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第1部 第2章 第1節 林業の動向(1)

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(1)林業生産の動向

(木材生産の産出額の推移)

我が国の林業は、長期にわたり木材価格の下落等の厳しい状況が続いてきたが、近年は国産材の生産量の増加、木材自給率の上昇など、その活力を回復させつつある。我が国の林業産出額は、丸太輸出、木質バイオマス発電等による新たな木材需要により増加傾向で推移し、平成30(2018)年には18年ぶりに5,000億円を超えたが、令和2(2020)年は、新型コロナウイルス感染症の影響による木材需要の減少により前年比3%減の4,831億円となった。このうちの約5割を占める木材生産の産出額は、令和2(2020)年は、前年比9%減の2,464億円となった。

これに対して、令和2(2020)年の栽培きのこ類生産の産出額は2,260億円となり、前年比で4%増加している(資料2-1)。


(国産材の素材(*1)生産量の推移)

令和2(2020)年の国産材総供給量は、前年比0.5%増の3,115万m3(*2)となった。製材、合板及びチップ用材については、平成14(2002)年以降増加傾向にあったものの、令和2(2020)年は新型コロナウイルス感染症に起因する国内の製材・合板工場等の減産等に伴う原木(*3)の入荷制限により前年比9%減の1,988万m3となっている。

令和2(2020)年の素材生産量を樹種別にみると、スギは前年比8%減の1,166万m3、ヒノキは前年比8%減の272万m3、カラマツは前年比9%減の201万m3、広葉樹は前年比8%減の185万m3となり、樹種別割合は、スギが59%、ヒノキが14%、カラマツが10%、広葉樹が9%となっている。また、国産材の地域別素材生産量をみると、令和2(2020)年は多い順に、東北(25%)、九州(24%)、北海道(14%)となっている(資料2-2)。


(*1)製材・合板等の原材料となる丸太(原木)。

(*2)林野庁「令和2(2020)年木材需給表」。パルプ用材、その他用材、しいたけ原木、燃料材、輸出を含む数量。

(*3)製材・合板等の原材料となる丸太。



(素材価格は上昇)

スギの素材価格(*4)は、昭和55(1980)年をピークに下落してきたが、近年は13,000~14,000円/m3程度でほぼ横ばいで推移している。ヒノキの素材価格もスギと同様の状況であり、近年は18,000円/m3前後でほぼ横ばいで推移している。カラマツの素材価格は、平成16(2004)年を底にその後は若干上昇傾向で推移し、近年は12,000円/m3前後で推移している。

令和3(2021)年の素材価格は、新型コロナウイルス感染症の影響による輸入木材製品の不足が顕著となり、代替としての国産材の需要が高まったことから、スギ及びヒノキについては上昇し、スギは16,100円/m3、ヒノキは25,900円/m3となった。一方でカラマツについてはほぼ横ばいで、13,200円/m3となった。


(*4)製材工場着の価格。素材価格については、第3章第1節(3)135ページを参照。



(スギ、ヒノキの山元立木価格は上昇)

令和3(2021)年3月末現在の山元立木価格は、スギが前年同月比10%増の3,200円/m3、ヒノキが12%増の7,137円/m3、マツ(トドマツ、エゾマツ、カラマツ)が6%減の4,158円/m3であった(資料2-3)。


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