました。

    また、この手引書については、小学校の学習指導要領が平成29年3月に改訂され、令和2年度から全面実施になったことに伴い、もともと箕面森林ふれあい推進センターが作成していた手引書の改訂版とのことです。

    今回のフォーラムでは、「森林環境教育手引書改定検討委員会」でご協力いただいた大学の先生や小学校教諭の講話がありましたが、当センターの森林環境教育にも大変参考になるお話が沢山ありました。

    会場から教育委員会との連携、関係性の構築方法などの質問がありましたが、最初は教える先生達への研修を実施し、現在も継続して実施していることや、主催する森林教室が学校の授業に即していなかったことを工夫し、森林を活用した環境教育プログラム「森の探検隊」として実践していることなど、こちら側から積極的かつ継続的に教育委員会等に働きかけていくことが重要であるとの回答がなされました。

    今回のフォーラムに参加し、西表島(竹富町)では竹富町海洋教育基本計画に基づき、様々な海洋教育が実施されておりますが、海洋教育(海)と森林環境教育(山)の連動に向けて、当センター側からの積極的かつ継続的な働きかけが必要であることを改めて感じました。

    【近畿中国森林管理局箕面森林ふれあい推進センター 森林環境教育関連】

    https://www.rinya.maff.go.jp/kinki/minoo_fc/shinrin_kankyo_kyoiku/shinrin_kankyo_kyoiku.html

    森林を利用し、「気づき、理解を深め、自分事として関心を持たせ、考えさせる」

    日付

    令和4年6月24日

    タイトル

    船浦ニッパヤシ希少個体群保護林モニタリング調査を実施

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    船浦ニッパヤシ希少個体群保護林(上原国有林208は林小班)は自生地の北限として植物地理学上重要なものであり、国指定天然記念物となっています。当センターでは、ニッパヤシを取り巻く環境の変化や生育状況を把握することを目的に、平成17(2005)年から船浦ニッパヤシ希少個体群保護林のモニタリング調査を実施し、平成28(2016)年3月に「船浦ニッパヤシ植物群落保護林最終報告書」が作成されました。その後は、毎年2回(6月期と11月期)周辺環境の変化等の定期的な調査を実施しています。

    6月期の調査は6月10日(金曜日)に曇り空の中、光環境(開空度調査)や地盤高、定点撮影等の周辺環境調査と葉につけている古くなったタグの交換及び新葉のタグ付けを実施。

    6月24日(金曜日)は6月10日の残りのタグ交換作業及び葉の状態調査を実施しました。天気は快晴、気温は30度を超える暑さの中、胴長を着て調査しますが、調査後の胴長の中は汗でずぶ濡れとなり、まるで大雨に降られた後のようでした。

    調査結果については昨年度同時期の調査と比較して葉の先端や半分が枯れている葉(先枯れや半枯れ)が増えているように感じました(昨年度の調査については令和3年6月23日、7月7日のトピックスをご覧下さい)。

    また、午後からは琉球大学熱帯生物圏研究センター西表研究施設渡辺准教授に現地で立ち会っていただき、ニッパヤシ周辺で生育しているオヒルギの被圧状況を確認していただきました。船浦のニッパヤシは以前、オヒルギやヤエヤマヒルギなどの周辺木がニッパヤシを覆って光環境が悪化し生育状況が悪くなり群落の衰退が危惧されたため、平成17年(2005)3月及び平成19年(2007)3月にオヒルギ等の周辺木の除伐を実施した経緯があります。

    除伐から15年以上が経ち、当時影響がないものと判断され除伐されなかったオヒルギなどが生長し、ニッパヤシを被圧している状況が確認されました。

     


    快晴の中、胴長を着て葉の状態調査


    ニッパヤシの周辺で生育するオヒルギ



    ニッパヤシの花


    かたそうな種子

    日付

    令和4年6月22日

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    ギンネム駆除試験の経過観察(第2回)

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    6月22日(水曜日)に第2回目の経過観察を実施しました。

    前回の経過観察では雨に降られましたが、梅雨が明けたこともあってか、今回は一転して晴れ。日差しが容赦なく照りつけて気温も高くなり、車の外気温表示が32度を示す真夏日。木々のおかげで日差しが遮られている大富遊歩道の中でさえ夏の暑さを感じました。

    観察結果については、前回と同様に白いカビのようなものや蜜のようなものが出ている試験木があり、小さな変化ですが、その本数は着実に増えていました。また、蟻道が作られた試験木も確認することができました。蟻道はシロアリが表面を移動するときに作るトンネルのようなものです。シロアリは木を食べるため、枯死に影響すると考えています。さらに、食塩水を注入した別の試験木の1本が、蟻道は確認できなかったものの、わずかですが落葉していました。

     


    蟻道発見!(赤丸部分)


    葉っぱが落ちた試験木(赤丸部分)

    日付

    令和4年6月20日

    タイトル

    今年度も森の巨人たちを調査
    ~「仲間川のサキシマスオウノキ」及び「ウタラ川のオヒルギ」モニタリング調査を実施~

    コメント

    今年度も平成12年(2000年)に「森の巨人たち百選」に選定された、西表島の国有林内に生育する「仲間川のサキシマスオウノキ」と「ウタラ川のオヒルギ」のモニタリング調査を実施しました。

    6月6日(月曜日)から翌7日(火曜日)にかけて、「仲間川のサキシマスオウノキ」の調査を実施。

    空は梅雨空のどんより雲で、とても蒸し暑い中での調査となりましたが、樹勢や樹高、幹周り、板根の高さをはじめ、枝張り、光環境、林床植生や着生植物の変化などを計測しました。

