このページの本文へ移動

林野庁

メニュー

合法伐採木材等に関する情報:カメルーン

(2021年4月1日:新設)

カメルーン共和国

注:国別情報については、令和2年度に実施した調査 の成果等を参考情報として掲載しています。

注:付属資料はこちら

注:合法性の確認に活用できる書類の事例は付属資料-5~10

木材等の生産及び流通の状況

カメルーンは、国土面積47.5万㎢(日本の約1.3倍)で、森林の材積賦存量は、総量で約60億m3となっています。

表 森林の材積

森林(百万m3) その他林地(百万m3) 計(百万m3)
広葉樹 針葉樹 針葉樹
5,802 0 5,802 244 6,046

出典:FAO: Global Forest Resources Assessment 2015 Desk referenceから作成


2019年の資料によると木材製品生産量の総量としては400~450万m3/年で、その多くは丸太、製材です。カメルーンの木材製品輸出先国は、付属資料‐1に示すとおり従来のヨーロッパ諸国から近年はアジアに移行してことがわかります。日本は製材(HSコード4407)、丸太(HSコード4403)などを主な木材製品として概ね3億円/年を輸入しています。

カメルーンは次表の中央の列に示す31樹種の丸太輸出を禁止しています(省令第0021/2018年2月19日の第1条)。また、右列に示す23樹種はVPA(注:VPAについては後段で述べます。)で輸出禁止とされているものです(VPA Annex I-B)。それぞれの資料では、一般名での記載であることから、参考のために学名を併記しましたが学名を特定できなかった樹種もあります。省令第0021/2018の第1条には、輸出振興の樹種をカテゴリー 1と 2に分けた一覧を公表していまする。該当する樹種を付属資料‐2に示しています。

表 カメルーンから輸出が禁止されている樹種一覧

番号 学名 カメルーンでの一般名 番号
省令第0021/2018記載の丸太輸出禁止樹種 VPA Annex I-B記載の輸出禁止樹種
1 Khaya grandifoliola ACAJOU A GRANDES FOLIOLES ACAJOU 1
2 Khaya anthotheca ACAJOU BLANC
3 Khaya ivorensis ACAJOU DE BASSAM/NGOLLON
4 Aningeria altissima ANNINGRE A ANINGRE 2
5 Aningeria robusta ANNINGRE R
6 Pericopsis elata (=Afrormosia elata) ASSAMELA/AFROMOSIA AFROMOSIA 3
7 Mansonia altissima BETE/MANSONIA BETE/MANSONIA 4
8 Guarea cedrata, Guarea laurentii
(ITTOのWebサイトでは両学名が当てられている)
BOSSE CLAIR BOSSE 5
9 Guarea thompsonii BOSSE FONCE
10 Guibourtia tessmannii
G. pellegriniana
G. demeusei
(どの学名が該当するか特定できない)
BUBINGA ROSE BUBINGA 6
11 BIBINGA ROUGE
12 Lovoa trichilioides DIBETOU/BIBOLO DIBETOU 7
13 Afzelia pachyloba DOUSSIE BLANC/PACHYLOBA WHITE DOUSSIE/APA 8
14 Afzelia bipindensis DOUSSIE ROUGE/BIPENDENSIS RED DOUSSIE 9
15 Ceiba pentandra FROMAGER/CEIBA FROMAGER 10
16 Pycnanthus angolensis ILOMBA ILOMBA 11
17 Chlorophora excelsa IROKO IROKO 12
18 Gambeya beguei LONGHI/ABAM LONGHI/ABAM 13
19 Tieghemella africana MAKORE/DOUKA DOUKA 14
20 Baillonella toxisperma MOABI MAOBI 15
21 Distemonanthus benthamianus MOVINGUI MOVINGUI 16
22 Antranella congolensis MUKULUNGU - -
23 Guibourtia ehie OVENGKOL/BUBINGAE OVANGKOL 17
24 Pterocarpus (学名を特定できない) PADOUK BLANC PADOUK 18
25 Pterocarpus soyauxii PADOUK ROUGE
26 Swartzia fistuloides PAO ROSA PAO ROSA 19
27 Entandrophragma cylindricum SAPELLI SAPELLI 20
28 Entandrophragma utile SIPO SIPO 21
29 Tectona grandis TECK - -
30 Millettia laurentii WENGUE WENGUE 22
31 Microberlinia brazzavillensis ZINGANA/AMUK ZINGANA 23

