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合法伐採木材等に関する情報:ガボン

(2021年4月1日:新設)

ガボン

注 国別情報については、令和2年度に実施した調査の成果を参考情報として掲載しています。

木材等の生産及び流通の状況

(1) 森林資源概要

ガボンが有する森林は約2,200万haに及び、うち1,400万haが国の恒久森林地であり、800万haが村落森林地 (村落共同体共有林や狩猟場などにあてられた区域) とされ、国の恒久森林地は1,000万haの用材生産林と400万haの保護区域に区分されます。森林伐採は登録された生産国有林地として割り当てられた森林で主に行われています。

ガボンの森林面積は1990年から微増ながら一貫して増加傾向にあり、森林減少が続くコンゴ盆地周辺国とは異なる動向を示していますが、木材生産に供される生産林面積は2000年から2005年の間で大幅な減少傾向を示しています。

整備インベントリー調査によると、ガボンの森林には潜在的に伐採可能な樹種がおよそ350種あり、そのうち利用されているのはわずか60種にすぎないことが判明しています。中には、特にオクメ(Aucoumea klaineana)、ケバジンゴ(Guibourtia tessmannii )、オジゴ(Dacryodes buettneri ou Pachylobus buettneri (synonyme))、など市場価値の高い樹種があります。木材(単板)に加工しやすく、良質な合板製造が可能なオクメの資源量は1億3,000万立方メートルと推定されており、用材向け樹種の総潜在資源量はおよそ4億立方メートルとされています。

なお、ガボンでは2021年現在、アフォ (Afo (Poga oleosa))、アンドック(Andok (Irvingia gabonensis))、ドゥカ (Douka (Tieghcmella sp.))、モアビ (Moabi (Baillonella toxisperma))、オジゴ (Ozigo (Dacryodes buettneri))およびケバジンゴ(Kévazingo (Guibourtia tessmanii))の5樹種の伐採が禁止されています。

(2) 木材生産・流通の特徴

森林伐採・木材生産の現状

約2,200万haに及ぶ広大な森林面積と多様な樹種に恵まれたガボンでは、100社超の森林事業者が操業していますが、森林コンセッションと木材加工場の75%は国外の業者、特にアジア系とヨーロッパ系企業の所有であり、25%が国内業者のものです。これらのコンセッションの総面積は約1,200万haに及びます 。

森林の持続可能な管理に関する法規(ガボン国森林法に関する2001年12月31日付け法律第16/01号の第97条)では、持続可能整備森林コンセッション(Concessions Forestieres sous Amenagement Durable 、以下「CFAD」と称す)が有することのできる面積は5万haから20万haまでの間と定めており、単一の森林事業者が複数のコンセッションを所有する場合は、面積は最大で60万haまで可能とされています。

また、森林伐採量についてみると2018年12月末時点において、原木の生産量が2017年比11%増の約190万m3と増加しつつあります。

木材加工産業の現状

木材加工産業は生産量、取引量ともに業績の伸びが大きく、製材の生産量は2017年比13.7%増の963,834 m3となっています。取引量の面から見ると国内向け販売成長が著しく110,303 m3を記録し、またアジア市場向けの製材需要の伸びが堅調であり、輸出成長率は2017年比8%、734,635 m3でした。

製材設備では生産量でみると製材が2017年比17.1%増の610,927 m3となっており、業績好転の理由として製材設備の近代化への投資を通じた原木加工設備の供給力向上が挙げられます。また、国内向け販売量と輸出量はそれぞれ70,508 m3と451,447 m3といずれも前年よりも増加していますが、これは国内市場の需要の多さとアジア市場向けの製材注文が継続的にある事に起因しています。

ベニヤ(単板)製造設備は、ンコック経済特区の設備により業績は2年以上続けて順調であり、結果としてベニヤの生産量は2017年比14.8%増の315,477m3となっています。この状況は原木加工場の供給サイクルの加速を背景としています。同様に国内向け販売量が31,695 m3に達し、輸出量はンコック経済特区全体の業績向上と海外市場での需要の堅調な伸びに伴い30.1%増の252,908 m3となりました。

反して2018年の合板製造は業績不振であり、合板の生産量は2017年の51,232 m3から2018年には37,431 m3となり、26.9%の減少を記録しました。他方、国内向け販売量は、国内市場の消費増加により28.6%増の8,101 m3となっています。