    各調査の結果は、昨年とあまり変化はなかったものの、以前から見られる幹に着生したアコウの根が著しく成長していることが確認されました。

    なお、昨年度のトピックス等でお伝えしておりましたタカサゴシロアリの営巣については、以前確認されていた蟻道は確認されず、営巣等は衰退しているのではないかと考えられます。

    また、沖縄地方が梅雨明けとなった6月20日(月曜日)に日差しがとても眩しい中、「ウタラ川のオヒルギ」の調査を実施。ウタラ川の潮位が非常に高い中で、樹勢や樹高、幹周り、光環境、林床植生などを計測しました。

    調査の結果は、オヒルギ樹幹内の腐朽が著しく進んでおり、樹勢が衰退していることと、オキナワアナジャコのシャコ塚周辺が昨年度より高くなっており、オヒルギ周辺の陸地化が進んでいることが確認されました。

    2本の巨木とも老齢であり、樹木の樹勢をはじめ生育環境等を今後も注視していく必要があります。

     


    仲間川のサキシマスオウノキ
    (板根の高さを計測中)


    絞め殺しの木とも言われるアコウの根


    著しく衰退しているウタラ川のオヒルギ



    幹周りを計測中
    (下方にある土がオキナワアナジャコのシャコ塚)

    日付

    令和4年6月17日

    タイトル

    令和4年度ヒナイ川の利用状況調査(令和4年6月分)報告

    コメント

    6月17日(金曜日)ヒナイ川の利用状況調査を実施しました。
    調査日当日の天気はころころ変わる(くもり、晴れ、晴れ雨、晴れ、くもり、豪雨、快晴)この時期の西表島らしいといえばらしい天気でした。

    さて、調査の結果は、カヌーツアー18組の84名(ガイド含む)、カヌーレンタル1組4名及びトレッキング2名(ガイドなし)で県外からの観光客でした。

    調査地点のヒナイ川カヤック係留地に10時50分頃に到着しましたが、満潮は8時台にもかかわらず、11時になってもカヤック係留地(ヒナイ川)の水位がとても高く驚きました。

    なお、6月期の利用者数は、(昨年度は、6月から9月まで新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から調査を実施しておりませんので)令和2年度の同月と比較してツアー数、利用者数ともに大幅に増える結果となりました。

     


    係留中のカヤック(下流の係留地点)


    係留中のカヤック(上流の係留地点)


    帰り支度中の観光客とガイド


    カニも暑さを避ける??


    上流の係留地に行く途中、
    深さがわからず歩行を躊躇


    潮が引いてしまえば、ミナミトビハゼの
    遊び場に(左写真の逆側から撮影)

    日付

    令和4年6月16日

    タイトル

    TS測量で器械の据え付けに悪戦苦闘
    ~座間味島でのGNSS測量及びTS測量(OJT研修)~

    コメント

    九州森林管理局では国有林の有する多面的機能を持続的に発揮させることができる管理経営、林業の技術革新の先導役や地域の振興等に応えられる職員の育成を図るとともに、個々の状況に応じた適切な判断・危機管理等にも対応できる「若手職員の人材育成」を推進することを目的に、局での研修や職場による日常的な研修(OJT研修)を実施しています。

    昨年度に引き続き、今年度は6月15日~17日にかけて沖縄森林管理署が実施した座間味島でのGNSS測量及びTS測量にOJT研修として、当センター職員も参加しました。

    TS(Total Station)測量とはトータルステーションという測量器械を使った測量です。トータルステーションとは距離を測るための光波測距儀と角度を測るためのセオドライトが一体化したもので、基準点の測量や座標の測量などいろいろな測量で幅広く用いられています(GNSS測量の説明は令和3年11月16~18日のトピックスをご覧下さい)。

    測量当日(6月16日(木曜日))は雨が強くなったり弱くなったりを繰り返すあいにくの天気でしたが、雨もなんとか小降りになり、測量を開始できました。GNSS測量を行う班とTS測量を行う班に分かれて作業を実施。今回はTS測量を行う班に参加しました。トータルステーションは1回しか使った経験がなく、どのように扱えば良いのかなかなか思い出せず戸惑ってしまいました。特に器械を水平に据え付けることが難しく、最初は器械の据え付けに10分以上かかってしまいました。器械が水平になっていても、求心(器械の中心と測点とを同一鉛直線上に一致させること)ができずに、器械に翻弄されていましたが、沖縄森林管理署の方々に懇切丁寧に教えていただき、無事その日の目標であった海岸線の測量を完了することができました。

    トータルステーションの据え付けは初心者にとって特に難しく、すぐできるようになるには場数を踏む必要があることを研修後に当センターの職員から教えてもらいました。なかなか触れる機会がないものですが、チャンスを見つけたらTS測量にチャレンジしたいです。

    今回のOJT研修では普段の業務で扱うことがないTS測量を経験することができ、学ぶことが多い充実した研修となりました。

    今後もOJT研修等を通して様々なことを学び、経験を積んでいきたいと思います。

     


    雨の中、衛星を受信するGNSS測量のの受信機




    センター職員が悪戦苦闘したトータルステー
    ションをすばやく据え付ける沖縄森林管理署職員
    (雨で器械が濡れないように
    タオルを掛けています)

