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合法伐採木材等に関する情報:ブラジル

ブラジル

注 国別情報については、平成30年度調査の成果等を、参考情報として掲載しています。

合法性の確認に活用できる書類の事例はこちら

木材等の生産及び流通の状況

ブラジルには、4億8,580万haの天然林があり、主に北部のアクレ州、ロンドニア州、パラ州、アマゾナス州、マトグロッソ州、ロライマ州に分布しています。また、ブラジルは、外来種を導入した植林の歴史が長く、南東部(ミナス・ジェライス州、サンパウロ州)や南部(サンタ・カタリーナ州、パラナ州)に784万haの植林地を有し、その内の72%をユーカリ、20%をマツ類の植林地が占めています。

木材は、森林タイプや土地所有権に基づき、5つの伐採許可から生産されています:天然林択伐(私有地)、天然林択伐コンセッション(公有地)、植林地(私有地)、天然林の土地利用転換(私有地または公有地)、コミュニティによる天然林択伐(私有地または公有地)。なお、木材のほとんどが、植林地、天然林択伐(私有地)、天然林択伐コンセッション(公有地)から生産されています。

植林地からは、木材チップ、木材パルプ、製材、木製パネル、木炭、薪といった製品が生産されています。2016年に植林地から伐採された木材は、約2億m3と推定されています。天然林からは、製材、合板、木炭、薪が主に生産されますが、その伐採量は植林地の約2割となっています。2016年に天然林から伐採された伐採量は約4.1千万m3、その内、1.2千万m3が産業用の丸太に、4.4百万m3が木炭、2.5千万m3が薪に利用されたと推定されています。

ブラジル産木材製品の最大の輸出先は米国、次いでメキシコ、中国となっています。米国に向けて輸出される主な製品は、マツ類の合板、建材、製材となっています。日本は、ブラジルにとって第5位の輸出先(全体の3.5%)であり、木材チップ(ユーカリとアカシア)が主要な輸出木材製品となっています。

合法伐採木材に関連する法令等及びその運用

森林のタイプ(天然林か植林地)によって合法性に関係する手続きと文書が異なります。天然林に由来する丸太と木材製品の輸送には、輸送許可証(DOF)とインボイス(Nota Fiscal)が必要になります。ただし、パラ州とマトグロッソ州ではDOFの代わりにGF1(丸太の輸送許可証)とGF3(木材製品の輸送許可証)が使われています。輸出の際には、当該木材製品と一緒に輸送許可証(DOFまたはGF3)を港まで携帯する必要があります。DOF及びGFの発行は、電子システムによりおこなわれており、システムに登録した事業者がオンライン上で手続きすることにより発行されます。

ブラジル政府は、天然林由来の木材製品のサプライチェーンを管理するために、国家森林原産地証明システム(Sistema Nacional de Controle de Origem de Produtos Florestais:SINAFLOR)を開発しました。SINAFORは、農村環境登録書(CAR)や年間伐採計画(POA)、輸送許可証(DOF)等の既存のデータベースと認可システムを統合管理するオンラインシステムであり、木材、木炭、その他の林産物のサプライチェーン(伐採、輸送、加工、販売)をオンライン上で統合管理することを目的としています。2017年から試験的に運用が開始され、IBAMA によると、2018年時点で、21州がSINAFLOR運用に向けた準備を行っています。

植林地由来の木材を輸送するためには、木材輸送通知書(NTM)と輸送税支払いのために使われるインボイス(Resumo Especial)が必要とされます。

法令

土地所有と伐採関連

加工・輸送関連

先住民と地域コミュニティの権利関連

労働衛生関連

輸出入関連

関係行政機関一覧

名 称 略称 主な業務
ブラジル 環境・再生可能天然資源院(Instituto Brasileiro do Meio Ambiente e dos Recursos Naturais Renováveis) IBAMA ブラジル環境省の下部機関。天然林利用ライセンスの付与、保全、モニタリング、天然林からの木材生産と輸送の管理を所管します。
ブラジル森林局(Brazilian Forest Service) SFB ブラジル環境省の下部機関。国有林における持続可能な森林の利用と促進、森林生態系サービスの保全の責任機関で、コンセッションの管理を行います。
州政府環境局(Secretaria de Estado de Meio Ambiente) SEMA 州政府の機関で、当該州における環境行政全般を所管します。州内の伐採許可、木材及び木材製品の輸送許可、木材加工場のライセンスを発行し、木材・木材製品の検査を行います。

その他木材等の適正な流通の確保に関する情報

(1) 民間の森林認証スキーム

ブラジルでは、FSC(Forest Stewardship Council)認証と、PEFC(Programme for the Endorsement of Forest Certification)の相互承認を受けたブラジル森林認証プログラム(Programa de Certificação Florestal Brasileira:CERFLOR)の2種類の森林認証制度が活用されています。

2018年4月時点で、FSCの森林管理(FM)認証を受けた森林は約600万haであり、その内の33%は天然林(120万ha)、67%は植林地(480万ha)となっています。全国の植林地面積の約60%がFSC認証を受けています。また、CoC(Chain of Custody)認証取得団体は1,132団体となっています。

CERFLORの森林管理認証を受けた森林は、2017年時点で300万ha、そのうち、250万 haがFSC認証も受けています。CoC 認証を取得した団体は、50団体となっています。

合法性の確認に活用できる書類の事例

森林伐採許可(AUTEX)(PDF : 0.20MB)
発行対象 天然林の伐採事業者
発行者 州環境局(SEMA)
概要 年間事業計画(POA)と森林インベントリに基づき発行されます。AUTEXは、パラ州とマトグロッソ以外の州で使用されます。AUTEXには、伐採可能な樹種名と樹種ごとの伐採可能量、伐採の有効期限、許可番号、発行日、森林技師責任者名、当該森林の情報(所有者、場所、所有・森林管理計画・POAの面積)等が含まれます。

(出典)「クリーンウッド」利用推進事業のうち生産国における現地情報の収集(熱帯地域)事業報告書(平成31年3月報告)

森林伐採許可-パラ州とマトグロッソ州(AUTEF)(PDF : 0.16MB)
発行対象 天然林の伐採事業者
発行者 州環境局(SEMA)
概要 パラ州とマトグロッソ州で適用される伐採許可証です。

(出典)「クリーンウッド」利用推進事業のうち生産国における現地情報の収集(熱帯地域)事業報告書(平成31年3月報告)

丸太輸送許可証(GF1)(PDF : 0.13MB)
発行対象 丸太輸送者
発行者 州環境局(SEMA)
概要 パラ州およびマトグロッソ州で丸太の輸送に義務付けられます。

(出典)「クリーンウッド」利用推進事業のうち生産国における現地情報の収集(熱帯地域)事業報告書(平成31年3月報告)

委託・補助事業の成果

(1)平成30年度
「クリーンウッド」利用推進事業のうち生産国における現地情報の収集(熱帯地域)事業

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