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林野庁

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第1部 第2章 第4節 国際的な取組の推進(3)


(3)生物多様性に関する国際的な議論

森林は、世界の陸地面積の約3割を占め、陸上の生物種の少なくとも8割の生育・生息の場となっていると考えられている(*191)。

平成4(1992)年に開催された「地球サミット」に合わせて、地球上の生物全般の保全に関する包括的な国際的な枠組みとして、「生物の多様性に関する条約(生物多様性条約(CBD))(*192)」が採択された。同条約は、平成30(2018)年10月末現在、我が国を含む194か国、欧州連合(EU)及びパレスチナが締結している。

平成22(2010)年に愛知県名古屋市で開催された「生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)」において、同条約を効果的に実施するための世界目標である「愛知目標」(資料2-46)を定めた「戦略計画2011-2020」が採択された。

同会議においては、遺伝資源へのアクセスと利益配分(ABS(*193))に関する「名古屋議定書」が採択され、平成26(2014)年に発効した。我が国は、同議定書の締結に向けた検討を進め、平成29(2017)年8月に98か国目の締約国となった。また、これに合わせて同議定書に対応する国内措置として「遺伝資源の取得の機会及びその利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分に関する指針(ABS指針)」を施行した(*194)。

平成30(2018)年11月にはエジプトのシャルム・エル・シェイクでCOP14等が開催された。閣僚級会合では「愛知目標」を含む「戦略計画2011-2020」の確実な実施に向けた努力の加速、2020年以降の新たな世界目標の策定等の支援等を盛り込んだシャルム・エル・シェイク宣言が採択された。また、同会議では、パラレルミーティングとして経済界のリーダー等が出席したビジネスフォーラムも開催され、事業活動と生物多様性の関係について議論が行われた(*195)。


(*191)UNFF(2009) Forests and biodiversity conservation, including protected areas. Report of the Secretary-General. E/CN.18/2009月06日 : 5.

(*192)生物の多様性の保全、生物多様性の構成要素の持続可能な利用、遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分を目的としている。遺伝資源とは、遺伝の機能的な単位を有する植物、動物、微生物その他に由来する素材であって現実の又は潜在的な価値を有するもの。CBDは「Convention on Biological Diversity」の略。

(*193)「Access and Benefit-Sharing」の略。

(*194)環境省プレスリリース「生物の多様性に関する条約の遺伝資源の取得の機会及びその利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分に関する名古屋議定書の締結について」(平成29(2017)年5月23日付け)

(*195)環境省プレスリリース「生物多様性条約第14回締約国会議、カルタヘナ議定書第9回締約国会合及び名古屋議定書第3回締約国会合(国連生物多様性会議 エジプト シャルム・エル・シェイク2018)の結果について」(平成30(2018)年11月30日付け)


お問合せ先

林政部企画課

担当者:年次報告班
代表:03-3502-8111(内線6061)
ダイヤルイン:03-6744-2219

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