トピックス
トピックス1 大阪・関西万博で木材利用の機運が醸成




大阪・関西万博において「大屋根リング」を始めとする様々な建築物に木材が利用
➢ 2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博) が4月から10月まで開催
➢ 大阪・関西万博のシンボルとして建設された「大屋根リング」は、全周約2km、高さ約12~20mで、約27,000m3の木材を使用(約7割が国産材)。2025年3月には、「最大の木造建築物」として、ギネス世界記録に認定
➢ 日本館は、スギ材を原料としたCLTを内外壁に使用し、円環状に配置されたCLTにより循環を表現
➢ 民間の国内パビリオンにおいても外装等に国産材が使用されたほか、海外パビリオンにおいても、輸送距離等の面から二酸化炭素排出量の少ない日本産の木材を含め、多くの木材が使用
➢ 林野庁においても、ウッドデザイン賞の受賞作品等の展示や、木づかいシンポジウムの開催を通じて、木材利用の普及を行ったほか、遠隔操作等の先進技術を活用した林業機械の体験型展示を通じて、我が国の林業の未来のイメージを発信
➢ 大阪・関西万博で使用された木材については、大屋根リングの一部が、令和6年能登半島地震の災害公営住宅(石川県珠洲市)や、2026年に愛媛県で開催予定の「第76回全国植樹祭」、神奈川県横浜市で開催予定のGREEN×EXPO 2027などにおいて再利用される予定であるなど、会期終了後の活用の動きも広がっており、木材利用の機運が更に高まることが期待


トピックス2 山の地方創生に向けた「森業(もりぎょう)」の推進






森林の多様な生態系サービスを活かした「森業」の取組の推進により山村の振興に貢献

➢ 山村地域は、人口減少が著しく、高齢化が進行している一方で、都市部住民による移住の動きや山村地域にある地域資源への関心の高まりがみられ、山村振興に向けた各般の施策が進められる中、森林空間を活用した取組に広がり
➢ また、気候変動に対する企業の関心の高まりなどを背景に、森林由来J-クレジットの創出が拡大しており、都市部企業と山村地域の間で関係構築や資金循環が進み、森林整備が促進されるなどの新たな潮流
➢ このような中、農林水産省が2025年5月に取りまとめた「地方みらい共創戦略」では、「森業」の推進が位置付け。文化的サービスを始めとする森林の多様な生態系サービスの提供・活用により、人と森林の関係を深めるとともに、林業と相まって森林所有者に利益を生み出し、豊かな森林づくりにつなげる取組を森業として推進
➢ 森業の取組としては、森林浴等の森林空間の活用に加え、企業研修のフィールドとしての森林利用や、森林由来J-クレジットの取引を通じた森林(もり)づくり活動などが想定。林野庁では、取組事例や各種支援策等の情報を集約した森業ポータルを開設
➢ 森業の推進を通じて、山村地域における新たな雇用と収入機会の創出、森林・林業に携わる人・企業の増加や関係人口の拡大による山村の振興、ひいては適正な森林管理にもつながることが期待

トピックス3 スマート林業の新たな展開~技術開発と現場実装~



現場へのスマート林業技術の導入による、「安全で、楽しく、効率的なスマート林業」の実現に向けて、必要性や目指すべき将来像を提示し、現場実装を推進
➢ 林業における労働安全の確保や生産性の向上、労働負荷の軽減に向けて、先進技術を積極的に導入。これまでに実用化された技術については現場実装が進み、例えば、集材作業において遠隔操作の機能を有する架線式グラップルと油圧集材機を導入した事例や、遠隔操作の機能を有するフォワーダを導入した事例において、生産性向上や省人化の効果
➢ 林野庁の支援により近年実用化された、遠隔操作の機能を有する伐倒機械や下刈り機械なども現場実装が進捗
➢ 一方で、多様な林地の条件に応じた作業システム構築には、林業機械の林内走行性能の向上や、植栽作業等の機械化に向けた技術の開発など、更なる取組が必要。AIや自動運転等の新技術を取り込みつつ、機械メーカー等による技術開発等を促進
➢ また、地域一体でデジタル技術の活用やデータ連携に取り組むことにより、従来の業務手順や商慣習を根本的に見直し、森林管理から生産・流通分野までの効率化を目指す「林業DX(デジタルトランスフォーメーション)」も推進
➢ これらのスマート林業技術の更なる定着を目指して、2026年3月に「スマート林業技術の現場実装ビジョン」を策定し、スマート林業の必要性、目指すべき将来像等を提示。林業の現場に新しい選択肢を示し、「安全で、楽しく、効率的なスマート林業」の実現を目指す