    日付

    令和4年6月15日

    タイトル

    令和4年度西田川の利用状況調査(令和4年6月分)報告

    コメント

    6月15日(水曜日)今年度2回目の西田川の利用状況調査を実施しました。
    続々と本州が梅雨入りする中、ここ西表島では夏至南風(カーチバイ)も吹き始め、梅雨明けもまもなくといったところです。

    調査日当日の天候は、晴れ時折曇り、気温もさることながら当日は湿気がものすごく、調査地点まで少し歩いただけで玉のような汗が噴き出し、汗と湿気で雨も降っていないのに服がずぶ濡れるになる程でしたが、調査地点のサンガラの滝を吹き抜ける風は今回もとても心地よかったです。

    さて、調査の結果は、カヌーツアー1組の5名(ガイド含む)で県外からの観光客でした。

    今回は、調査地点に行くまでに県道で1回、林内の歩道で2回、セマルハコガメに遭遇しました。セマルハコガメも夏に向けて活発に活動し始めているのでしょうか?
    (西表島は、シロハラクイナ、セマルハコガメなどの沢山の動物が頻繁に道路を横断しますので、運転する際はご注意願います。)

    前回の調査時は、月桃の花やクロツグ(マーニ)の甘い香りが漂っていましたが、今回は、また違った花が咲いており、季節毎に咲く花、漂ってくる香りや鳥のさえずりも違うので、紅葉はしないものの西表島は季節の変化に富んでいると感じた一日でした。

    なお、6月期の利用者数は、(昨年度は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から調査を実施しておりませんので)令和2年度の同月と比較して増える結果となりました。

     


    サンガラの滝を満喫する観光客



    キノボリトカゲも活発に


    観光客が帰り自然の音だけがこだまする


    夏の雲、梅雨明けもまもなく(大原港)

    日付

    令和4年6月9日

    タイトル

    マラリアとキナノキ
    ~平和学習で出前授業~

    コメント

    4月の下旬に船浮小中学校の先生から「平和学習で出前授業をやってもらえないだろうか」との連絡があり、森林(樹木)と平和学習って結びつかないのではと思いましたが、内容を伺ったところ、マラリアとキナノキのことについてでした(令和2年度からの“西表島植物かるた”等の取り組みで、船浮小中学校に何度かお伺いする中、学校側も何らかの形で当センターに支援いただきたいと思っていたようで、今回の連絡となったとのことです)。

    ここ西表島では、約90年前に国策として、国有林に熱帯の樹木を植える試みがなされており、その樹種の一つにキナノキがありました。このキナノキの樹皮からマラリアの特効薬である“キニーネ”が抽出され、当時大流行していたマラリアから西表島の一部の住民の命を救ったとされる過去があります。

    出前授業は6月9日(木曜日)に、(国研)西表熱帯林育種技術園と協同で実施、当センターからは、「西表島でキナノキを栽培した男~宮崎袈男氏に敬意と感謝を込めて~」と題し、私達の職場の大先輩である宮崎袈男氏が、約90年前にキナノキを栽培した技術や経験もない、さらに現在のような情報技術などもない中で、悪戦苦闘しながらもキナノキ栽培に挑んだことや戦争の恐ろしさを説明し、西表熱帯林育種技術園の千吉良園長からは「アカキナの木の特徴~八重山でキナノキを育てるために必要なこと~」と題し、熱帯の植物ではあるものの八重山地方でアカキナを育てるのはとても難しく、八重山で上手にアカキナを育てるために必要なことなどの説明がありました。

    児童らは約2時間の長丁場の出前授業にもかかわらず、一言一句を聞き逃さないように、とても真剣に聞き入っており、千吉良園長が持参した大切に育てているアカキナの挿し木苗も興味津々に観察していました。

    今回の出前授業を受けた児童・生徒が大人になったときに、自分達が生まれ育った西表島で昔こういうことがあったことを語り継いでほしいと講師からお願いして出前授業を終了しました。

    児童・生徒は、6月13日に実際にグレープフルーツ等からキニーネを抽出し試飲するとのことです。また、今年は八重山のマラリア撲滅60周年でもあり、6月20日には学校内の平和集会として、地域の方をお招きし、マラリアとキニーネついて学んだことを発表し、その様子をYouTubeでライブ配信するとのことです。

     


    教職員も一体となって
    マラリアとキナノキについて学ぶ


    千吉良園長の説明に真剣に聞き入る児童ら


    宮崎袈男氏に敬意と感謝を込めて


    千吉良園長が大切に育てている
    アカキナの挿し木苗

    日付

    令和4年6月8日

    タイトル

    ギンネム駆除試験経過観察を実施(第1回)

    コメント

    令和4年5月24日、26日のトピックスでお伝えしていますが、当センターでは外来種であるギンネムを環境にやさしい方法で駆除するため、今年度は大富遊歩道沿いのギンネム40本を対象に、食酢及び食塩水を用いた駆除試験を実施し、その経過を観察しています。

    6月8日(水曜日)に第1回目の経過観察を実施しました。当日はどんよりとした曇り空で、時折、雨が降ってくる天気の中での観察となりました。

    観察結果については、まだ食酢及び食塩水による駆除効果は確認できませんでしたが、ドリルを用いて開けた穴の周辺に白いカビの様なものが発生していたり、蜜のようなものが出ていたりと、わずかですが変化が見られました。

     