木材流通の特徴

2010年から2017年の間に原木の生産量が150万m3から230万m3に増加しましたが、それでもまだ大きく向上することが政府目標として掲げられており、森林開発を管轄する水・森林省森林総局の国内総生産(GDP)における貢献度は約5%程度であり、2020年までに20%と定めた目標達成にはほど遠い数字です。

木材製品別生産量の動向に関して国際熱帯木材機関(以下、「ITTO」)の資料によれば、2016年から2018年にかけて丸太製品の生産量が上昇していますが、その他の製材やベニヤ、合板については生産量に大きな変化は見られません。

一方、木材製品別国内消費量の動向について同資料によれば、丸太の国内消費量は原木輸出が2009年から禁止されたことにより、生産量の全てが国内消費でされ、製材やベニヤは生産量の一部が国内消費されるレベルに留まっています。

ガボンは、ITTO加盟国のうちアフリカ地域からの製材の最大輸出国です。2010年に厳格な丸太の輸出制限が課されたため、鉄道や港湾の運営が混乱した2016年を除いて、製材品の輸出は前年比で増加し続けています。2018年の製材輸出量は大幅に増加し(2017年比42%)、942 ,000 m3となりましたが、増加の大部分は中国への輸出の急増によるものであり、 2018年のガボンの輸出は主に中国(61%)向けで前年比37%増加しています。次いでベトナム(15%)とベルギー(6%)となっています。

付属資料 図-1 (PDF:346KB) 2007年、2011年、2014年、2017年の主な輸出先国)

(4) 違法伐採に関する関連情報

ガボン国における違法伐採の監視、摘発は水・森林省が所管し、地方事務所がその執行を担っています。水・森林省地方事務所は、定期的に州内のコンセッションを訪れ、年間操業計画通りに施業が実施されているかを現地確認し、伐採業者による森林インベントリーの検証を主に行います。

また、水・森林省地方事務所では伐区の内外にかかわらず、森林官が以下の方法で違法伐採摘発にあたっています。

  • 林道で伐採木を積載したトラックを検問し、必要な書類を確認する。
  • 住民もしくは伐採業者からの通報により現地調査を行う。
  • 定期的にパトロールを行い、違法伐採が疑われる場合には、GPSで位置情報を記録の上、事務所にて伐採許可を確認する。

合法伐採木材に関連する法令等及びその運用

(1) 森林伐採に関する行政の体制

森林法に基づく森林区分の体系

ガボンの森林法(Code Forestier)ならびに国家技術書(Guide Technique National)に記載されている生産林に関する伐採許可とその整備・施業に関する主な規則は、以下の通りです。

森林法第13条(Article13 du Loi No0016101 portant Code Forestier)によれば、ガボンにおいては全森林の所有権は国に帰属しており、それらが恒久国有林地(Domaine forestier permanent:1,400万ha)と村落林地(Domaine foresitier rural:800万ha)に大別されます。国有林地は、生産林(Forêts Domaniales productives:1,000万ha、コンセッションなど)、指定林(Forêts Domaniales classées :400万ha、国立公園等)に分けられ、村落林地はコミュティー林(Forêt communautaires)、その他ローカルコミュニティーによる使用に供される空間(Autres espaces réservés aux communautés locales)に分けられます。

伐採許可に関する基本情報

ガボンの国有林地(Domaine forestier permanent)のうち、生産林(Forêts domaniales productives)については、伐採許可が手続きを経て認可されている森林(Forêts attribuées avec Permis à vocation industrielle)とその他の生産林(Réserves forestieres de production:未調査および伐採許諾申請中の森林)に分けられ、村落林については、地域住民による利用が法令に基づき許可されています。

伐採許可された森林の種類

CFAD: Concession forestière sous aménagement durable 面積50,000ha以上600,000ha以下。単一もしくは複数の開発区画(lot)で構成。 1lotは、15,000ha以上200,000ha以下。申請には森林整備インベントリーを実施したうえで、持続可能な森林管理と生物多様性の保全等にも配慮した計画書の提出が必要。
PFA : Permis forestier associé CFADの中に統合されるか、もしくは、複数のPFAをグループ化してCFADを形作る。面積はCFADに統合される場合は15,000ha以下で、グループ化して単一のCFADとする場合は50,000ha以下。
認可はガボン国民・企業に限定。
PGG : Permis de gré à gré 主に地域コミュティーの森林利用を想定した許可。面積ではなく、伐採本数50本という本数上限がある。入札ではなく、すべて随意契約。認可はガボン国民に限定。

