”国有林治山・林道工事意見交換会(選ばれる森林土木)とのコラボ企画”『木杭根系工法』治山現地検討会を開催しました!
近年、集中豪雨に起因した山腹崩壊などの山地災害が各地で発生しています。 山地災害から国民の大切な生命や財産を守り、災害に強い森林の造成を目指していくためには、計画的に山腹崩壊地の復旧治山工事を進めていく必要があります。群馬森林管理署では、山地災害の要因となる表層崩壊の兆候がみられる山腹斜面の治山工事において、群馬県で初めて(全国では7例目(※))、簡易で省力化が図られ経済的な「木杭根系工法」を採用しました。
(※)全国では7例目(順不同):三重県(民有林)、京都府(国有林)、兵庫県(国有林)、長野県(民有林)、神奈川県(国有林)、秋田県(国有林)、群馬県(国有林)
ぐんまフォレスター連絡会は、このたび、群馬森林管理署と協力し、この新工法をテーマとした現地検討会を企画・実施しました。この共催によって当日は、国有林野事業の森林土木(治山・林道)工事受注者のみならず、幅広く県内の林業関係者にもご参加いただきました。

日時・場所
令和7(2025)年11月19 日(水曜日)13時30分~15時00分 上野村大字乙父字鍋割国有林
参加者
群馬県(行政機関)、上野村、独立行政法人森林整備センター、群馬県内国有林治山・林道工事受注者、測量コンサルタント会社、関東森林管理局、県内の3森林管理署(群馬、利根沼田、吾妻)の職員 計60 名
レポート
「木杭根系工法」は、近畿中国森林管理局職員、越井木材工業株式会社様と株式会社コシイプレザービング様が共同開発した新たな工法です。山腹斜面の表層土に1.0m~1.5m の木杭(特殊な防腐処理を施し耐久性は20年以上)を打設し、1.0mの羽根木(横木)により補強・一体化させることにより、斜面の安定を図り表層土の崩壊を抑止するのが特徴となっています。
比較的安価に木材を使用する簡易な工法であることから、造林地にも施工でき、省人化が図られ、生態系にも配慮した木材利用の推進に繋がる治山対策として注目されています。

<設置状況(近景)> <設置状況(遠景)>
群馬森林管理署では、御荷鉾スーパー林道(※※)に土砂が流出した山腹崩壊の緊急治山工事として、「木杭根系工法」を採用しています。検討会では、この事業現場を会場とし、参加者には、山腹斜面(造林地)への施工状況のほか、工事受注者が木杭を打設し、羽根木を設置するまでの作業工程の実演を確認していただきました。
(※※)御荷鉾スーパー林道:群馬県南部の藤岡市から上野村を通過し南牧村までの67.1kmを結ぶスーパー林道(特定森林地域開発林道)


<木杭の打ち込み> <羽根木の設置>
参加者による意見交換では、群馬県初の「木杭根系工法」について、その特徴や施工上の疑問点(問題点)、効果の程度、今後工法を採用するに当たって留意すべき点など、実践的なご質問やご意見が寄せられました。

お問合せ先
群馬森林管理署
ダイヤルイン:027-210-1203