    わずかながら変化が見られる

    日付

    令和4年5月27日

    タイトル

    令和4年度ヒナイ川の利用状況調査(令和4年5月分)報告

    コメント

    5月27日(金曜日)ヒナイ川の利用状況調査を実施しました。

    5月ですが、梅雨まっただ中の西表島です。
    ピナイサーラの滝も梅雨の長雨で増水し、迫力が増しています。調査日当日も小雨が降っていましたが、調査地点のカヤック係留地に到着し程なくして雨も止みその後は、くもりが続きました。

    さて、調査の結果は、カヌーツアー10組の40名(ガイド含む)、トレッキング1名(ガイドなし)で殆どが県外からの観光客でした。

    増水し、いつもより迫力を増したピナイサーラの滝を間近で見て、そのすごさを感じた観光客からは、「とても素晴らしかった」「日本じゃないみたい」等の声が聞かれました。

    なお、5月期の利用者数は、昨年度同月と比較してツアー数、利用者数ともに微増の結果となりました。

     



    ピナイサーラの滝(海中道路からの撮影でも水量が増していることが一目瞭然)



    係留中のカヤック(下流の係留地点)



    係留中のカヤック(上流の係留地点)



    帰り支度中の観光客とガイド

    日付

    令和4年5月24日、26日

    タイトル

    ギンネムの駆除試験を実施

    コメント

    ギンネムは「世界の侵略的外来種ワースト100」の1つで、「我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト」によって重点対策外来種に指定されています。西表島では、道路沿いに見られるほか、耕作放棄地や海岸林など足の踏み場がないほど密生したギンネム林がよく見られます。ギンネムが発達した海岸林は、ギンネムが主要な優占木となり、高木層がほぼ欠如し、樹高が低く、林分密度も低くなっています。

    このように、西表島の海岸林等におけるギンネム生育地の拡大・ギンネムの優占化は、防風や防潮などの森林に期待される機能の発揮や生物多様性の観点から、深刻な影響を及ぼしています。

    当センターではこのギンネムを環境にやさしい方法で駆除するため、今年度は大富遊歩道沿いの根元直径約8cm~15cmのギンネム40本を対象に、食酢及び食塩水を用いた駆除試験を5月24日(火曜日)及び26日(木曜日)に実施しました。食酢を投入するギンネムと食塩水を投入するギンネムを20本ずつ設定し、根元からドリルで6カ所らせん状に穴を開け、それぞれの溶液を投入し、コルク栓でふたをして溶液が漏れないようにしています。

    今後は試験を実施したギンネムがどのように変化していくかを定期的に観察していくこととしています。

     


    大富遊歩道沿いのギンネム


    試験木にドリルで穴を開ける


    開けた穴に溶液を注入


    溶液が漏れないようにコルク栓でふた

    日付

    令和4年5月23日

    タイトル

    複数の稚樹の発生を確認
    ~タシロマメ生育調査を実施~

    コメント

    4月8日のトピックスでお伝えしておりますが、当センターでは環境省のレッドリストで絶滅危惧IA類に指定されている希少なタシロマメの生育調査を5年に1度実施しており、今年度はその調査の年になっています。

    4月8日に事前踏査を実施し(詳しくは4月8日のトピックスをご覧下さい)、5月23日(月曜日)に生育調査を実施しました。当日の天候はあいにくの雨、新聞によると今年の沖縄県の梅雨は例年より雨量が多く、西表島でも例年の2倍以上の雨が降っているとのことです。

    調査ではタシロマメの生育状況(生長量)を調べるため樹高と胸高直径を測定。また、稚樹の発生状況を調べるために新しく発生した稚樹の本数とその樹高も調査しました。今回の調査では16本の稚樹が新たに発生していましたが、5年前の調査と比べると発生本数は減少しており、林内でイノシシの掘り起こし跡が確認されたため、このことなどが影響しているのではないかと考えられます。

    今後も定期的にタシロマメの生育状況を確認していくこととし、次回の調査は令和9年度に行うこととしています。

     


    胸高直径を測定中


    稚樹の樹高を測定


    林内で成長中のタシロマメの稚樹


    タシロマメの種子(令和3年6月30日撮影)

    日付

    令和4年5月20日

    タイトル

    観光管理、ロードキル対策、河川再生、森林管理の要請事項への対応状況を確認
    ~令和4年度(2022年度)第1回「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島世界自然遺産地域連絡会議」開催~

    コメント

    5月20日(金曜日)、令和4年度第1回奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島世界自然遺産地域連絡会議がオンラインにより開催され、沖縄、鹿児島両県、竹富町長をはじめとする関係12市町村長、環境省、林野庁等関係行政機関が出席しました。

    会議では、新しく首長となられた奄美市長と竹富町長から挨拶があり、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関・国際自然保護連合(IUCN)から指摘のあった観光管理、ロードキル対策、河川再生、森林管理の四つの要請事項への対応状況について、各タスクフォース会議事務局からの説明に対し、河川の浄化問題やエコツーリズム推進法を含めた西表島における観光管理問題などについて意見、要望等が出されました。

    また、モニタリング計画に基づくモニタリング結果等についても事務局から説明があり、最後に、世界自然遺産地域科学委員会の土屋委員長から、各要請事項に対して具体性を持った回答ができるよう議論してもらい、12月1日提出に向けてスケジュール感をもって取りまとめてもらいたい旨の発言があり、全体で取り組むことを確認し会議を終了しました。

     