法令の概要と運用状況

ガボンにおける林業関連の全法規はガボン森林法(2001年12月31日付けガボン共和国の森林法に関する法律第16-01号)にまとめられていますが、同国で伐採可能地を取得するには以下の方法があります。

  • 入札による森林コンセッションの割り当て
  • 相互合意による許可の割り当て
  • 村落共同体共有林の伐採許可の割り当て

次に、森林伐採活動を規定する法令の詳細を以下の表に示します。

表. ガボンの森林/木材セクターに適用される法令に関する文書

適用範囲 法令に関する文書
森林許可の定義・付与・運用 ガボン共和国における森林法第016/2001 号
関連条項:法令第01/01号 (93, 94, 95, 96, 97, 98, 99, 100, 101,102, 103, 104, 105, 106, 107, 108, 109, 110,111, 112, 113, 114, 115, 117, 118, 1019, 1020, 1021, 122, 123, 124, 125, 126, 1027, 128, 129, 130, 131, 132, 133, 134, 135, 136, 137, 138, 139, 140, 141, 142, 143, 144, 145, 146, 147, 148, 149, 150, 151, 152, 153, 154, 155, 156, 157, 158, 159, 160, 161, 162)
入札による森林コンセッションの付与 2008年8月10日付け省令第00640-08-MEFEPA号の全条項
相互合意による許可の付与 2011年10月10日付け省令第136-MEF号の全条項
村落共同体共有林の設置条件 2004年12月1日付け政令第N001028-PR- MEFEPEPN号の全条項
村落共同体共有林の付与と管理の手順 2013年1月31日付け省令第018-MEF-SG-DGF-DFCの全条項
村落コミュニティによる森林の留保権 2014年5月6日付け省令第106-MFEPRN号の全条項
森林/木材セクターの専門的な承認の発行条件 2011年4月2日付け政令第0278-PR-MEF号の全の条項
登録された生産性の高い国有林の整備および持続可能な管理に関する基準および技術 2004年8月24日付け政令第689-PR-MEFEPEPN号の全条項
伐採可能な樹種を定める2004年3月1日付け省令第000119-PR-MEFEPEPN号 省令の全条項
用材用樹種の最小伐採可能直系を定める2004年3月1日付け省令第000117-PR-MEFEPEPN号 省令の全条項
廃材の状況 2011年2月2日付け政令第.0273-PR-ME号の全条項
新たな許可の付与の暫定的な停止 2004年8月9日付け政令第666-PR号の全条項

(2) 伐採に関する許認可制度の状況及び許可証等の法令に基づく書類の概要

伐採制度(コンセッション)恒久林地における森林許可の割り当て

ガボンは国家政策に基づいて、すべての生産林をCFADにすることを目指しています。森林法第16/01号の公布以降、生産林地における森林コンセッションの割り当ては、現在二種類の森林許可に基づいて行われています。一つは対象面積が5万haから20万haまでの持続整備森林コンセッション (CFAD)であり、ガボン政府は森林関連の大企業に対して森林整備計画と工業化計画の策定に3年の期間を認めています。ここでは森林行政当局による上記計画の承認により、20年から40年の伐採ローテーションとするCFADが割り当てられます(付属資料 図-2 (PDF:479KB)森林許可(CFAD)の地理的分布状況)。

伐採の合法性が確認できる書類(証明システム)の事例及びその発行条件

上記に述べたようにガボン国森林法に基づいて合法的に伐採された木材の供給システムは、森林コンセッションに与えるCFAD許可によって担保されています。一方FSCに代表される様々な森林認証システムが導入されつつありますが、普及率は低く2022年までに全てのコンセッションに適用させるという大統領宣言が出されています。

一方、EUとのFLEGT-VPA協議については、一旦中断されていた締結交渉を再開する準備が活発化していますが、このなかで伐採の合法性が確認できるシステムが検討されており、事例として以下に紹介します。

ガボン林業木材産業協会(UFIGA)はドイツ復興金融公庫(kwf)の支援により中部アフリカ森林協議会(COMIFAC)を通じて、PPECF-Programme for the Promotion of Certified Forest Management(認証された森林管理の促進プロジェクト) を実施中であり、そのなかで木材のトレーサビリティを行うソフトウェアとして「Gabontracks」を試験的に導入し、トレーサビリティ及び合法性のモニタリングのための、森林開発管理共通システムの設置を目指しています。これと平行し、事業者のシステムから、森林管理データベースにデータを直接取り込める(少なくともそれにつながる)プラットフォームを設立中です。