注1:学名は、「熱帯の有用樹種(農林省熱帯農業研究センター 昭和53年2月10日)」と「熱帯植物要覧(社団法人大日本山林会 昭和62年2月10日」およびITTO のWebサイトを参考にした。

一般名の左列はARRETE No. 0021/MINFOF DU 19 FEVRIER 2018 MODIFIANT LA CLASSIFCATION DES ESSENCES FORESSTIERESの第1条から、右列はVPA ANNEX I-Bから作成

森林伐採に関する行政と法令

カメルーンの森林・林業行政は、MINFOF(森林・野生動物省)が所管しています。首都ヤウンデに本省があり、州、県に地方事務所が置かれています。州の事務所はDRFOF(Délégation Régional des Forêts et de la Faune)と呼ばれ、県の事務所はDDFOF(Délégation Départemental des Forêts et de la Faune)と呼ばれています。

カメルーンにおける森林・林業の行政に関する重要な法令としては、「森林・野生生物・漁業の管理制度に関する法律(第94号/01、1994年1月20日付け)(以下、法律とします。)」と「森林管理システムの実施手続き 首相令第95号/531、1995年8月23日付け(以下、首相令とします。)」があります。
法律第94号/01では森林を次のとおり区分しています。

図 森林管理面での森林区分

図 森林管理面での森林区分

法律第94号/01を参考に作成


森林地は恒久林地と非恒久林地に分けられています。恒久林地とは、永続的に森林または野生生物の生息域、生育域として利用される土地であり、非恒久林地とは森林以外の土地利用に転換可能な森林域であるとされています。恒久林地にある森林は、恒久林であり国有林と市町村有林とに分けられます。

市町村有林は、「市町村に関する分類法規の対象となる森林、あるいは当該市町村によって植林された全ての森林とみなすとされ、当該市町村の普通財産である」とされています。
国有地にある森林は、「本法の第24条、第30条および第39条に規定されているカテゴリーに該当しない森林であるとされており、果樹園、農園(プランテーション)、休耕地、営農地に付随する植林地、牧草地、アグロフォレストリーは国有地にある森林には含まれまれない。しかし、森林被覆の回復後に所有権の対象となっていない旧休耕地、農地、牧草地は新たに国有地にある森林であるとみなされることがある」となっています。

村落共同体共有林については法律第37条において、「森林を所管する行政機関は、関心を示す村落共同体による森林資源管理を目的として当該村落共同体に対して支援するものとする。その場合、当事者間で協定書への署名が行われる。このようにして実施される技術支援は無償で村落共同体に提供されるものとする。」となっています。また、「村落共同体共有林の利用から生じるあらゆる種類の林産物は、当該村落共同体に帰属する。」ともされています。

私有林は、法律第39条において「自然人または法人が植林し、現行の法規に従って取得された土地にある森林である。私有林の所有者は、不断かつ持続的な収穫のために森林を所管する行政機関の支援を得て簡易管理計画を作成するものとする。」となっています。
カメルーン全国の林地配置図が、World Resources Instituteの協力によりMINFOFから発行されていて2019年版を付属資料‐3に掲載しています。

森林伐採については、法律第94号/01の第41条~62条において規定されています。その中で、「森林伐採許可は、カメルーン国に居住する自然人またはカメルーン国に本社をおき、その資本構成が森林を所管する行政機関既知の会社にのみ与えられる。(第41条第2項)」とされています。国有生産林の伐採については、「伐採木材の売却または伐採協定の形でなされる。(第44条第1項)」となっていて、森林伐採協定に基づき実施されています。

森林伐採協定は、「加工業者に木材を長期的に供給するため、森林コンセッションから一定量の材積を入手する権利を受益者に付与する。森林伐採協定には、仕様が添付され、国家および受益者の権利と義務が明記される。割り当てられた材積量は、いかなる場合においても、当該整備ユニットの年間伐採許容量を超えてはならない。(第46条第1項)」、また「森林伐採協定は、15年間の更新可能な期間で締結される。伐採協定は、3年ごとに評価を受ける。(同条第2項)」とされています。