    全12関係市町村首長が出席


    発言内容に聞き入るセンター職員

    日付

    令和4年5月17日

    タイトル

    山根計画保全部長が西表島を2回目の視察

    コメント

    5月16日(月曜日)から18日(水曜日)にかけて山根計画保全部長が西表島を視察されました。

    5月16日夕刻に西表島入りし、翌17日は、世界自然遺産地域のコアである西表島横断道(イタジキ川出会い折り返し)の現地調査を実施、あいにく雨の中での現地調査となりましたが梅雨の長雨で増水したマリュドゥの滝、カンピレーの滝を眺め、特徴的な西表島の希少な植物等を観察しながら西表島森林生態系保全地域の現状と保全利用等について把握されました。

    翌18日は、前日とはうってかわって梅雨合間の久々の快晴で、前回の現地調査が西表島東部中心だったことから、今回は、西表島西部の船浮周辺の現地調査を実施し、現地船浮集落の住民から国有林と農耕作地の位置を含めた歴史等の説明を聞き、イリオモテヤマネコの痕跡も確認することができました。

    山根計画保全部長は、現地調査を終え、西表島を離れる際は「今回も大変、充実した有意義な現地調査でした」とおっしゃっていました。

     


    梅雨の長雨で増水したマリュドゥの滝


    森林官の説明に聞き入る山根計画保全部長他


    標識で現在地等を確認中の一行


    イタジキ川出会い地点も激しく増水中

    日付

    令和4年5月16日

    タイトル

    漂流・漂着ゴミの状況調査を実施(5月期)

    コメント

    西表島の海岸線に広がる海岸林は、防風・潮害防備保安林に指定され、住宅や田畑などを強風や潮風から守り、津波や高潮を弱める役割を担っていますが、漂流・漂着ゴミの影響で海岸林の生物多様性が低下しているのではないかと考え、当センターでは平成21年4月から漂流・漂着ゴミの状況調査を実施しています。

    5月16日(月曜日)、西表島の南風(はえ)見田(みた)・野原・ユチン・船浦湾内、船浦湾外・美田良の6調査地点において定点観測による今年度第1回目の漂流・漂着ゴミの状況調査を行いました。

    今回の調査の結果で、特に多く観測されたものは、プラスチック製品のペットボトル、プラ浮き、ビニール、発泡スチロールなどとなっています。ペットボトルについては、海外などからのものがほとんどであり、船浦湾外・船浦湾内、ユチンの観測地点にゴミが多く漂着していました。

    また、5月15日(日曜日)には南風見田海岸忘勿石のビーチクリーンが行われ、当センターからも職員3名が参加し汗を流しました。

    今後も、各調査地点において漂流・漂着ゴミの定点観測を継続することとしています。

     


    船浦湾外(多くのゴミが漂着)


    漂着ゴミの調査状況

    日付

    令和4年5月15日

    タイトル

    南風見田海岸忘勿石周辺のビーチクリーンアップ活動に参加
    ~6月23日の慰霊の日に向けて海岸清掃~

    コメント

    5月15日(日曜日)14時から八重山地区の海洋環境保全推進活動を行う団体「八重山環境ネットワーク西表エコプロジェクト」の主催で南風見田海岸忘勿石周辺のビーチクリーン活動が開催され、当センター職員3名、沖縄森林管理署大原森林事務所森林官1名が参加しました。

    3月13日のトピックスでも記載しましたが、南風見田海岸は西表島東部に位置し、近隣にキャンプ場などもあることから、観光客をはじめ地元の方も利用し訪れる人が多い海岸です。
    一帯は南風見国有林172林班となっており、当センターの漂流・漂着ゴミの定点観測地点でもあります。

    当日は、主催である八重山環境ネットワーク西表エコプロジェクトから来月の慰霊の日に向け、忘勿石周辺の清掃活動をすることが伝えられ、地元スポーツ少年団の子供達とその保護者等、総勢66名でビーチクリーン活動を実施。

    参加者は約2時間、精一杯清掃活動を実施し、ペットボトルだけでゴミ袋(45㍑)8袋分を回収しました。その他に今回は、発泡スチロール、ロープ、魚網が多かったように感じました。

    ペットボトルは、西表島の地理的位置から海外(アジア圏)からのものが殆どでしたが、日本製のものもありました。

    今回は、3月13日の清掃活動よりも多い、沢山のスポーツ少年団の子供達が参加しており、皆協力して黙々と一生懸命清掃活動を頑張っていました(砂の中に埋まったゴミを子ども達数人で掘り起こしたり、重いゴミや大量に集めたゴミを、ソリを使って二人がかりで運んだりしていました)。

    ビーチクリーンアップ活動に参加し毎回思うことですが、参加した子供達が大人になる頃には、南風見田海岸はもとより西表島をはじめ世界中から漂着ゴミがなくなっていることを願うばかりです。

    【慰霊の日】

    1945年6月23日、太平洋戦争末期、沖縄戦で旧日本軍の組織的な戦闘が終わったとされる日で、沖縄戦等の戦没者を追悼する日として、沖縄県が6月23日を「慰霊の日」として制定している。

    【忘勿石】

    https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/daijinkanbou/sensai/virtual/memorialsite/okinawa_taketomi_021/index.html

     


