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林野庁

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合法伐採木材等に関する情報:チリ

注 国別情報については、委託事業の成果等を、参考情報として掲載しています。

木材等の生産及び流通の状況

チリの国土面積は7,565万7,000haであり、2014年の森林面積は1,676万haで、そのうち、天然林が1,431万7,000ha、人工林が244万8,000haとなっています。チリの主な人工林樹種はラジアタパインとユーカリで、日本には製紙用チップや梱包材を多く輸出しています。

合法伐採木材に関連する法令及びその運用

(1)森林管理に関する法令

チリには合法性を証明する独自のシステムは存在しませんが、林業に適した土地の指定から林業活動の監査・査察に至るまで国家森林局が行うことによって、森林の適正な管理と合法性の確保を図っています。
林業活動を営むには、第一に、活動予定地について、国家森林局(CONAF)から「森林適地」の指定を受けなければなりません(下図の第1段階)。その後、指定された森林適地の「利用計画書」を作成し、国家森林局の承認を取得しなければなりません(下図の第2段階)。全ての林業活動は、国家森林局に承認された利用計画書に基づいて行う必要があり、主な施業ごとの履行状況は国家森林局によって監査されます(下図の第3段階)。

第1段階
森林適地指定
第2段階
利用計画書承認
第3段階
林業活動
森林所有者 林業活動予定地は、国家森林局から「森林適地」に指定されなければならない。 森林適地申請 技術報告書 林業事業者は、具体的な林業活動、施業のタイムスケジュール、その他の必要事項を記載した森林の利用計画書を森林局に提出し、承認を受ける。
承認後10年を経過してから実施する施業等については、実施前に再度利用計画書を提出し、承認を受ける。 利用計画書
  • 主要な施業は、利用計画書に基づき実施。利用計画書の変更には、変更申請が必要。
  • 造林、伐採及び再造林には、国家森林局が監査・査察を実施。国家森林局は、この他の施業についても随時査察を行う。
  • 再造林は、林業事業者が伐採後2年以内に達成する義務。国家森林局は、再造林の達成を活着技術報告書及び現場での監査により確認する。


造林 林道開設 枝打間伐 山土場開設 伐採 再造林
国家森林局
  • 書類審査
  • 現地調査
  • 書類審査
  • 現地調査
監査・査察
主な
関連法令
  • 農務省1998年最高法令第193号第3条、第9条のA及び第20条
  • 林業振興法第4条
  • 農務省1998年最高法令第193号、第9条B号、第29条及び第36条
  • 林業振興法第10条、第24条の2のB
  • (利用計画書変更)農務省1998年最高法令第193号第30条・第31条
  • (再造林義務)農務省1998年最高法令第192号第15条
  • (国家森林局監査)農務省1980年最高法令第259号林業振興法技術規則第38条
  • (先住民の権利)総務省1994年法令第19300号
  • (天然林材輸送時の合法証明)農務省1998年最高法令第193号第2条
  • (利用計画書変更)農務省1998年最高法令第193号第36条

図 チリの森林管理システム

承認された利用計画書に記載のない林業活動は、林業振興法及び関連法令の規定に反するものとして罰則規定が適用されます。また、森林適地指定申請の際に国家森林局に提出する技術調査報告書及び利用計画書に記載した再造林及び保護措置設置の不履行も違反行為に該当します。罰則としては、伐採地の原状回復に要する経費及び高額の罰金の支払いが規定されており、重大な過失とみなされた場合は土地を没収されることもあります。
なお、林業振興法第2条の規定では、「許可されていない伐採」として次の行為を掲げています。

〇 国家林業局が承認した利用計画書に記載がない天然林の伐採
〇 利用計画書自体がない伐採
〇 利用計画書によって認可された土地よりも広い面積または異なる土地に及ぶ伐採
〇 森林適地指定区域外での伐採
〇 利用計画書の技術要件に違反した伐採

(2)開発に関する法令

(3)先住民の権利に関する法令

その他木材等の適正な流通の確保に関する情報

(1)独自の森林認証スキーム

チリでは、FSCの他に、国内独自の森林認証制度として、PEFC〔外部リンク〕と相互承認がなされているCERTFOR(Certification Forestal)による認証が行われています。CERTFORでは、森林認証を取得した事業体に対して毎年行う監査の結果をまとめた監査報告書及び5年ごとに行われる更新認定の報告書をウェブサイトで公開し、透明性の確保に努めています。各認証スキームによる認証の状況は、次の表のとおりです。

表 スキーム別森林認証面積、CoC認証事業体数

認証スキーム 森林認証面積
(ha)
CoC認証
事業体数(件)
FSC 2,312,544 142
CERTFOR 1,926,997 61
4,239,541 203

 参考  FSC :Forest Stewardship Council,"FSC Facts&Figures",November3,2016                        
 CERTFOR :PEFC Council,"PEFC Global Statistics:SFC&CoC Certification",September,2016
       

(2)木材等の流通に関連する書類(事例)

伐採地から一次加工工場までの国産材丸太の輸送には、送り状(PDF : 0.37MB)が付随します。この送り状には、出荷先、ロット番号、納品先並びに樹種別直径別材長別丸太の材積及びm3あたりの単価が明記されています。
また、天然林から生産された木材の輸送にあたる者は、承認された利用計画書に含まれる承認決定書の写しまたは輸送許可書を、国境警備隊または国家森林局職員からの求めに応じて提示する義務があります。

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