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林野庁

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合法伐採木材等に関する情報:ラオス

ラオス

注 国別情報については、平成30年度調査の成果等を、参考情報として掲載しています。

合法性の確認に活用できる書類の事例はこちら

木材等の生産及び流通の状況

ラオスの2010年の森林面積は、13.4百万haで国土の約58%に相当し、このうちほとんどは天然林で、木材生産用人工林のコンセッション面積は約40万haです。

2018年現在、ラオスでは、「違法伐採および密輸に対する森林法および関係法令の執行の強化」を目的とした首相令第15号(2016年)により、天然林で収穫した丸太、製材の輸出が禁止されています。首相府通知2035/2017に従って定義された最終製品(例:合板、木製建具、ペレット、炭等)のみが、輸出を認められています。

天然林および林地は国家の財産であり、国が統一して管理することと定められています(森林法)。ラオスでは、生産林地、転換地(インフラ開発等によって森林がダム等の他用途に転換された土地)、植林地、村落林地(ただし村落内での利用のみ可能)、没収木材(伐採や商取引に違法性が認められる場合、裁判所の決定に基づき木材は没収され、政府の主催する競売で販売される場合がある)が木材の供給源でしたが、上述した首相令第15号により2018年現在において合法的な供給源は、転換地、植林地、没収木材です。2016年以降、転換地の伐採許可も停止していましたが、2017-2018会計年度では2カ所の転換地で合計約4千万m3の伐採が認可されました。

2016年に天然林由来の丸太と製材の輸出が禁止されるまでは、木材製品は鉱物資源に次いで、ラオスの主要な輸出産品でした。1990年から2000年代前半のラオス産丸太と製材の主要な輸出先はタイと日本でしたが、近年は中国とベトナムとなっています。2015年のラオスから日本への木材製品の輸出は少なく、そのほとんどが木炭となっています。

合法伐採木材に関連する法令等及びその運用

ラオスでは、政府による合法性保証(証明)・確認システムは確立されていません。2018年現在、EUとのFLEGT-VPA注1締結に向けて、システムの確立が試みられています。

注1 FLEGT:Forest Law, Enforcement, Governance and Trade(森林法、施行、ガバナンス及び貿易)
     VPA:Voluntary Partnership Agreement:自主的二国間合意

法令

木材の伐採と輸送、木材の加工と輸出に関する法令が多数存在していますが、法令間の関係が体系的に整理されていないため、施行が困難な状況となっています。EUとのFLEGT-VPAのための取り組みの中で、木材の合法性定義の明確化が進んでいます。森林管理計画、伐採、加工、流通、貿易等に関連する法令を、林業合法性便覧(Forestry Legality Compendium)に取りまとめる作業が行われています。

関係行政機関一覧

名 称 略称 主な業務
農林省森林局(Department of Forestry, Ministry of Agriculture and Forestry) DOF MAF MAFは森林から中間土場までの木材サプライチェーンの管理監督を担当します。DOFは、森林資源の管理、保護、利用および持続可能な開発に関する林業の法的枠組の策定と実施、有効性の調査、監視、評価を行います。
農林省森林検査局(Department of Forestry Inspection, Ministry of Agriculture and Forestry) DOFI MAF 法規・森林検査政策課(Legislation and Forest Inspection Policy Division, LFIPD)はFLEGT VPAプロセスのための木材合法性に関する政策と法的文書の策定を担当しています。
省農林事務省(Provincial Agriculture and Forestry Office)/郡農林事務所(District Agriculture and Forestry Office) PAFO / DAFO 県の収穫割当ての策定、収穫許可証の交付、収穫契約書の策定、収穫作業の監督、丸太の記録書類作成等を行います。
天然資源環境省(Ministry of Natural Resources and Environment) MONRE 天然資源環境政策局(Department of Natural Resources and Environment Policy)がインフラ開発等のための天然林の転換に対する承認を担当、環境クオリティ推進局(Department of Environmental Quality Promotion)が転換地の環境および社会影響評価を担当します。
商工省工業手工業局(Department of Industry and Handicraft, Ministry of Industry and Commerce) DIH MOIC 木材加工業を担当し、木材加工会社を所有する民間企業や世帯を管理します。
県商工事務所(Provincial Office of Industry and Commerce) POIC 各県の木材・林業のビジネス(中間土場から運搬され輸出に至るまで)を担当し、中間土場での丸太の競売と工場における輸出用木材製品の認証を行います。
財務省(Ministry of Finance) MOF 税関局(Department of Customs)は輸出品に対する関税の決定と徴収を担当、国有資産局(Department of State Assets)は天然林からの丸太の国有財産登録・削除(中間土場における競売)を担当します。

その他木材等の適正な流通の確保に関する情報

(1) 民間の森林認証スキーム

2018年現在、ラオスではFSC(Forest Stewardship Council)認証はあまり普及していません。3千ha程度のユーカリ等の植林地が2件、約10千haのラタン(非木材産品)収穫のための天然林が1件存在しています。

(2) その他合法木材関連の情報

2010年にラオス政府がFLEGT VPAへの関心を示し、2012年に交渉開始が宣言され、2018年現在交渉中です。順当に進めば、2021年にVPA締結2024年にFLEGTライセンス発行が見込まれます。

また、2018年現在、合法性の確認に関する書類を定める、「木材の加工および取引における木材の搬出入の管理と監視に関する決定」の草案が作成されている段階です。

委託・補助事業の成果

(1)平成30年度
「クリーンウッド」利用推進事業のうち生産国における現地情報の収集(熱帯地域)事業

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