    子ども達も一生懸命清掃活動中


    集めたゴミをみんなで分別


    岩と岩の間のペットボトルも見逃さず回収


    集めたゴミを前に記念撮影

    日付

    令和4年5月13日

    タイトル

    如何にカヤックを自分の手先のように操れるか
    ~カヤック運航に係る安全確保のためのカヤック漕艇訓練を実施~

    コメント

    5月4日に平年より6日早く梅雨入りした八重山地方ですが、今年は昨年と違って梅雨らしく雨が降り続いています。

    さて、西表島は東部の仲間川と西部の浦内川の主要河川をはじめ大小いくつもの河川があり、河川周辺部は海岸部とともに希少な野生動植物の生息、生育地となっています。また、西表島を特徴づけるマングローブ林もこれらの地域に広く分布しています。

    当センターではこれらの生態系を保全するため、各種モニタリング調査や巡視活動を毎年行っています。しかし、西表島は自然環境保護等の観点から道路などの整備は限られており、当センターの業務の一部には、水上からのカヤックによるアクセス手段が最適な箇所もあり、新たに赴任した職員には、熟練した職員によるカヤックの知識や漕艇の安全確保にかかるカヤック漕艇訓練が以前から行われてきました。

    今年度も5月13日(金曜日)に漕艇訓練を西表島古見の後良川にてセンター職員1名を対象に実施しました。

    昨年度から実際の漕艇訓練は地元カヤックツアーのガイドに依頼し実施していますが、さすがプロといった知識と経験を惜しげもなく教えていただき、カヤックの漕艇、運航時の安全確保、河川運航時のルール、係留方法、係留時の注意点や万が一転覆した際の復帰方法など幅広くご指導いただきました。

    私達の職場である林野庁は森林での“安全作業”については特に重点的に教わり指導されますが、河川をカヤックで航行する際の安全確保の観点は森林での安全作業とはまた違ったものがあり、お聞きする話はどれも新鮮なものでした。
    特に、事前の情報収集や把握(天候はもとより、干満時間、風向き、風速、川の流れる方位、周辺の地形)がとても大切であることを改めて感じました。

    今年度も大変充実したカヤック漕艇訓練となりました。

     


    講師の説明に真剣に聞き入る職員


    カヤックは足から乗らず、お尻から乗る


    岩場に接岸し、カヤックの係留開始


    係留完了

    日付

    令和4年4月27日

    タイトル

    アメリカハマグルマ駆除試験地の経過観察を実施 その5

    コメント

    アメリカハマグルマは1970年代に沖縄の各地に緑化用植物として持ち込まれ野生化しており、マングローブや海岸植生といった希少な自然環境に侵入し、在来種や生態系を脅かしています。

    当センターでは平成30年からアメリカハマグルマの駆除試験を実施しており、令和3年度は食酢と重曹を用いた駆除試験を実施し、今年度も引き続き定期散布及び経過を観察中です(詳しくは令和3年12月16日のトピックスをご覧ください)。

    今年度1回目の経過観察なった4月27日(試験後約4ヶ月)は、暑さと湿気がものすごく、車の外気温表示は28度で、作業や観察をしていると汗がにじんできます。西表島はすでに夏の様相です。

    試験区の状況については、食酢散布区で新たにアメリカハマグルマの発生を確認しましたが、未だに地際がみえ、アメリカハマグルマが発生していない部分もあります。一方で、重曹散布区は、アメリカハマグルマが繁茂し、地際がみえない状態となっています。

    食酢散布区、重曹散布区ともにアメリカハマグルマの発生を抑制するため、散布濃度の変更などを検討しています。

     


    3月13日の重曹散布区


    4月27日の重曹散布区
    (地際が見えない)


    3月13日の食酢散布区


    4月27日の食酢散布区
    (一部だが地際が見える)

    日付

    令和4年4月27日

    タイトル

    楽しみながら西表島の樹木・植物を覚えて下さい
    ~【西表島の植物誌】と【西表島植物かるた】を配布~

    コメント

    当センターでは、森林環境教育の一環として毎年、西表島の小学校新入生に当センターで作成した“西表島の植物誌”を配布しています(転校生にも忘れずに配布していますので、西表島の小学生はこの“西表島の植物誌”を全員持っていることになります)。
    今年度も、4月27日(水曜日)に竹富町立大原小学校、古見小学校、上原小学校、白浜小学校の新入生に植物誌を配布しました(校長先生に贈呈)。

    さらに、今年度は4月15日のトピックスで記載しておりますが、“西表島植物かるた”が完成したことから、かるた作成にかかる試作品使用アンケート等でご協力いただいた西表島の小学生全員に“西表島植物かるた”もあわせて配布しました(船浮小中学校の児童には、4月22日(金曜日)に配布しております)。

    かるたで遊んで楽しみながら西表島の樹木・植物を覚えてもらい、興味が沸き詳しく知りたいと思った時は、植物誌を見てもらえればと思います。

    かるたに掲載した植物の一部には、その植物の方言名も記載していますので、少しでも地域の方言文化の継承に繋がればと感じています。

     


    大原小学校


    古見小学校


    上原小学校


    西表小中学校


    白浜小学校




    西表島の小学校新入生に毎年配布している
    「西表島の植物誌」

    日付

    令和4年4月25日,5月9日~10日

    タイトル

    仲間川のマングローブ林モニタリング調査を実施

    コメント

    西表島には、日本最大の面積を有するマングローブ林が生育し、河岸の安定維持や生物多様性の維持等の機能のほか、近年は環境学習の場、レクリエーションやエコツーリズム等の観光資源としても重要視される等、マングローブ林は多くの役割を果たしています。

    当センターは、このようなマングローブ林の保全・保護活動に資することを目的に、マングローブ林の生育状況や生育環境が、どのように変化するのかを継続的に調査を行い、これからの隆替を知る手がかりとしてのデータを確保することとしています。

