
無下刈りクリーンラーチコンテナ苗造林地を紹介しました
【十勝西部森林管理署東大雪支署】
北海道新得町の屈足国有林では、平成30年度に大型機械による地拵えを実施し、クリーンラーチのコンテナ苗を植栽しました。
下刈り作業の省力化を目指したこの取組は、植栽2年目には平均苗長が170cmを超え、下刈りを行わない「無下刈り」を達成しました。
病害による一部被害はあるものの、令和7年度には平均苗長が7mを超えるまでに成長し、順調な成果を上げています。
11月には、この造林地を舞台に2回の現地説明会を開催しました。
平成30年の地拵・植付直後の様子
令和7年11月11日(火曜日)、請負事業体4社から社長や現場代理人8名が参加し、現地説明会を開催しました。
支署の担当者から現地の状況や「新しい林業」の推進について説明し、意見交換を行いました。
事業体からは、事業完了後の現地確認や生育状況を把握する機会がほとんどないことから、今回、実際に現地を見ていただくことで、改めて北海道森林管理局の取組への理解を深める機会となりました。
意見交換では、「コンテナ苗は裸苗に比べて重いため、フォワーダなど重機で運搬しているのが現状なので、経費を見込めないか。」、「斜面の上下作業に変わりはないので、大きな省力化にはならないのではないか。」、「リモコン草刈機を使っても、炎天下での作業負担は依然として課題が残る。」、「民有林と国有林で地拵え・植栽の仕様が統一されれば、機械購入を検討できる。」など、事業体の視点から意見をいただきました。
請負事業体を対象にした意見交換会の様子
令和7年11月13日(木曜日)、十勝総合振興局森林室主催により、同地において「市町村・森林組合新任職員等技術研修会」が開催されました。
新任職員13名、振興局森林室等からスタッフ11名が参加し、支署の担当者が現地説明を行いました。
森林室のスタッフには、昨年度、振興局や市町村職員を対象に支署が主催した現地説明会に参加された方がおり、研修生に紹介したいとの意向から、同地を研修地に選定していただきました。
支署長からは、平成30年当時、隣接する十勝東部森林管理署で大型機械による地拵とコンテナ苗植栽に係る現地検討会を開催した際、民有林関係者から大雨による表土流出の懸念など懐疑的な意見が出ていたことなどを紹介しました。
森林室関係者からは「失敗を恐れずに挑戦した結果、成功に至った現地です。」と研修生に説明していただき、研修生の皆様は当時の試行錯誤の取組に耳を傾けながら、造林地を観察していました。
研修生からは「カラマツの下刈り省略の可能性」、「大型機械地拵可能な傾斜角度」、「笹剥ぎ後の表土流出」についての質問や意見があり、支署の担当者が丁寧に説明しました。
十勝総合振興局森林室の技術研修会の様子
二度の説明会を通じ、事業体からはコスト面や安全対策、研修生からはカラマツ樹種での成果を期待する声が寄せられました。
担い手不足が深刻化する中、民有林と国有林での仕様類型化による機械化推進、造林仕様の情報提供、第二試験地の設定など、関係者との情報交換を継続し、「新しい林業」の普及・定着を目指します。
(主任事務管理官)
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