トピックス4 昭和100年~先人が築いた森林を次世代へつなぐ~ 





昭和時代の森林資源の利用と造成の歴史を踏まえながら、次世代に森林を受け継いでいくことが重要

➢ 令和8(2026)年は、昭和元(1926)年から起算して満100年。昭和時代は、森林資源の利用と造成の歴史
➢ 昭和10年代から昭和20年代は、戦中・戦後の木材需要に応じて、大量に森林の伐採が行われ、造林未済地が拡大。国土緑化の必要性から、復旧造林が推進。昭和25(1950)年には「第1回全国植樹祭」が開催
➢ 昭和20年代後半には、戦後の経済復興に伴い住宅建築等のための木材需要が高まる中、木材供給は追い付かず、昭和30年代以降、木材価格も大幅に上昇。また、石油やガスへの燃料転換や化学肥料の使用が一般化したことに伴い、広葉樹等の里山林の薪炭林等としての利用が減少し、人工林化を望む声が拡大。これらを背景として、緊急増伐等が推進され、伐採跡地には針葉樹を植栽する拡大造林が進展。昭和39(1964)年には、林業総生産の増大等を目標とする林業基本法が制定
➢ 昭和40年代になると、木材需要は輸入材により賄われ、林業生産活動は停滞。その後、バブル景気が崩壊し木材需要が減少 したこともあり、木材価格は⾧期的に低迷し、間伐等が行われないなどの状況。森林に対するニーズは多様化し、平成13(2001)年に森林・林業基本法が制定。平成31(2019)年には森林環境税・森林環境譲与税が創設され、安定的な財源を確保しながら森林整備を推進
➢ 令和の時代に入った現在は、昭和時代に実施された造林やこれまでの治山対策が実を結び、歴史的にみると山地災害の発生が減少。同時に、森林資源が充実し、循環利用が可能に。昭和時代からの歴史的な経緯を踏まえながら、将来の森林・林業の姿を描き、次世代に森林を受け継いでいくことが重要

トピックス5 大船渡(おおふなと)市林野火災からの復旧と今後の消防防災対策


大船渡市林野火災を受け、現地の復旧を推進するとともに、今後の消防防災対策を取りまとめ

➢ 2025年2月26日に岩手県で発生した大船渡市林野火災は、記録的な降水量の少なさ、発生日前後の乾燥、強風、地形等の影響により急激に拡大し、我が国においては1964年以降で最大の規模となる約3,370haの被害
➢ 2025年4月に大船渡市林地再生対策協議会が設置され、国や岩手県が参画しながら、被災地の林地再生に向けて協議。被害の調査結果や保全対象の位置関係などを踏まえ復旧方法を検討した上で、2026年3月に「令和7年大船渡市大規模林野火災等に係る森林再生計画」を策定
➢ 復旧に当たっては、森林災害復旧事業により、人工林約1,280haを復旧予定として採択し、被災木の伐採に着手するとともに、今後の大雨等により土砂や流木の流出のおそれがある箇所について、災害関連緊急治山事業により治山ダムの設置等を推進
➢ また、林野庁では、消防庁とともに「大船渡市林野火災を踏まえた消防防災対策のあり方に関する検討会」を開催し、2025年8月に報告書を取りまとめ。報告書では、林野火災注意報・林野火災警報の創設及び的確な発令、林野火災に係る広報・啓発の強化、延焼しにくい多様な林相への誘導や消火活動に必要な林道等の整備など林野火災に強い地域づくりが位置付け
➢ 報告書を踏まえ、国民の生命・財産を守るため、林野火災の予防を始めとする対策の具体化に取り組む方針
お問合せ先
林政部企画課
担当者:年次報告班
代表:03-3502-8111(内線6061)
ダイヤルイン:03-6744-2219








