このページの本文へ移動

林野庁

メニュー

第1部 第2章 第1節 林業の動向(1)

目標15
目標9
目標8
目標5
目標4

(1)林業生産の動向

(木材生産の産出額の推移)

我が国の林業は、長期にわたり木材価格の下落等の厳しい状況が続いてきたが、近年は国産材の生産量の増加、木材自給率の上昇など、その活力を回復させつつある。我が国の林業産出額は、丸太輸出、木質バイオマス発電等による新たな木材需要により増加傾向で推移し、令和3(2021)年は、建築用材の輸入木材が不足し、その代替としての国産材の需要の高まりを背景に製材用素材(*1)の価格が上昇したこと等により前年比13.0%増の5,457億円となり、名目値ではここ20年で最高の水準となった。

このうちの約6割を占める木材生産の産出額は、令和3(2021)年は、前年比32.0%増の3,254億円となった。これに対して、令和3(2021)年の栽培きのこ類生産の産出額は2,092億円となり、前年比で7.4%減少している(資料2-1)。


(*1)製材の原材料に供される丸太等(原木)。



(国産材の素材生産量の推移)

令和3(2021)年の国産材総供給量は、前年比8.3%増の約3,372万m3となった(*2)。製材、合板及びチップ用材については、令和3(2021)年は輸入木材の代替として国産材の供給が増加したこと等により前年比9.9%増の約2,185万m3となっている。

令和3(2021)年の素材生産量を樹種別にみると、スギは前年比10.8%増の約1,292万m3、ヒノキは前年比13.1%増の約308万m3、カラマツは前年比1.0%減の約199万m3、広葉樹は前年比4.7%減の約176万m3となり、樹種別割合は、スギが59.1%、ヒノキが14.1%、カラマツが9.1%、広葉樹が8.1%となっている。また、国産材の地域別素材生産量をみると、令和3(2021)年は多い順に、九州(25%)、東北(25%)、北海道(14%)が上位となっている(資料2-2)。


(*2)林野庁「令和3(2021)年木材需給表」。パルプ用材、その他用材、しいたけ原木、燃料材、輸出を含む数量。



(素材価格の推移)

スギの素材価格(*3)は、昭和55(1980)年をピークに下落してきたが、近年は13,000~14,000円/m3程度でほぼ横ばいで推移してきた。ヒノキの素材価格もスギと同様の状況であり、近年は18,000円/m3前後でほぼ横ばいで推移してきた。カラマツの素材価格は、平成16(2004)年を底にその後は若干上昇傾向で推移し、近年は12,000円/m3前後で推移してきた。

素材価格は、令和3(2021)年に国産材の需要の高まり等を受けて上昇したが、令和4(2022)年も高い水準で推移している。スギ及びカラマツについては令和3(2021)年よりも上昇し、スギは17,600円/m3、カラマツは16,100円/m3となった。一方でヒノキについては令和3(2021)年よりも下落し、25,100円/m3となった。


(*3)製材工場着の価格。素材価格については、第3章第1節(3)135ページを参照。



(山元立木価格は上昇)

令和3(2021)年3月以降の木材価格(製品・素材)の上昇が、山元立木価格に波及した結果、令和4(2022)年3月末現在の山元立木価格は、スギが前年同月比56.1%増の4,994円/m3、ヒノキが51.9%増の10,840円/m3、マツ(トドマツ、エゾマツ、カラマツ)が18.6%増の4,933円/m3であった(資料2-3)。


お問合せ先

林政部企画課

担当者:年次報告班
代表:03-3502-8111(内線6061)
ダイヤルイン:03-6744-2219