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林野庁

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第1部 第3章 第2節 木材利用の動向(5)

(5)木材輸出の取組

(木材輸出の概況)

我が国の木材輸出は、中国等における木材需要の増加等を背景に増加傾向にある。令和5(2023)年の木材輸出量は、為替相場の円安進行等の影響を受け、丸太が160万m3(前年比20.5%増)となった一方、米国における住宅金利の高止まりによる需要減少等の影響を受け、製材が14万m3(前年比21.3%減)、合板等が12万m3(前年比13.1%減)となった(*58)。また、令和5(2023)年の木材輸出額は、前年比4.2%減の505億円となり、品目別にみると、丸太が231億円(前年比12.4%増)で全体の45.8%と最も多く、製材が65億円(前年比29.5%減)、合板等が103億円(前年比10.7%減)となった(資料3-26)。

丸太については、その9割が中国へ輸出され、こん包材、土木用等に利用されている。また、米国へ輸出されている製材については、主にフェンス材に利用されている。


(*58)財務省「令和5年分貿易統計」(確々報値)



(木材輸出拡大に向けた方針)

人口減少等により、国内の農林水産物・食品の市場規模の縮小が見込まれる中、海外市場を獲得していくことが重要である。「農林水産物及び食品の輸出の促進に関する法律」に基づき、農林水産物・食品輸出本部を農林水産省に設置し、輸出促進の取組を進めてきた。また、「食料・農業・農村基本計画」(令和2(2020)年3月閣議決定)等において、農林水産物及び食品の輸出額目標を設定した。木材、特用林産物、木製家具を合わせた林産物の輸出額については、令和7(2025)年までに718億円、令和12(2030)年までに1,660億円を目指すこととしている。

「農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略」において、木材については、付加価値の高い製材及び合板を輸出重点品目とし、輸出額目標を令和7(2025)年度までに351億円(製材271億円、合板80億円)と設定しており、中国、米国、韓国、台湾等をターゲットに輸出拡大を目指すこととしている。同戦略では、輸出先国・地域のニーズに応じて、業界一体となって輸出促進に取り組むこととしている。また、木材製品を生産する木材加工施設を中心に、原料を供給する川上から販売を担う川下までの企業等が連携する輸出産地の育成・展開を図ることとしている。


(具体的な輸出の取組)

林野庁では、輸出拡大に向け、様々なコンテンツを活用した日本産木材製品の認知度向上の取組、海外販路の開拓、輸出に取り組む産地の育成、相手国の建築士等を対象にした木造技術講習会の開催、輸出先国・地域のニーズ・規格等に対応した性能検証等の取組を支援している。

また、農林水産省が製材と合板の認定農林水産物・食品輸出促進団体に認定した一般社団法人日本木材輸出振興協会では、海外展示会等への出展や現地関係者向けのセミナー等を通じた販売促進活動、米国への構造用製材の輸出に向けた米国検査機関での性能検証等を行っている。引き続き同協会が中心となって、オールジャパンでの輸出促進に向け、業界共通の課題解決に向けた取組や輸出環境の整備、新規輸出先国・地域の市場開拓を図るためのマーケティング等に取り組むことが期待される。


お問合せ先

林政部企画課

担当者:年次報告班
代表:03-3502-8111(内線6061)
ダイヤルイン:03-6744-2219