鋼製板谷止工（セルダム）

• 渓流内に円柱状の茶色い治山ダム構造物が、鋼製谷止工です。
• これは、鋼製の板（鋼矢板）を円形に組立て、土砂を中に詰める構造で、通称セルダムといいます。
• 写真には2基の完成状況が写っていますが、構造は、主に3つの円柱状構造物を1組としており、水の流れる中央（放水路）は一段低く、コンクリートで蓋をします。
• また水の流れない両端は上部に芝を張って緑化します。
• それでは、どのように作られていくのか、写真に沿って紹介します。

• 施工前の状況です。
• 写真右が下流、左が上流です。
• 左岸側には、土砂崩壊後、河道を確保するために仮設した大型土のうと治山資材運搬路があります。

• 床堀状況です。
• セルダムの基礎地盤となる部分をバックホウにより掘り下げ、均一な面を作ります。
• 床堀した土砂をダンプで運搬し一時仮置きします。

• 床堀完了です。
• 平らになった床堀面に、赤い色つけされた円が、セルダムを施工する箇所になります。

• 型枠設置状況です。
• セルダムの基礎となるコンクリート（基礎コンクリート）を作るため、赤いスプレーに沿って、コンクリートを入れるための型枠を設置している状況です。

• 型枠設置完了です。
• 基礎コンクリート用の型枠は、直径約10mのドーナツ状となっています。

• コンクリートを入れている状況（コンクリート打設）です。
• 型枠内にコンクリートを流し込み、均一にならしながら仕上げていきます。

• コンクリートの養生中です。
• 打設したコンクリートが充分に固まるまでシートで覆い保護（養生）します。

• 基礎コンクリート完了です。
• 充分に固まった基礎コンクリートの上面に沿って、鋼製の板（鋼矢板）を設置していきます。

• 鋼矢板の設置状況です。 
• 底面通し材を基礎コンクリートに沿って設置し、長さ1mに切りそろえた鋼矢板を設置していきます。

←【基礎コンクリートの上に載っているのが底面通し材で、鋼矢板のレールのような役目です。】

• 鋼矢板の両端にあるツメとツメを合わせながら、上部から差し込んでいきます。
• 隣の鋼矢板と高さを50cmずらし、互い違いになるよう設置し、円を描くように連結させていきます。

• 中詰状況です。
• 鋼矢板が円状に連結できたら、現地発生土を円の中に投入していきます。

• ここの現場では、中詰土高さ25cmごとに締固めを行っていきます。
• 写真は25cmまで締固め完了です。

• 締固め状況です。
• 振動ローラやランマにより均一に締固めます。

• 50cmまで締固め完了です。

• 鋼矢板設置、中詰材投入、締固めの作業を繰返し高さを上げていきます。

• 計画した高さまで到達したら鋼矢板上部に堤冠材を取付けます。

←【堤冠材は鋼矢板の先端を覆うようにボルトで固定します。】

• 放水路部の堤冠材取付け完了です。

• 放水路部中詰完了です。

• 放水路部に鉄筋を配置していきます。

• コンクリートを打設します。  

• 放水路部のセル完成です。

• 左岸袖部中詰完了です。
• コンクリート打設した放水路部より3m高くなっています。

• 袖天端に芝を張り付け、セルダムが完成しました。

• セルダム設置前の状況です。

• セルダム完成後の状況です。