大型鉄線籠谷止工（大型組立網）

概要

• 大型組立網 は、直径8mmの亜鉛めっき鉄線を加工し、枠材に棒鋼を採用した大型ふとんかご工法です。
• ひし形に加工した金網と石を用いて作るため、透水性・排水性に優れている構造となっています。

(施工地：群馬県甘楽郡下仁田町)

この谷止工は、地盤条件が悪い箇所にも柔軟に対応でき、部材が軽量であることから、運搬が容易であり養生管理が不要のため、冬期間での施工も容易であるといった利点を持っています。 写真の箇所も、土砂災害が発生した箇所で、早期な対策が必要であり、地盤条件や湧水等の発生から排水性、柔軟性の利点も持っている大型鉄線籠谷止工を設置しています。

施工前

災害発生状況です。 平成19年の台風9号で山が崩れ、土砂が流出しました。

谷止工を設置する箇所の、左岸→右岸の着手前の状況です。（治山では上流から下流を見て左手が左岸、右手が右岸といいます）

床堀

床堀状況です。

掘削面の整形作業です。 掘った面を平らにする作業です。広いところは機械を使い、端などは人の手で仕上げていきます。

床堀完了です。

本体施工（組立・詰石）

1段目の基礎部に組立網の設置状況です。 基礎底面に吸出防止マットを敷き、その上に網を組立てて設置完了です。 組立網の中に石を詰めていきます。

詰石完了です。 石を組立網内に投入して基礎部の完成です。 組立網の高さは1mで、この組立網の上に網を組立て詰石し、1mごとに高さを上げていきます。

4段目の網の組立状況です。 谷に設置しているため、高さが上がるごとに組立網の延長は長くなっていきます。 上下段の組立網はUクリップで連結され、一体となった構造となっています。

詰石状況です。 バックホウにより組立網内に投入後、人の手により一手間かけて表面をきれいに並べます。

4段目、詰石完了です。 基礎部から4mの高さまで完成です。

5段目完了

6段目完了

7段目完了

8段目完了

9段目の網の組立状況です。 谷止工の一番上にあたる部分（「天端」と言います）の網を8段目の網とUクリップで連結し、石を詰める枠を作っていきます。

詰石完了です。 割石を組立網内に投入し、網でふたをして谷止の完成です。 組立網の高さは1mで、この組立網の上に網を組立て詰石し、1mごとに高さを上げていきます。

施工後

完成状況です。（右岸→左岸）

完成状況です。（上流→下流） 谷止工の設置により、崩れた山の末端が固定され、崩れた土砂の移動を防止することができています。