玉ねぎネットを利用したシカ被害対策
群馬森林管理署では、令和元年度からシカ被害対策の低コスト化に向けて安価で簡単に入手できる『玉ねぎ包装用ポリネット』を利用した単木保護資材(玉ねぎネット資材)を試作・開発してきました。こちらのサイトでは、これまでの開発経緯や普及に係る取り組みについて、情報発信いたします。
玉ねぎネットを利用した単木保護資材の製作手順/動画を作成しました【令和6年(2024)7月2日】
群馬森林管理署で試作・開発を行ってきた『玉ねぎ包装用ポリネット』を利用した単木保護資材(玉ねぎネット資材)について、このたび製作手順をとりまとめた動画を作成しましたので、ご紹介します。
「玉ねぎネットによる単木保護資材のつくり方」
ぐんまフォレスター連絡会「技術交流会(玉ねぎネットによるシカ被害対策)」を開催しました【令和6年(2024)6月5日】
(第1部:玉ねぎネット資材の製作風景)
(第2部:製作した玉ねぎネットを現地に設置)
日時・場所
令和6(2024)年6月5日(水曜日)
第1部10時00分~11時30分関東森林管理局講堂(前橋市岩神町4ー16-25)
第2部14時00分~15時15分群馬県安中市西上秋間臼沢国有林
参加者
群馬県、森林整備センター、市町村、森林組合、林業事業体、林業関係機関、関東森林管理局・署の職員計95名
レポート
令和6年6月5日(水曜日)『玉ねぎネットによるシカ被害対策』をテーマにぐんまフォレスター連絡会による技術交流会を開催しました。技術交流会は2部制で開催し、第1部では、令和元年度から群馬森林管理署で開発・検証を行ってきた『玉ねぎ包装用ポリネット』を用いた単木保護資材(玉ねぎネット資材)をご紹介し、実際に、参加者の皆さんに玉ねぎネット資材を製作していただきました。その後、第2部では、場所を安中市の国有林に移し、第1部で製作していただいた玉ねぎネット資材を植栽木に設置しました。
なお、技術交流会の当日の様子とこれまでの開発経緯等をとりまとめたスライド発表について、それぞれ動画を作成しましたので、ご視聴ください。
令和6年度ぐんまフォレスター連絡会技術交流会「玉ねぎネットによるシカ被害対策」
令和6年度ぐんまフォレスター連絡会技術交流会「玉ねぎネットによるシカ被害対策」スライド発表
玉ねぎネットを利用した単木保護資材の製作手順、仕様書、作設標準図を公開します
群馬森林管理署では、シカ被害対策の低コスト化に向け、安価で簡単に入手できる玉ねぎ包装用ポリネットを利用した単木保護資材を試作・開発しました。開発初期の試作品で生じた植栽木の曲がりを解消するため、ネット上部に円環状の補強部材を取り付けるなど、改良を重ね、このたび実用化にたどり着いたところです。
つきましては、玉ねぎ包装用ポリネットを利用した単木保護資材の製作手順、仕様書、作設標準図を公開します。ライセンスフリーとしていますので、どなたでもご自由にご利用ください。
1 材料
ア 玉ねぎ包装用ポリネット
市販されている一般的なポリネットを使用します(サイズ:幅42cm、長さ82cm)。
「野菜ネット」と呼ばれている場合もあります。
イ 竹杭
長さ200cm、太さ18~20mm
ウ ダブルクリップ
規格:超特大、クリップ幅:51mm、綴じ枚数:200枚
エ 針金
線径 ♯12 (約2.6mm)
2 製作手順
(1) 【事前準備】針金を切る
(ア)長さ110cm程度で針金を切断します。(イ)切断した針金は輪状に成形します。
(2) 【事前準備】針金を玉ねぎネットに縫い付け
(ア)玉ねぎ包装用ポリネットの袋の底を切って筒状にします。
(イ)筒状になったポリネットの開口部に沿って、7~8箇所、針金を縫い付けるように網目を通します。
(3) 【現場作業】竹杭にダブルクリップを取り付け
(4) 【現場作業】針金を付けた玉ねぎネットを竹杭に取り付け
(ア)針金を端から10cmのところで折り曲げます。
(イ)針金の両端をダブルクリップと竹杭の隙間に差し込みます。
(ウ)ダブルクリップに差し込んだ針金が抜けないように折り返します。
【参考】針金・ダブルクリップの取付状況(玉ねぎネット無しの状態)
(5) 【現場作業】竹杭に取り付けた玉ねぎネットを苗木に設置
(ア)苗木が玉ねぎネットの中央に来るように、竹杭を挿し込みます。
(イ)挿し込み深さは、40cm以上となるようにしてください。
地際は隙間が空かないように設置してください。
(6) 最終チェック・完成
針金を水平にし、玉ねぎネットが皺にならないようにきれいに円筒形に整えてください。
以上で完成となります。
仕様書・作設標準図は、こちら(PDF : 220KB)