森林事務所です
静岡森林事務所(静岡市)
私の勤務する静岡森林事務所は、静岡市の北部、安倍川・興津川の源流域と北は山梨県に接する脊梁地帯約4,200haの国有林野を管轄しています。森林事務所は静岡市内の閑静な住宅街の中にあります
安倍川は山梨県境から駿河湾までの約50km、標高差2,000mを一気に流れ下る日本有数の急流河川です。
その源流部の梅ヶ島国有林は、奥大井県立自然公園に指定されている箇所があり、安倍峠の周辺においては安倍川の水源地や「安倍峠オオイタヤメイゲツ希少個体群保護林」といった手つかずの自然が残されています。
また、山伏(標高2,013m)から奥大光山(標高1,620m)にかけての山梨県境に接する尾根の大部分が国有林となっており、ここを多くの登山客が訪れています。安倍峠のオオイタヤメイゲツ
もう一方の興津川源流部の大平国有林は、山梨県境南側に位置し、県の天然記念物に指定された「大平のコウヤマキ(根廻り8.8m、樹高17m)」が有名です。山梨県境の田代峠方面に向かって東海自然歩道も通っており、こちらも山を楽しむ入林者が多いです。
どちらの国有林も古くから台風等の自然災害や、糸魚川ー静岡構造線周辺のもろい地形による浸食を受けてきた歴史があり、昭和30年から民有林を買い上げ、国有林治山事業を行っています。急峻な地形にあり、森林の約8割が天然林です。国有林野治山事業現場
主な業務としては、境界の管理、林野巡視、貸付地の現地確認を行っており、森林整備事業は現時点ではなく、国有林野の管理が主な業務となっています。貸付地(高圧送電線建替工事用地)の現地支障木伐採状況確認
管内はヤマビルが大量に生息している地域です。国有林の林道入口ゲートに到着した時点から、ヤマビルが入ってきやすい足元と手首を中心に、虫よけスプレーまたはヒル忌避剤を塗って対処しないと、すぐに上がってきます。
私も着任から2ヵ月で2回刺されました…
また、山に行くたびにほぼ必ずと言っていいほど、ニホンジカを見かけます。
造林地がないこともあり、職員実行での捕獲や獣害防護柵等による防除は行っていませんが、シカの食害により、山伏や安倍峠周辺で下層植生が育たない状況が続いていることから、何かしらの対策を検討しているところです。山伏の下層植生の状況
静岡森林事務所の管轄地域(緑色が国有林)