コンセションの規模については、「一つのコンセッションに割り当てられる総面積は、不断かつ持続的な収量と既存あるいは設立予定の加工業者の能力に基づいて算定されたコンセッションのポテンシャルに応じるものとするが、いかなる場合においても、20万ヘクタールを超えてはならないものとする。(第49条第1項)」となっています。
カメルーンには、森林伐採、森林利用に関して上記のコンセションの他にも幾つかの制度があります。これらについては、VPAの「Annex II 合法性マトリックス」を基に整理しました。この合法性マトリックスによると、7種の伐採許可と1種の木材加工許可があります。次図ではそれぞれの許可の主な法的根拠となっている法律と首相令の条項番号を記載しています。詳細については、付属資料‐4に記載しています。

図 伐採許可および木材加工許可の種類と根拠となる法令とその条項

図 伐採許可および木材加工許可の種類と根拠となる法令とその条項

森林の種類と法令、条項はVPA-Annex II 合法性マトリックスを参考に作成

木材流通に関する行政と法令

森林・林業の管理を所管しているMINFOFの下には、州事務所(DRFOF)と県事務所(DDFOF)の他に木材が輸出される港にも出先事務所が置いてあり、輸出木材製品の検査に当たっています。
木材の流通に関する法令としては、首相令第95/531号(1995年8月23日付け)の第127条に伐採木の搬出、運搬等について次のとおりとなっています。

(1) 森林を離れる前に全ての丸太には規定に基づく印が付けられなければならない。森林を出る前にすべての丸太に印を付ける手順は、森林大臣によって定められるものとする。工業用丸太、特に規定条件で規制マークが付けられていない丸太を輸送することは禁止される。 (2) 林産物の運送業者は、森林管理局の職員によって最初に作成された規制スタイルの控え付き台帳に、特に輸送される製品の量と仕様、およびそれらの原産地を記載した委託書を持っている必要がある。森林管理局の職員は、提示された文書が輸送中の製品と一致していることを確認するためのチェックを何時でも実行できる。 (3) 道路、鉄道による丸太の輸送は、運輸および森林の両大臣の共同命令によって管理される。

木材加工段階における法令等

木材加工に関しては、首相令第95/531の第VI編「第II章 林産業」に次のとおりとなっています。

第114条 (1) 林産物の第一次加工のための工場の操業を望む自然人あるいは法人は誰であっても工場の設置に先立ち、鉱山、森林および工業に関する行政官庁に有効な申告書を提出しなければならない。その申告の過失については行政的な罰金による処罰を受ける。その科料の額の計算と徴収の方法についてはそれぞれの機関において示される。 (2) 有害な廃棄物を排出するような林産物加工の工場の操業の管理の条件は、有毒廃棄物または危険、不健康、騒音または有害物の取引を行うための建物に適切に適用される法律または規制に定められているとおりである。 (3) フランス工業体制下で承認された林業事業の義務は、法律第74条 に従い、産業大臣と森林大臣の共同命令によって定められる。

第115条 (1) 森林施業許可を得ていない林産物加工工場の所有者は、地域の市場から丸太の供給を得なければならない。 (2) この方法で購入された林産物は、有効な営業許可の下で他と混ざらない状態で産出し、この法令に定められた規則に準拠する必要がある。 (3) 林産物の第一次加工工場の所有者は、入庫する産物の仕様、原産地に関する記録と出庫する加工物に関する量、質および出荷先に関する記録を残さなければならない。 (4) この項目に適用される規則は林業大臣により定められる。

合法性確認

カメルーンにおける木材合法性証明書は、「省令第0004号/2013年2月7日」に基づいて発行されます。主な条文を挙げると次のとおりです。

当省令は、「FLEGTのライセンス制度における合法性証明書を制定し、その交付手続きを定めるものであるとされており、合法性証明書は、伐採権・伐採許可あるいは木材加工場において、森林事業者が行う活動が合法的に実施されていることを証明するものである(第1条第1項、第2項)」としています。

