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関東森林管理局

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    「伐採と造林の一貫作業システム」の現地検討会を行いました(令和3年10月5日)

      群馬森林管理署では、、伐採に使用した林業機械で地拵えなどの造林作業を行い作業コストの縮減を可能とする「伐採と造林の一貫作業システム」の導入を推進しており、令和3年10月5日に、長野県佐久穂町の林業事業体である(株)吉本の協力により、「群馬県フォレスター等民国連携推進連絡会」(会長:群馬森林管理署長)の取組の一環として、群馬県、群馬県内市町村、林業事業体、森林管理局署等の約100名が参加する現地検討会を開催しました。

      従来は、伐採作業と造林作業を別々の事業体が行うことが多く、伐採後、一定の期間を置いた後に地拵え作業を実施していました。また、地拵えや植栽現場への苗木運搬は人力のため、多くの労力と時間を要していました。

      これに対して、「伐採と造林の一貫作業システム」は、木材の伐採や搬出に使用したグラップル等の林業用機械を用いて、伐採後すぐに伐採跡地に残された末木枝条を除去する地拵えを実施し、さらに、これらの機械で苗木を運搬した上で、植栽を行うものです(図1)。このため、伐採作業と造林作業を同じ事業体が実施でき、地拵えから植栽までの工程を省力化し、作業コストを大きく縮減することが可能となります。さらに、林業の現場で重要な課題となっている労働安全性の向上にも資する作業システムです。

    図1
    図1  「伐採と造林の一貫作業システム」の仕組み


      回は、(株)吉本が独自に製作したレーキをグラップルに装着(写真1)し、効率的に地拵えを行う様子を見学し、意見交換を行いました。レーキを取り付けた長さ8mの丸太をグラップルで保持することで、短時間に広範囲の末木枝条をかき集めることができます。人力地拵えが20人/haであるのに対し、5人/haと4倍の効率化が図られています。さらに、レーキで表土を剥ぐことから、下刈り回数を2回へ削減できるとともに、下刈り作業の支障となる末木枝条がないため下刈り作業の効率化が図られます。

     写真1
                                               写真1  独自に開発したレーキを装着するグラップル 

     写真2
              写真2  レーキによる地拵え

     
      参加者からは、「群馬においてもレーキによる機械地拵えを導入したい」、「林業機械本体に比べれば、レーキの製作は安い投資で高い効果が得られる取組だ。使用すると手作業には戻れないかもしれない」、「ロングリーチのグラップルにレーキを装着すれば、機械地拵えのための作業道が不要となるメリットがある」、「多くの労力と時間を要する下刈りの回数を削減できるのは魅力的なシステムだ」などの感想がありました。
      林業機械を囲んで活発な意見交換が行われるなど、新技術への関心の高さがうかがえました(写真3)。

        
    写真3
              写真3  レーキを囲んでの意見交換


      林業の現場が機械化の進展により大きく変わろうとしています。群馬森林管理署では、林業機械を活用した再造林作業の手順や方法等について更に検討し、広く発信していきます。

    イベントレポート一貫作業システム現地検討会(PDF : 473KB)

    お問合せ先

    群馬森林管理署

    担当者:森林技術指導官、地域林政調整官
    ダイヤルイン:027-210-1203