木材の流通段階における法令等及びその運用

木材の流通(伐採箇所から加工工場への搬入)に関する法令

政府の許認可を得て伐採された木材は、森林法第3項「木材生産林の伐採に関する一般規定」に基づき加工工場に搬入されます。以下、第3項のうち主要な条文を示します。

  • 第127条: 伐採許可の所有者はハンマーによる刻印のために少なくともハンマーを一つ所有しなければならない。このハンマーによる刻印は裁判所の登記簿に登録され、水・森林当局または委任された機関に提出される。伐採を請負う場合、請負業者は許可保有者の刻印またはハンマーを使用しなければならない。
  • 第128条:伐採許可区域内で伐採された全ての樹木は、第127条で規定されているハンマーによる刻印がされ、木材、伐根、切り株および丸太に伐採木の識別コードが記される
  • 第129条:第128条の適用により、原木の状態で収穫された伐採木は個別識別される。
  • 第131条:樹幹の詳細は伐採が終わる前に現場台帳に記載される。丸太に関する詳細は木材を現場から運び出す前に台帳に記入される。
  • 第132条:水・森林当局の州の監督局の長は現場台帳を照査し略書をする。現場台帳は水・森林当局の職員からの要求があった場合、提示されなければならず、職員は検査後ただちに書面による認証を行う。
  • 第135条:伐採された原木または加工後の木材の搬出のために公道または私道の利用を希望する伐採許可保有者は、削除や加筆のない伐採搬出図を三部作成する。製品にはこの伐採搬出図を添えなければならない。
  • 第136条:全ての伐採業者は各四半期末、遅くとも各四半期終了の翌月末までに、特に以下の活動項目に関する技術・会計書類を水・森林当局の州監督局に提出しなければならない。
    • ガボン木材公社に搬入されたオクメとオジゴ(2021年現在、オジゴの伐採は禁止されている)の原木に関する四半期ごとの生産状況
    • 加工場ごとの内訳を記載した、現地の加工場に搬入された原木に関する四半期ごとの生産状況
    • バイヤーの内訳と連絡先を記載した様々な原木に関する四半期ごとの販売状況
  • 第138条:原木の売買には原産地の森林事務所が承認した仕様書の提示が必要となる
  • 第139条:ガボン木材公社、地元加工場およびその他の木材のバイヤーには以下のことが義務付けられている。
    • 木材受領前にこの仕様書を入手すること
    • 税金と納付金に関する森林法の規定を実行し、受領後30日以内にその金額を支払うこと。

加工工場に搬送中の丸太原木について、第128条に規定された伐採原木への刻印と伐採箇所情報が原木に付された事例を以下に示します。これによると原木へのハンマー刻印が確認され、更にCFAD(伐採コンセッション名)やAAC(年間伐採区画番号)の情報を付したタグが取り付けられています。なお、これらの情報は白ペンキなどで直接原木丸太に記載されている場合もあり、記載基準は法律上規定されていません。

丸太原木に付されている伐採情報(https://wwf.panda.org/wwf_news/〔外部リンク〕から転載)

丸太原木に付されている伐採情報

上記の手順を経て搬入された原木に関して、加工工場は以下に示す森林法第228条及び第229条に基づき、搬入情報を水・森林省に報告する義務を負っています。

  • 第228条:加工場の責任者は加工場で受領・加工した木材の保管状況を記録する台帳を準備しなければならない。この台帳は定期的に更新される。このため、加工場の責任者は原木受領後48時間以内に、運送状に記載された内容を特定の台帳に転記しなければならない。
  • 第229条:処理・加工された木材製品の再販業者は製品を水・森林当局によって承認された加工場から調達しなければならない。そのため再販業者は水・森林当局の職員から要請があれば、規則に準拠した輸送状を提示し製品の原産地を証明する義務がある。

木材の流通(輸出)に関する行政の体制

ガボンでは、木材製品の出荷に関する貿易許可証は無いものの、以下に示す森林法第135条及び第138条に基づき、運送明細(貨物運送状)及び原産地仕様書の確認が行われます。輸出は首都(オーウェンドウ港)からのみ行われており、積み出し時に水・森林省職員によって上記の確認が行われます。