合法性証明書は、「森林事業者が提出する書類に基づいて、森林を所管する大臣によって交付される(第4条)。木材加工場・森林コンセッションおよび市町村有林のケースでは12ヵ月、非恒久林地に付与された伐採権または伐採許可のケースでは6ヵ月間有効である(第5条)」とされています。

合法性証明書の公布手続きに関しては、「合法性証明書の申請書類は、デジタル化され森林情報管理デジタルシステム(SIGIF)に登録される。合法性証明書は、SIGIFのデジタルアプリケーションを通じて交付される(第7条)」となっています。合法性証明書の発行に関しては、「(1)合法性証明書は、森林を所管する大臣が申請書類を受領した後、以下(注:該当する文章はここでは省略します。)の場合において30日以内に交付される(第8条)」とされています。

同省令の「第5章 民間の合法性証明書」の第15条第1項には「 公認された民間の認証を所持する森林事業者は、第10条で規定されている合法性証明書申請書類の要件の代わりに、申請時に有効な公認の認証機関が発行する証明書の真正コピーを提出することで、合法性証明書を得ることができる。」とされており、FSCなどの民間の認証の有効性が謳われています。
一方で、2020年12月現在、SIGIFシステムは稼働していませんが、省令第0004号第16条は、「SIGIFが準備されるまでの間、森林を所管する大臣は、合法性証明書の交付を確保するために適切な措置を講じるものとする。」としています。

当省令に基づく木材加工工場を対象として2017年に最初の合法性証明書が発行され、以来34件の木材加工工場への合法性証明書が発行されています。合法性証明書の例を付属資料‐5(1)、(2)に示しています。

図 木材の流通と管理の概要

図 木材の流通と管理の概要

出典:Présentation du prototype Système de Traçabilité de Bois au Cameroun 2011からの図に本事業による邦語訳をつけています。

木材・木材製品を輸出する際のシステム概要

カメルーンにおける木材合法性証明書は、「省令第0004号/2013年2月7日」に基づいて発行されます。主な条文を挙げると次のとおりです。
木材製品の港湾到着後の手続きの流れは次のとおりです。この手続きはコンテナ輸送の場合を示しています。これらの手続きの過程で発行される一部の書類の例を付属資料-6~9に示します。

  1. 港湾受入時の確認
    1.1 DDFOF(県MINFOF事務所)による材と運送状の照合
  2. 2.植物防疫証明書の発行
    2.1 民間木材防疫処理場での防疫処理
    2.2 農業村落開発省港湾事務所へ植物防疫証明申請書の提出
    添付書類:
    (ア)木材処理証明書
    (イ)販売契約書
    (ウ)パッキングリスト
    (エ)製材仕様書(付属資料‐6
    2.3 農業村落開発省港湾事務所による植物防疫証明書(付属資料‐7)の発行
  3. 3.コンテナ梱包証明書の発行
    3.1 事業者はDDFOF(県MINFOF事務所)および税関にコンテナ梱包証明書の発行申請書を提出 添付書類:製材仕様書
    3.2 DDFOFによるコンテナ梱包報告書と製材仕様書(付属資料‐8)の発行
    3.3 税関によるコンテナ梱包証明書(付属資料‐9)の発行
  4. DEFOR(州MINFOF事務所の署名付きの文章)の取得
    4.1 事業者はDDFOFへDEFOR申請書と製材仕様書への署名依頼
    4.2 これらの書類への署名の後、同書類はDRFOF(州MINFOF事務所)へ送付
    4.3 DRFOF(州MINFOF事務所)による署名
  5. SGSによる輸出申告書の発行
  6. 輸出申告書の手形決済
  7. 港湾使用料の支払いと船積み
    (港湾使用料の支払いにより原産地証明の発行が可となります。)
  8. 輸出

その他木材等の適正な流通の確保に関する情報

(1)森林認証システムの導入状況
カメルーンには、森林認証機関としてFSC、PEFC 、OLBの3種があります。
FSCのWEBサイトにあるFacts and Figuresによると森林管理認証は、2013年、2014年の5件、面積100万haとなっていますが、2019年には1件、約30万haに減少しています。CoC認証は、2011年、2014年に13件の登録がありますが2019年には6件に減少しています。

