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林野庁

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第1部 第2章 第1節 林業の動向(1)

(1)林業生産の動向

(木材生産の産出額の推移)

我が国の林業は、⾧期にわたり木材価格の下落等の厳しい状況が続いてきたが、近年は国産材の生産量の増加、木材自給率の上昇等、その活力を回復させつつある。我が国の林業産出額は、丸太輸出の増加、木質バイオマス発電施設での燃料材利用の増加等により平成25(2013)年以降増加傾向で推移してきたが、令和5(2023)年は、製材用素材等の価格の低下や生産量の減少などから前年比4.0%減の5,563億円となった。

このうちの約6割を占める木材生産の産出額は、令和5(2023)年は前年比9.6%減の3,257億円となった。これに対して、令和5(2023)年の栽培きのこ類生産の産出額は2,199億円となり、前年比で6.4%増加している(資料2-1)。


(国産材の素材生産量の推移)

令和5(2023)年の国産材総供給量は、前年比0.4%減の3,444万m3となった(*1)。製材、合板及びチップ用材については、前年比6.5%減の2,065万m3となっている(*2)。

令和5(2023)年の素材(*3)生産量を樹種別にみると、スギは前年比10.0%減の1,192万m3、ヒノキは前年比7.0%増の318万m3、カラマツは前年比4.9%減の184万m3、広葉樹は前年比1.5%増の172万m3となり、樹種別割合は、スギが57.7%、ヒノキが15.4%、カラマツが8.9%、広葉樹が8.3%となっている。また、国産材の地域別素材生産量をみると、令和5(2023)年は多い順に、九州(25%)、東北(23%)、北海道(15%)が上位となっている(資料2-2)。


(*1)林野庁「令和5(2023)年木材需給表」。パルプ用材、その他用材、しいたけ原木、燃料材、輸出を含む数量。

(*2)林野庁「令和5(2023)年木材需給報告書」

(*3)製材・合板等の原材料に供される丸太等(原木)。



(素材価格の推移)

素材価格(*4)は、スギ、ヒノキについては昭和55(1980)年をピークに下落してきたが、近年はスギが12,000~14,000円/m3程度、ヒノキが18,000円/m3前後で横ばいで推移してきた。カラマツについては、平成16(2004)年を底に若干上昇傾向で推移し、近年は12,000円/m3前後で推移してきた。

令和3(2021)年には国産材の需要の高まりなどを受けて上昇し、令和6(2024)年にかけては下落傾向にあるものの、価格上昇前の令和2(2020)年よりも高い水準で推移している。令和6(2024)年の年平均価格は、スギは15,900円/m3、ヒノキは22,300円/m3、カラマツは15,300円/m3であった。


(*4)製材工場着の価格。木材価格の推移については、第3章第1節(3)144-147ページを参照。



(山元立木価格の推移)

令和6(2024)年3月末時点の山元立木価格は、スギが前年同月比5.4%減の4,127円/m3、ヒノキが0.8%増の8,940円/m3、マツ(トドマツ、エゾマツ、カラマツ)が6.7%減の5,079円/m3であった(資料2-3)。


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