第1部 第3章 第3節 木材産業の動向(6)
(6)木材チップ製造業
(木材チップ生産量の動向)
木材チップは、木材を切削し、又は破砕した小片であり、原木や工場残材(*175)等を原料とする切削チップと、住宅等の解体材、梱包資材やパレットの廃材を原料とする破砕チップがある。製紙用(*176)には主に切削チップが、チップボイラー等の燃料及び木質ボードの原料には主に破砕チップが用いられる。
木材チップ工場における木材チップの生産量(*177)は、平成22(2010)年以降は増加傾向にあったが、平成26(2014)年に減少してからはほぼ横ばいで推移し、平成30(2018)年には前年比4%減の571万トンであった。原材料別の生産量は、素材(原木)は前年比3%減の248万トン(生産量全体の44%)、工場残材は前年比4%減の210万トン(同37%)、林地残材は前年比17%減の11万トン(同2%)、解体材・廃材は前年比6%減の102万トン(同18%)となっている(資料3-45)。
原材料のうち、木材チップ用素材の入荷量(*178)は、平成30(2018)年には前年比2%減の459万m3であり、そのほとんどが国産材となっている。国産材のうち、針葉樹は257万m3(56%)、広葉樹は202万m3(44%)となっている。国産材の木材チップ用素材は、近年では針葉樹が増加し、広葉樹を上回っている(資料3-46)。
一方、木材チップの輸入量(*179)は、平成30(2018)年には1,245万トンであり、木材チップの消費量(*180)に占める輸入された木材チップの割合は69%であった(*181)。木材チップの主な輸入先国(及び輸入量)は、ベトナム(332万トン)、オーストラリア(262万トン)、チリ(187万トン)等となっている(*182)。
(*175)製材業や合板製造業等において製品を製造した後に発生する端材等をいう。
(*176)紙は木材を、板紙は木材のほか古紙等を主原料として生産される。
(*177)農林水産省「平成30年木材需給報告書」。重量は絶乾重量で、燃料用チップを除く。
(*178)農林水産省「平成30年木材需給報告書」。燃料用チップを除く。
(*179)財務省「貿易統計」
(*180)木材チップ生産量571万トンと木材チップ輸入量1,245万トンの合計。
(*181)第3章第1節(2)161ページ(及び資料3-7)における輸入木材チップの割合(71%)は、パルプ生産に利用された木材チップに占める割合であることから、ここでの割合とは一致しない。
(*182)財務省「貿易統計」
(木材チップ工場は減少、大規模化の傾向)
我が国の木材チップ工場数は、平成30(2018)年時点で、前年より61工場減の1,303工場となっている。このうち、製材又は合単板工場等との兼営が959工場、木材チップ専門工場が344工場となっている。
一方、平成28(2016)年の販売金額規模別の木材チップ工場数をみると、5年前の平成23(2011)年と比べて、5,000万円未満の工場が約6割減の448工場であるのに対して、5,000万円以上の工場はほぼ倍増して945工場となっており、大規模化の傾向がみられる(*183)。
(*183)農林水産省「平成28年木材流通構造調査報告書」
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