FSCは新たなNFSS(National Forest Stewardship Standard)を2020年12月29日からカメルーンへの適用を開始しました。このNFSSは第5版「原則と基準」であり、無傷の森林、小規模で低密度のコンセッション、村落共同体共有林を含む幅広い森林タイプに適用できるとされています。
PEFC認証は、2007年7月に設立されたPAFC(Pan African Forest Certification)カメルーンが、同年10月にPEFCとの相互承認を開始したことに始まります。しかし、PEFCのWebサイトには森林認証、CoCの実績についての記載はありません(2021年1月時点)。

OLB認証は、世界的なフランスの認証機関であるBureau Veritas社が運営しているものです。森林管理認証においてFSC、PEFCが持続的管理に重きを置いていることに対して、OLB認証は合法性に重きを置いている(木材原産地と事業者の法令順守の保証の提供)ことに特徴があるとされています。またFSC、PEFCが森林管理認証と呼んでいることに対してOLBはEF認証と呼んでいます。EFとは仏語で林業事業者の略語です。OLB認証は、2020年8月4日時点でEF認証が9件、面積2,995,756ha、CoC認証が14件となっています。
FSCとOLBの認証状の例は付属資料‐10(1)、(2)のとおりです。

(2)違法伐採に関する関連情報
WCMC(国連環境計画の下部組織)の報告書(COUNTRY OVERVIEW TO AID IMPLEMENTATION OF THE EUTR 2020年4月)には、カメルーンの違法伐採に関して次の記載があります。

(ア) 違法伐採の内容として、伐採禁止樹種の伐採、伐採許可以上の伐採、技術基準を満たさない伐採があること。 (イ) 違法伐採が発生する原因としては、土地分類の重複、曖昧な境界による土地利用の不整合、低質なデータに基づく森林管理計画、伐採許可割り当ての不透明さがあること。 (ウ) こういった状況の下で、MINFOFは、2012年4月にはサルベージライセンス(注:山火事、風害などによる被害木が無価値になる前に回収することを主な目的として行われる伐採への許可) 及び伐採木搬出ライセンスの許可を取り消したことがあり、以来この二つの許可はほとんど付与されていないこと。 (エ) MINFOFは2019年11月には超過伐採量と技術基準を満たしていないとの理由で二つのコンセッションの操業停止処分がなされたこと

同報告書は、カメルーンのコンセッションについて、森林認証プロセスを通じて森林管理に取り組んでいる社は、認証を受けていない社と比較して、より良い労働条件、生活環境、利益共有メカニズムを有していると評価しています。また近年オランダの林業企業がカメルーン国内のコンセッションをアジアの会社に売却したのですが、コンセッションを購入した会社が必ずしも認証条件を維持していないとしてFSCは認証を取り消したとも書いています。こういった状況が近年のFSC認証件数の減少に関係があるともしています。

(3)EUとのVPAの進捗状況
VPA(Voluntary Partnership Agreement)は、二国間パートナーシップ協定と呼ばれています。この協定は、違法伐採に対処し、森林ガバナンスを改善し、合法的な木材製品の取引を促進することを目的としたものです。カメルーンはEUと2007年から交渉を開始し、2011年にはお互いに批准していますが、2020年末現在まだFLEGTライセンスの発行に至っていません。

(4)カメルーンのガバナンス情報
カメルーンの森林政策に関して、イギリスのCHATHAM HOUSE(注:イギリスのシンクタンクで王立国際問題研究所と呼ばれています。)は、「カメルーン政府は、違法伐採と戦うために国および地方レベルで管理ユニットを設置したものの、依然として汚職があることと説明責任メカニズムが弱い。しかしながら、市民社会による森林モニタリングの改善が、政府のより強力な対応と管理活動の増加に繋がってきた。」と報告しています。次の図は同報告書に掲載されているものです

指標 CHATHAM HOUSEのWEBサイト(Forest Governance & Legality)から作成

CHATHAM HOUSEのWEBサイト(Forest Governance & Legality)から作成(本事業による仮邦語訳)。

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。

Get Adobe Reader