  • 第135条:伐採された原木または加工後の木材の搬出のために公道または私道の利用を希望する伐採許可保有者は、削除や加筆のない搬出図を三部作成する。製品にはこの搬出図を添えなければならない。
  • 第138条:原木の売買には原産地の森林事務所が承認した仕様書の提示が必要となる。

合法性証明に関するリスク

伐採から加工、輸出までの流れからみた分析

上記で述べたように森林伐採に関する許認可とそれに必要な情報について見れば、伐採予定箇所のインベントリーや伐木個体位置、ハンマーによる丸太原木への打刻と原産地情報の明示など細部が規定されていますが、その一方で、水・森林省所管の水・森林学校長へのヒアリングによると、加工工場に搬入された丸太原木の情報が水・森林省に報告されることは確認できたが、搬入された丸太原木が有していた個体情報が加工製品にどのように引き継がれていくかについては明確な情報が得られませんでした。

伐採から加工、輸出までの流れ

伐採から加工、輸出までの流れ

また、ガボン国では伐採を禁じている 5つの樹種があり、輸入木材のうちこれらが含まれていないか確認する必要があります。更に、持続的な森林管理に基づく伐採が行われているコンセッション(CFAD)から伐出された原木であることを確認するために、水・森林省の承認が得られているかどうかを各種許認可書類によって確認する必要があります。加えて森林認証が取得された伐区から生産された木材製品であることも重要な確認事項と言えます。

合法性に関する第三者からの指摘

イギリスに本部を置く非営利団体のODI(Overseas Development Institute)は、CIFOR(The Center for International Forestry Research)やRECOFTC(Regional Community Forestry Training Center for Asia and Pacific)と連携し、ガボンの森林管理及び検証に関する現状について調査を行っています(2008年)。それによるとガボンにおける森林管理に関する検証システムは、2001年に制定された森林法を基礎とし、水・森林省と法務省が主務官庁となり、これを実践する2本の柱で構成されていることに特徴があると述べています。また、このシステムの有効性に関して、違反の件数は2002 年の 451 件から 2006 年には 281 件、2007 年には 252 件と減少しつつあるものの、違反行為に対する実地モニタリングは2006年及び2007年にそれぞれ2回実施されただけに留まり、十分な検査数とは言い難いと指摘しています 。更に、行政機構を中心としたガバナンスや検証システムは必ずしも中立性を担保できるものではなく、第三者機関による検証が行われていないことへの警鐘を鳴らしています。

民間による合法性確保の取組

森林認証システムの導入状況

ガボン国内では5つの異なった森林認証システムが導入されていますが、森林管理協議会 (FSC)やKeurhout、木材合法原産地認証 (OLB)、TLV (The Timber Legality Verification))が非常にニーズの高いシステムであるのに対し、Pan African Forest Certification Gabon (PAFC-Gabon)の国内適用例は限定的です。そのなかでもガボンの森林伐採事業者で採用例が多いのはFSCのシステムです。

ガボンでの認証機関別・森林認証取得率を森林面積でみると、FSCが40%、PAFC-Gabonが20%、TLVが7%、その他が33%、となっており、森林認証を取得した森林コンセッションの所有土地面積は約262万haにのぼります。(付属資料 表-1 (PDF:723KB) ガボンで森林認証を取得したコンセッション)

認証別の普及割合

認証別の普及割合

その他材木等の適正な流通の確保に関する情報

ガボンにおける自主的二国間貿易協定(FLEGT-VPA)

ガボンはFLEGT自主的二者間協定 (FLEGT-VPA)の締結に向けて、欧州連合 (EU) との交渉を2010年9月に開始しましたが、 1年半の交渉の後2012年半ばに中断されました。2019年にはガボン政府交渉担当者は、EU関係者に両者間の貿易再開にガボン側が関心を持っている意思を示しました。

ガボン政府は交渉再開の準備として2014年に外部資金を導入し、主に森林コンセッション認証の普及や森林/木材セクターのガバナンスの改善を目的とした行動に取り組んでいます。ガボンの森林政策と規則の要件を満たすべく、民間セクターでは2019年に開始されたものも含め、森林データの管理とトレーサビリティに関する能力強化を目的とした事業が実施されている状況にあります。

委託・補助事業の成果

(1) 令和元年度林野庁委託事業「クリーンウッド」利用推進事業のうち海外情報収集事業報告書 上巻(PDF:14.0MB)(該当ページはp53~p98)

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