株式会社ウッドカンパニーニチナン、株式会社オロチの企業見学を行いました。
令和7年6月18日、株式会社ウッドカンパニーニチナン、株式会社オロチの企業見学を実施しました。1. 株式会社ウッドカンパニーニチナン
鳥取県日南町がかつて鉱山の町として栄えた際に、坑道を支えるため昔から日南町で栽培されていたカラマツは、スギやヒノキに比べて高いヤング係数(弾性係数)を持ち、木材の活用を増やしていく流れの中で求められる建材としての強度に優れています。ウッドカンパニーニチナンでは、日南町樹木育苗センターにおいて、このカラマツのコンテナ苗の生産に加え、少花粉のスギ・ヒノキのコンテナ苗の生産も行っています。最初にウッドカンパニーニチナンが行っている事業の説明を受けた後、同センターの設備を案内していただきました。ここでは最新の技術が導入されており、水撒きの負担を軽減するとともに、水をよく欲しがるが湿度があまり高い環境を好まないというカラマツの栽培を難しくしている特性に対応することができる自動灌水施設を備えた栽培棟や、発芽に適した環境をコンピュータによる管理で自動的に行える温度管理施設、種まきの負担を軽減する半自動播種機、成長段階ごとに栽培する区画を移動しやすい移動式栽培棚等を導入することにより、省力化、効率化を図っていました。


栽培棟 移動式栽培棚

カラマツコンテナ苗
2. 株式会社オロチ
株式会社オロチは、LVL(単板積層材)を主力商品とする企業で、西日本を中心に全国に出荷しています。オロチで使う丸太は主に日南町木材生産事業協同組合から供給されています。そしてオロチの工場は鳥取県日南町の山の中の木材市場、森林組合、チップ工場が並ぶ木材団地、日野川の森林(もり)木材団地の中に位置しており、輸送に際して生じる環境負荷を最小限に抑えています。
また、オロチではLVLに加工する際に出る木くずなども、工場内の木質ボイラーの燃料として用いたり、チップ材として販売、製紙工場に出荷するなどして、木材を活用しきっており、工場から出る産業廃棄物は、木質ボイラーで燃やした後に残る灰のみだとのことです。
これらの一連の流れを実際に見学させていただきました。


相見社長からの概要説明 ホットプレスによる積層接着

LVL(単板積層材)
林野庁にとって林業の成長産業化は喫緊の課題であり、それらに向かって様々な工夫で邁進する鳥取県内の2つの会社の方の意見や、実態を把握することは、当署の今後の業務を進めるうえで大変参考になるものでした。
お問合せ先
鳥取森林管理署
ダイヤルイン:050-3160-6125