シンポジウム「シカと森と人の葛藤」を開催しました。
シンポジウム「シカと森と人の葛藤」を平成25年2月23日、大阪市で開催しました。募集人員を大幅に上回る255名もの参加があり、ニホンジカの問題への関心の高さが伺われました。
近年、全国的にニホンジカが増加し、農林業被害だけでなく、ニホンジカの過度な採食によって森林生態系への悪影響を及ぼしています。その影響は、希少植物の減少、森林下層植生の衰退、生物多様性の低下、土壌の流出など多岐にわたっています。
シンポジウムでは、ニホンシカの生態、ニホンジカが及ぼす森林生態系への影響、全国各地のニホンジカ管理事例の紹介のほか、今年度策定した「大杉谷国有林におけるニホンジカによる森林被害対策指針」のPR、大杉谷国有林を含む森林におけるニホンジカの管理のあり方を論議しました。
第1部では、麻布大学の高槻成紀教授から金華山でのニホンジカの植物群落への影響を例に、シカとはどういう生き物なのかなど、信州大学の瀧井焼子氏から、長野県におけるニホンジカの季節移動、季節移動するニホンジカの中には、約30kmも移動することなど、神奈川県自然環境保全センターの田村淳氏からは丹沢山地での柵を使ってニホンジカの食害から森林を守る取組など、三重県宮川森林組合の岡本宏之氏からは、バッチディフェンスの活用による広葉樹育成の取組など、(一財)自然環境研究センターの荒木良太氏からは大台ヶ原でのニホンジカ生息密度管理の取組などについて報告されました。
また、第2部では、大杉谷国有林森林被害対策指針紹介の後、名城大学日野教授をコーディネーターに「増えるニホンジカから森を守る」をテーマにパネルディスカッションを行いました。
パネルパネルディスカッションでは、各パネラーが人と森の関係、森とシカの関係、シカと人の関係毎に意見を述べ、ニホンジカ対策には、優先順位を付け広域的な取組が必要であり、GISを利用した対策や行政の域を超えた地域一体となった取組が有効であることなど意見がありました
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近畿中国森林管理局長開催挨拶 |
パネルディスカッション |
●開催日:2月23日(土曜日)14時00分~17時00分
●開催場所:AP梅田(〒530-0002大阪市北区曽根崎新地2-3-21 axビル4F)
●対象者:一般の方および行政担当者
● シンポジウムタイトル
「 シカと森と人の葛藤-いかに森を育み、シカを管理するのか-」
※シンポジウム等開催報告書はこちらをご覧ください。(PDF : 342KB)
※講演要旨集はこちらをご覧ください。 (PDF : 415KB)
お問合せ先
箕面森林ふれあい推進センター
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