帯広農業高等学校(森林科学科)職場体験実習
【十勝西部森林管理署】
帯広農業高等学校(森林科学科)では勤労観を育成する目的で、地域企業の協力のもと3日間の職場体験実習を行っています。
十勝西部森林管理署では、森林・林業、森林管理署の業務について知っていただける貴重な機会ですので、毎年、学校からの依頼を受けています。
今年度は、7月16日(水曜日)~7月18日(金曜日)の3日間に実習を行いました。
1日目(7月16日)
初日の午前中は、林野庁の組織、十勝西部森林管理署で行っている業務、実習に関する安全指導等の説明後、清水町にあるトムラウシ沢林道の工事現場へ移動し、林道ができるまでの流れや監督職員の業務、検査職員の業務などについて担当者から説明を行いました。
現場は、平成28年の台風10号による記録的な大雨により、十勝管内の複数河川において土石流が発生し、立木を伴いながら、下流へ流出する被害が発生しました。
現在は、工事被害発生当時に比べ復旧工事が進んでいるため爪痕はあまり残っていませんでした。
工事現場についての説明
午後からは林道災害速報野帳の作成を行いました。iPhoneのライダースキャナ機能を活用して被害が発生した場所の撮影をし、帰署後の野帳作成の時に使いました。
また、これまでのやり方の測量と比べてどちらが早く終わるか新しい林業について学ぶことができたと思います。そのあと現場から帰署し野帳作成の続きを行いました。
ライダー機能を使っての撮影
これまでの測量を実戦中
帰署後の野帳作成の続き
2日目(7月17日)
2日目は、最初に中札内村の製品生産事業の現場へ移動し、立木の伐倒から採材まで1台でこなす高性能林業機械「ハーベスタ」による作業及び集材を行なう「フォワーダ」への積込み、山土場で丸太の本数や直径・品質を確認する検知業務など、一連の作業を見学しました。
丸太の検知について熱心に聞き入る生徒
ハーベスタの伐倒から造材までの見学
その後、大樹町の下刈りを実施した国有林において、刈幅の計測及び損傷本数の確認等の検査業務を行っていただきました。
生徒たちは、学校の授業の下刈実習とは違う、傾斜がある中での下刈を行っていることに対して見え方が広がり、仕事のイメージができたと思います。
下刈後の検査業務の体験
午後からは、大樹町の治山工事を行っている現場へ移動し治山事業について、工事完成までの流れ、監督職員の業務内容などについての説明を担当職員から行いました。
現場では流木捕捉工付き治山ダムのコンクリートを均しているところや、型枠の勾配の検査業務を見学しました。生徒からは事業体に雨天時の対応や工事に使用するものなどについて質問がありました。
その後、無人航空機(UAV)の操作と有視界でのプログラム飛行、撮影した画像の業務における活用等について説明を行いました。生徒はとても興味を示してゲーム感覚で操作していました。
ドローン飛行体験中
工事中の治山ダムについて説明
3日目(7月18日)
最終日、午前中は前日にドローンで撮影した画像を使って3D画像やオルソ画像をマウスで動かしながら地形や林況について確認する作業及び、全天球カメラの撮影画像から蓄積を把握する作業について実際に行っていただきました。
経営・野生動植物についての講義では、計画の基盤となる森林・林業基本計画やシマフクロウの保護増殖の取り組みなどの説明が行われ、その後シマフクロウや天然記念物に指定されている動物のクイズが出されました。
森林官から森林事務所の仕事について説明があり、業務の内容や局と森林管理署と事務所の違いなども詳しく教えていただきました。生徒の中には森林官に興味があるという人もいたので森林官のイメージが膨らんだのではないかと思います。
オルソ画像作成中
森林官からの説明
午後からは、総務グループの仕事について説明しました。給与、休暇、福利厚生について説明された後に電話応対や管理担当の国有林野の貸付・使用地の位置図の作成、文書受付、仮入札などを実際に体験していただきました。
最後に意見交換会ということで署長と今年の帯広農業高等学校からの新規採用職員で生徒たちの質問に答えました。
質問は「業務のことや一人暮らしの事について」、「お金のことについて」、「転勤などについて」など仕事のことからプライベートのことまで様々な質問が上がりました。
盛りだくさんな3日間でしたが暑い中、生徒たちは頑張りました。この体験がこれからの進学、就職を考える際の参考になればと思っています。
仮入札の様子
意見交換会
(業務グループ 小川)
お問合せ先
総務企画部 企画課
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