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近畿中国森林管理局

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    ESDユネスコ世界会議の併催イベントで報告 -箕面国有林における森林環境教育の取組-

    平成26年11月、名古屋市の名古屋国際会議場でESDユネスコ世界会議が開催され、持続可能な開発のための教育(ESD)の更なる強化と拡大のための緊急の行動を求める宣言が採択されました。箕面森林ふれあい推進センターでは、同会議に併催して森林環境教育の実践者や教育関係者が出席して開催されたESD交流セミナー「森林環境教育の充実とESDの推進(林野庁主催)」に参加し、当センターが箕面国有林で取り組んでいる、里山再生と森林体験学習の実践による森林環境教育について報告しました。

    ESDとは持続可能な社会創造のために自ら行動できる人材の育成

    ESD(Education for Sustainable Development)は、「持続可能な開発のための教育」と直訳され、2002年の「持続可能な開発に関する世界首脳会議(ヨハネスブルク)」で我が国が提唱しました。
    ESDとは、環境、貧困、人権、平和、開発といった現代社会の課題を自らの課題として捉え身近なところから取り組むことにより、それらの課題の解決につながる新たな価値観や行動を生み出すこと、そしてそれによって持続可能な社会を創造していくことを目指す学習や活動です。教育を単なる知識の伝達ではなく、自ら考え、他者とのつながりや多様な価値観の存在を理解し、問題解決に向けて自発的に行動する人材の育成を目指しています。

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    当センターから実践活動を報告

    ESD交流セミナー会場風景

    世界各国のESD紹介ブース

    ESDを体現する「森林体験学習」

    ESD交流セミナーにおいて当センター所長から、(1)当センター設置時に間伐体験や森林教室等を体系的に整理し直し、体験学習法の考え方を骨格にした、日常生活の実践に結びつくような動機付けが可能な森林環境教育を構築するため、平成17年から19年までの3年間に教育関係者など専門家とともに「森林環境教育プログラム」を実践し、その報告書を作成したこと、(2)里山再生の取組においては、当センターが取り組んでいる「オオクワガタの棲める森づくり」では、地域の伝統的な里山再生を、地域の住民やNPOと一体となって行ない、そこを森林体験学習のフィールドとして活用していること、(3)地元の教育委員会と連携して小学校の教員等を対象に森林環境教育セミナーを開催し、教育現場への働きかけにも取り組んでいることなどを報告しました。
    里山とは、森林を適切に扱うことで森の恵みを継続して得てきた森林であり、この森林内での様々な体験活動を通じて人々の日頃の生活と環境や森林との関係についての理解と関心を深める森林体験学習は、まさにESDの考え方を体現していると言えます。

     

    持続性という課題に貢献する「森林体験学習」

    当センターなど森林環境教育の実践事例の報告後、森林総合研究所多摩森林科学園の大石康彦グループ長を座長にして、当センター所長など実践事例報告者5名に林野庁森林利用課山村振興・緑化推進室長を加えてパネルディスカッションが開かれ、ESDの視点から見た各取組みの意義や、持続性という課題にどう貢献できるのかや、持続性の発展のアジェンタ(行動計画)において具体的に行動するための戦略などについて議論しました。最後に、(1)森林環境教育には幅広い市民が関わってきていること、(2)体験型の活動は人間形成や、行うことが環境貢献につながるESDであること、(3)生産の場である森林と利用の側である市民がつながっていることは持続可能につながる環境資源のテーマであること、(4)森林・林業が本質的に備えているのが「持続性」であり、多様な森林を資源としても享受しながら維持していく行動はESDの典型として誇って良い、の4点を全員で認識し、これから共に進んでいくことを確認しました。
    当センターにおいても、当セミナーで評価されたこれまでの取組を継続し、今まで以上に地域や関係機関と連携して、ESDの考え方を意識した森林体験学習の推進を図っていきたいと考えています。

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    箕面国有林での実践「森の探検隊」

    ESDユネスコ世界会議会場

    (名古屋国際会議場)

    名古屋市営地下鉄のポスター

    お問合せ先

    箕面森林ふれあい推進センター
    ダイヤルイン:050-3160-6745
              FAX:06-6881-2055
    メールアドレス:kc_fureai@maff.go.jp

    郵便番号530-0042
    大阪市北区天満橋1丁目8-75
    近畿中国森林管理局庁舎3階