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関東森林管理局

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    ぐんまフォレスター連絡会 技術交流会「デジタル技術のフル活用で林業イノベーション」を開催しました。

       本格的な利用時期を迎えた日本の森林は、収穫で得られた利益を山元に還元し、再造林を進め、森林資源の循環サイクルを構築していく必要があります。一方で、林業は、厳しい地形条件下で、生産性や労働安全性の低さ、担い手不足や高齢化など、様々な課題が山積しています。3K(きつい・危険・高コスト)林業から脱却するには、デジタル技術を活用し、林業の生産性・収益性・安全性の向上を図ることが不可欠です。ぐんまフォレスター連絡会では、今回、「木材生産」(伐って・使うための準備段階)に焦点を当て、デジタル技術を活用して地域の3K林業から脱却する方法を考察するための技術交流会を開催しました。

    日時・場所

       令和7年5月28日(水曜日)
          第1部   10時00分~11時30分   みどり市立厚生会館
          第2部   13時30分~15時00分   桐生市黒保根町字下田沢赤面国有林

    参加者

       群馬県、市町村、関東森林管理局、森林管理署、森林整備センター、林業機械化センター、林業事業体、森林組合、林業関係機関等から72名

    レポート

       現在、森林・林業分野においてもデジタル技術の利用が進みつつありますが、まだまだ一部の関係者が試行錯誤を繰り返しながら模索している状態です。また、国有林野、民有林野の事業現場では、それぞれの事情からも大きな隔たりがある状態です。今後、デジタル林業の実現に向けては、これらの点的な取組を地域全体の面的な取組へ繋げ、ステップアップしていくことが重要です。

       第1部(午前、みどり市立厚生会館)では、「デジタル林業の可能性について」として、(一社)日本森林技術協会 ICT林業推進室 西原 和也様のご講義とともに、ICTハーベスタや木材検知アプリの概要・林業現場での実用方法から、参加者は、自身の属性に応じて地域林業における現状と課題、デジタル技術を用いた今後の方向を考察しました。



       第2部(午後)では、桐生市黒保根町赤面国有林(群馬森林管理署の伐採事業現場)において、請負事業者が事業実行のために利用しているICTハーベスタの実働から、伐木運集材の高効率な作業や高度な労働安全性を体感していただきました。このICTハーベスタは、事業の受注者である三山工業株式会社様が当年4月に導入したばかりの最新鋭の機械(林業事業体の購入としては全国初)であり、オーダーデータや市場価格をICT機器に入力すると、需要者・市場のニーズに応じて、幹一本の価格が最大になるよう自動的に採材する機能が備わっています。
       
       <機械の説明を受ける参加者(操作席のシュミレーション画面を示しながらの説明)>

       
       <ICTハーベスタによる伐倒・造材>

       また、伐採事業で生産・集積したはい積(土場に重ねた丸太の集団)をタブレット端末で画像を撮るだけで、検知(数量・材積把握)やデータ管理ができる木材検知アプリを利用し、その簡単な操作性を体験していただきました。これまで人の手で一本一本の丸太を計測・記録・集計していた方法と、アプリ使用による操作性や正確性の向上から、林業現場での有効な活用方法を共有しました。

       
       <木材検知アプリがインストールされたタブレット端末を使って、実際のはい積を撮影する参加者>

       民有林野・国有林野関係者の連携方策として技術交流会を開催し、参加者のデジタル林業への関心の高さから、群馬県内の各地域が抱える林業の実態の改善に向けた考察ができました。参加者からは、自身の林業現場において、解消すべきボトルネックや、それをデジタル林業によって解決していく手段など様々なご意見が寄せられました。

       ぐんまフォレスター連絡会では、今後においても群馬県の民国連携枠組みとして、森林・林業・木材産業における需要に応じた事柄をテーマに採り上げ、技術交流会を開催してまいります。引き続き、当会の先進的で活動的な取り組むご注目をお願いします。

    ご参考

       第1部では、講演「デジタル林業の可能性について」やICTハーベスタ等に係る説明を聞いたうえで、参加者がそれぞれ「課題」と「ICT関連キーワード」を組み合わせて、”構想シート”にとりまとめました。また、デジタル化を考える際、資金面がボトルネックになりがちですが、今回の技術交流会では、デジタル林業の可能性が広がるように、資金面での実情は抜きにして考察していただくこととして、事務局からは機械導入にあたり活用できる各種支援をとりまとめた”お役立ちガイド”をお配りしました。以下のとおり、「構想シート」、「お役立ちガイド」を掲載しますので、HPをご覧の皆様も是非ご活用ください。


    「これからの林業」構想シート(PDF : 540KB)


    お役立ちガイド(PDF : 12,307KB)*小冊子形式で印刷の上、ご利用ください。

    お問合せ先

    群馬森林管理署

    担当者:森林技術指導官
    ダイヤルイン:027-210-1203