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林野庁

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第1部 第3章 第3節 木材産業の動向(8)

(8)木材流通業

木材流通業者は、素材生産業者等から原木を集荷し、樹種、径級、品質、長さ等によって仕分けた上で、個々の木材加工業者が必要とする規格や量に取りまとめて供給し、また、木材加工業者から木材製品を集荷し、個々の実需者のニーズに応じて供給する(*187)。具体的には、木材市売市場や木材販売業者等がある。


(*187)以下のデータは、農林水産省「平成28年木材流通構造調査報告書」、「平成30年木材流通構造調査」による。



(木材市売市場の動向)

木材市売市場には、原木市売市場(*188)と製品市売市場がある。木材市売市場は、生産者等から集荷した商品(原木又は製品)を保管し、買方を集めてセリ等にかけ、最高値を提示した買方に対して販売を行う(*189)。販売後は、商品の保管、買方への引渡し、代金決済等の一連の業務を行い、主として出荷者からの手数料により運営している。木材市売市場等(*190)の数は、平成28(2016)年には413事業所となっている。

原木市売市場は、主に原木の産地に近いところに立地し、素材生産業者等(出荷者)によって運び込まれた原木を、樹種、長さ、径級、品質、直材・曲がり材等ごとに仕分けをし、土場に椪積はいづみして、セリ等により販売する。原木の仕分けに当たっては、自動選木機(*191)を使用する市場が増えている。平成30(2018)年における原木取扱量(*192)は、1,090万m3となっている。

原木市売市場における国産材の主な入荷先については、自ら素材生産したもの(16%)の割合が上昇傾向である。

また、原木市売市場は、国産材原木の流通において、素材生産業者の出荷先のうち39%、製材工場の入荷先のうち43%を占めている。製材工場へ入荷する国産材のうち、14%は伐採現場等から直接入荷(*193)されており、市場の土場を経由しないで工場まで流通する原木の割合は増加傾向にある。

一方、製品市売市場は、主に木材製品の消費地に近いところに立地し、製材工場や木材販売業者(*194)(出荷者)によって運び込まれた製品や市場自らが集荷した製品を、出荷者ごと等に陳列してセリ等により販売する。平成30(2018)年における製材品取扱量(*195)は、183万m3となっている。


(*188)森林組合が運営する場合は「共販所」という。

(*189)このほか、相対取引(売方と買方の直接交渉により価格を決める売買方法)により販売を行う場合もある。また、市場自らが商品を集荷し、販売を行う場合もある。

(*190)「木材センター」(二つ以上の売手(センター問屋)を同一の場所に集め、買手(木材販売業者等)を対象として相対取引により木材の売買を行わせる卸売機構)を含む。

(*191)原木の径級、曲がり等により自動で仕分けをする機械。

(*192)統計上は入荷量。「木材センター」の入荷量を含まない。

(*193)製材工場が、原木市売市場との間で事前に取り決めた素材の数量、造材方法等に基づき、市場の土場を経由せず、伐採現場や中間土場から直接入荷する場合。市場を経由する輸送やセリ等に係るコストの削減が図られる。

(*194)製材工場等から製品を集荷し、それらをまとめて製品市売市場に出荷する木材販売業者(木材問屋)のことを、特に「市売問屋」という。

(*195)統計上は入荷量。「木材センター」の入荷量を含まない。



(木材販売業者の動向)

木材販売業者は、自ら木材(原木又は製品)を仕入れた上で、これを必要とする者(木材市売市場、木材加工業者、消費者・実需者)に対して販売を行う。木材販売業者には木材問屋や材木店・建材店があり、その数は平成28(2016)年には7,487事業所となっている。このうち木材問屋は、素材生産業者等から原木を仕入れ、製材工場等に販売し、また、製材工場等から製品を仕入れ、材木店・建材店等に販売する。材木店・建材店は、製品市売市場や木材問屋を通じて仕入れた製品を、工務店等の建築業者等に販売するほか、これらの実需者に対して木材製品に係る様々な情報等を直接提供する立場にある。

平成30(2018)年における木材販売業者の原木取扱量(*196)は1,581万m3、製材品取扱量(*197)は1,673万m3となっている(*198)。


(*196)統計上は入荷量。

(*197)統計上は出荷量。

(*198)原木取扱量(入荷量)及び製材品取扱量(出荷量)のいずれも、木材販売業者間の取引も含めて集計された延べ数量である。



お問合せ先

林政部企画課

担当者:年次報告班
代表:03-3502-8111(内線6061)
ダイヤルイン:03-6744-2219

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