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林野庁

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第1部 第3章 第3節 木材産業の動向(7)

(7)プレカット加工業

(プレカット材の利用が拡大)

プレカット材は、木造軸組住宅等を現場で建築しやすいよう、住宅に用いる柱やはり、床材や壁材等の部材について、継手つぎて仕口しぐち(*184)といった部材同士の接合部分等をあらかじめ一定の形状に加工したものである。プレカット工場では、部材となる製材品、集成材、合板等の材料を工場で機械加工することによって、プレカット材を生産する。

木造住宅の建築においては、従来は大工が現場で継手つぎて仕口しぐちを加工していたが、昭和50年代になるとプレカット材が開発され、さらに昭和60年代には、コンピューターに住宅の構造を入力すると部材加工の情報が自動で生成され、これを基にコンピューター制御により機械で加工するシステム(プレカットCAD/CAMシステム)が開発された。プレカット材は、施工期間の短縮や施工コストの低減等のメリットがあることから利用が拡大している。また、プレカット加工を施した木材を一戸ごとに梱包・販売する業形態へ変化している。


(*184)「継手」とは、2つの部材を継ぎ足して長くするために接合する場合の接合部分で、「仕口」とは、2つ以上の部材を角度をもたせて接合する場合の接合部分をいう。



(工場は大規模化の傾向)

プレカット工場における材料入荷量は増加しており、平成30(2018)年には673万m3で、その内訳は、国産材が256万m3(38%)、輸入材が417万m3(62%)となっている。材料入荷量673万m3のうち、人工乾燥材は289万m3(43%)、集成材は292万m3(43%)となっている(*185)。使用される集成材については、これまで輸入集成材や輸入ラミナを用いて国内で集成材に加工したものが多く利用されてきたが、国産材ラミナ及びそれを用いた集成材の安定供給の見通しが立ったことなどから、これまで輸入集成材を扱っていたプレカット工場が国産材の集成材に転換する動きがみられる。

また、平成28(2016)年の販売金額規模別のプレカット工場数をみると、5年前の平成23(2011)年と比べて、5億円未満の工場が約3割減の319工場であるのに対して、5億円以上の工場は約8割増の411工場となっており、大規模化の傾向がみられる(*186)(資料3-47)。

プレカット材の利用率も上昇しており、平成30(2018)年には、木造軸組構法におけるプレカット材の利用率は93%に達している(資料3-48)。


(*185)農林水産省「平成30年木材流通構造調査」

(*186)農林水産省「平成28年木材流通構造調査報告書」



お問合せ先

林政部企画課

担当者:年次報告班
代表:03-3502-8111(内線6061)
ダイヤルイン:03-6744-2219

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