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関東森林管理局

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    3Dwalkerの現地試行を行いました(令和3年7月21日)

      関東森林管理局と群馬県では、地理空間情報やICT等の先端技術を駆使し、生産性や安全性の飛躍的な向上、需要に応じた高度な木材生産を可能とする「スマート林業」を推進しています(参考12参考2)。

     令和3年7月21日に、群馬県林業試験場と磯村産業株式会社とが共同で取り組んでいる「中規模木造建築等に適した長尺大面積寸法の特殊用材の供給」にかかる研究(参考3)の一環として、「大径長尺材を生産可能な大径木を狙ったレーザー測量方法の検討」について、関東森林管理局に配備された3Dwalkerの現地試行を実施しましたのでご紹介します。

    今回の現地試行は、地域の森林・林業の活性化や課題の解決に向けて、関東森林管理局と群馬県とが令和3年3月に設立した「群馬県フォレスター等民国連携推進連絡会」(会長:群馬森林管理署長)(参考4)の取組の一環として開催し、群馬県14名、森林管理局17名、森林整備センター1名の計32名が参加しました(写真1、2)。

    写真1
    写真1:群馬県フォレスター等民国連携推進連絡会長
    (群馬森林管理署長:井上康之)挨拶
    写真2写真2:群馬県林業試験場担当者から取組内容の説明


       3Dwalkerは、地上レーザー測量機器の1つです(写真3、4)。

              写真3
    写真3:3Dwalker(背面から撮影)
    写真4
     写真4:3Dwalker(拡大)

      計測した森林資源情報を膨大な「点群データ」にデジタル化して専用のソフトウェアでデータを解析することにより、地形や立木の位置、本数、樹高、直径等の情報を一覧表と位置図で表示することができます(写真5)。

              写真5-1
              写真5:専用ソフトによる森林情報の表示
                          (一覧表と立木位置情報)※イメージ 
    写真5-2
    ※青線は歩いた軌跡

      また、単木ごとに3D表示することができ、画面内で回転表示や各部位の長さの計測が行えます(写真6)。別のソフトウェアを使うことで、PC上で現況を3Dで再現し、視点を自由に動かして表示することにより、現地の状況を視覚的に再現・共有することができます(写真7)。

              写真6
                写真6:単木ごとの3D表示 
           ※イメージ
    写真7
    写真7:現況の3D表示
    (現地試行当日に取得したデータから作成)

      従来の林業の現場では、立木の樹高と直径を一本一本計測して野帳に記入し事務所に戻ってから手入力で一覧表を作成していましたが、3Dwalkerは林内を一定の間隔(20~30m)で歩行することにより計測範囲内の立木情報を表形式で取得することが可能で、森林現況の把握や収穫調査の効率化、省力化が図られます。さらには林業の現場で重要な課題となっている安全性の向上に資するツールとしても期待されています。

      群馬県林業試験場と磯村産業株式会社とが共同で取り組む研究課題は、こうした3Dwalkerの利点を活かし、新たな木材需要の創出において注目される中規模建築等をターゲットに、森林内の立木の状態で、長尺大径材として活用できる木の位置や径級、長さ等をデジタル情報として管理することにより、建築士や施主等が必要としている大径長尺材を需要に応じて伐採、採材する体制を確立し、高付加価値を付けた木材販売を実現する取組です。

      当日は、群馬県林業試験場の担当者と参加者が実際の作業を想定した「搬出路~単木間」及び「単木」を対象とした地上レーザー測量を実施しました(写真8)。

              写真8
              写真8:3Dwalker現地試行の様子(テープを巻いた立木が調査木のうちの1本)

      今回参加者が取得したデータは、今後、群馬県林業試験場において解析し、レーザーが到達した地上高を確認するとともに、地上高8mや10mでの直径の確認等、立木の高精度・高効率な管理手法の確立に向けて、検討を行うこととしています。

      3Dwalkerを体験した参加者からは、「機械はそれほど重くはないが姿勢を一定に保つのが大変だった。」、「今まで一本一本人力で計測していたのに比べれば省力化が期待できる。」などの意見がありました。現地試行終了後も3Dwalkerを囲んで活発な情報交換や意見交換が行われるなど、関心の高さがうかがえました(写真9)。

              写真9
              写真9:3Dwalkerを囲んで情報交換

      今、3DwalkerをはじめICT等の先端技術の発展により、林業の現場が大きく変わろうとしています。

      関東森林管理局では、今後、3Dwalkerを活用した実際の業務における手順や方法等についても検討し、関東森林管理局森林・林業技術等交流発表会等の場を活用して発信していくこととしています。



    【参考】

    参考1 林野庁HP:スマート林業の実現に向けた取組について
    https://www.rinya.maff.go.jp/j/keikaku/smartforest/attach/pdf/smart_forestry-63.pdf

    参考2 群馬県HP:群馬県森林・林業基本計画
    https://www.pref.gunma.jp/04/e30g_00142.html

    参考3 群馬県HP:林試だより第79号(トピックス:群馬県中規模木造建築研究会)
    https://www.pref.gunma.jp/contents/100182488.pdf

    参考4 関東森林管理局HP:群馬の国有林(トピックス:群馬県フォレスター等民国連携推進連絡会)
    https://www.rinya.maff.go.jp/kanto/press/gunma/attach/pdf/210520-1.pdf

    お問合せ先

    群馬森林管理署

    担当者:群馬県フォレスター等民国連携推進連絡会事務局(地域林政調整官
    ダイヤルイン:027-210-1203