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近畿中国森林管理局

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    生分解性コンテナで養成した少花粉スギ苗の植栽について

       スギ花粉症は、国民の4割が罹患していると言われ、春先になるとマスコミにも大きく取り上げられる「国民病」となっています。

       林野庁においても花粉発生源対策として、「花粉を飛散させるスギ人工林等の伐採・利用」、「花粉症対策に資する苗木による植替えや広葉樹の導入」、「スギ花粉の発生を抑える技術の実用化」を『3本の斧』と位置づけ対策を推進しているところです。

       鳥取県においても少花粉のスギ品種が開発され、普及に力を入れていますが、まだ、生産は少量にとどまっているのが現状となっています。
       また、県内の少花粉品種の生産は、新しい技術である「生分解性コンテナで養成した少花粉スギ苗(以下「生分解性少花粉苗」という。)」が主流となっていますが、生分解性コンテナの分解、苗木の生長など不確実な部分があることから事業段階での積極的な導入が図られていない状況となっています。

       そこで、今年度から当署と鳥取県林業試験場(以下「試験場」という。)が連携・共同し、事業レベルでの植栽において生分解性少花粉苗の生長を確認する実証試験に着手し、将来的な花粉症対策苗の普及促進へ向けて取り組むこととしています。

      ◆共同試験地(植栽箇所)概要
        所 在 地  西鴨国有林569い林小班(倉吉市関金町)
        面     積  1.15ha(プロット:3カ所)
        植栽本数 2,300本(2,000本/ha)

        試験地(植栽箇所)位置図(PDF : 1,494KB)

        試験地(植栽箇所)及びプロット詳細図(PDF : 534KB)   


       植栽する苗木については、鳥取県山林樹苗協同組合(以下「樹苗組合」という。)を通じ、県内で育苗された2年生の生分解性少花粉苗を植栽することとし、植栽に当たっては、県内の関係機関・団体の方にご協力をいただき、以下のとおり共同で植栽を行いました。

    1. 10月28日(木曜日)試験場から2名と当署職員5名で、苗木の調査(苗高・根際径の計測、コンテナ(根鉢)の確認等)を行った後、試験地内に設けたデータ収集のためのプロット3カ所に、240本の苗木を植栽しました。
       今後も、プロット内の生長量調査を試験場と協力し、令和7年度まで行う予定としています。

    【生分解性少花粉苗の調査】 【生分解性少花粉苗の根鉢】 【コンテナ苗用(150cc)植栽器】

     

    【プロット内の植栽状況】 【生分解性少花粉苗の植栽状況】 【生分解性少花粉苗の植栽状況】

     

    2. 11月1日(月曜日)に、樹苗組合(県内の5苗圃)から11名の方にお集まりいただき、植栽を行っていただきました。
       当日は、晴天で絶好の植栽日和となり、10時半からお昼を挟んで14時頃まで作業を行っていただき、約500本の植栽を行いました。
       日頃は、苗畑で苗木を生産している方達に、植付現場へ足を運んでいただき、一緒に植栽できたことは双方にとって良い機会となったと思います。
       植栽後は、意見交換会を実施し、苗木生産者の方達から貴重なご意見等をいただき、とても有意義な会となりました。
       今後も、需給調整を確実に行い、計画的な植栽を着実に実施していきたいと思います。

    【苗木を植栽地まで運搬】 【林森林官による植付説明】 【苗間、列間を測って植栽中】

    【植栽の状況】 【参加者で記念撮影】 【意見交換会の様子】



    3. 11月10日(水曜日)鳥取県の若手職員(県庁、県内の支所)13名にお集まりいただき、植栽を行っていただきました。
       あいにくの天候となりましたが、約600本の植栽を行っていただきました。

    【苗木について説明】 【植栽の状況】 【植栽の状況】



    4. 11月11日(木曜日)は、にちなん中国山地林業アカデミーの学生14名(引率1名)の参加を得て、植栽を行っていただきました。
       あいにくの天候となりましたが、約200本の植栽を行っていただきました。
       当署は、同アカデミーのサポートチームとして活動に協力しており、今後も、国有林のフィールドを活用した現地実習等を開催し、人材の育成に向けた取組を行って行きたいと思います。

    【植栽方法について説明】 【植栽の状況】 【植栽の状況】



    5. 11月12日(金曜日)は、環境省大山隠岐国立公園管理事務所から2名の職員に参加していただき、約60本の植栽を行っていただきました。

    【試験地の概要説明】 【植栽の状況】 【植栽の状況】


       この度、生分解性少花粉苗を植栽するにあたり、多くの関係機関・団体の方にご協力をいただき誠にありがとうございました。
       今後、生分解性少花粉苗の成長に伴い様々なデータを収集・検証して参ります。
       近い将来、国有林、民有林を含めた主伐・再造林箇所で、少花粉苗が植栽され、花粉の少ない森林へ転換できることを願っています。
      

    お問合せ先

    鳥取森林管理署

    担当者:業務グループ
    ダイヤルイン:050-3160-6125

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