国有林内の試験地にある無花粉スギの新品種について現地視察を行いました
静岡県島田市の大代国有林内にある無花粉スギの試験地において、静岡県農林技術研究所森林・林業研究センターと他機関が調査を行っている無花粉スギが新品種となりました。
静岡森林管理署では、研究機関等の団体からの要請に基づき、その試験地として国有林のフィールド提供を行っています。
この試験地は、令和元年に静岡県農林技術研究所森林・林業研究センター長と静岡森林管理署長の間で締結された「国有林を活用した低コスト造林及び花粉症対策の共同研究に関する協定」に基づき、設定されました。
令和元年7月には、同研究センターと当署の職員により、富山県の無花粉スギ、東京都の精英樹、静岡県の精英樹を材料とした交配によって作出した無花粉スギコンテナ苗約300本の植栽が行われました。その後、同研究センターにより令和元年から令和6年にかけて、若齢期の成長と材質の調査が行われました。今後も調査研究が行われる予定です。
令和6年までの調査データから、花粉症対策品種として有望な無花粉スギの候補木が選抜され、森林総合研究所林木育種センター優良品種・技術評価委員会による評価により、令和7年2月28日に「心晴れ不稔6号」と「心晴れ不稔7号」が新品種となりました。
令和7年10月16日、現地において、同研究センターから試験地の現況や新品種となった無花粉スギについて説明していただきました。

試験地の概要について説明
試験地内の植栽木は、植えられてから6年ほどしか経過していませんが、樹高は5m以上のものがほとんどでした。植えた当時の苗木の高さは50cm程度だったそうで、成長が良いことが実感できました。

無花粉スギ「心晴れ不稔6号」

無花粉スギ「心晴れ不稔7号」
新品種として評価されるには、成長の良さ以外に、幹の通直性や応力波伝播速度等の材質の良さも必要になるとのことでした。

無花粉スギ「心晴れ不稔7号」の葉
案内していただいた無花粉スギの中には、雄花や球果が付いているものもありましたが、花粉は形成されていないそうです。

無花粉スギについて説明
当署では、森林・林業に関する技術の発展のため、このような調査研究を行う機関に対して、今後も国有林のフィールドの提供を行ってまいります。

見上げるほどに成長した試験地の無花粉スギ
お問合せ先
静岡森林管理署
担当者:業務グループ 森林ふれあい担当
ダイヤルイン:054-254-3401




