
ナラ枯れ被害木くん蒸処理の実施
【檜山森林管理署】
令和8年4月下旬から5月下旬にかけ、昨年度檜山森林管理署管内で発生したナラ枯れ被害木のくん蒸処理を渡島森林管理署の協力を得て実施しました。
ナラ枯れとは「カシノナガキクイムシ」という昆虫が媒介する「ナラ菌」によりナラ類の木が水を吸い上げられなくなり枯れてしまう病害で、特にミズナラへの被害が多いことが知られています。
【ナラ枯れ被害木】
北海道では令和5年度に初めてナラ枯れ被害木が松前半島南端部で15本確認されました。令和6年度には全道で213本、檜山森林管理署管内の国有林でも4か所6本のミズナラ被害木が確認され処理を行いました。令和7年度にはさらに被害が拡大し全道で1,959本、国有林内で25か所96本の被害木が推定され、そのうち6か所23本の被害木に対して職員自らがくん蒸処理を行いました。なお、うち2本は昨年10月に実施した現地勉強会時に処理を行い、函館市内に所在する五稜郭保安林内の被害木2本については前年度に請負による伐倒及び焼却を行い、今年度、伐根のくん蒸処理を職員が実行しました。
また、残りのうち11か所65本の被害木は今年度の請負発注により5月中に処理を完了しています。なお、8か所8本の被害木は現地到達が困難なため、北海道ナラ枯れ被害対策基本方針に基づき被害監視区域として被害の把握に努めています。
くん蒸処理とは、薬剤を気化させてシートで覆った木に浸透させ、害虫を駆除する方法です。北海道の「ナラ枯れ被害木処理マニュアル」(令和6年10月22日発行)にも記載されているとおり、くん蒸に用いる薬剤が揮発し、くん蒸効果を発揮する最低気温5℃以上となる4月中旬以降から、カシノナガキクイムシが羽化脱出する5月末までの短い期間で作業を行う必要があります。
初回のくん蒸処理は4月27日に実施しました。くん蒸処理には以下の3種類があり、状況に応じて各処理を行いました。
(ア)伐倒くん蒸
伐倒した被害木に斜め5cm程度の切込みをチェーンソーで入れた後に椪積し、くん蒸処理を行う方法です。椪積までは昨年度中に完了しており、伐倒処理に使用する重機で椪の周囲に溝を掘っておくことで作業効率が向上しました。
今年度は立木11本分にあたる19椪にくん蒸処理を行いました。
【伐倒くん蒸の様子】
(イ)立木くん蒸
急傾斜地や市街地など伐倒が困難な被害木を対象に、立木のまま幹に電動ドリルで孔を開けてくん蒸処理する方法です。急傾斜地での作業となったため大変な作業になりましたが、今年度は8本の被害木を立木くん蒸で対応しました。
【立木くん蒸の様子】
(ウ)伐根の処理
伐倒後に残る伐根にチェーンソーによる切込みと電動ドリルによる孔開けの両方を行い、くん蒸処理する方法です。伐根の大きさや根張りの状態に合わせて処理を行う必要があり、一つ一つの孔に薬剤を注入するため、現場での工夫や多大な労力がかかる作業を参加者全員で協力しながら、13か所の伐根を処理しました。
【孔を開けた伐根の様子】
本年度は職員実行によるくん蒸処理業務を5回に分けて実行し、5月28日に無事故で作業を完了しました。くん蒸処理を行った場所の周辺には健全なナラ類が育っており、ナラ枯れ被害拡大防止の取組の大切さを改めて実感しました。
今年の気象条件や昨年度の被害拡大状況から、今年度もナラ枯れ被害地域の拡大が懸念されます。檜山森林管理署を含む北海道森林管理局では巡視を強化し早期発見に努め、ナラ枯れ被害拡大防止対策に取り組んでまいります。
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