    本年度のモニタリング調査は、仲間川(南風見国有林173い林小班)に設定している調査区域が該当し、4月25日(月曜日)に調査木にタグ付けを行い、5月9日(月曜日)~10日(火曜日)にかけて、オヒルギ等の生育状況、稚樹の発生状況、光環境(開空度調査による)の変化、地盤高について調査を行いました。

    来年度は、仲良川のマングローブ林モニタリング調査を行うこととしています。

     


    生育状況の調査状況


    地盤高の調査状況

    日付

    令和4年4月21日

    タイトル

    沖縄森林管理署と合同で西表島横断道を確認

    コメント

    4月21日(木曜日)に沖縄森林管理署職員と合同で西表島横断道の確認を行いました。

    この横断道ですが、世界自然遺産地域のコア中のコアをひたすら歩きます。
    「景色はいいんですよね?」いいえ!景色がいいのは、序盤のマリュドゥの滝とカンピレーの滝、昼食休憩をするイタジキ川出会いぐらい、あとは亜熱帯の多雨林の中、アップダウンを繰り返しひたすら歩く。ゴールの大富口まで景色がほぼ変わらないのは、思っている以上に精神的に堪えます。
    「尾根を歩くのですか?」いいえ!ほぼ谷沿いを歩きます。
    「谷沿いを歩くなら、日陰で涼しいのですか?」いいえ!亜熱帯性気候ですので、涼しいところは殆どありません。

    “登山”のように、見晴らしのよい頂上があるわけではなく、あるのは西表島を横断したという達成感とほんの少しの希少な植物を見たという感動ぐらい(後半は、過酷が故に希少な植物まで目がいかない、写真撮影もままならないことがしばしば)。

    地元中学校の三大行事の一つにこの西表島横断がありますが、大人数で数珠つなぎになって、わいわいとしながら歩くのと少人数で歩くのでは、疲労度が全く違うように感じます。

    今回の参加者は、殆どが横断未経験者だったため疲労困憊のようでしたが、全員、無事踏破することが出来ました。

     


    横断道入り口


    この道標があと23箇所


    昼食休憩、既に疲労の色が見え隠れ


    昼食後、最大の難所にアタック

    日付

    令和4年4月18日

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    令和4年度西田川の利用状況調査(令和4年4月分)報告

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    4月18日(月曜日)今年度最初の西田川の利用状況調査を実施しました。

    当日の天候は、時折曇りましたが概ね晴れでした。
    車の外気温表示は午前10時点で25℃と4月13日(水曜日)のヒナイ川での入り込み調査同様でとても暑かったですが、サンガラの滝を吹き抜ける風はとても心地よかったです(まだ真夏の生暖かい風ではありません)。

    さて、調査の結果は、カヌーツアー1組の5名(ガイド含む)で県外からの観光客でした。
    なんと、昨日(4月17日)開催された石垣島トライアスロンに参加された方でした。トライアスロンをした翌日に、マーレのカヤック発着地点からカヤックを漕いで、サンガラの滝までの歩道を歩ける体力がともて羨ましいです。

    サンガラの滝は、ピナイサーラの滝ほど利用者は多くありませんが、静かで滝の流れる音や自然の音が沢山聞こえるので、ピナイサーラの滝と違った魅力があるように感じます。

    なお、4月期の利用者数は、昨年度同月と比較して同数の結果となりました。


    サンガラの滝

    日付

    令和4年4月15日

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    完成!!西表島植物かるた

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    令和2年6月から西表島の森林や樹木に親しみや興味が持てる森林環境教育の教材開発として、試作品や改良版を西表島島内4小学校、2小中学校(小学部)に配布し、教職員や児童の皆さんらの協力を得ながら取り組んできましたが、試作品等へのアンケート結果や実際にかるたを使用した際の感想、意見等を参考にし、この度「西表島植物かるた」が完成しました。

    試作品は「西表樹木かるた」という名称でしたが、改良版で樹木を軸に幅広く西表島の様々な植物に興味を持って貰うため「西表植物かるた」に名称を変更し、今回の完成版では“島”を入れ「西表島植物かるた」に更に名称を変更しました。

    また、この完成版では、試作品、改良版ともにどうしても印刷が名刺用紙だったため、用紙の厚みがなかった点や、取り札、読み札が別々の箱だったものを一つの箱に収納できるようにする点などが、改善されています。

    かるたに使用している植物の写真は、当時在籍していた当センターの職員が撮影したものです。読み札についても、全て当センターの職員が文章を考えました。

    今後は、協力いただい西表島島内4小学校、2小中学校(小学部)及び関係行政機関等に配布することとしています。

    “かるた”はお正月の風物詩かも知れませんが、お正月だけとは言わず、児童の皆さんが、いつでも楽しく西表島の植物を学んで貰える教材となることを願っています。


    西表島植物かるた

    日付

    令和4年4月13日

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    令和4年度ヒナイ川の利用状況調査(令和4年4月分)報告

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    当センターでは、平成17年8月からヒナイ川及び西田川を利用するカヤックツアー等の利用実態について調査(通称:入り込み調査)を実施しています。

    調査回数については調査開始当初から変遷を経て、現在、ヒナイ川は毎月、ピナイサーラの滝へ通じるカヤック係留地において、西田川は2ヶ月に1回の割合で、サンガラの滝において、利用するガイド等への聞き取り調査を行っています。

