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関東森林管理局

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    森林整備の取り組み

    森林の多面的機能の発揮

      森林は、国土の保全、水源の涵養、地球温暖化の防止、生物多様性の保全、木材等の林産物供給などの多面的機能を有しており、その発揮を通じて国民生活に様々な恩恵をもたらす「緑の社会資本」です。
      将来にわたって持続的に多面的機能を発揮できるよう、多様で健全な森林へと誘導する必要があります。 森林の多面的機能発揮のためには、間伐や主伐後の再造林といった森林整備により、健全な森林を育てることが必要です。
    【森林整備の一例】



    人工林の主伐・再造林(充実した森林資源の循環利用)

      人工林の多くは利用期を迎えており、森林の整備に当たっては、充実した森林資源を積極的に活用しながら、計画的に再造成を行い、森林の有する多面的機能の発揮を図ることが重要となっています。これにより森林の若返り健全な森林を育てることがでます。



    林産物の供給

      国有林野事業においては、公益重視の管理経営を一層推進しつつ、機能類型区分に応じた適切な施業の結果得られる木材については、地域における木材の安定供給体制の構築や木材利用の促進等が図られるよう、地域や樹材種ごとの木材の価格、需給動向を把握しつつ、持続的かつ計画的な供給に努めています。
      国有林野の林産物の供給に当たっては、より効率的な事業運営を図る観点から原則として立木販売によることとし、高付加価値が期待できる高品質材等の供給や、森林整備事業による間伐材等の利用促進に当たっては、列状間伐や路網と高性能林業機械を組み合わせた現地に適した低コストで効率的な作業システムを採用しつつ、素材(丸太)販売により実施しています。
      素材の販売に当たっては、木材市場等を活用するとともに、国産材の需要拡大や加工・流通の合理化等に取り組む集成材・合板工場や製材工場等と協定を締結して需要先へ直送する「システム販売」に取り組んでいます。
    (列状間伐)

    (高性能林業機械)

      国有林材の安定供給システム販売(以下、「システム販売」)は、需要者と事前に安定供給の協定を締結し、丸太等を直接安定的に供給する販売方法です。地域の林業・木材産業の活性化や新たな需要開拓に貢献できるよう、今後より一層推進していきます。⇒関東森林管理局安定供給システム販売


    モザイク状の伐採、渓畔林保護樹帯の育成等

      富士山国有林では、約500haのヒノキ人工林が伐採適期を迎えることから、次世代の森林の多様性を高めるため、以下のとおり林齢の異なる人工林への誘導や広葉樹の導入などを計画的に進めています。
      主伐、再造林をモザイク状に実施しています。人工林のヒノキの伐採後は、沢沿いの一部を現地固有の広葉樹に樹種転換するなど渓畔林保護樹帯を育成し、生物多様性の保全等の向上を図っています。

    モザイク

    保残木

    保残木の状況




    花粉対策苗の植栽、樹種転換による対策

      国有林野事業では、花粉の少ない森林への転換に取り組んでおり、静岡森林管理署で植え付けるスギ及びヒノキの苗木は、すべて花粉の少ない苗木(注1)を導入しています。
      注1 花粉の少ない苗木:無花粉苗木、少花粉苗木、低花粉苗木及び特定苗木(注2)を指します。
      注2 間伐等特措法に基づく成長が良く、花粉も少ない苗木。
      令和5年度からは、静岡県内の苗木生産者と連携し、国有林内で植栽するスギの全量を、成長に優れ、下刈の省力化が期待できる特定苗木に転換しています。
      また、早生樹であるテーダマツは、成長速度が非常に早く30年程度で伐採可能であり、シカ被害も受けにくいという特性を持っており、静岡森林管理署でも植栽を行っています。

    エリートツリー特定苗木植栽箇所(大代国有林)

    超緩効性肥料を用いたエリートツリー等コンテナ苗の活用

       林野庁では、全国共通の技術開発の課題として、植栽後も効果を発揮する超緩効性肥料を用いた特定苗木の成長促進効果、植栽適地等の検証(令和7年度から令和12年度)を行うとともに、5年後の実用化を念頭に再造林の低コスト化の可能性について検証を行うこととしており、富士山国有林が試験地の一つに設定されています。
      令和7年度は、植栽した特定苗木の調査等を進めていきます。

      令和6年度
      試験地設定(区域設定、プロット設定、植付箇所明示)
      令和7年度
      植栽(試験地基礎調査を含む。)
      調査(雑草木調査、下刈り調査、育成状況調査、林況写真撮影、ドローン空撮)

    肥料1

    超緩効性肥料の散布状況

    肥料2

    下刈作業の省力化

       従来の下刈(全刈)は林地全体に対して下草をすべて刈払う方法により実施していますが、筋刈りは苗木と苗木に挟まれた部分を交互に刈払い、刈払い量を少なくすることで省力化を図る取り組みです。 富士山国有林で実施しており、効果等を検証していきます。

    OWL(地上型3Dレーザースキャナ)の導入

      国有林では、立木材積の計測について、効率化、省力化を目指して、森林3次元計測システム「OWL」(アウル)の導入を進めています。
      現在、立木材積の計測は、輪尺(りんじゃく)による直径計測、測竿(そっかん)による樹高計測を人力により行い、測定数値を手入力で集計し材積を求めています。
    「OWL」は、それらの計測を赤外線レーザーで行い、取得したデータをパソコンソフトで解析、立木材積を算出します。これにより従来の作業に比べ、人手と手間を大幅に縮減できるメリットがあります。
      静岡森林管理署においても、職場内研修を実施し実際の収穫調査業務に活用していきます。

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