北海道国有林の大自然、森林づくりの現場などから届いた”HOTな写真”を掲載していくギャラリーです
森林(もり)の撮っておき!(2018年6月)
オオヤマオダマキの観察日記(平成30年6月29日撮影)
西紋別支署では、林内で見つけた植物を持ち帰り、署内にて植物の生長を観察しています。
現在は、林道で見つけたオオヤマオダマキ(大山苧環)を観察しています。
オオヤマオダマキは花が特徴的です。
一見すると小豆色の花びらに見える部分は“がく”で、“花びら”はクリーム色の部分です。
オオヤマオダマキ
さらに、オオヤマオダマキをもっとも特徴づけているのは、“距”(きょ)と呼ばれる花びらの裏側に伸びている小豆色の部分です。
この小豆色で、くるんと内側に巻いている“距”が、オオヤマオダマキの特徴のひとつです。
オオヤマオダマキの花びらと距
葉は二回三出複葉で、その小葉はさらに欠刻状に裂けています。
オオヤマオダマキの葉
同じオダマキの仲間に“ヤマオダマキ(山苧環)”、“ミヤマオダマキ(深山苧環)”という種類の高山植物もあり、同じような形の花を付けます。
ヤマオダマキとオオヤマオダマキの大きな違いは、距が内側に巻くことなく、まっすぐ伸びていることです。
また、ミヤマオダマキは背が10~25cm程と低く、花びらとがくが青っぽい色なのが特徴です。(オオヤマオダマキは40~80cm程になります。)
果実は袋果(たいか)です。まだ熟していませんが、種が出来るのが楽しみです。
オオヤマオダマキの果実
そんなオオヤマオダマキに、アブラムシが付いていました。
アブラムシ(中央)とアブラムシの抜け殻とアブラムシの赤ちゃん(左)
観察をしながらアブラムシが2匹ほどいたのは気付いていましたが、脱皮して、さらに子どもまで産んでいるとは・・・!
最初は抜け殻自体もアブラムシだと思っていましたが、アブラムシが脱皮することを知り、興味を持って少し調べてみると、アブラムシは単為生殖といい雌が単独で子を作ることができるそうです。オオヤマオダマキの観察からアブラムシの面白い生態も少し知ることができました。
アブラムシの赤ちゃんは立派にアブラムシの形をしていて、触角を上手に動かしていました。
あんまり増えるとオオヤマオダマキが弱ってしまいそうなので、今回は取り除いてしまいましたが、しばらく観察するのも面白そうです。
(西紋別支署 大山)
エゾオオマルハナバチの飛来(平成30年6月21日撮影)
ドローンを飛ばそうとしていたら、どこからかエゾオオマルハナバチが飛んできました。
エゾオオマルハナバチは、日本では北海道だけに見られる種類のミツバチです。
頭部の襟巻きがクリーム色でしっかり見えることと、おしりが黄色いのが特徴です。
後ろ足に立派な花粉団子を付けているので、蜜を集め終えて巣に帰る途中の寄り道でしょうか。
プロペラの中心を入念に調べていますが、残念ながらそこから蜜は出ません・・・
調査の邪魔にならないよう静かに観察していましたが、しばらくして満足したのか、飛び去っていってしまいました。
(西紋別支署 大山)
「自分のゴハンは自分でとってきなよ」(平成30年6月12日撮影)
知床森林生態系保全センターでは、関係機関が連携して行うヒグマトレンド調査(※)に取り組んでいます。
当日は、調査開始前の研修としてカムイワッカの滝~ルシャ地区間の林道において
ヒグマの糞の見分け方などを知床財団よりご指導いただきました。
糞の内容物は主に草本類でした
研修の合間に昼ご飯を食べていたら・・・
キタキツネが近づいてきました。
どうやらご飯を分けてほしそうです。
近づかれても困るので、追い払いをしたら逃げていきました。
これから知床だけでなく道内各地でも夏の観光シーズンの到来とともに多くの野生動物が見られることと思います。
かわいいおねだりをされても決して食べ物を与えないようお願いします。
食べ物を与えることで人に慣れてしまい、結果的に交通事故を引き起こしたり、人里に出現することで駆除対象になったりと動物たちを早死にさせ、生態系のバランスを乱します。
キツネやヒグマなど野生動物は我々のペットではありません。
どうか人間の身勝手で失われていく命が一匹でも減りますように。
(※)ヒグマトレンド調査・・・知床半島のヒグマの個体数の動向を把握することを目的に、知床財団及び環境省、北海道、斜里町、羅臼町、標津町、林野庁が連携してヒグマの糞カウント調査や自動撮影カメラ調査等を行っています。調査の様子はこちらをご覧下さい。
(知床森林生態系保全センター辻)
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