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林野庁

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第1部 森林及び林業の動向 はじめに


はじめに

我が国の森林は、国土の保全、水源の涵(かん)養、木材等の生産等の多面的機能の発揮によって、国民生活及び国民経済に大きな貢献をしている。また、現在の森林の状況は、これまでの先人の努力等により、戦後造林された人工林を中心に本格的な利用期を迎えており、国内の豊富な森林資源を循環利用することが重要な課題となっている。

木材自給率は、平成29(2017)年には約36%まで上昇しているものの、人工林の1年間の蓄積増加量約5,300万m3に比べて木材の国内生産量は2,966万m3と、我が国の人工林資源が十分に活用されているとは言い難い状況である。また、森林組合や民間事業体等の林業経営体については、いまだ、生産性の向上が十分ではないなど様々な課題を抱えている。

政府は、平成30(2018)年6月に「未来投資戦略2018」を閣議決定した。この中では、林業の成長産業化と森林の適切な経営管理の実現のため、現場における事業が円滑に進むための制度改正、先端技術の導入等による生産性の向上や流通全体の効率化といった林業改革に取り組むこととしている。このため、令和元(2019)年度から施行される森林経営管理法に基づく「森林経営管理制度」等により、森林の経営管理の集積・集約化を進め、原木生産の集積拡大を図ることとしている。さらに、今後はスマート林業の推進や木材流通の在り方を山側からの視点ではなく需要側の視点で行うマーケットインへと発想を変えるなどの生産流通構造改革が必要となっており、これまでの取組の継続ではなく、既存の関係者の常識が変わるような技術革新や、新たな概念を導入していく、いわばイノベーションに取り組むことも重要となってくる。

本年度報告する「森林及び林業の動向」は、このような動きを踏まえ、この一年間における森林・林業の動向や主要施策への取組状況を中心に、森林・林業に対する国民の皆様の関心と理解を深めていただくことを狙いとして作成した。

冒頭のトピックスでは、平成30(2018)年度の動きとして、「平成30年7月豪雨や北海道胆振東部地震による災害の発生と復旧への取組」、「国連気候変動枠組条約第24回締約国会議(COP24)」、「ますます進んでいく非住宅・中高層建築物の木造化・木質化の取組」、「森林・林業・木材産業と持続可能な開発目標(SDGs)」、「「第69回全国植樹祭」が福島県で開催」等を紹介した。

本編では、第1章の特集においては「今後の森林の経営管理を支える人材 ~森林・林業・木材産業にイノベーションをもたらす!~」をテーマに、今後の森林の経営管理を支える林業経営体や林業従事者の状況について、様々なイノベーションに向けた取組事例とともに、学生や林業従事者へのアンケート結果を交えて紹介し、今後の森林・林業・木材産業のイノベーションの実現に向けた方向性について記述した。第2章以降の各章においては、森林の整備・保全、林業と山村(中山間地域)、木材産業と木材利用、国有林野の管理経営、東日本大震災からの復興について主な動向を記述した。

お問合せ先

林政部企画課

担当者:年次報告班
代表:03-3502-8111(内線6061)
ダイヤルイン:03-6744-2219

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