知床森林生態系保全センターブログ(2018年6月)
6月19日(火曜日)ヒグマ個体群トレンド調査
今年度からの取組として、知床半島に生息するヒグマの推定密度の精度向上を図ることを目的に、「知床ヒグマ対策連絡会議」の関係機関(※)が連携して調査を行っています。
調査期間は6月中旬から7月下旬までの予定で、知床半島内の林道24コース(国有林・町有林など)を対象に行っています。
24コースの林道を各機関が分担して調査を行うことで一機関にかかる調査の負担や費用コストが軽減できるメリットがあります。
さて、具体的にどのような調査を行っているかご紹介します。
(1) 糞カウント調査
林道コースを車両で低速で走行し、ヒグマ糞を発見したら記録していきます。
糞がどのくらい経過したものなのか、また、どんなものを食べているかチェックします。
内容物はこのように草本類の繊維が多く残っているものが多いです。
臭いのかと思いきや、意外と草のにおいが強かったです。
まれに、子ジカを食べた後の糞も!シカの毛とともに「ひづめ」が出てきました。
子ジカのひづめはまだ柔らかいので、そのまま食べることもあるようです。
(2) 自動撮影カメラ調査
熱赤外線センサーの検知により自動で撮影されるカメラで、今回は動画を撮ります。
各林道沿いにヒグマが通過しそうな場所を2カ所選んで設置しています。
現在は取付けを終えたところで、後日動画の中身をチェックする予定です。
ちゃんと上手に撮れていることを祈るばかりです。
まだまだ始まったばかりですが、これからも各機関と協力して調査を行っていきます。
(※)知床ヒグマ対策連絡会議の関係機関:知床財団及び環境省釧路自然環境事務所、北海道、斜里町、羅臼町、標津町、林野庁北海道森林管理局
6月5日(火曜日) 今年度も自動撮影調査はじめました
当センターでは、野生動物のモニタリングデータを収集することを目的に、知床国有林の林道沿いに年2回自動撮影カメラを設置しています。この調査は平成21年から森林総合研究所北海道支所と協力して実施しています。(詳細や今までのデータは北海道野生生物観測ネットワーク参照)
本日は今年度の調査のスタートとして、カメラを設置しましたので、その様子をお伝えします。
ひもでくくりつけてカメラ(台)を設置しています
スマートフォンのインカメラを用いてどのように写るか目で見て台の角度を調整します
設置完了!装置は雨に濡れないようビニールで包み込んでいます
そして、カメラ周辺の草刈りをお忘れなく。
カメラは熱赤外線センサーによる検知を利用して撮影しますが、風に吹かれた草本類に反応してシャッターがおりることもあるため、背丈のある草本類は刈っておきます。
これで大丈夫でしょう
どんな写真が撮れるかと期待を膨らませながら、計5カ所の設置を終えました。
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