近畿中国森林管理局では、国有林について地域の皆様に知っていただくとともに、双方向の情報・意見の交換を図り、ご意見やご要望を国有林行政に役立てることにより、開かれた「国民の森林」にふさわしい管理経営を行うことを目的として、管内65名の方に「国有林モニター」をお願いしています。
今回、管内の中国地方と兵庫県にお住まいのモニターのうち、9名の方にご参加いただき、今年度第2回目のモニター会議を10月26日に広島県で開催し、広島森林管理署管内において現地見学及び意見交換会を実施しました。
はじめに、野路山(のろさん)国有林(呉市)において列状間伐の実施箇所を見学しました。列状間伐とは、文字どおり植えた木を縦の列に沿って全て伐採するもので、間伐木の決定が簡単で、伐採・搬出が容易であること等から、作業効率の向上・間伐作業のコスト削減ができることが大きな特徴ですが、視察の結果、効率的な作業方法に関心をお持ちいただく一方で、「伐採した列が集中豪雨等により水道(みずみち)となり、土砂崩れの要因になるのではないか」、「伐採する列は等高線に沿って配置すべきではないか」といったご意見等を頂きました。
また、間伐を実施していない森林と実施した森林を比較し、「これまで資料等で林内の明るさや下層植生の状況の違いを見聞きしていたが、実際に見てみると、こんなに違うものかという驚きと、間伐の必要性を改めて感じることができた。」との感想も頂きました。
このほか、冨田広島森林管理署長からは、今年8月に広島市で発生した山地災害について、早期復旧に向けた取組を職員全員が一丸となって進めていることへの実感のこもった説明に、各モニターの皆様は真剣に耳を傾けていただいていました。
次に、大積山(おおずみやま)国有林(呉市)では、現代の林業において、造林、保育、素材生産等の施業を効率的に行うためのネットワークであり、最も重要な生産基盤である「路網」をテーマとして、林業専用道の施工地を見学しました。なお、林業専用道とは、普通自動車(10トン積程度のトラック)や林業用車両の走行を想定した道であり、路網の一部を構成するものです。
また、広島森林管理署で行っている、鉄鋼製造工程において副産物として発生する「鉄鋼スラグ」を活用した軟弱路体の改良、維持管理等のコスト削減に向けた林業専用道の技術開発の取組についても知っていただきました。
その後、広島森林管理署において意見交換を行いました。
意見交換では、
木材のマテリアル利用による利用拡大を進めて欲しい。
木質バイオマス発電による安定的な電力供給に期待している。
木材の利用にあたっては、ハウスメーカー等と連携し、もっとPRする必要がある。
モニター会議等のミーティングを各署単位で行って欲しい。
次世代の未来を担う子供たちに、もっと情報発信すべき。
やさしい言葉を使った説明に努めて欲しい。
産業を創出するコーディネーターの役割を担って欲しい。
などのご意見をモニターの皆様から頂いて、活発な意見交換が行われました。
今回の会議で得られた貴重なご意見・ご要望については、今後の国有林野の管理経営に反映させるよう努めていきたいと考えています。
野路山国有林での管内概要の説明の様子 |
大積山国有林での林業専用道の説明の様子 |
意見交換の様子 |
お問合せ先
総務企画部 企画調整課 林政推進係ダイヤルイン:050-3160-5685