    この入り込み調査も今年度で17年目に突入しますが、早速、4月13日(水曜日)ヒナイ川の利用状況調査を実施しました。

    当日の天候は、概ね晴れでしたが、晴れているにもかかわらず、時折、何度か雨が降り、西表島のこの時期らしい天気でした。
    車の外気温表示は午前10時点で25℃と4月中旬ですが、春の終わりというより、初夏の気配といった感じでとても暑かったです。西表島はもう夏そのものです。

    さて、調査の結果は、カヌーツアー23組の107名(ガイド含む)で殆どが県外からの観光客でした。
    年間を通してピナイサーラの滝壺へのツアーが一番多いのですが、今回はピナイサーラの滝上及び滝壺ツアーも多かったです。

    なお、4月期の利用者数は、昨年度同月と比較して大幅に増える結果となりました。

     


    係留中のカヤック(下流の係留地点)


    係留中のカヤック(上流の係留地点)


    空は真夏の空模様


    帰りの途につく観光客とガイド
    ガイドさんポーズまでとってくれました

    日付

    令和4年4月8日

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    5年に1度の調査に向けて
    ~タシロマメ生育調査の事前踏査を実施~

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    タシロマメは海岸や河口の近くに生える高さ15mくらいになる常緑の高木です。材が堅くシロアリに強いことから建築材などとして利用されていましたが、明治初期までに激減しました。現在は絶滅危惧IA類に指定されていて、西表島でもなかなか見ることが出来ません。

    当センターでは平成19年度からこの希少なタシロマメの生育調査を5年に1回実施しており、今年度はその調査の年になります。

    調査に先立ち、4月8日(金曜日)に現地の状況を把握するための事前踏査を実施しました。当日の天候は晴れ。4月上旬と言えど、すでに初夏の陽気が漂っている西表島ですが、風が吹いてくれたこともあって踏査はとてもやりやすかったです。

    今後は、今回得られた現地の状況などを基にタシロマメの生育調査を実施することとしています。

     


    新たに発生したタシロマメの稚樹


    タシロマメの花(令和3年6月30日撮影)

    日付

    令和4年4月1日

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    3年間お疲れ様でした
    ~永山生態系管理指導官、新任地へ出発~

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    今回の4月1日付けの人事異動で、永山生態系管理指導官が九州森林管理局技術普及課の民有林連携担当の企画官として栄転されることになりました。

    永山指導官は、平成31年4月に屋久島森林生態系保全センターから当センターに赴任され、3年間当センターを引っ張って頂きました。

    業務では、世界自然遺産、エコツーリズム、フィールドトイレやイリオモテヤマネコをはじめとする希少動植物関連の会議出席等の外部対応やマングローブ林、巨樹・巨木の各種モニタリング調査等を担当いただきました。
    時に深夜12時に迫る長時間の会議にも嫌な顔を一つせずに出席する姿には頭が下がりました。

    出席する会議でも、世界自然遺産の既登録地である屋久島での経験談等を積極的に発言するなど、ただ会議に出席するということをしない姿勢は見習うところが沢山ありました。

    在籍中の2年間はコロナ禍でしたが、コロナを言い訳にしない担当業務の早期実行など、業務の遂行にかかる他職員のお手本にもなって頂きました。

    また、環境教育にも熱心で「西表植物かるた」の発案者であり、想像力や人とは違った視点には、いつもハッとさせられました(「西表植物かるた」の取り組みは、令和2年度 森林・技術交流発表大会(主催:九州林政連絡協議会)で最優秀賞を受賞し、令和3年度 国有林野事業業務研究発表大会(主催:林野庁)で全国森林レクリエーション協会会長賞を受賞しました)。

    さらに情報発信にも尽力いただき、今思えば、地域に根ざした国有林の体現者であり、職場内外を問わず“人との関わり”をとても大切にされていたように思います。

    4月からは、民有林連携担当の企画官ということで、持ち前のコミュ二ケーション能力を存分に発揮し、国有林と民有林の連携を加速させてくれると思います。

    西表森林生態系保全センターでの3年間の勤務お疲れ様でした。そしてありがとうございました。

     


    旅立ちの朝に職員全員で記念撮影


    新任地に向けて出発

    日付

    令和4年4月1日

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    69回
    ~発信(アウトプット)の大切さ~

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    “69回” これは令和3年度の当センターのトピックス記事の数です。

    Facebook、Twitter、Instagram、YouTube等が情報発信の手法として主流の今日では、ホームページ等での発信は古いのかもしれませんし、69回という回数も前述した手法からすると少ないのかもしれません。

    しかし、この69回の発信は、当センターの職員4人全員が“外部に向けて情報を発信する”ということを意識した結果であり、九州森林管理局管内のどの署等よりも沢山発信したと思います。

    年度途中に職員の一人が「ホームページで、参加した行事や実施した調査等を職場内・外に向けてもっと発信しなければいけないのではないか」との発言を受けて職員全員が発信を意識するようになり、徐々にトピックスの更新回数も増えました。

    ふと発信(アウトプット)することについて調べたところ、沢山のメリット(記憶の定着、文章表現力(伝える力)、思考力、客観視の向上等)があることが分かったと同時に、発信することは特別なことではなく日常的にあるものだと気づかされました。

    令和4年度も、この69回のトピックスに追いつけ、追い越せで、常に発信を意識し、センター職員全員で発信することに取り組んでいきたいと思います。


    西表島の国有林からの発信

    お問合せ先

    西表森林生態系保全センター

    ダイヤルイン:0980-88-0747